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鬼墓課

明 · 郭载騋(校) · 第42巻 / 56

作盤ガイド: 大六壬起課, 金口訣起課

凡日辰墓神及日鬼發用,為鬼墓課。蓋鬼者賊也,陽見陽,陰見陰為鬼。如甲日用申,乙日用酉,丙日用子,丁日用亥,戊日用寅,己日用卯,庚日用午,辛日用巳,壬日用辰戌,癸日用丑未,為鬼也。鬼多主事不美,謀望不成,且災凶及己身。陰鬼星宿神祗,陽鬼公訟是非。

およそ日干・日支の墓神および日干の鬼が発用を充当するを、すなわち「鬼墓課」と呼ぶ。いわゆる鬼とは、すなわち前来りて我を賊害するあの一位で、陽干が陽支に遇いて来りて克し、陰干が陰支に遇いて来りて克するは、みな鬼と算う。たとえば甲日に申を以て発用し、乙日に酉を以て発用し、丙日に子を以て発用し、丁日に亥を以て発用し、戊日に寅を以て発用し、己日に卯を以て発用し、庚日に午を以て発用し、辛日に巳を以て発用し、壬日に辰あるいは戌を以て発用し、癸日に丑あるいは未を以て発用する——これらはみな鬼である。鬼が一たび多ければ、問う所の事は便ち美ならず、謀望は成り難く、しかも災凶は自己の身の上に牽連せんと要す。陰鬼は多く星宿・神祇の一類の祟事に關渉し、陽鬼はすなわち多く官府の訴訟と是非とに關渉す。

墓者,蒙昧也。如甲乙寅卯見未,丙丁巳午見戌,戊己、辰戌丑未、壬癸亥子見辰,庚辛申酉見丑。若用起丑加申、辰加亥、未加寅、戌加巳,為用起四墓格。或甲日未加寅為墓神覆日,主人口災晦;或丁卯日戌加卯為干墓臨支,主宅舍衰廢,為關神尤甚。關神,春丑夏辰秋未冬戌也。

いわゆる墓とは、蒙昧・不明の意を取る。配法は——甲乙と寅卯とは木に属し、墓は未に在り。丙丁と巳午とは火に属し、墓は戌に在り。戊己と辰戌丑未とは土に属し、壬癸と亥子とは水に属し、墓はいずれも辰に在り。庚辛と申酉とは金に属し、墓は丑に在る。もし発用が丑の申に加わる・辰の亥に加わる・未の寅に加わる・戌の巳に加わるのこの幾種の組合より起これば、便ち「用い四墓より起こる格」と呼ぶ。またたとえば甲日に未を以て寅に加えれば、木墓が日干の頭上に蓋えるは、「墓神の日を覆う」と呼び、家口に災殃・晦気あるを主る。丁卯日に戌を以て卯に加えれば、日干の墓が日支の上に圧し到るは、「干墓の支に臨む」と呼び、宅舍の衰敗を主る——この一位がもしまた正に關神なれば、害を為すこといっそう甚だし。關神の起法は春は丑に在り夏は辰に在り秋は未に在り冬は戌に在る。

或壬寅干上辰支上未,為干支乘墓,如人在雲霧中行也,家宅凋弊,凡占皆不亨快。如申加丑、亥加辰、寅加未、巳加戌,為自坐四墓格,乃人自招其禍,身心甘受昏迷,家宅願假與人作踐兌賃,終不能出脫,占病顛狂,行人失路。或甲申日寅加丑、申加未,為干支互換坐墓,乃彼此各招晦滯,不宜兩相投奔。

またたとえば壬寅日に干の上に辰を見支の上に未を見るは、両処ともに墓神に乗る——「干支の墓に乗る」と呼び、人が雲霧の裏を走りて方向を辨えがたきに似て、家宅は凋敝し、何を占うも暢快ならず。もし申の丑に加わる・亥の辰に加わる・寅の未に加わる・巳の戌に加わるのこの幾種を排し成せば、便ち「自ら四墓に坐する格」で、人が自ら禍患を招来し、身心は甘んじて昏迷の中に陥り、家宅に連ねるも情願して他人に糟蹋し租占せしめ、到頭に身を脱する能わず。病を占えば癲狂を主り、行人を占えば迷路を主る。さらにたとえば甲申日に寅を以て丑に加え申を以て未に加えれば、日干と日支とが互相に対方の墓の裏に踏み入る——「干支の互換して墓に坐す」と呼び、両下は各自に晦気・滞塞を招来し、彼此ともに前に往きて投靠するに宜しからず。

蓋鬼主傷殘,墓主閉塞不通、闇昧不振,凡事逢墓則止。此五行受鬼克賊,又加四墓,故名鬼墓。凡人占,鬼入傳及傳墓不吉,非官訟必疾病。辰未為日墓,暗中有明,及夜墓坐日亦吉。丑戌為夜墓,昏昧自甚。日墓坐夜亦然。辰戌墓主剛猛急速,丑未墓主事遲延柔緩。統“困”之體,乃守己待時課也。

総じて言えば、鬼は傷残・損害を主り、墓は閉塞・不通・昏暗・不振を主り、凡事は一たび墓に遇えば便ち停まり住む。この一課は既に五行の鬼の克伐を受くるあり、また四墓を畳ね上ぐるので、名を鬼墓と取る。尋常の人が課を占うに、鬼が三伝に進入するか、あるいは三伝の裏に墓を出現するは、いずれも吉利ならず——官司ならずんばすなわち疾病である。辰と未とは白天の墓と算え、暗中に還って幾分の明亮を透す——夜間の墓が白天に占う所の課の上に坐するも、また吉と算う。丑と戌とは夜間の墓と算え、昏昧はもともと格外に深重で、白天の墓が夜占の課の上に坐するは同じく此のごとし。辰戌の墓は事情の剛猛・急促を主り、丑未の墓は事情の拖延・柔緩を主る。この課は統ねて『周易』の困卦の体に属し、応に自身を固守し静かに時機を候うべき課である。

象曰:“五行克賊,死墓之鄉。人丁多耗,家宅不昌。行人可至,病者如狂。謀為遲滯,捕盜深藏。”如鬼在日上發用,常人占卜事多凶。或內有德神旺氣,求官大利。或辰戌丑未作日鬼為魁罡,占科舉必高中,餘占用神剋日,吉凶相半,事反覆而後成。鬼帶惡殺,多主怪禍,舉動不利。

断辞に曰く、五行は彼此克伐・賊害して、人は死地・墓郷に陥る。家の中の人丁は多く折損あり、宅第は興旺を得ず。出門の人は還って帰り来るを得ると雖も、病を生ずる人は狂躁して癲のごとし。およそ謀劃あればみな遅滞・難行し、盗賊を追捕すればすなわち賊人は蔵るること極めて深し。もし鬼が日干の上に在りて発用を充当すれば、尋常の百姓が占問するは多く半ば凶なれども、けれども課の中にもし徳神と旺気とを含めば、官を求むるは反って大いに利あり。もし辰戌丑未に由りて日鬼を充当せば、あれは便ち魁罡で、科挙を占えば必定に高中す。その余の情形下に発用の神が日干を克するは、吉凶は各々半ばで、事情は一たび反復してこそ成る。鬼がもし悪煞を帯びれば、多く怪異の禍を主り、およそ挙動あればみな順利ならず。

若寅加酉、巳加子、申加卯、亥加午為用,乃傳墓入墓,自明投暗,如人下井,一腳深於一腳,健人必病,病人必死。或未加亥、戌加寅、丑加巳、辰加申用,墓加長生,舊事再發,訟斷了又論,病痊了又作,事許了又悔,人喜了又怒,仇和了又怨。

もし寅を以て酉に加え、巳を以て子に加え、申を以て卯に加え、亥を以て午に加えて発用を充当せば、あれは一重の墓より伝じて別の一重の墓に進み、明処より暗処に投向するで、人が井の裏に下るがごとく、一脚は一脚よりもさらに深し——健康の人は必定に病を生じ、病める人は必定に死去せん。もし未を以て亥に加え、戌を以て寅に加え、丑を以て巳に加え、辰を以て申に加えて発用せば、すなわち墓が長生の上に圧するで、旧事はまた重ねて提せんと要す——官司は判じ終えてまた翻し出されて議せられ、病は好りてまた発作し、事情は答え允しまた反悔し、人は高興し過ぎてまた発怒し、仇怨は和解してまた新怨を結ぶ。

或生旺入墓,事成終止;墓入生旺,事廢又興。中傳見墓,主進退,求財無,百事不稱意,合則晦甚。日鬼墓神俱發用無氣,占病大忌,乘虎必死。或財神、祿神、官星、長生,中末見墓,仕人不利,當應六三困于石之凶象。

また、生旺の神が墓の中に伝じ入れば、事情はもと已に弁じ成りしも終に中止に帰す。墓神が生旺の地に伝じ入れば、事情はもと已に作罷ししもまた重新に振興す。中伝に墓神を出現するは、進退ともに難きを主り、財を求めれば一の得る所なく、百事はみな称心せず——もしさらに合神と一処に并せば、昏晦はいっそう甚だし。日鬼と墓神とが一同に発用してまた毫も気力なきは、病を占うに最も忌諱し、もしさらに白虎に乗れば、必ず死して疑いなし。もし財神・禄神・官星・長生のこれらの好き神が中伝・末伝に落ちて墓に遇えば、官を為す人は利あらず。これは正に『周易』の困卦六三爻の「石に困す」の凶象に応ず——頑石に路の上に挡えられて、進退するを得ず。

若日鬼盜氣,中末逢墓,常人為喜。或鬼墓臨日作生氣,或自墓傳生,或鬼墓有剋制沖破,變凶為吉,病者生,囚者釋,凡事先憂而後喜也,當應困亨貞大人吉之象也。

反って、もし日鬼が自身の気力を泄し去り、中伝・末伝がまた墓に遇ってそれを收住すれば、尋常の百姓が占うは反って歓喜す。あるいは鬼墓が日干に臨み到る時に正に生気に当たるか、あるいは墓地より長生に伝じ向かうか、あるいは鬼墓に別に神あって克制し冲破するあれば、凶はみな転じて吉と為ることを得——病人は命を活くることを得、囚犯は釈放を得、凡事はみな先に憂愁してのちに歓喜す。これはすなわち『周易』の困卦の卦辞「困、亨、貞、大人は吉」の意象に応ず——身は困境に処るも道路は仍として通じ、正を守る大人は終に吉利を得。

如壬申日丑時午將,壬日屬水,以辰為墓,又為日鬼,加日發用為鬼墓。 辰后 酉空 寅蛇 玄 朱 空 后 午 丑 酉 辰 丑 申 辰 壬 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰

壬申日を挙げて例と為す——丑時に占問し、月将は午で、午将を丑時に加えれば、天盤は地盤より五位進む。壬日は水に属し、水の墓は辰に在り、しかも辰土はまた反って壬水を克するので、この辰は既に日の墓でまた日の鬼である。壬は亥に寄宮し、亥の上に恰好辰を見る——それが日干に加臨して発用を充当するので、因って鬼墓課と定む。四課は右より左へ壬の上に辰を見、辰の上に酉を見、日支の申の上に丑を見、丑の上に午を見——四個の上神は依次に天后・天空・朱雀・玄武に乗る。三伝は辰・酉・寅を取り、分别に天后・天空・螣蛇に乗る。墓と鬼とが同じ一位に合して日干を圧住するは、正にこの課の名を得る由来である。末の四行は地盤の十二宮の排列である。

墓門開格

凡日辰墓神乘蛇虎加卯酉,並人行年,為墓門開格。如日墓加卯為外喪,支墓加卯為內喪,出外宜遷葬以禳之。日墓加酉為內喪,支墓加酉為外喪,入內宜合壽木以禳之,惟不可納人。此水火木日辰有之外,有丁癸卯酉四日,墓臨卯酉,真墓門開格,或見喪吊、死神、死氣尤的。更發用囚死,克賊歸墓何類神,以定何人喪也。

およそ日干・日支の墓神が螣蛇あるいは白虎に乗って卯酉に加臨し、また占う者の行年と一処に并するを、すなわち「墓門開格」と呼び、意思は墓の門が打開かれたるなり。その中の日干の墓が卯の上に加わるは家外の喪を主り、日支の墓が卯の上に加わるは家内の喪を主り、人が外面に在るは宜しく遷葬を以て禳解すべし。日干の墓が酉の上に加わるは家内の喪を主り、日支の墓が酉の上に加わるは家外の喪を主り、人が家の裏に在るは宜しく寿材を預備して以て禳解すべし——ただこの時は切に外人を収留して門に入るる可からず。この種の格局は水・火・木の三行の日干・日支に出現するを除くほか、還って丁卯・丁酉・癸卯・癸酉の四日あり——墓神が正に卯酉に臨み、あれはこそ真の墓門開格である。もしまた喪門・弔客・死神・死気を見れば、すなわちさらに確鑿なり。さらに発用が囚死の地に処するか否か、および克伐せられて墓の中に帰入するは究竟何れの一類の神なるかを看て、これに拠って死するはどの一人なるかを判定す。

如壬戌日巳時,丑月子將,命在戊子,七月二十六日卯時生,行年未交,生在酉上見辰墓,將乘螣蛇,為墓門開格。 午后 丑勾 申玄 青 貴 勾 后 子 巳 丑 午 巳 戌 午 壬 青勾六朱 子丑寅卯 空亥 辰蛇 白戌 巳貴 酉申未午 常元陰后

下面は一則の実録である——壬戌日の巳時に占問し、時は丑月に値り、子将を用いる。子将を巳時に加えれば、天盤は地盤より五位退く。占う所の人の本命は戊子で、七月二十六日の卯時に生まれ、行年は尚ほ交換せず。彼の本命は酉の上に落ちて辰の墓を見、墓の上にまた螣蛇に乗る——それゆえ墓門開格を成す。壬は亥に寄宮し、亥の上に午を見、日支の戌の上に巳を見る。四課は右より左へ壬の上に午を見、午の上に丑を見、日支の戌の上に巳を見、巳の上に子を見——四個の上神は依次に天后・勾陳・貴人・青竜に乗る。三伝は午・丑・申を取り、分别に天后・勾陳・玄武に乗る。下面の一圈は地盤の十二宮と十二天将の排布を連ね、各将の盤上に於ける落宮を標明す。

此課得一下賊上,為重審課。主女人禍從內起,三傳遞生為亨通課,主舉薦。初傳午加壬下克上,將逢天后上克下,為財受夾克格,主財不由己費用。蓋日為我,子命水旺冬令,喜戌支沖辰,凶散交生,前四月內生疔,服藥危自可救。

この一課はただ一処に下神が上神を賊克するのみあるので、「重審課」に属し、禍事は女子より家内に於て引起すを主る。三伝は午が丑を生じ丑が申を生じ、層々に相生し、また亨通の課を成して、人の挙薦するあるを主る。けれども初伝の午が壬の上に加わるは、下神が上神を克するで、午の上の乗る所の天后は水に属し、また上より下に向かって克す——財神が上下の両面に夾まえられて、「財の夾克を受くる格」を成し、銭財は自己に由らずして便ち花掉し去るを主る。日干は本人を代表し、彼の本命の戊子は水に属し、正に冬令の水の旺するに値る。幸いなる所、日支の戌は能く辰の墓を冲開し、凶気は一たび散ぜば便ち転じて相生と為る。この人は先前に四個月の間に疔瘡を長じ、凶険なれども、薬を服して還って救い回るを得たり。

壬日以午為妻,乘時死氣,火以戌為墓,加卯將乘白虎。妻辛卯六月命,交生後,行年並臨卯,正墓門開格,故因時患飲水不藥身亡。予初以課傳夾克妻財,財生官,官生印,印生身,只謂破財加納,豈果妻病不服調理而死,財仍浪費,何其驗效如是之神哉。錄此以為記雲。

壬日は午火を以て妻財と為す——この時、午は正に当令の死気に乗る。火の墓は戌に在り、戌は卯の上に加わってしかも白虎に乗る。彼の妻子は六月に生まれ、本命は辛卯で、生日を過ぎてのち、行年もまた一併に卯の上に臨み到る——恰も墓門開格である。それゆえ彼女は後来、当時の時気に因りて病に染したれども、ただ水を飲むを肯んじて薬を服するを肯んぜず、終に身亡れり。我は起初に課伝の中に妻財の夾克せらるるを見、しかも財は官を生じ、官は印を生じ、印はまた身を生ずれば、ただ破些の銭財を以て捐納して個の官職に就くと過ぎずと為すのみに思い、何れに料到らんや竟に真に妻子が病して調治を肯んぜずして死し、銭財は照樣に白く耗費せられたるを。占験の霊なる、竟にかような地步に到れり。因ってそれを記し下して、聊か一段の実録を存す。

《訂訛》:鬼墓:干支上神發用,或作干鬼干墓,或作支鬼支墓。假如壬日辰加亥發用,既作日鬼,又作日墓,故名鬼墓。

『訂訛』に曰く、鬼墓のこの一課は、日干あるいは日支の上神が発用を充当して、しかもこの上神はあるいは既に日干の鬼にしてまた日干の墓、あるいは既に日支の鬼にしてまた日支の墓である。たとえば壬日に辰を以て亥に加えて発用すれば——辰土は壬水を克するは日の鬼で、水の墓はまた辰に在るは日の墓である。両重の身份が一位に合するので、名を鬼墓と取る。

占主一切凶。蓋鬼者賊也,主傷殘;墓者昧也,主暗塞,都不利謀望。家不昌,病凶財耗,盜難獲。陽鬼公訟是非,陰鬼神祗星宿。

占断は一概に皆凶を以て主と為す。鬼はすなわち賊害で、身体の傷残・損壊を主る。墓はすなわち昏昧で、道路の閉塞・不通を主る——両様ともに謀劃・希求に利あらず。家道は興旺せず、病情は凶険で、銭財は耗散し、盗まるる物もまた追回し難し。陽鬼の牽渉するは多くは官府の訴訟と是非で、陰鬼の牽渉するは多くは神祇・星宿の一類の祟事である。

墓有五格,日上得日墓為墓神覆日,主人昏晦,乃命運衰弱,天羅自裹,宜醮禳之。辰上得日墓為干墓臨支,主宅傾頹。或日上得日墓,辰上又得辰墓,為干支乘墓,人宅俱不利。

墓には五種の格局あり。其の一、日干の上に日干の墓を見るを、「墓神の日を覆う」と呼び、人の昏昧・晦暗して命運の衰弱するを主り、天羅が自己を裹むるに同じく、応に醮を設けて禳解すべし。其の二、日支の上に日干の墓を見るを、「干墓の支に臨む」と呼び、宅第の傾頹・破敗を主る。其の三、日干の上に日干の墓を見、日支の上にまた日支の墓を見るを、「干支の墓に乗る」と呼び、人と宅との両頭はともに利あらず。

或日下臨日墓,辰下又臨辰墓,為干支坐墓,乃自招禍,身心甘受昏迷,家宅願假與人作踐,占病顛狂,行人失路。或日上得辰墓,辰上得日墓,為干支互換坐墓,彼此各招晦滯,不宜兩相投奔。

其の四、日干の底下に日干の墓を踏み、日支の底下にまた日支の墓を踏むを、「干支の墓に坐す」と呼び——あれは自己が禍を招き、身心は甘んじて昏迷の裏に沉み、家宅に連ねるも情願して他人に借り与えて糟蹋せしめ、病を占えば癲狂を主り、行人を占えば迷路を主る。其の五、日干の上に見る所は日支の墓で、日支の上に見る所は日干の墓なるを、「干支の互換して墓に坐す」と呼び、両辺は各自に晦気・滞塞を招来し、彼此ともに前に往きて投靠するに宜しからず。

辰未為日墓,暗中有明,夜墓坐日亦吉。丑戌為夜墓,昏昧自甚,日墓坐夜亦然。辰戌墓主事剛速,丑未墓主事延緩。墓臨長生,舊事再發,訟斷又起,病痊又作,事許又悔,仇解又生。生旺入墓,事成中止。墓入生旺,事廢復興。

辰と未とは白天の墓と算え、暗処に在るも仍として一点の光明を透す——夜間の墓が白天に占う所の課に坐するも、また吉利と算う。丑と戌とは夜間の墓と算え、昏昧はもともと深重で、白天の墓が夜占の課に坐するは同じく此のごとし。辰戌の墓は事情の剛猛・迅速を主り、丑未の墓は事情の拖沓・遅緩を主る。墓がもし長生の位に圧すれば、旧事は便ち重ねて来らんと要す——官司は判じてまた起こり、病は好りてまた犯し、事情は応允してまた反悔し、仇怨は化解してまた生ず。生旺の神が墓の裏に伝じ進めば、事情は半ばに成りて便ち中止し、墓神が生旺の地に伝じ向かえば、事情は廃弃したる後にまた復興す。

凡日辰墓乘蛇虎加卯酉與行年並,為墓門開。如日墓加卯為外喪,辰墓加卯為內喪,出外宜遷葬以禳之。日墓加酉為內喪,辰墓加酉為外喪,入內宜合壽木以禳之。

およそ日干・日支の墓が螣蛇あるいは白虎に乗って卯酉に加臨し、また占う者の行年と一処に并するは、便ち墓門の開くるなり。日干の墓が卯の上に加わるは家外の喪を主り、日支の墓が卯の上に加わるは家内の喪を主る——人の外面に在るは宜しく遷葬を以て禳解すべし。日干の墓が酉の上に加わるは家内の喪を主り、日支の墓が酉の上に加わるは家外の喪を主る——人の家の中に在るは宜しく寿材を預め備え下して以て禳解すべし。

卯酉日墓臨卯酉為真墓門開,見喪吊、死神、死氣尤的,更看發用囚死,克賊歸墓,是何類神,以定何人喪也。大都鬼墓發用無氣,病最忌,乘虎必死。或財神、祿神、官星、長生在中末見墓,仕人不利。

卯日・酉日にして墓神が正に卯酉に臨むは、こそ真の墓門開である。もしさらに喪門・弔客・死神・死気を見れば、すなわちさらに確鑿なり。還って発用が囚死の地に処するか否か、および克伐せられて墓の中に帰入するは究竟何れの一類の神なるかを看て、これに拠って死するはどの一人なるかを判定す。大体に言えば、鬼墓が発用を充当して毫も気力なきは、病を占うに最も忌み、もしさらに白虎に乗れば便ち必ず死す。もし財神・禄神・官星・長生のこれらの好き神が中伝・末伝に落ちて墓に遇えば、官を為す人は利あらず。

此課常人更忌見鬼,鬼帶惡殺更凶。惟內有德神旺氣,求官大利。或魁罡及丑未作日鬼,占科名高中。若日鬼發用,中末逢墓,常人為喜。或鬼墓臨日辰作生炁,或自墓傳生,或鬼墓有剋制沖破,或墓逢空,變凶為吉,病者生,囚者散,凡事先憂後喜也。

この一課は尋常の百姓の身の上に於てさらに鬼を見るを忌み、鬼がもしさらに悪煞を帯びれば格外に凶し。ただ独り課の中に徳神と旺気とを含むは、官を求むるに大いに利あり。もし魁罡あるいは丑未に由りて日鬼を充当せば、科名を占えば必定に高中す。倘若日鬼が発用を充当して、中伝・末伝が墓に遇ってそれを收住すれば、尋常の人は反って歓喜す。あるいは又鬼墓が日干・日支に臨み到る時に正に生気に当たるか、あるいは墓地より長生に伝じ向かうか、あるいは鬼墓に別に神あって克制し冲破するか、あるいは墓が恰好空に落つるか——凶はみな転じて吉と為ることを得。病人は命を活くることを得、囚犯は開釈を得、凡事はみな先に憂えてのちに喜ぶ。

鬼呼格

《訂訛》:鬼呼,天盤作鬼加地盤墓神是也,行年神將凶更的。鬼臨墓則鬼為得地,引類呼朋,故名鬼呼。占主壯者亦病,病必有崇,事多暗害,或連累入獄。

『訂訛』に曰く、鬼呼の一格は、天盤の上に於て鬼を充当するあの一位が地盤の墓神の上に圧するを謂う。もし行年の上の神と将とがまた凶なれば、すなわちさらに確鑿なり。鬼は一旦墓地に臨み到れば、便ち地利を得たと算え、ここにおいて同類を招引し朋を呼び友を喚びて来る——それゆえ名を鬼呼と取る。この格を占えば、もともと壮健の人もまた病を生じ、病を生ぜば必定に邪祟の怪を作すあり。諸事は多く暗中に加害を遭い、甚だしくは人の牽連を受けて下獄するに至る。

五墳四煞格

五墳四煞,稼穡課作本日墓神乘凶將發用,五墓為墳,四神為煞,故名五墳四煞。占主不可獨行遠出,出逢凶禍,或訟病相纏。

五墳四煞のこの一格は稼穡の課の上に出づ——当日の墓神に由りて凶将に乗って発用を充当せしむ。五行の五個の墓庫を墳と算え、辰戌丑未の四位の土神を煞と算え、合わさって便ち五墳四煞と呼ぶ。この格を占えば、獨自に遠行・外出す可からず——一たび出門すればすなわち凶禍に撞上り、あるいは官司と病痛とが交相に身に纏わらん。

喪門卦

《心鏡》喪門卦:喪門正月未為之,(正月未逆行四季。)四季流行逆數推。用在行年支干上,病人憂死健人衰。白虎若臨轉凶惡,所主之事必無疑。

『心鏡』は別に喪門の一卦を立つ。歌訣に曰く、喪門は正月は未の上に落つ——注文は補明す、正月は未に起こり、辰戌丑未の四季の位の上に逆行す——この後はすなわちこの四季の位の上に逆序に按じて推算す。それがもし行年あるいは日支・日干の上に落ちて発用を充当すれば、病人は死亡を担心すべく、健康の人もまた衰敗に転向せんと要す。白虎がもしさらにこの一位に臨み到れば、凶悪はいっそう甚だしく、主る所の事情は便ち断じて疑義なし。

励徳課

凡天乙立卯酉,為勵德課。蓋卯酉為陰陽交易之位,貴人由之而遷易。如日辰陰神在天乙前,貴人不得引從則退陰,主小吏退剝。蓋小人恃勢,不知謹身修德則凶。若日辰陽神在天乙後,貴人前引而從則進陽,主君子進用。蓋君子知機而能行仁布德則吉,此天道福善禍淫,獎勵有德,占利君子不利小人。統隨之體,乃反覆不定之課也。

およそ天乙貴人が卯位あるいは酉位の上に立つを、すなわち「励徳課」と呼ぶ。卯酉は陰陽の交替・更換する位なればなり——貴人がここに到れば、進退・去留は便ちこれに随いて変動す。もし日干・日支の陰神が貴人の前に排すれば、貴人はそれを引きて身後に跟隨せしむる能わず、この陰神はすなわち圧退せられんと要し——小吏の黜落・削減を遭うを主る。小人が勢を仗して检点・修徳を知らざるなので、凶なり。もし日干・日支の陽神が貴人の後に排すれば、貴人は前に在りて引領しそれは跟従し、この陽神はすなわち晋陞を得るを得——君子の任用を獲得するを主る。君子が時機を識りて能く仁を行い徳を布くなので、吉なり。これは正に天道が善人に福を降し淫佚の人に禍を降し、用いて徳ある者を奨励するの道理なので、この一課は君子に利あって小人に利あらず。それは統ねて『周易』の随卦の体に属し、反復して定まらざる課である。

象曰:“陽神前引,陰神后隨。君子則吉,小人則危。陰神前立,陽神后居。小人得意,君子失機。”前既曰陽後得貴人接引利君子,此又曰陽神后居,君子失機,何也?前乃止於陽後,今乃陰前陽後俱全,故云君子失機也。

断辞に曰く、陽神が前に在りて路を引き陰神が後に在りて跟随すれば、然らばすなわち君子は吉を得小人は危あらん。反って、陰神が前面に立ち陽神が後面に居れば、然らばすなわち小人は意を得君子は時機を失わん。人の問うあらん——前面に既に陽神が貴人の後に在りて貴人の接引を得て君子に利ありと説くに、ここには何の故にまた陽神が後に居れば便ち君子の機を失うと説くや。答案は——前の一種の情形はただ陽神の後に在るこの一条を講じたるのみで、しかも此処は陰神が前に在り陽神が後に在るの両様が倶に備わり、陰は既に前位を搶占せり——君子は自然に先機を失う。

如陽前則貴人得其接引,陰前則貴人受其羈絆。陰在貴人前,訟則卑遭責。陽在貴後,災則修德自愈。若貴立卯酉,陽前陰後,當應隨六三係丈夫失小子之象。陰前陽後,當應隨六二係小子失丈夫之象也。

陽神が前に在れば、貴人は便ちそれの引薦・接応を得。陰神が前に在れば、貴人は反ってそれに牽絆せられて住す。陰神の貴人の前に在るは、官司を打つ時に地位の低き一方は責罰を受けんと要す。陽神の貴人の後に在るは、災に遇えばただ徳を修むればすなわち自ら痊愈することを得。もし貴人が卯酉に立ちて、しかも陽神が前に在り陰神が後に在れば、正に『周易』の随卦六三爻の「丈夫に係りて小子を失う」の意象に応ず——成年の男子に依附して小孩子を舎去す。もし陰神が前に在り陽神が後に在れば、すなわち六二爻の「小子に係りて丈夫を失う」の意象に応ず——小孩子に依附して成年の男子を失う。

如戊子日申時午將占,晝丑加卯,為勵德也。 丑貴 亥陰 酉常 白元貴朱 申戌丑卯 戌子卯戊 卯辰巳午 寅 未 貴 丑 申 子亥戌酉

戊子日を挙げて例と為す——申時に占問し、月将は午で、午将を申時に加えれば、天盤は地盤より両位退く。戊は巳に寄宮し、巳の上に卯を見、日支の子の上に戌を見る。この一天は白天に課を起こし、戊日の昼の貴人は丑で、天盤の丑は正に地盤の卯の上に落ち——貴人が卯位に立つので、励徳課を成す。四課は右より左へ戊の上に卯を見、卯の上に丑を見、日支の子の上に戌を見、戌の上に申を見——四個の上神は依次に朱雀・貴人・玄武・白虎に乗る。三伝は丑・亥・酉を取り、分别に貴人・太陰・太常に乗る。地盤の図の中に「貴」を標するあの一格は、正に貴人の在る所の宮である。

夫天乙為門內君子,處事之所,小吏犯罪而到。如日辰陰陽俱在天乙後,為微服格。主君子遷官,小人退職,事體稍遲,大干則可,小處則不可也。如辛丑日寅時丑將。 子陰 亥元 戌常 元陰空白 亥子申酉 子丑酉辛 辰巳午未 卯 申 貴 寅 酉 丑子亥戌

天乙貴人は門内の君子に譬え、事務を処理する所在で、小吏が罪を犯せば便ちここに押えて審を聴かしめらる。もし日干・日支の陰神と陽神とがともに天乙の後に排せば、すなわち「微服格」と呼び、貴人が便服に換えて行くに同じし。君子は官職に陞遷し、小人は職務を撤去せらるるを主る。事情の進展は稍や慢く、大事を弁ずるは行う可く、小事を弁ずるはすなわち不可なり。挙ぐる所の例は辛丑日の寅時に、丑を用いて月将と為す——丑将を寅時に加えれば、天盤は地盤より一位退く。辛は戌に寄宮し、戌の上に酉を見、日支の丑の上に子を見る。四課は右より左へ辛の上に酉を見、酉の上に申を見、日支の丑の上に子を見、子の上に亥を見——四個の上神は依次に白虎・天空・太陰・玄武に乗る。三伝は子・亥・戌を取り、分别に太陰・玄武・太常に乗る。地盤の図の上に「貴」を標するあの一格は、貴人の落宮である。

如日辰陰陽俱在天乙前,為蹉跎格。主小人進職,君子退位,事體稍遲,處小則可,大干不可,如庚申日 午蛇 辰六 寅青 六蛇六蛇 辰午辰午 午申午庚 卯辰巳午 寅 未 貴 丑 申 子亥戌酉

反って、もし日干・日支の陰神と陽神とがともに天乙の前に排せば、すなわち「蹉跎格」と呼ぶ。小人の職に升るを得、君子は反って位を降せらるるを主る。事情の進展は同じく稍や慢く、小事を弁ずるは行う可く、大事を弁ずるはすなわち不可なり。挙ぐる所の例は庚申日である——庚は申に寄宮し、申の上に午を見れば、天盤が地盤より両位退くを知るべし。日支もまた申で、上面は同じく午を見る——ここにおいて第一課と第三課とが重畳し、第二課と第四課とが重畳す。四課は右より左へ庚の上に午を見、午の上に辰を見、日支の申の上に午を見、午の上に辰を見——上神は依次に螣蛇・六合・螣蛇・六合に乗る。三伝は午・辰・寅を取り、分别に螣蛇・六合・青竜に乗る。地盤の図の中に「貴」を標する一格は、貴人の立つ所の処である。

《訂訛》(解之甚明):勵德:貴人臨卯酉。卯酉為陰陽交易之位,貴人臨之,門戶搖動,進退分焉。如干支陰神屬卑,乃妄立貴人前,是小人恃勢不謹,定當黜下,主小吏退剝。干支陽神屬尊,乃退處貴人後,是君子謙沖循省,定當進用。主大吏升遷。此天道福善禍淫,獎勵有德,故名勵德。

『訂訛』はこの一課を解して最も明白なり。それに曰く、励徳とは、すなわち貴人の卯酉に臨むを謂う。卯酉は陰陽の交替の位で、貴人がここに臨み到れば、門戸は便ち揺動・不定にして、進と退とは此より分判す。日干・日支の陰神は地位は卑に属するも、却って擅自に貴人の前に站り到るは、あれは小人の勢を仗して謹慎せざるなり——一定に黜退せられんと要し、小吏の削職を遭うを主る。日干・日支の陽神は地位は尊に属するも、却って貴人の後に退居するは、あれは君子の謙虚・自省なり——一定に起用せられんと要し、大吏の陞遷を獲得するを主る。これは正に天道が善人に福を降し淫佚の人に禍を降し、此を借りて徳ある人を奨励するなので、名を励徳と取る。

占主反覆不定,理宜遷動官位,君子遷,小吏黜,庶人身宅不安,宜謝土神。此課外有干支陰陽俱在貴人後,為微服。君子升遷,小吏黜,事體稍遲,大干則可,小處不可也。有干支陰陽俱在貴人前,為蹉跎格。主小吏遷,君子黜,事體亦稍遲,小處則可,大干不可也。

占断の要点は——事情は反復して定まらず、理に照らせば官位の上の調動あるべし——君子は陞遷し、小吏は黜せらる。平民・百姓はすなわち身体と住宅とがともに安寧ならず、宜しく土神に祭謝すべし。この課のほかに別に両個の附格あり——日干・日支の陰神・陽神がともに貴人の後に排するを、「微服」と呼び、君子の陞遷・小吏の黜せらるるを主り、事情の進展は稍や慢く、大事を弁ずるは行う可く小事を弁ずるは不可なり。日干・日支の陰神・陽神がともに貴人の前に排するを、「蹉跎格」と呼び、小吏の陞遷・君子の黜せらるるを主り、事情は同じく進展は稍や慢く、小事を弁ずるは行う可く大事を弁ずるは不可なり。

《觀月經》(名鸞失鳳):天乙立二八,卯酉日月門。貴神當其上,勵德卦基根。日出卯為二門,入酉為八門。天乙立其上,更詳日之陰陽二神,辰之陰陽二神,居前後者是也。

『観月経』はこの一課に別に一名を取りて「鸞が鳳を失う」と曰い、鸞鳥が鳳の伴を失うの意を取る。歌訣に曰く、天乙は二八の両門に立つ——すなわち卯酉のこの両道の日月の出入の門である。貴神が正にその上に当たれば、便ち励徳卦の根基である。注文は解釈す——太陽は卯より自ら出づ、卯は二月の門である。太陽は酉に入る、酉は八月の門である。天乙がこの両処に立つは、還って日干の陽神と陰神・日支の陽神と陰神とを細看し、究竟貴人の前に排するかそれとも後に排するかを要す。

六月甲子日,寅時得此門。天乙立酉是八門也。辰午陽在後,辰是辰之陽神,午是日之陽神,俱在天乙之後也。申戌陰前存。申是辰之陰神,戌是日之陰神,俱在天乙之前,正是天乙勵德之卦也。

歌訣は例を挙げて曰く、六月の甲子日に寅時に占えば、すなわちこの一道の門を得。注文は説明す——この時、天乙は酉の上に立ち、正に八門である。歌訣に「辰・午の陽は後に在り」と曰い、注文は解釈す——辰は日支の陽神で、午は日干の陽神で、両者はともに天乙の後に排す。歌訣にまた「申・戌の陰は前に存す」と曰い、注文は解釈す——申は日支の陰神で、戌は日干の陰神で、両者はともに天乙の前に排す——陽は後に陰は前に、これ正に天乙の励徳の卦である。

小吏犯剝退,官人轉更尊。居官貪祿,小吏剝退也。忽然申時算,微服別一般。陰陽俱在後,君子賜朱欄。假令六月甲子日申時,一課子甲、二課戌子、三課戌子、四課申戌。天乙立二門卯上,子為日之陽神,戌為日之陰神,戌又為辰之陽神,申為辰之陰神,俱在天乙之後也,主君子得之,加官進祿。

歌訶に曰く、小吏は職を削め位を退けられんと要し、官を為す人は反ってさらに尊貴を加えん。注文は点明す——これは身が官位に居りて俸禄を貪戀する一面で、小吏の削退を遭うと恰も対照を成す。歌訶にまた曰く、忽然として申時を改用して推算すれば、便ち微服格で、情形は別に一様なり——陰神・陽神ともに貴人の後に在れば、君子は朱欄の栄を賜与せられん。注文は演算して曰く——六月の甲子日に申時に占えば、一課は甲の上に子を見、二課は子の上に戌を見、三課は日支の子の上に戌を見、四課は戌の上に申を見る。天乙は二門の卯位の上に立つ。子は日干の陽神で、戌は日干の陰神で、戌は同時にまた日支の陽神で、申は日支の陰神で、四者はともに天乙の後に排するので、君子がこの課を占うを主り、官を加え禄を進めん。

小人逢此卦,四大不能安。天乙立二八,陰陽在後,名凶卦,小人退職之象。要知蹉跎體,陰陽翻在前。天乙立二八之門,其日辰陰陽居天乙之前者,名蹉跎卦也。君子災迍悶,小人喜牽連。蹉跎卦小人喜,君子憂也。

歌訶に曰く、小人がこの一卦に碰上れば、身心の四大はみな安寧を得ず。注文は解釈す——天乙が二八の門に立ち、陰神・陽神ともにそれの後面に在れば、小人に対して言えば便ち凶卦で、官を丟い職を退くの象である。歌訶にまた曰く、蹉跎格の样子を認識するを要せば、すなわち陰神・陽神が反って前面に翻り到るを看よ。注文は説明す——天乙が二八の門に立ちて、しかも日干・日支の陰神・陽神がともに天乙の前に居るを、すなわち蹉跎卦と呼ぶ。歌訶の末句に曰く、君子は此のために憂愁・困頓し、小人は却って歓喜して牽連し相い慶す。注文は一語にて点破す——蹉跎卦は小人の歓喜し君子の憂愁する卦である。

《心鏡》:勵德陰陽何以分,卯酉將為日月門。天乙此時居位上,天乙立卯酉之上。貴賤尊卑位各陳。尊卑以陳貴賤位,失則尊卑之分紊矣。

『心鏡』の歌訶に曰く、励徳の一課は、陰と陽とは究竟怎样に分判するか——関鍵は卯酉のこの両道の日月の出入の門に在り。天乙は此の刻に正にこの位置の上に立つ——注文は補明す、すなわち天乙が卯位あるいは酉位の上に立つ。歌訶にまた曰く、貴と賎・尊と卑とは各自位次を陳列し出す。注文は解釈す——尊卑は既に位次に依りて貴賎を排定せり、一旦排し錯れば、尊卑の分際は便ち紊乱す。

陰妄立前陽處後,陰者,乃日辰之陰第二課、第四課,屬卑,不合妄居貴人之前,必主黜退。陽者,乃日辰之陽第一課、第三課,屬尊,不合居於貴人之後,必遷進也。大吏升遷小吏迍。庶人身宅憂移動,魂夢不安謝土神。二八月是祭祀社稷之月,故曰土神。

歌訶に曰く、陰神は擅自に前面に站り到り、陽神は反って後面に退処す。注文は解釈す——いわゆる陰とは、日干・日支の陰神を指し、すなわち第二課と第四課で、地位は卑に属し、もともと貴人の前に擅居すべからざるなり——一旦かくのごとくなれば、必定に黜退を遭わん。いわゆる陽とは、日干・日支の陽神を指し、すなわち第一課と第三課で、地位は尊に属し、もともと貴人の後に屈居すべからざるなり——一旦かくのごとくなれば、反って必定に陞遷せん。それゆえ歌訶に続けて曰く、大吏は陞遷し、小吏は困頓し、平民・百姓はすなわち身体と住宅とが遷動せんと要するを憂心し、夜裏に魂夢安からず——応に土神に祭謝すべし。注文は補明す——二月と八月とは正に社稷を祭祀する月なので、土神を謝すると称作す。

此課通龜與《訂訛》皆說不明,止曰日辰陰神在天乙前,而不說出陽神在何處。如俱在前為蹉跎,如在後為君子失機,止曰日辰陽神在天乙後而不說出陰神在何處。如俱在後為微服,如在前亦為君子失機矣。

この一課は、『通龜』と『訂訛』の両書がともに講じて明白を得ざり——それらはただ日干・日支の陰神が天乙の前に在るを説くのみで、陽神が何れに落ちるかを交代せず——須く陰陽ともに前面に在れば便ち蹉跎で、陽神がもし後面に在ればすなわち君子の機を失うを知るべし。同じく、それらはただ日干・日支の陽神が天乙の後に在るを説くのみで、陰神が何れに落ちるかを交代せず——陰陽ともに後面に在れば便ち微服で、陰神がもし前面に在れば同じく君子の機を失う。

此課止宜以四段定之,一曰日辰陰陽俱在天乙前,為蹉跎格,主小人進職,君子退位。二曰俱在後,為微服格,主君子遷官,小人退職。三曰陽前陰後,君子則吉,小人則危。雖曰小人危,乃得陰陽之定位,小人如守分循理,亦獲吉象。

この一課はただ宜しく四種の情形に分かちて以て判定すべし。第一、日干・日支の陰神・陽神がともに天乙の前に在るは、蹉跎格で、小人の職に進み君子の位を退くを主る。第二、陰神・陽神がともに天乙の後に在るは、微服格で、君子の官に遷り小人の職を丟うを主る。第三、陽神が前に在りて陰神が後に在るは、君子は吉を得小人は危あらん。小人は危ありと説くと雖も、けれども陰陽は各々本位に帰り、小人はただ分を安んじ己を守り理に依りて行えば、同じく吉象を得ることを得。

四曰陰前陽後,小人得意,君子失機。雖曰小人得意,蓋陰在天乙前,貴人不得引從,則必退抑,其陰又小人恃勢,不知謹身修德,必至於凶。雖曰君子失機,然陽乃貴人同類,貴人前引則必進,扶其陽又君子知機而能行仁布德,終當獲吉。蓋小人得意,君子失機者,其象也。其吉凶自取者在人也,此理須明。

第四、陰神が前に在りて陽神が後に在るは、小人は意を得君子は機を失う。話は此のごとくと雖も、陰神は既に天乙の前に立てば、貴人はそれを引きて身後に跟隨せしむる能わず、終に壓抑し退け下られん。いはんやこの陰神はもともと勢を仗して检点・修徳を知らざる小人を代表するをや——最後に必定に凶に帰せん。反って、君子は時機を失うと説くと雖も、けれども陽神は貴人と同類で、貴人が前に在りて引領すれば、それは必定に晋陞を得ん。この陽神を扶持するはまた時機を識り能く仁を行い徳を布く君子で、終竟に吉を得ん。見るべくは、「小人は意を得君子は機を失う」は不ただ課の上の呈する表象に過ぎず、吉凶が究竟何れの処に落ちるかに至っては、還って人の自己が怎样に取舍するかを看るを要す——この道理は必ず講じ透さねばならず。

定章曰:天乙立卯酉之上,為二八門,刑德之會,搖動不安,所居法有轉移。陽立於陰者,在天乙之後也。陰立於陽者,在天乙之前也。

『定章』に曰く、天乙が卯酉の上に立つは、あれは二八の両門で、また刑気と徳気とが交會する処で、氣機は揺動・不安にして、処する所の位置は法則に按じて転移を発生せんと要す。いわゆる陽の陰に立つとは、陽神が天乙の後に排するを指す。いわゆる陰の陽に立つとは、陰神が天乙の前に排するを指す。

假令七月辛亥日巳將申時,小吉加辛,天罡為陰神。傳送加亥,陰得太乙。勝光為天乙,立酉逆行。小吉傳送為日辰之陽神,居天乙之後。天罡太乙為日辰之陰神,反居天乙之前,故曰陰立天乙前,陽立天乙後,陰陽錯亂,居非其居。故曰不安。陽在陰位,今當進上。陰在陽位,今當黜下。以此占人貴者將遷,下吏罷退,庶人居宅不安。 巳蛇 寅勾 亥白 蛇 陰 朱 后 巳 申 辰 未 申 亥 未 辛 日 支 陰 陰 勾六朱蛇 寅卯辰巳 青丑 午貴 空子 未后 亥戌酉申 白常元陰

仮に七月の辛亥日に在りて、巳を以て月将と為し申を以て占時と為せば——巳将を申時に加えれば、天盤は地盤より三位退く。辛は戌に寄宮し、戌の上に小吉(未の別名)を見——これは日干の陽神である。未の上に天罡(辰)を見——これは日干の陰神である。日支の亥の上に伝送(申)を見——これは日支の陽神である。申の上に太乙(巳の別名)を見——これは日支の陰神である。辛日の昼の貴人は午で、午はすなわち勝光で、此の時、勝光は正に酉位に落ち——天乙は酉に立ちて逆行す。小吉と伝送のこの両個の陽神はともに天乙の後に排し、天罡と太乙のこの両個の陰神は反って天乙の前に排す——それゆえ陰は天乙の前に立ち陽は天乙の後に立つと曰い、陰陽は錯乱して各自ともにもと在るべき位置の上に在らず、故に「不安」と称す。陽神は既に陰位に屈居せば、今や理に応じて上進すべく、陰神は既に陽位に僭居せば、今や理に応じて黜落すべし。これに拠って人のために占断す——顕貴の将に陞遷せんとするは、下級の小吏はすなわち罷免・退職を遭い、平民・百姓は居宅が安寧を得ず。課盤の上の三伝は巳・寅・亥を取り、依次に螣蛇・勾陳・白虎に乗る。図の中に標注する「日陰」「支陰」は、指す所は正に日干と日支との陰神の在る所で、外圏はすなわち地盤の十二宮と十二天将の排布である。

勵德言前後者,指天將而言,非論日辰午以未為前,巳為後也。賦曰:天乙居中,後六前五是也。

励徳課の裏の説く所の前と後とは、十二天将の排列の次序を指し、并せて地支を把りて以て数うるに非ず——日支が午時を為すに、未を前と算え巳を後と算うを説くに非る。『賦』の裏に「天乙は中に居り、後は六にして前は五」と講ずるは、正にこの意思である——貴人を以て中心と為し、それの前面に五位の天将を排し、後面に六位の天将を排し、前後は此より分定す。

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