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軍心順逆第二十

明 · 郭载騋(校) · 第21巻 / 56

作盤ガイド: 大六壬起課, 金口訣起課

兩敵相持要出軍,君臣向背也須明。天罡天陽月建地,河魁天陰太歲平。陽覆陰兮下逆上,陰覆陽兮逆子臣。重陽憂火重陰水,旺相休囚要細分。

両軍相持するの際に兵を発して出戦するに、君臣上下の同心なるか離心なるかも、亦た必ず弄明白にせねばならず。天罡辰是れ天陽、月建是れ地陽。河魁戌是れ天陰、太歳是れ地陰。陽神が陰神の上に覆圧するを陽覆陰と叫び、上に在る者の下に在る者を加害せんと欲するを主る。陰神が陽神の上に覆圧するを陰覆陽と叫び、臣子の君父を背叛するを主る(歌訣の此の両句の上下次序は下文の注解と正に相反す。当に注解を以て準と為すべし)。両陽の相畳するを重陽と叫び、火患を憂慮すべし。両陰の相畳するを重陰と叫び、水災を防備すべし。其の中の吉凶軽重は、還って旺相休囚に按じて仔細に分辨するを得べし。

天罡為天陽,月建為地陽;河魁為天陰,太歲為地陰。若天罡月建或一神臨於河魁或太歲之上為陽覆陰,主君欲害臣,父欲害子,夫欲害妻;若河魁太歲或一神臨於天罡或月建之上,為陰覆陽,主臣欲害君,子欲害父,妻欲害夫。若天罡之加月建,或月建加天罡,為陽覆陽,謂之重陽,主有火驚。若河魁臨太歲,或太歲臨河魁,為陰覆陰,謂之重陰,主有水災。更著旺相休囚,旺相者吉,休囚者凶。

具体に説き来れば、天罡辰は天陽に属し、月建は地陽に属す。河魁戌は天陰に属し、太歳は地陰に属す。天罡或いは月建の此の両位の陽神の一が、河魁或いは太歳の上に加臨すれば、就中陽覆陰と叫び、君主の臣下を加害せんと欲し、父親の兒子を加害せんと欲し、丈夫の妻子を加害せんと欲するを主る。反って、河魁或いは太歳の此の両位の陰神の一が、天罡或いは月建の上に加臨すれば、就中陰覆陽と叫び、臣下の君主を圖謀し、兒子の父親を悖逆し、妻子の丈夫を加害するを主る。若し天罡が月建の上に加わり、或いは月建が天罡の上に加われば、両陽相畳して、之を重陽と叫作し、火災驚扰有るを主る。若し河魁が太歳に臨み、或いは太歳が河魁に臨めば、両陰相畳して、之を重陰と叫作し、水患有るを主る。此の外還って此の几位の旺相休囚を看るを要す。旺相の気を得れば則ち吉、休囚の地に落つれば則ち凶なり。

核審刑害第二十一

卜戰將軍年命占,三刑六害戰難堪。更逢白虎尤當忌,若值干支俱精嚴。三刑六害大凶之神,若值將軍年命上,難以出戰,況又白虎加之乎?加年命已不可,況日干與支乎?凡值此者宜戒之慎之!若年命旺相,刑害休囚,支干上有救,尤可出征。

開戦すべきか否かを占問するは、主将の本命と行年とを看るを要す。此の両処が若し三刑・六害に碰上せば、仗は就中打ち難し。再び白虎の同臨に遇上せば、尤其に当に避忌すべし。万一に日干・日支の上にも亦た一併に撞見せば、那れは就更に須く厳加戒備すべし。此れ是れ三刑六害は本より大凶の神にして、主将の本命行年の上に落つれば、已に出戦すること難し。況んや白虎が又た其の上に加臨するをや。年命の上に加わるも尚且不可なれば、況んや日干日支の此の両処の根本の地に加わるをや。凡そ此の種の課に遇上せば、務須戒懼謹慎すべし。不過也た転圜の機有り。若し主将の年命が当令旺相にして、而も刑害の神が正に休囚無気に処り、日干日支上に又た生救の神有れば、那れは還って是れ出征すべし。

今日戦否第二十二

兩軍相守已經時,今辰憂戰始占之。勾陳剋日刑並克,不克無利各護持。大小吉居支干上,兩軍俱解固疆圍。經云:“戰不戰,視勾陳。”勾陳與臨方上下相刑相剋必戰,相生和解,各守疆圍。

両軍の対峙すること已に些かの時日有り、今天は否や戦を開くを憂心して、于是に課を起して占問す。占法は勾陳を看る。勾陳が若し日干を克し、或いは日干と互相刑克せば、今日必ず一戦有り。若し相克せざれば、則ち彼此皆便宜を得る無く、各自に守護するのみ。若し大吉丑・小吉未の両位が日干日支の上に落つれば、両軍皆兵を罷め、各自に疆界を固守す。故に経上に曰く:打つか打たざるかは、勾陳を看よ。勾陳と其の臨む所の地盤の宮とが上下相刑相克せば、必定に開戦す。上下若し相生せば、那れは和解して、各々其の辺界を守る。

若勾陳乘神或地盤刑剋害日辰,更凶。假令戊子返吟,勾陳乘酉臨卯地,卯刑子,是勾陳刑支也;卯又克戊土,是勾之地盤剋日也。丙辰日伏吟,晝將勾陳臨卯,卯克辰,又辰卯相害,是為勾陳刑害也。幾值此等,戰必大凶,不可輕出。《兵機總要》並諸書只言克刑日有,並不及地盤,恐失略,故錄之耳。

勾陳の乗ずる所の神、或いは勾陳の落つる所の地盤の宮が、若し日干日支を刑克し或いは傷害せば、那れは就更に凶なり。例を挙げて説かば、戊子日に返吟課を得て、勾陳は天盤酉に乗りて地盤卯宮に落つ。卯は子を刑す。此れ是れ勾陳の日支を刑したるなり。卯木は又た戊土を克す。此れ是れ勾陳の地盤の宮の日干を克したるなり。再び丙辰日の如く伏吟課を得て、昼将を用いて貴を起し、勾陳は卯宮に落つ。卯は辰土を克し、辰卯は又た互いに六害と為る。此れ就是れ勾陳の既に刑し且つ害するなり。凡そ此の几種の格局に遇上せば、交戦は必定に大凶にして、軽易に兵を出すべからず。《兵機総要》と其他の各家とは只勾陳の乗ずる所の神の日干を刑克するを講じて、其の落つる所の地盤を講ずるに到らず。恐怕は疎略に失せん。故に此処に於て補録して下す。

若大吉、小吉居支干之上,兩家俱不欲戰。《軍帳賦》云:“兩兵相加,勾陳是的。勾陳制日,兩家合戰以爭雄;井斗來臨,彼此收戈而息怒。”也。

若し大吉丑と小吉未とが日干日支の上に落つれば、両辺皆打つを想わず。《軍帳賦》に曰く:両軍の相持は、勾陳を看るが最も准なり。勾陳が日干を制住せば、両家は便ち合戦して雄を争うを要す。南斗・東井の此の両位の吉宿の神の来临あれば、彼此就中干戈を收起し怒気を平息す。丑は南斗に対応し、未は東井に対応す。故に大小の二吉が日辰に臨めば、便ち双方の兵を罷むるを主る。

決定戦守第二十三

承命興師鎮玉關,未知戰守孰為先。斗罡加孟宜堅守,加仲相傷彼此殘。攻他得勝須臨季,識此安邊反掌間。

命を奉じて兵を起して辺関を鎮守するに、該に先に戦うべきか先に守るべきかを知らず。占法は斗柄天罡の何処に加わるかを看る。寅申巳亥の四孟の宮に加われば、堅守して出でざるに宜し。子午卯酉の四仲の宮に加われば、交戦すれば両敗倶傷す。辰戌丑未の四季の宮に加われば、出撃すれば以て勝を獲るべし。此の一条を懂得すれば、辺疆を安定するは翻掌の如く容易なり。

陳兵關塞,未知戰守孰吉,即以天罡所加定之。若加孟宜堅守,如強戰,兩家俱凶。《靈轄經》云“斗加孟神,在內宜守。加仲在門,戰必兩傷。加季在外,出兵大捷。”此利為客者也。假令丁丑日返吟,大吉臨日,小吉臨辰,主兩軍和解,天罡臨戌是季,宜出兵大勝。《金匱》“對敵當視天罡,加孟可休士卒,加仲兩傷,加季大勝也。”

関塞に兵を陳ぶるの際、戦と守と何れの一様が吉利なるかを知らざれば、就以て天罡の加わる所の宮に依りて決定す。天罡が四孟に加われば、堅守に宜し。若し勉強に出戦せば、両家皆凶なり。《霊轄経》に曰く:斗柄が孟神の位に加われば、兵は尚お内に在り、守るに宜し。仲位に加われば、兵は已に門戸に当たり、戦えば必ず両傷す。季位に加われば、兵は已に外に在り、兵を出せば大捷す。此の套の説法は客方・也就是れ主動的に出撃するの一方に対して利有り。例を挙げて説かば、丁丑日に返吟課を得て、大吉丑は日干に臨み小吉未は日支に臨めば、両軍の和解を主る。而して天罡は戌宮に落つ。戌は四季に属し、仍お兵を出すに宜しく、大勝を獲るべし。《金匱》も亦た曰く:敵に対すれば当に天罡を看るべし。孟に加われば士卒を休整せしめ、仲に加われば則ち両敗倶傷し、季に加われば則ち大勝全獲す。

主客勝負第二十四

勝負支干主客分,辰刑日上主贏賓。干克支上利為客,日上乘凶利主人。不戰則已,占則主客勝負未有不先定者。干在上,為外為客;支在下,為內為主。假如利為客,我多張旗幟,鼓角高鳴而先行。如不利為客,則宜掩旗靜鼓以為之,使彼先動,我後應之。此變動之道也,為主亦然。

勝負は日干日支に靠りて主と客とを分出するを要す。日支上神が日干上神を刑克すれば、主方は客方に贏ち過ぐ。日干上神が日支上神を克すれば、則ち客を作して先に動くに利あり。日干上に凶将を乗ずれば、反って主方に対して利有り。打たざれば則ち罷め、一旦課を起して戦を占えば、先ず主客を定めざる無し。日干は上に在り、外に属し、客と為る。日支は下に在り、内に属し、主と為る。假如課象が客を作るに利あれば、我方は多く旗幟を張り鼓角を齊鳴らして、先を搶して出動す。假如客を作るに不利なれば、就中当に旗を偃め鼓を息め兵を按じて動かず、対方を引きて先に動かしめ、我は随後に応戦すべし。此れ是れ課象に随いて変通するの道理にして、主方を作る時も亦た此れに照らして弁理す。

太平之世,出師征討不庭,以先動者為主,所征者為客。若陳兵原野,與敵對壘,以先動者為客,後應者為主,此真秘法也,然卒不能以支干為定。

天下太平の時、朝廷が兵を発して来りて朝覲せざる方国を征討するは、先に兵を動かすの一方を以て主と為し、討伐せらるるの一方を客と為す。若し是れ両軍が原野に兵を陳べ彼此対壘すれば、那れは就中反って、先に手を動かす是れ客、後に応戦する是れ主なり。此れ才に是れ真正の秘訣なり。見る可く主客の分は実際の情勢を看るを要し、終竟に能く死死と日干は客に属し日支は主に属すと按じて定むべからず。

辰上辰剋日上神,或辰剋日亦是;日上神克辰上神,或日克辰上神亦是。如甲午日丑加午,此害氣臨辰,客勝。《兵帳賦》云:“損支主敗,傷干客輸。”又以日陽為客大將,日陰為客參將,辰陽為主大將,辰陰為主參將,觀其生克以定勝負。

判断の準則は、日支上神が日干上神を克するを算して主方の勝と為し、日支本身が日干を克するも亦た算す。日干上神が日支上神を克するを算して客方の勝と為し、日干が日支上神を克するも亦た算す。譬如甲午日に丑を以て午に加えれば、丑午は相害し、此の股の害気は日支の上に臨み、就是れ客方の得勝なり。《兵帳賦》に曰く:日支が損を受ければ、主方敗る。日干が傷を受ければ、客方輸す。此の外還って四位に細分すべし。日の陽神是れ客方の大将、日の陰神是れ客方の参将、辰の陽神是れ主方の大将、辰の陰神是れ主方の参将。其れらの彼此生克を看れば、便能く勝負の帰属を定出す。

范蠡曰:“重審,下賊上,主勝;元首,上克下,客勝。”日上乘凶者,日上見凶將也,日上見凶將則客凶,辰上見凶將主凶。日上凶,辰上吉,主人利;辰上凶,日上吉,客克。日辰俱凶,主客俱凶。日辰俱吉,主客俱吉。

范蠡に曰く:重審課是れ下神の賊が上神を克し、主方勝つ。元首課是れ上神が下神を克し、客方勝つ。歌訣の所謂「日上に凶を乗ず」とは、日干上に凶将を見るを指す。日干上に凶将を見れば、客方は凶を受く。日支上に凶将を見れば、主方は凶を受く。故に日干上凶にして日支上吉なれば、利は主方に在り。日支上凶にして日干上吉なれば、客方は優を占む。日干日支の両処皆凶将を見れば、主客皆不吉なり。両処皆吉将を見れば、主客皆平安なり。

日辰分主客,自是古式,《玄黃一秤金》不以日辰分,專以先起為客,後起為主。假如我先起兵,則干屬我,支屬他,我客他主,傷干我敗,傷支他敗。如他先起兵,則干屬他為客,支屬我為主,傷干他凡,傷支我敗。

日干日支を用いて主客を分つは、本是れ古法なり。《玄黄一秤金》は却て此の様に分たず、専ら先に兵を発するの一方を以て客と為し、後に応戦するの一方を主と為す。譬如我方が先に兵を起せば、那れ么日干は我に帰し日支は他に帰し、我是れ客にして他是れ主なり。日干が傷を受くる是れ我敗れ、日支が傷を受くる是れ他敗る。反って、若し他先に兵を起せば、日干は就中他に帰して客を作し、日支は我に帰して主を作す。日干が傷を受くる是れ他敗れ(原刻の「他凡」は当に「他敗」と作るべし)、日支が傷を受くれば則ち是れ我敗る。

又大將取勝,先要知背孤擊虛之法,萬人以上用年孤虛,千人以上用月孤虛,百人以上用日孤虛,十人以上用時孤虛。年孤者,太歲之後一辰也,對宮為虛,日月時亦如之。太公曰:“行軍知法,能知孤虛,一女能敵十夫。”

此の外、大将が勝を取らんと欲するは、先得て孤を背にし虚を撃つの弁法を懂得せねばならず。兵力は万人以上は、年孤虚を用い、千人以上は、月孤虚を用い、百人以上は、日孤虚を用い、十人以上は、時孤虚を用う。所謂年孤とは、是れ太歳の後の其の一辰にして、其れと相対する宮位就是れ年虚なり。月・日・時の孤虚も亦た此の弁法に照らして推す。兵を用うる時は孤位を背に靠し虚位を攻撃せば、便ち地利を得る。太公に曰く:行軍に若し此の套の法度を懂得し、能く孤虚の在所を辨清せば、一個の女子も亦た十条の壮漢に抵当するを得べし。

勾將克方為主勝,客贏方反克勾陳。用空為客須亡眾,賊勝緣初克未神。《神定經》云:“主客勝負詳勾陳。勾陳克所臨之方則主勝,所臨之方剋制勾陳則客勝。”臨方,謂地盤。如此則又不論日辰矣。

勾陳の乗ずる所の神が其の臨む所の方位を克制すれば、主方勝つ。反って、臨む所の方位が勾陳を克制すれば、客方贏つ。発用が空亡に逢えば、客方は必ず兵を損じ将を折る。敵人の能く勝つ所以は、是れ初伝の末伝を克したるに因る。《神定経》に曰く:主客の勝負は細かに勾陳を看るを要す。勾陳が其の臨む所の方を克すれば、主方勝つ。臨む所の方が勾陳を克制すれば、客方勝つ。此処の「臨方」は地盤の宮を指す。此の説法に照らせば、勝負を判断するは便ち再び日干日支を論ぜず。

古法以用神為客為士卒,空亡則主士卒逃亡失散。初克末賊勝者,初中為外為客,未傳為內為主,克末故賊勝。如我入敵境,則宜初中制末;敵來侵我,則宜未制初、中。

古法は発用の神を把りて客方と看作し、亦た士卒と看作す。発用が一旦空亡に落進めば、就中士卒の逃亡潰散を主る。至るか「初伝が末伝を克すれば則ち敵勝つ」は、是れ初伝・中伝が外に属し、客方を代表し、末伝は内に属し、主方を代表するが故なり。初伝が末伝を克するは、外の内を克するに等し。故に敵人は勝を得る。此れに由りて推開すれば、我方が敵境に深入して作戦する時は、初伝中伝の末伝を制住するを取るに宜しく、敵人が来りて我を侵犯する時は、則ち末伝の初伝と中伝とを制住するを取るに宜し。

華虜詳推刑德準,命年制虎武勾陳。又宜勾將克遊武,賊位神宜勾將侵。勾將若臨賊位上,貴宜遙制下乘神。占初貴六青常吉,八將俱凶各有論。

中原と外族とが交兵するに、勝負は日德と三刑とに按じて仔細に推詳するを要す。主将の本命・行年が若し能く白虎・玄武・勾陳の此の三神を制住せば、便是れ吉兆なり。此の外も亦た勾陳の乗ずる所の神の游都と玄武とを克し去るに宜しく、敵人の居る所の方位上の神も、同様に当に勾陳に由りて侵克すべし。倘若勾陳が反って敵方位上に落つれば、就中天乙貴人に靠りて遠处より勾陳の下の乗ずる所の神を制住するを要す。戦を占うに初伝が貴人・六合・青龍・太常の四将を得るを吉と為し、其余の八将は皆凶神に属し、各々其の応験有り。

若中國與夷虜交兵,又以刑德推勝負。德克刑中國勝,刑剋德夷虜勝。德是日德,刑是三刑,又詳德所臨之地方生克否。

若し中原と外族とが交兵するに、別に一層有りて刑德に按じて勝負を推すを要す。日德が三刑を克すれば、中原の一方勝つ。三刑が日德を克すれば、外族の一方勝つ。此処の「徳」は日德を指し、「刑」は三刑を指す。両者の相克を看るを除く之外、還って日德の臨む所の其の一塊の地盤の宮と其れとが相生するか相克するかを細察するを要す。

命年,主將本命、行年也。若白虎、玄武、勾陳三神乘神被主將命上神或刑之,或害之,或克之,利為客勝。六處但有制遊玄之神,俱我勝。假令主將本命乙丑,壬戌日伏吟課,晝貴巳逆行,白虎臨戌,本命丑刑戌,此是主將本命制白虎,用兵大勝。

所謂「命年」とは、主将の本命と行年とを指す。白虎・玄武・勾陳の此の三位の乗ずる所の神が、若し主将本命上神に或いは刑し或いは害し或いは克せられれば、就中客方を作るに利あり、客方の取勝を主る。凡そ日干・日支・本命・行年・三伝・正時の此の六処は、只要一処でも游都と玄武とを制住する能くする神を出現せば、皆我方の獲勝を主る。例を挙げて説かば、主将の本命是れ乙丑、壬戌日に起して伏吟課を得て、昼貴を用いて巳に起りて逆行して将を布けば、白虎は戌宮に落つ。本命の丑は正好戌を刑す。此れ就是れ主将本命の白虎を制住するにして、兵を出せば大勝を獲るべし。

或主將年命不制虎武勾三神,又要勾陳剋制游都並玄武所臨之地盤。假令癸巳日,晝貴巳臨申逆行,勾陳丑臨辰,游都臨玄武亦臨亥,此勾臨方克游都臨方,出兵大勝。

倘若主将の年命が白虎・玄武・勾陳の此の三神を制住する能わざれば、那れは就中一歩退いて、勾陳の能く游都と玄武の落つる所の地盤の宮とを克制するを要求す。例を挙げて説かば、癸巳日に課を起し、昼貴は巳に起りて申に臨み逆行して将を布けば、勾陳は天盤丑に随いて地盤辰宮に落ち、游都と玄武とは皆亥宮に落つ。辰土は能く亥水を克す。此れ就是れ勾陳の臨む所の方の游都の臨む所の方を克住したるにして、兵を出せば大勝を獲るべし。

范蠡曰:“勾陳為主將,玄武為客將,旺相者勝,囚死者負。勾克武,主勝;武克勾,客勝。”賊位,賊所居之方位也,其位宜勾陳乘神克之。假令甲子日干上午,辰作玄臨子,陰貴乘未臨卯順行,亥作勾陳臨未,克賊方之子水,此勾克賊方神也,出兵大勝,此只論地盤即知之矣。

范蠡に曰く:勾陳は主方の将を代表し、玄武は客方の将を代表す。当令旺相するの一方勝ち、囚死の地に処るの一方負く。勾陳が玄武を克すれば主方勝ち、玄武が勾陳を克すれば客方勝つ。所謂「賊位」とは、就是れ敵人の據る所の方位にして、此の方位は最も好く勾陳の一方に由りて其れを克すべし。例を挙げて説かば、甲子日に課を起し、日干上神是れ午、天盤辰上に玄武を乗じて子宮に落ち、陰貴を用いて未に乗り卯に臨み順行して将を布けば、天盤亥上に勾陳を乗じて地盤未宮に落つ。未土は正に能く敵方の據る所の子水を克住す。此れ就是れ勾陳の賊方の神を克住するにして、兵を出せば大勝す。此の一層は単に地盤の生克を看て便ち判明すべし。

若勾陳臨賊位上,天乙不拘立於何地,但要乘神剋制勾陳之地者,吉。如丙申日干上寅,夜貴酉臨子,賊在卯方;主將行年在巳,日干丙加申,是日刑辰又克辰。行年巳上見寅,白虎乘辰加未,是主將行年上寅克白虎所乘辰土也。勾陳乘大吉,是行年上神克勾陳也;賊方卯上見子,是勾將克賊位神也,利為客先舉者勝。

倘若勾陳が反って敵人の居る所の方位上に落つれば、此の時天乙貴人は何れの一宮に立つとも皆要紧ならず。只要有りて天将の乗ずる所の神の能く勾陳の在所の地を克住せば、便是れ吉課なり。例を挙げて説かば、丙申日に課を起し、日干上神是れ寅、夜貴を用いて酉に起りて子に臨み、敵人は卯方に在り、主将の行年は巳に在り。丙は巳に寄りて日干は申上に加わり、日支に対して既に刑し且つ克す。行年巳宮上に天盤寅を見、白虎は天盤辰に乗りて未宮に落ち、行年上の寅木は正に白虎の乗ずる所の辰土を克す。勾陳は大吉丑に乗り、も亦た行年上神に克せらる。再び敵方の在所の卯宮を看れば、上面に天盤子を見る。此れ便ち是れ勾陳の一方の賊位の神を克住したるなり。此の数条を合すれば、客を作るに利あり、先に兵を挙ぐるの一方は勝を得る。

《靈匣經》云:“主將行年克勾虎大勝,不然勾克玄亦勝。勾陳所居之神能制所攻之神,必勝。所攻之神與勾陳並,賊勝。天乙乘神能制勾陳乘神,是為敵降。”如乙未日反吟,賊居寅地,陽貴子臨午逆行。勾陳乘申臨寅立賊方,天乙在午,能制賊方勾陳之申金,出兵亦勝。

《霊匣経》に曰く:主将の行年が能く勾陳と白虎とを克せば、大勝す。否ならば勾陳の能く玄武を克するも、亦た勝を得ると算す。勾陳の居る所の神が能く我方の攻め打たんと要する其の一位の神を制住せば、必ず勝つ。之に反して、攻め打たんと要する神と勾陳とが同じく一位に処れば、敵人勝つ。天乙貴人の乗ずる所の神が能く勾陳の乗ずる所の神を制住せば、則ち敵人の来りて降るを主る。例を挙げて説かば、乙未日に反吟課を得て、敵人は寅地に據り、陽貴を用いて子に起りて午に臨み逆行して将を布けば、勾陳は天盤申に乗りて地盤寅宮に落ち、正に敵方に立つ。天乙は午に在り、午火は能く敵方の勾陳の乗ずる所の申金を制住す。此の様にして兵を出すも亦た能く勝を取る。

占,占戰也;初,初傳也。凡占戰鬥,初傳得天乙、六合、青龍、太常,大利。《集靈經》云:“用見天乙,出兵大捷,拓地千里。見六合,得賊玉帛子女。見青龍,得賊營寨、府庫、錢財。太常,得賊衣服、緞帛、旗幟,大勝。”《金匱經》云:“天乙臨大將行年,或在有氣之鄉,玄武臨死囚之地,大勝。”

歌訣裡の「占」とは、戦事を占問するを指す。「初」とは、初伝を指す。凡そ戦闘を占うに、初伝が天乙・六合・青龍・太常の此の四位の吉将を得れば、皆大いに有利なり。《集霊経》に曰く:発用に天乙を見れば、兵を出して大捷し、以て千里の疆土を開拓すべし。六合を見れば、敵方の財帛と人口とを獲得すること能わし。青龍を見れば、敵方の営寨・府庫と銭財とを奪取すること能わし。太常を見れば、敵方の衣服・緞帛と旗幟とを繳獲すること能わし、大勝全獲す。《金匱経》に曰く:天乙貴人が主将の行年の上に臨み、或いは当令有気の宮位に落ち、同時に玄武が死囚無気の地に落つれば、出戦大勝す。

八將者,蛇、雀、勾、空、虎、武、陰、後也,此八將俱為凶神,各有論,各有主也。《集靈經》曰:“用見螣蛇,驚恐傷損。見朱雀,士卒作亂,妄作口舌。見勾陳,戰傷被擒。見天空,士卒欺詐。見白虎,士卒死亡疾病。見玄武,戰敗,軍中多遺失偷盜。見太陰,士卒怯弱,私匿隱藏。見天后不戰自敗,將亦無權。”《金匱經》曰:“玄武臨日辰,遙克時上辰者,勿與戰。”

所謂八将とは、是れ螣蛇・朱雀・勾陳・天空・白虎・玄武・太陰・天后の此の八位にして、皆凶神に属し、各々其の説法と主応と有り。《集霊経》に曰く:発用に螣蛇を見れば、軍中に驚恐し人馬傷損す。朱雀を見れば、士卒譁変し平白に口舌是非を生出す。勾陳を見れば、戦陣に負傷して甚至被擒す。天空を見れば、士卒虚詐不実なり。白虎を見れば、士卒死亡疾病す。玄武を見れば、戦事失利し軍中に遺失偷盗多し。太陰を見れば、士卒怯弱にして私自ら藏匿逃避す。天后を見れば、戦わずして自ら敗れ、主将も亦た権柄を失う。《金匱経》に曰く:玄武が日干日支の上に臨み、又た遠处より占時の其の一辰を克制するは、敵と交戦すべからず。

日上孤雄子孫勝,干支切忌父官臨。財神六處相逢惡,尤畏害刑白虎凶。日上,日干上也。子孫,干所生之神。子孫能制鬼,故日上有子孫者勝。如甲辰日,干上午,辰上申,申為甲鬼,被甲上午火克之,賊雖強不能為害。

日干上に孤雄或いは子孫の神を得れば、勝を取るを主る。日干日支上は則ち切に父母爻と官鬼爻との加臨を忌むべし。財爻が若し六処の中に於て相逢すれば、亦た是れ悪兆なり。尤其に六害・三刑と白虎との同来を怕る。那れは就更に凶なり。此処の「日上」は日干の上を指す。「子孫」は日干の生ずる所の其の一神を指す。子孫は能く官鬼を制伏す。故に日干上に子孫有るの一方は勝を取る。譬如甲辰日は、日干上神是れ午、日支上神是れ申。申金是れ甲木の官鬼にして、却て日干上の午火に克住せらる。敵人再び強しとも我を傷害する能わず。

孤雄,亦名戰雄,戰雄臨日客勝,臨辰主勝;對沖為戰雌,臨日客敗,臨辰主敗。大將知此,當得坐雄擊雌之法。生干者父母,剋日者官鬼,課取子孫制鬼,若見父母爻,則克子孫矣,烏能制鬼哉?故與官鬼並忌之。如六處無鬼,支干上見子孫,則為脫神。

孤雄は又た戦雄と叫ぶ。其れ日干に臨めば、客方勝つ。日支に臨めば、主方勝つ。戦雄と相冲する其の一位を戦雌と叫び、日干に臨めば則ち客敗れ、日支に臨めば則ち主敗る。主将が此の一層を明白せば、便ち雄位に坐守し雌位を攻撃するの用兵の法を懂得す。日干を生ずる是れ父母爻、日干を克する是れ官鬼爻。戦を占うに既に子孫を取りて官鬼を制せんと要するに、課中に若し父母爻を出現せば、父母は子孫を克し、子孫は自身難保なり。何処にか還って能く官鬼を制せんや。故に父母と官鬼とは要同に回避すべし。別の一种の情形。六処の中に本来鬼無きに、日干日支上に却て子孫を出現せば、那れ子孫は便ち徒然に気を泄る脱神と成りて、反って無用なり。

財,日之所克神也,能生鬼,故六處亦忌之。六處,謂日、辰、年、命、三傳、正時六處。若此六處無鬼,亦不忌財。課傳全財,賊神又旺相得地,占賊已到邊境。將星乘子孫克遊玄或賊方之神者,吉。將星,驛馬後二位是。

財爻とは、是れ日干の克する所の其の一神なり。財は能く官鬼を生ず。故に六処に其れを見るも亦た忌むを要す。所謂六処とは、日干・日支・本命・行年・三伝・正時の此の六個の位置を指す。此の六処に若し本来官鬼無ければ、那れ財爻も亦た忌むに及ばず。倘若四課三伝全是れ財爻にして、敵人を代表する神が又た当令旺相・各々其の地を得れば、敵軍の已に辺境に開到せりと断ずべし。反って、将星上に若し子孫を乗ずれば、能く游都・玄武或いは敵方の在所の神を克住す。便是れ吉兆なり。此処に説く将星とは、驛馬の後の第二位を指す。

六害、三刑並白虎,更不宜六處見之,日辰年命逢此三神,其凶更甚。如午日丑加午,此害氣臨辰,客勝。假令主將本命甲子,但逢甲、逢子年月日時,俱是伏吟,逢庚午為反吟,逢卯是三刑,未是六害,遇此勿出兵臨敵。又如主將年命在子,六甲日反吟,陽貴丑臨未逆行,白虎臨子,此白虎臨主將之命,又辰臨子,天罡克主將之命,俱不可戰。

六害・三刑は白虎に連ねて、六処の中に更に見るに宜しからず。日干・日支・本命・行年が若し此の三様に碰上せば、凶険は尤其に厳重なり。譬如午日に丑を以て午に加えれば、丑午相害し、此の股の害気は日支の上に臨み、客方は勝を得る。再び例を挙げて説かば、主将の本命是れ甲子、凡そ天干を甲と為し地支を子と為すの年月日時に遇れば、課を起す皆伏吟と成る。庚午に遇れば則ち反吟と成る。卯に遇えば、卯子相刑す。未に遇えば、子未相害す。此れらの日子に撞上せば、兵を出して敵に臨む勿れ。又た主将の年命が子に在るが如く、六甲日の反吟課に逢い、陽貴を用いて丑に起りて未に臨み逆行して将を布けば、白虎は子宮に落つ。此れ就是れ白虎の主将本命の上に圧するなり。同時に天盤辰も亦た子に臨み、天罡は主将本命を克住す。此の両種の情形は皆開戦すべからず。

《心鏡》云:“六害來加年命上,此時攻戰自遭刑。白虎若並凶更甚,日辰遙克切須明。”年命上忌魁、罡、螣蛇。凡言年命,皆指主將而言。害,六害也,子未、丑午之類。

《心鏡》に曰く:六害が本命行年の上に加臨するは、此の時貿然に攻戦せば、自己反って刑傷を受くるを要す。白虎が若し再び其れと同臨せば、凶険更甚なり。日干日支の間に遥克の有無も、亦た務めて分明に看るべし。此の外、本命行年の上は還って河魁・天罡と螣蛇とを忌む。凡そ書中に年命を提到するは、指す所皆是れ主将一人の本命と行年なり。所謂「害」とは、就是れ六害にして、子と未と相害し丑と午と相害するの類の如きなり。

獄寇炎從並九丑,二煩網禍有災臻。生孤建旺罡雄相,主將宜居擊對辰。

天獄・天寇・炎上・従革は九丑に連ね、再び天煩地煩・天網と天禍とを加え、此の九种の課体は只要其の一様を占得すれば、兵を興せば便ち災禍頭に臨む。反って、生気・空亡・月建・四時旺気・天罡・戦雄・四時相気の此の七位は、是れ主将の当に占拠すべき方位にして、其れらを占住して各自の対宮を攻打すれば、便能く勝を取る。

獄,天獄也。初傳囚死,罡加日本,日之長生,墓加同類,仰邱俯仇,邱即墓也,為天獄卦;傳中更值災劫刑害,災,災煞;劫,劫煞;刑,三刑;害,六害,其凶更甚。

「獄」は天獄課を指す。其の構成は、初伝が囚死の地に落ち、天罡辰が日干の長生の位の上に加臨し、墓神が又た日干と同類の支の上に加わりて、上は其の墓を仰ぎ下は其の仇を俯するの格局を形成し、「邱」就是れ墓なり。此の様にして便ち天獄卦と成る。三伝の中に若し再び災煞・劫煞・三刑・六害に遇上せば、凶険は就更に深重なり。

此課惟甲乙日辰加亥,為罡加日本;未加寅,為墓加同類,未為木墓,寅為甲乙之同類;又為仰邱俯仇,寅上見未為仰邱,未為寅克為俯仇,的為天獄卦。庚辛日罡加巳,丑加寅亦是,巳為庚辛之本,丑為金墓,寅上見丑為仰邱,丑被寅克為俯仇,但罡不克日本,墓不加同類,為禍稍輕。六甲、六乙、六辛、六庚,凡二十四日,共有二十四課;餘雖有罡加日本,卻無墓加同類、仰邱俯仇,俱非此例。

此の一課は只有几種の情形こそ算数す。甲日乙日は、天罡辰を亥の上に加えれば、亥是れ甲乙の木の長生にして、此れ便ち是れ「罡は日本に加わる」なり。同時に未を寅の上に加えれば、未是れ木の墓庫にして、寅は又た甲乙と同じく木に属す。此れ便ち是れ「墓は同類に加わる」なり。寅宮上に未を頂くを仰邱と叫び、未は又た寅に克せらるるを俯仇と叫ぶ。此の如くしてこそ的确に是れ天獄卦なり。庚日辛日は、天罡を巳の上に加え丑を寅の上に加えるも、亦た算す。巳是れ庚辛の金の長生、丑是れ金の墓庫にして、寅上に丑を見るを仰邱と為し、丑は寅木に克せらるるを俯仇と為す。不過此の一种は天罡は并びて日干の長生を克せず、墓も亦た同類の上に加わるに非ず。禍と為すこと稍々軽し。六甲・六乙・六庚・六辛は合計二十四日にして、共に二十四課を成す。其余の各日は雖も亦た天罡が長生に加わるの格局を出現する可能あれども、却て墓の同類に加わる・仰邱俯仇の此の几条を湊斉すること能わず。皆天獄の例に属せず。

寇,天寇也。太陰加於分至,春分、秋分、冬至、夏至前一日之支,為天寇卦。炎,炎上課,三傳寅午戌。從,從革課,三傳巳酉丑。《克應經》云:“炎上防火炎,天將或地盤見水為有救。從革防戰鬥,天將或地盤見火為救。金日遇炎上,木日遇從革,尤凶。”

「寇」は天寇課を指す。太陰が二分二至の前一日の属する所の支の上に加臨し、也就是れ春分・秋分・冬至・夏至の此の四個の節気の各自の前一天の日支の上にすれば、便ち天寇卦と成る。「炎」は炎上課を指し、三伝是れ寅午戌の火局。「従」は従革課を指し、三伝是れ巳酉丑の金局。《克応経》に曰く:炎上を占得せば、火災を防ぐを要し、若し天将或いは地盤上に水神を見れば、就中救有り。従革を占得せば、交兵厮杀を防ぐを要し、若し天将或いは地盤上に火神を見れば、就中救有り。金日に炎上を占得し木日に従革を占得すれば、本命の気の克を受くるが因に、尤其に凶険なり。

九丑,亦卦名,謂乙、戊、己、辛、壬五干,臨於子午卯酉四支,此十日為九丑日。此十日內遇大吉加本日干支,又大時、小時二煞加日辰或在傳內,出軍忌之。大時就正月在卯,逆行四仲;小時死囚在月建上是也。

九丑も亦た一個の課名にして、乙・戊・己・辛・壬の此の五個の天干を指し、子・午・卯・酉の此の四個の地支に配し、其の中に合成する十個の日子を九丑日と叫ぶ。此の十日の内に、若し又た大吉丑の本日の日干日支に加臨するに遇い、并びて大時・小時の此の両個の凶煞が日干日支上に加わり或いは三伝の中に落進せば、兵を出せば便ち避忌するを要す。大時の排法は正月は卯に起りて、四仲の位の上に於て逆行す。小時は則ち死囚の気の月建の上に落つる者を取る。

二煩,天煩、地煩也。日宿加四仲,天罡加丑未為天煩卦;月宿加四仲,天罡加丑未,為地煩卦。如日宿月宿加四仲,天罡不臨丑未者,為杜傳。日宿月宿即太陽太陰躔度,俱詳臺曆。網,天網卦,正時並用神俱剋日干,是為天網卦。

「二煩」は天煩と地煩の両課を指す。日宿を子午卯酉の四仲の上に加え、同時に天罡辰を丑或いは未の上に加えれば、天煩卦と成る。月宿を四仲の上に加え、天罡を丑未に加えれば、地煩卦と成る。若し日宿月宿が雖も四仲に加わるも、天罡が却て丑未に臨まざれば、那れは就中煩と叫ばずして杜伝と叫ぶ。所謂日宿月宿とは、就是れ太陽と太陰の躔度の在所にして、具体の度数は皆官頒の暦書の裡に載る。「網」は天網卦を指す。占時の神と発用の神とが皆日干を克すれば、便ち天網と成る。

四立前一日為四絕日,立春、立夏、立秋、立冬前一日,四立之干臨於絕日之干,為天禍。《觀月經》又以絕日之干臨於四立之下為天禍,未知何出。以上九課,舉兵俱凶,故云有災臻,總承上句而言也。

立春・立夏・立秋・立冬の此の四個の節気の各自の前一天を、四絶日と叫ぶ。四立の日の天干寄宮を把りて四絶日の天干寄宮の上に加臨せば、就中天禍卦と成る。《観月経》は却て反って、絶日の天干の四立の天干の下に臨むを以て天禍と為す。此の一説は何れの書に本ずるかを知らず。以上の天獄・天寇・炎上・従革・九丑・天煩・地煩・天網・天禍は共に九种の課にして、兵を起す時に占到すれば皆凶象に属す。故に歌訣に「有灾臻」と説く。此の三個の字は是れ総じて上一句を承けて言うなり。

生,生氣也;孤,空亡也;建,月建也;旺,四時之旺氣也;罡,天罡也;雄,戰雄也;相,四時之相氣也;辰上,七辰所對之宮也。言主將宜居此七神,以擊對宮,大勝。《魯氏占》曰:“背生擊死,背孤擊虛,背建擊破,背旺相擊死囚,背罡擊魁,背雄擊雌,百戰百勝。倘不合此,堅壁待時。”正此之謂。

歌訣の末句裡の字は逐一に解开するを要す。「生」是れ生気、「孤」是れ空亡、「建」是れ月建、「旺」是れ四時の旺気、「罡」是れ天罡、「雄」是れ戦雄、「相」是れ四時の相気。「辰上」は則ち此の七位の各自の対する所の宮位を指す。意思是れ主将は当に此の七神の在所の地を占住し、其れらの対宮に朝向して出撃し、大勝を獲るべし。《魯氏占》に曰く:生気を背に靠して死気を打ち、空亡を背に靠して虚位を打ち、月建を背に靠して月破を打ち、旺相を背に靠して死囚を打ち、天罡を背に靠して河魁を打ち、戦雄を背に靠して戦雌を打つ。此の如くすれば百戦百勝なり。倘若形勢が此の几条に合せざれば、就中堅壁固守して時機を等待せよ。講ずる所正是れ此の道理なり。

課体分主客勝負時

元首忠良先舉宜,逆後重審搴旗知。知一比用須和允,涉害察微要見機。日遙神遙分主客,昂星剛柔各稽遲。伏吟主靜返吟遠,別責八專利出奇。

此れ是れ九宗門課体を用いて主客勝負を分判するの総訣なり。元首課は臣忠子孝を主り、先を搶して兵を挙ぐるに宜し。重審課は下の其の上を凌ぐを主り、後発して人を制し機を待ちて旗を奪うに宜し。知一課は比用の神を取り、敵我の相近きを主り、是れ和解允当の兆なり。渉害課は見機・察微の两种に分かれ、事を弁ずるに遅滞し、須く察明して後に動くべし。遥克課は又た日遥克神と神遥克日とに分かれ、此れに据りて主客を分別す。昴星課は剛日柔日の別有りて、皆稽留遅緩を主る。伏吟課は静守不動を主り、返吟課は事の遠方に在り反復不定を主る。別責課は外援に靠るを要し、八專課は奇を出して勝を制するに宜し。

凡以六壬占兵,先審卦義,詳其吉凶,而定其戰守奇正,然後舉兵。下賊上為用者,卦名元首,主臣忠子孝,聞事皆實;利先舉,未利後動,利為客,不利為主。上克下為用者,卦名重審,主下凌於上,多事不順;此時行兵,利後應,不利先動,利主,不利客。

凡そ六壬を用いて兵事を占問するは、先に課体の義理を審明し、其の中の吉凶を詳辨し、此れに据りて該戦該守・該に正兵を用うべきか還って奇兵かを決定し、然る後に才に兵を発す。下神の賊が上神を克するを以て発用とするは、課名元首にして、臣子の忠孝・聞く所の事皆実情に属するを主る。先を搶して兵を挙ぐるに宜しく、後に動くに宜しからず。客を作るに利あり、主を作るに利なし。上神が下神を克するを以て発用とするは、課名重審にして、下に在る者の上に在る者を凌逼し諸事順わざるを主る。此の時兵を用うるは後発して敵に応ずるに宜しく、先に動くに宜しからず。主を作るに利あり、客を作るに利なし。六壬通例に按ずれば、上の下を克してこそ元首と叫び、下の上を賊してこそ重審と叫ぶ。本書の此処は前面に引く所の范蠡の説と恰好互いに異なる。応に是れ伝写の訛なり。

比用課為用者,卦名知一,比者近也,占人不出邑里,占賊皆在近處;此時行兵,進退孤疑,是和允之兆。涉害課為用者,卦名見機用孟、察徽用仲,主作事稽留,憂患難解;此時行兵,當審其後,察其後而動,否則恐致傷也。

比用の神を取りて発用とするは、課名知一なり。「比」是れ相近の意思にして、人を占えば則ち人は郷里を出でず、賊を占えば則ち賊は皆近処に在り。此の時兵を用うるは、進退容易に遅疑不決し、是れ双方和解允当の徴兆なり。渉害の神を取りて発用とするに、若し四孟の神を取れば見機と叫び、四仲の神を取れば察微と叫ぶ。此の一課は事を弁ずるに拖延し憂患は化解し難きを主る。此の時兵を用うるは、当に後路を審察し、後方の情勢を看清して再び動くべし。否ならば恐怕喫亏受傷せんとす。

遙克為用者,卦名蒿矢,神遙剋日;彈射,日遙克神。射無所中,諸事皆輕;此時行兵,雖凶無畏。蒿矢利主,彈射利客。昴星剛日卦,名虎視,主動,出兵欲動,忌關梁稽滯;柔日卦,名冬蛇掩目,主伏,利於伏藏,若我往攻彼,必潛伏不見。

遥克を取りて発用とするに、若し是れ上神の遠处より日干を克するなれば、課名蒿矢。若し是れ日干の遠处より上神を克するなれば、課名弾射。此の両種は皆箭の目標を射中てざるに似たり、諸事皆軽し。此の時兵を用うるは、縱え凶象有りとも畏るるに足らず。其の中蒿矢は主を作るに利あり、弾射は客を作るに利あり。昴星課は剛日に於ては虎視と叫び、動を主り、兵を出せば躍躍として試せんと欲するの象有り。只関隘橋梁の上に於て阻滯せらるるを忌む。柔日に於ては冬蛇掩目と叫び、伏を主り、潜蔵隠蔽に利あり。若し我方が前往して対方を攻打せば、対方は必定に藏匿して出でず。

伏吟課者,天地相同,諸神各伏其位。剛日伏吟,欲行中止;柔曰伏吟,伏藏不起。此時行兵,關梁杜塞,賊不越境之象。返吟課者,天地相反,諸神各易其所,禍從外來,子逆臣奸之象;此時行兵,事多反覆,尤宜審忌。

伏吟課是れ天盤と地盤とが完全に重合し、諸神は各自本位に伏して動かず。剛日に伏吟を得れば、本想出行せんとするも中途に停下す。柔日に伏吟を得れば、則ち潜伏隠蔵して根本に発動するに起らず。此の時兵を用うるは、是れ関隘橋梁の堵塞せられ、敵人の境を越えて来り犯さざるの象なり。返吟課は則ち天地二盤が完全に相冲し、諸神は各自位置を換え、禍患の外面より来るを主り、兒子悖逆・臣下奸邪の意味有り。此の時兵を用うるは、事情多く反復変卦し、尤其に当に審慎回避すべし。

八專為用者,此課陰陽其處,主客不分,此時行兵,遇敵必戰,要當時旺相為吉,又宜持正。別責為用者,此課借徑而行,倚仗別物;此時行兵,須外助方可,否則怯懦也。

八專を取りて発用とするは、此の一課は陰神陽神が同じく一宮に処り、主客は分け清め難し。此の時兵を用うるは、一旦敵に遇えば必定に交戦し、当令旺相してこそ吉と算し、而且事を行うに務めて正を守り、以て詐を用うべからず。別責を取りて発用とするは、此の一課是れ道を借りて行き他物に依傍してこそ事を成すを得。此の時兵を用うるは、必ず外援の相助有りてこそ手を動かす可し。否ならば就中畏怯軟弱と顕る。

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