Libo

河魁戌

明 · 郭载騋(校) · 第5巻 / 56

作盤ガイド: 大六壬起課, 金口訣起課

土神,春分後日躔降婁,二月將。河魁即天魁,斗魁第一星,抵於戍故名。建卯之月,萬物皆生根本,以類聚合;魁者,聚之義也。

戌は土神に属す。春分以後、太陽は降婁の次に運行す。ゆえに戌は二月の「月将」なり。河魁はすなわち天魁で、北斗魁星の第一の顆を指す。この星の方位は正に戌に抵る。ここに因りて名づく。建卯の二月に、万物は皆根本を生出し、同類は相聚まりて合す。『魁』の字は正に聚合の義なり。

河魁神,古之獄吏也。辛寄其上,火墓其下,天空之象。音商,數五,味甘,星奎婁,禽狼、狗、豺,宮白羊,分野魯,分徐州。屬犬,位西北。

河魁のこの神、古は牢獄の吏卒なりき。天干辛の「寄宮」は戌の上にあり、火の「墓庫」もまた戌の下に在り。ゆえに戌は「天空」の本家なり。配する五音は商、成數は五、味は甘に属し、奎宿・婁宿に對應し、禽獣は狼・狗・豺、十二宮は白羊宮に属し、分野は魯國に在り、分かちて徐州に属し、生肖は犬に属し、方位は西北に在り。

所主詐欺、印綬及奴婢逃亡;若發用,舊事重新之象。又主虛耗、失錢物、帶眾。

戌の主るところは、欺詐の事・印綬官職および奴婢逃亡なり。それが若し「発用」せば、便ち旧事を重ねて提し老話を翻新する象なり。この外なお虚耗損失・銭財物件を丢失し、および衆人を帯領する事を主る。

類為天斗魁,又為天羅、計都、兵神、厭神作元武、地戶,為監司加月建、都轄加太歳、官長作雀加日辰、司直、善人、長者、僧道、獵人、小童、奴僕、屠惡、強盜作虎克辰、兵士戌加申申加戌、舅翁、妹、貧丐作元空。

戌の取象の類推。天上に在りては斗魁の星にして、また天羅・計都・兵神、厭神(「玄武」を乘ずるときこれに應ず)、地戸なり。人物の上に在りては、監司の官(戌が月建に加わるときこれに應ず)、都轄(太歳に加わるときこれに應ず)、官長(「朱雀」を乘じて日干日支に加わるときこれに應ず)、司直の官、善人・長者・僧道・猟人・小童・奴僕、凶惡の屠戸と強盗(「白虎」を乘じて日支を克するときこれに應ず)、兵卒(戌が申に加わりあるいは申が戌に加わるときこれに應ず)、舅父・岳父と妹子、貧窮の乞丐(玄武・「天空」を乘ずるときこれに應ず)なり。

為命門、膀胱、足、腿加年命主足病,為城廓、寺觀、岡嶺、牢獄作勾陳更的、窯冶作蛇加巳午、虛堂、僕室、土物、墳墓作虎發用、牆壎甲日加寅,為朝服作雀、印綬、鞋履、軍器、杻枷作元武臨刑、劔仗、城鍾、鐵鋤、鏟槍、鎖鑰、碓磨、瓦器、石作勾陳加申酉、數珠,為五穀、田絲。

人身の上に在りては、戌は命門・膀胱と脚腿(戌が本命行年に加われば脚病を主る)。地上に在りては、城郭・寺觀・山岡嶺脊、牢獄(「勾陳」を乘ずれば更に的当なり)、窯を燒き鐵を冶する所(「螣蛇」を乘じて巳午に加わるときこれに應ず)、空堂・僕人房・土制の物、墳墓(「白虎」を乘じて発用するときこれに應ず)、牆垣(甲日に戌が寅に加わるときこれに應ず)なり。器物の上に在りては、朝服(「朱雀」を乘ずるときこれに應ず)・印綬・鞋履・兵器、枷鎖刑具(「玄武」を乘じて刑位に臨むときこれに應ず)、劍仗・城頭の鐘・鐵鋤・鏟槍・鎖鑰・碓磨・瓦器・石頭(勾陳を乘じて申酉に加わるときこれに應ず)と念珠なり。物産の上に在りては、五穀と田間の絲麻なり。

為姓魏、王、魯、徐、婁、倪,凡土傍、足偏之類。

戌の主る姓氏に魏・王・魯・徐・婁・倪あり。大凡そ土の字旁を帯び・足の字偏旁を帯びる姓は、皆戌の管に歸す。戌は本より土神にして、人身にまた足腿を主れば、この兩處より象を取る。

天魁印綬乗常吏乗雀主訟都官乗龍為官,壘土髙墳壬癸日乗虎集眾攢魁主眾乗勾陳主集。徳合乗六合奴婢乗武為奴,乗陰為婢兼長者乗後利君子,犬豺狼畜乘蛇厭主狼虎怪悉為歡乘陰婚姻事。

河魁の一条の綱目は:「太常」を乘ずれば印綬を主る。「朱雀」を乘ずれば吏人と官司を主る。「青龍」を乘ずれば都官顯位を主る。壬・癸日に「白虎」を乘ずれば、土を壘ねて高墳を成すを主る。「勾陳」を乘ずれば衆を聚め攅集することを主る。「六合」を乘ずれば徳合と為す。「玄武」を乘ずれば奴と為し、「太陰」を乘ずれば婢と為し、兼ねて長者を主る。「天后」を乘ずれば君子に利あり。「螣蛇」を乘じて月厭に値えば、犬・豺・狼の類の畜類の怪を作すを主る。太陰を乘ずれば一切歓喜し、婚姻の事を主る。

河魁主印,太常主綬,若魁作太常,乃曰印綬。雀為文書,雀入墓戍,凡言訟主其吏也。青龍為都官,天魁為集眾,凡言官位必有部轄之權。魁凶神,虎凶將,若壬癸日占,天乙逆治,魁作虎克日,名曰壘土之煞,病者必死。

河魁は印を主り、「太常」は綬を主る。ゆえに河魁の上に若し太常を乘ぜば、便ち印綬と呼び、官職の手に到るを主る。「朱雀」は文書の神にして、戌はまた火の墓なり。朱雀が戌に墓に入れば、凡そ官司を説くに、主管するは便ちそれらの吏胥なり。「青龍」は都官にして、河魁は衆を聚むるを主る。凡そ官位を講ずれば、必ず部屬を統轄する一份の權柄を連帯す。河魁は本より凶神にして、「白虎」はまた凶將なり。若し壬日・癸日に占えば、「貴人」は逆行して治し、河魁がまた白虎を乘じて來りて日干を克すれば、便ち『土を壘ぐの煞』と呼び、病人これに遇えば必ず死す。

勾陳為土星,天魁為集眾,此二神將並臨,即主攅集會眾之事。六合卯與戍合,又是支前五辰之合,故曰徳合。元武奴,太陰婢,二將若臨戍上,謂之陰空同位,奴婢主不良,非逃即盜。六丙日天后臨戍,乃是官星,利君子,故曰長者,利見大人。

「勾陳」は土星にして、河魁は衆を聚むるを主る。この一神一將が併臨して一處に在れば、便ち攅集して衆を會する事を主る。卯は戌と相合し、戌はまた日支前の第五位の上に合を成す。ゆえに『徳合』と呼ぶ。「玄武」は奴にして「太陰」は婢なり。この兩將が若し戌の上に臨めば、『陰空同位』と呼ばれ、奴婢の心術が良からざるを主り、逃走せざれば偷盗す。六個の丙日に「天后」が戌に臨めば、戌中の辛金は正に丙火の官星にして、君子に利あり。ゆえに長者と説き、大人に晋見するに宜し。

螣蛇臨戍,主犬豺狼怪,春占有三等:辰戍丑未日為天狗煞,戌日為月厭煞,甲乙寅卯日為天喜,三者須各詳之。又戊已辰戌丑未日,戌蛇多主怪事;若甲乙寅卯日,戌乗吉將,主婚姻產喜吉事。

「螣蛇」が戌に臨めば、狗・豺・狼の類の怪を作すを主る。春に占えば三種の分別あり。辰戌丑未日は天狗煞、戌日は月厭煞、甲乙寅卯日は則ち天喜なり。三者は各々分辨し清めるを要す。また戊・己および辰戌丑未の諸日は、戌上に蛇を乘ずれば多く怪異の事を主る。若し甲乙寅卯日に在りて、戌がまた吉將を乘ぜば、反對に婚姻・生産の類の喜慶吉事を主る。

從魁酉

金神,穀雨後日躔大梁,三月將。從魁者,斗魁第二星也,星抵於酉,故名。又三月草木枝葉從根而出之義也。

酉は金神に属す。穀雨以後、太陽は大梁の次に運行す。ゆえに酉は三月の「月将」なり。從魁は北斗魁星の第二の顆を指す。この星の方位は正に酉に抵る。ここに因りて名づく。もう一層の意思は:三月に草木の枝葉は根に順い外に抽發し、『從』はすなわち随従して出づるなり。

從魁神形貌端正,黃白色,古之女巫也。正祿不受所寄,太陰之象,音羽,數六,味辛,星胃昴畢,禽雉雞鳥,宮金牛,分野趙、冀州,屬雞位,正西。

從魁のこの神、形貌は端正にして、膚色は黃白なり。古は女巫なりき。酉は辛金の正祿の位にして、更に別の天干の「寄宮」を受けず、それは「太陰」の本家なり。配する五音は羽、成數は六、味は辛に属し、胃宿・昴宿・畢宿に對應し、禽鳥は野鸡・家鸡の類、十二宮は金牛宮に属し、分野は趙國・冀州に在り、生肖は鶏に属し、方位は正西に在り。

所主陰私、解散、賞賜,又主金刀、奴婢、信息。

酉の主るところは、陰私隱祕・聚して復た散ずと賞賜の事、この外なお金屬刀刃・奴婢僕從と音信消息を主る。酉は本より金に属すれば刀を主り、また太陰の本家なれば陰私と婢妾を主る。

類為天文星,又為霖雨加子、霜加戌、雪丑午加之、海加巳、江加子,為私門,為中丞、太親、陰貴、婦人臨旺少女、姨女天空休衰、外妾、婢妾作六合,作青龍,若作太陰加日辰,主妾為妻、匠婢、酒人、小奴作天空、尼作合加寅申、樂妓加太常、卯、未、老婢加子丑。

酉の取象の類推。天上に在りては文星にして、また連綿の霖雨(酉が子に加わるときこれに應ず)、霜(戌に加わるときこれに應ず)、雪(丑午が酉に加わるときこれに應ず)、海(巳に加わるときこれに應ず)と江(子に加わるときこれに應ず)なり。處所の上に在りては私門なり。人物の上に在りては、御史中丞・至親・陰貴人・婦人(旺氣に臨めば則ち少女)、姨母の輩の女子(「天空」を乘じて氣が休衰のときこれに應ず)、外室と妾婢(「六合」あるいは「青龍」を乘ずるときこれに應ず。若し「太陰」を乘じて日干日支に加われば、妾を以て妻と為すを主る)、女匠・婢女・酒を賣る人と小奴(天空を乘ずるときこれに應ず)、尼姑(六合を乘じて寅申に加わるときこれに應ず)、樂妓(「太常」を乘じて卯・未に加わるときこれに應ず)、老婢(子丑に加わるときこれに應ず)なり。

為官祿、邊兵作虎加孟、孝服作虎,主甲乙日服至、夫婦不和,為皮毛、口竅、耳目、爪骨、精血、小腸、唇舌,為勞瘵、目疾作蛇雀、赤眼丙丁加之,為刀傷加季刑命,為白塔,街巷、小陌、祠廟、倉廩。

酉はまた官祿を主り、邊を戍る兵卒を主る(「白虎」を乘じて寅申巳亥の四孟に加わるときこれに應ず)、孝服を主る(白虎を乘ずるときこれに應ず。甲乙日は尤も孝服の門に臨むを主る)、また夫妻不和を主る。人身の上に在りては、皮毛・口竅・耳目・指甲骨骼・精血・小腸と唇舌なり。疾病の上に在りては、癆瘵、眼病(「螣蛇」「朱雀」を乘ずるときこれに應ず)、紅眼(丙丁が酉に加わるときこれに應ず)、刀傷(辰戌丑未の四季に加わりて刑が本命に到るときこれに應ず)なり。地上に在りては、白塔・街巷小路・祠廟と倉廩なり。

為碑碣、金銀、首飾、珍珠、盤鏡、銅鉛作太常加寅、鐵石、皮革、氈條,為酒漿、菜食、姜蒜。

器物の上に在りては、酉は碑碣・金銀・首飾・珍珠・盤子鏡子、銅と鉛(「太常」を乘じて寅に加わるときこれに應ず)、鐵石・皮革と氈條なり。飲食の上に在りては、酒漿・菜蔬および姜・蒜の類の辛辣の物——酉の味は正に辛に属すればなり。

為姓趙、金、樂、石、劉卯加酉、閔卯酉加六合、鄭貴人加之、程、呂俱大陽加之,凡立人、金傍之類。

酉の主る姓氏に、趙・金・樂・石あり、また劉(卯が酉に加わるときこれに應ず)、閔(卯酉相加して「六合」を乘ずるときこれに應ず)、鄭(「貴人」を乘ずるときこれに應ず)、程と呂(いずれも太陽の加臨を要す)あり。大凡そ單人旁を帯び・金字旁を帯びる姓は、皆酉の管に歸す。酉は本より金に属すれば金旁を取り、その字形はまた人の直立するがごとければ立人旁を取る。

從魁金玉乗龍虎旺相的小刀乗龍虎囚死的錢丙丁日乗陰的,奴婢乗空主奴,乗陰主妾私通乗后合主表裡私通近水邊乗元。小麥乗常九江乗後伏吟幷賞賜乘貴人旺相,雞鳥乗雀主雞,乗蛇怪鳥解散乘勾不為嫌。

從魁の一条の綱目は:「青龍」「白虎」を乘じて氣旺相なれば金玉を主り、青龍・白虎を乘じて氣囚死なれば小刀を主る。丙丁日に「太陰」を乘ずれば錢を主る。「天空」を乘ずれば奴を主り、太陰を乘ずれば妾を主る。「天后」「六合」を乘ずれば内外私通を主る。「玄武」を乘ずれば事は水邊に在るを主る。「太常」を乘ずれば小麦を主る。天后を乘じて伏吟に値えば九江之水を主る。「貴人」を乘じて旺相なれば賞賜を主る。「朱雀」を乘ずれば鶏鳥を主り、「螣蛇」を乘ずれば怪鳥を主る。「勾陳」を乘ずれば解散を主り、嫌忌と算せず。

虎臨從魁,旺相為金玉,囚死為刀。龍臨旺相,亦為金玉;若龍發用,金木相剋,事有終始。六辛日太陰主事,旺相為金玉,死為刀及屠戮事。丙丁日太陰加酉乃錢也,若非火制,酉金不能成錢之形;如甲戊庚三日,魁雖太陰,則不言錢。

「白虎」が從魁(酉)の上に臨めば、氣旺相の時は金玉を主り、氣囚死の時は刀刃を主る。「青龍」が酉に臨みて旺相なれば、また金玉を主る。若し青龍が「発用」せば、金と木と相克して、事情は便ち始めありて終わりあり。六個の辛日は「太陰」が事を主る。旺相は金玉を主り、死氣は則ち刀刃と宰殺屠戮の事を主る。丙・丁日に太陰が酉の上に加われば便ち錢なり。酉金に若し火の煆煉なければ、錢幣の形狀を成す能わざればなり。甲・戊・庚の三日に至っては、酉上に縱え太陰を乘ずとも、錢と論ぜず。

甲日春占,太陰囚,主奴妾奸私事;戊日則太陰相氣,金土相生,兩陰相會,主婚姻事;庚日太陰旺氣,主金帛事。天空為奴,從魁為婢,二者相鄰,故通言奴婢。私通者,合主之,合是私門,卯酉相併,謂之左右表裡陰私也。酉曰九江,玄武水將,金能生水,故曰水邊;若六己日土克玄武水,則濡涸。

甲日に春に占えば、太陰は囚氣に處り、奴僕姬妾の私通の事を主る。戊日は太陰が相氣を得、金土相生し、兩重の陰氣が交會して、婚姻の事を主る。庚日は太陰が旺に當たり、金銀財帛の事を主る。「天空」は奴にして從魁は婢なり。兩者の位次は相隣る。ゆえに合わせて通じて奴婢と稱す。私通を説くは、「六合」の主管するに由る。六合はすなわち私門にして、卯と酉と並列して一處に在り、左右表裏の陰私と呼ばる。酉はまた九江と呼ばる。「玄武」は水將にして、金は能く水を生ず。ゆえに事は水邊に在りと説く。若し六個の己日ならば、土が來りて玄武の水を克し、水は便ち浸乾せらる。

太常主小麥,壬癸日占金水相生,麥苗以秀;若甲戊庚三日占,又不同:甲日太常加酉,則麥已熟而先有損,酉克干故也;戊日則金土相生力壯,麥秀而實;庚日則過扵剛硬,麥堅固而粒小。天后加酉,淵源之水,故曰九江。貴人加酉,旺相賞賜,囚死主貴人嗔責,占訟即憂枷鎖。

「太常」は小麦を主る。壬・癸日に占えば、金水相生し、麦苗は穗を抽き秀を吐く。若し甲・戊・庚の三日に占えば、情形はまた同じからず。甲日は太常が酉に加わり、麦子は虽已に成熟するも先に損傷あり。酉金が甲木を克すればなり。戊日は金土相生し、力量は壮實にして、麦は既に穗を抽きまた實を結ぶ。庚日は則ち金氣が過ぎて剛硬にして、麦粒は虽堅固なるも顆粒は偏小なり。「天后」が酉に加われば、深淵源頭の水にして、ゆえにまた九江と呼ぶ。「貴人」が酉に加われば、旺相は賞賜を受くるを主り、囚死は則ち貴人の發怒責備を主り、官司を占えば便ち枷鎖の身に臨むを憂う。

朱雀加酉,主雞鳥,若剋日又主獄訟、文書。螣蛇加酉,旦主鳥怪,暮主雞怪,若二月六己日占,月厭在酉更的。勾陳加酉,主解散:甲日青龍直事克勾陳,勾陳之子是酉金,又克甲木,互相持勢而戰,戰則散而不為嫌矣;戊庚日合而無戰,亦主散;壬癸日被勾陳克,卻得勾陳子金相生救之,謂之無恩解散。

「朱雀」が酉に加われば、鶏と飛鳥を主る。若しまた日干を克せば、還た牢獄官司と文書を主る。「螣蛇」が酉に加われば、白天の占は怪鳥を主り、夜裏の占は鶏怪を主る。若し是れ二月の六個の己日の占ならば、月厭は正に酉の上に落ちて、就更加に的当なり。「勾陳」が酉に加われば解散を主る。甲日は「青龍」が値に當たりて來りて勾陳を克し、しかも勾陳の生ずる子神は正に酉金にして、酉金がまた反克して甲木を克す。彼此勢を持して相戰し、一戰して便ち散ず。亦た嫌忌を成さず。戊日・庚日は神將が相合して相戰せず、同じく散を主る。壬・癸日は日干が勾陳に克されるも、卻って勾陳の子酉金の轉じて來りて相生解救するを得る。これを『無恩の解散』と呼ぶ。

傳送申

金神,小滿後日躔實沉,四月將。傳送者,四月萬物茂盛,陽極將退,一陰欲生,傳陰而送陽也。

申は金神に属す。小滿以後、太陽は實沉の次に運行す。ゆえに申は四月の「月将」なり。これを傳送と呼ぶは、四月に万物は茂盛して頂点に至り、陽氣は極盛にして將に回落せんとし、一線の陰氣が正に生ぜんと欲し、正に陰氣を傳接して來り陽氣を送將して去るの時なればなり。

傳送神形項短,目圓睜,微有鬚髮,大身,古之行人也。庚寄其上,水生其下,白虎之象。音徵,數七,味辛,星觜參,禽猴猿猱,宮陰陽,分野晉、益州,屬猴,位西南。

傳送のこの神、形貌は脖子短く眼睛圓く睜き、略有りて須髮あり、身材高大なり。古は道路を奔走する使者なりき。天干庚の「寄宮」は申の上にあり、水はまた申の上に長生す。ゆえに申は「白虎」の本家なり。配する五音は徵、成數は七、味は辛に属し、觜宿・參宿に對應し、禽獣は猴・猿・猱、十二宮は陰陽宮に属し、分野は晉國・益州に在り、生肖は猴に属し、方位は西南に在り。

所主道路、疾病、信耗事。類為天錢星,又為天鬼、天醫,為廷尉、元帥加三合之首、行人、公人、民人、孝子、征夫若加子午又主軍逃亡、鋪兵、獵師作虎、銀匠、鐵匠、舅、僧作龍加孟、商賈、巫醫作六合、屠戸,為肺、膽、大腸、骸骨、音聲,為疾病、死尸、喪孝,為產乳、水厄加亥剋日、仇讎、攻刼作勾、饋送、失脫作元武加亥子、淫壬癸日。

申の主るところは、道路往來・疾病と音信消息なり。その取象の類推。天上に在りては錢星にして、また天鬼と天醫なり。人物の上に在りては、廷尉(刑獄を掌る官)、元帥(申が三合局の首に加わるときこれに應ず)、行人・公門中の人・平民・孝子、出征の兵夫(若し子・午に加われば、また軍人の逃亡を主る)、驛鋪の兵、猟人(「白虎」を乘ずるときこれに應ず)、銀匠・鐵匠と舅父、僧人(「青龍」を乘じて四孟に加わるときこれに應ず)、商賈、巫醫(「六合」を乘ずるときこれに應ず)、屠戸なり。人身の上に在りては、肺・膽・大腸・骸骨と聲音なり。事の上に在りては、疾病・死屍・喪事孝服、婦人の生産哺乳、水厄(申が亥に加わりて日干を克するときこれに應ず)、仇敵・攻劫(「勾陳」を乘ずるときこれに應ず)、饋贈送禮・遺失脱漏(「玄武」を乘じて亥子に加わるときこれに應ず)と淫亂(壬癸日にこれに應ず)なり。

為祠廟、庵堂、城宇、道路、池湖、陵寢、靈柩,為絹帛、綿絮、經文、毛羽、藥物、刀兵加刑、礱磨、大麥。

地上に在りては、申は祠廟・庵堂・城郭屋宇・道路・池塘湖泊・陵墓寢園と靈柩なり。器物の上に在りては、絹帛・綿絮・經卷文書・毛羽・藥材、刀兵(申が刑位に加わるときこれに應ず)と穀を礲ぐ磨盤なり。物産の上に在りては、大麦なり。

為姓袁、郭、申、晉、侯、韓、鄧,凡金傍、之遶之類。

申の主る姓氏に袁・郭・申・晉・侯・韓・鄧あり。大凡そ金字旁を帯びる姓、および辶の底の類の偏旁を帯びる姓は、皆申の管に歸す。申は本より金に属すれば金旁を取り、申はまた道路行人の神なれば、行走を表す偏旁を取る。

傳送刀兵乗虎僧及醫乗常主醫或僧,寃仇已日乗勾克徳也道路乗龍稅乗貴主賦湖池乗後。大麥守城乗陰旺相為麥,囚死為守城喪乗蛇碓磨乗空,市賈乗合刼攻乗刼殺元武田獵師乗雀。

傳送の一条の綱目は:「白虎」を乘ずれば刀兵を主る。「太常」を乘ずれば醫生あるいは僧人を主る。己日に「勾陳」を乘じて徳を克せば、冤仇を結ぶを主る。「青龍」を乘ずれば道路を主る。「貴人」を乘ずれば賦税を主る。「天后」を乘ずれば湖池を主る。「太陰」を乘じて旺相なれば大麦を主り、囚死なれば則ち城を守るを主る。「螣蛇」を乘ずれば喪事を主る。「天空」を乘ずれば碓磨を主る。「六合」を乘ずれば市井買賣を主る。劫殺あるいは「玄武」を乘ずれば劫掠攻奪を主る。「朱雀」を乘ずれば田猟の人を主る。

虎加申主刀兵,其義有五:甲日青龍主事,則虎因財而爭傷,並死煞尤甚,謂金木相剋,流血之禍也。戊日勾陳主事,金土相生無戰,雖並惡煞不凶。庚日即虎主事,持徳直日,雖動刀兵不傷,且利見大人,誅討不義也。壬日天后主事,姦淫相傷;癸日玄武主事,盜賊有傷,俱不凶。

白虎が申の上に加われば刀兵を主る。その中の道理に五層あり。甲日は「青龍」が事に當たり、白虎は便ち財を爭うに因りて人を傷る。若し再び死煞を併せれば尤も厉害なり。これは金木相克・血を見るの禍なり。戊日は「勾陳」が事に當たり、金と土と相生して相戰せず。縱え惡煞を併すとも凶と算せず。庚日は便ち白虎が自ら事に當たる。白虎が徳を持して日に値えば、虽刀兵を動すとも人を傷るに至らず、反對に大人に晋見するに利あり。命を奉じて不義を討伐するの擧なり。壬日は「天后」が事に當たり、奸淫に因りて彼此傷害するを主る。癸日は「玄武」が事に當たり、盗賊の凶を行い人を傷るを主る。この兩樣も亦た皆大凶と算せず。

傳送乗太常,主醫及僧。六已日勾陳臨傳送,主寃仇爭鬥,葢巳德在甲,勾乗申遙克傷德故也。

傳送が「太常」を乘ずれば、醫生と僧人を主る。六個の己日に「勾陳」が傳送(申)の上に臨めば、怨を結び爭闘するを主る。巳の徳は甲に在りて、勾陳は申を乘じて遠處より遥に克し去り、この徳を傷つく。ゆえに仇怨を生出すなり。

道路之說有五:甲戊庚日俱申為青龍,但甲日主財帛出其道路,或遠信財物。戊日主奴婢公文出其道路;庚日主疾病喪孝出其道路;壬日卦得申子辰,主婦人淫亂,敗露出其道路;癸日切忌出行,主道路有遺亡。

道路に關する説法に五層あり。甲・戊・庚の三日は、申上は皆「青龍」なれど、主るところは同じからず。甲日は財帛がこの条の道路より來り、あるいは遠方の音信財物あるを主る。戊日は奴婢と公文がこの条の道路より來るを主る。庚日は疾病と喪事孝服がこの条の道路より來るを主る。壬日に若し申子辰の三合水局を排出せば、婦人淫亂を主り、事情は道路上に敗露す。癸日は最も出門を忌み、路上に遺失亡脱の事あるを主る。

天乙加申,主田園賦稅。葢申為水之長生貴人,土遙克之故也。水生申、旺子,天后加之,主湖池。甲日為池,戊日為湖,丙丁日不為湖池,名曰日被雲遮,作事闇昧,妨有謀窺。

「貴人」が申の上に加われば、田園賦税を主る。申は水の長生の地にして、しかも貴人は土に属し、遠處よりこの一点の水を克すれば、ゆえに征賦催科の象あり。水は申の上に長生し子の上に帝旺す。「天后」が申位に加臨すれば、便ち湖池を主る。甲日は池を主り、戊日は湖を主る。丙・丁日は則ち湖池と論ぜず、『日が雲に遮らる』と呼ばれ、事を辦するに昏暗不明にして、還た人の暗中に窺伺圖謀するあるを提防すべし。

六辛日太陰加申,旺相為麥,囚死為守城。螣蛇主喪,甲日官貴財富之喪,戊日奴婢之喪或因官致病死之喪,庚日則不病尫羸之喪,丙日官使之喪或爐冶之家喪碓磨,天空主之。六合主交易市賈:壬癸日女人交易,或是媒禮之事;丙丁日男子交易,牙儈與官置買賣事。朱雀主田獵或刼攻未解,或玄武主之。

六個の辛日に「太陰」が申に加われば、氣旺相は大麦を主り、氣囚死は城を守るの役を主る。「螣蛇」は喪事を主る。甲日は官貴富家の喪、戊日は奴婢の喪あるいは公事に因りて病を得て亡ぶの喪、庚日は併びて生病せずして瘦弱して亡ぶの喪、丙日は官差の喪あるいは爐冶の人家の喪なり。碓磨の一項に至っては、則ち「天空」の主管するに由る。「六合」は交易買賣を主る。壬・癸日は婦人の做す交易あるいは媒聘の禮なり。丙・丁日は男子の做す交易、牙行經紀と官府の置辦する買賣なり。「朱雀」は田猟を主り、あるいは劫奪攻掠の事の尚未だ了結せざるを主る。この一項もまた「玄武」の主管に歸すの説法あり。

小吉未

土神,夏至後日躔鶉首,五月將。小吉者,夏至之氣,大徃小來,小人之道長,小之吉也。又為萬物小成之義。

未は土神に属す。夏至以後、太陽は鶉首の次に運行す。ゆえに未は五月の「月将」なり。これを小吉と呼ぶは、夏至に一陰始めて生じ、正に《周易》否卦の説く『大往小來』に合し、陰柔の一路が漸々生長し、『小』の一方に對しては反對に吉なれば、ゆえに小吉と稱す。もう一層の意思は万物ここに至りて已に略々成就を見る。ゆえに小成の義を取る。

小吉神為風伯,古之藥師也。丁寄其上,木墓其下,太常之象。音徵,數八,味甘,星井鬼,禽犴羊鷹,宮巨蟹,分野秦、雍州。屬羊,位西南方。

小吉のこの神はすなわち風伯にして、古は藥を采り藥を合する藥師なりき。天干丁の「寄宮」は未の上にあり、木の「墓庫」は未の下に在り。ゆえに未は「太常」の本家なり。配する五音は徵、成數は八、味は甘に属し、井宿・鬼宿に對應し、禽獣は犴・羊・鷹、十二宮は巨蟹宮に属し、分野は秦國・雍州に在り、生肖は羊に属し、方位は西南に在り。

所主酒食、婚姻、祠祀事。類為天酒星,又為天耳加巳午、風伯、鬼神一雲家鬼。為太常、主保、父母、老人、繼父加、繼母亥加酉、姑、嫂、姨、妹、媒奶、寡婦、道人、酒匠、帽匠,為請召青龍比日、慶賀、筵會、離別見行年離神,為旱熯、蝗蟲雀加亥子,為肝、脫脊,為廷院、牆垣、園加辰、林加卯、土物、井泉、陶冶、墳地甲乙日角姓、茶房、酒肆、賽場,為海鮮、盤盞、冠裳、印信、笙歌、醫藥、苗簾、桑木、罇、麻龍后加寅卯。

未の主るところは、酒食・婚姻と祠祀の事なり。その取象の類推。天上に在りては酒星にして、また天耳の神(未が巳午に加わるときこれに應ず)・風伯と鬼神(一説に家中の祖先の鬼)なり。人物の上に在りては、「太常」、主保の人・父母・老人、繼父(加臨するときこれに應ず)・繼母(亥が酉に加わるときこれに應ず)、姑母・嫂子・姨母・妹子・媒婆奶妈・寡婦・道人・釀酒匠と製帽匠なり。事の上に在りては、延請征召(「青龍」を乘じて日干と相比するときこれに應ず)・慶賀・宴會、離別(行年上の離神を見るときこれに應ず)、また天旱酷熱と蝗蟲の災を為すを主る(「朱雀」を乘じて亥子に加わるときこれに應ず)。人身の上に在りては、肝と脊背脱骨の疾なり。地上に在りては、庭院・牆垣、園圃(辰に加わるときこれに應ず)、樹林(卯に加わるときこれに應ず)、土制の物・井泉・陶冶の窯作、墳地(甲乙日にして角音の姓に遇うときこれに應ず)、茶房・酒肆と賽神の場所なり。物の上に在りては、海鮮・盤盞・冠冕衣裳・印信・笙歌樂器・醫藥・田間の苗簾・桑木・酒樽、および麻(青龍・「天后」を乘じて寅卯に加わるときこれに應ず)なり。

為姓朱、秦、髙、章、羊、杜、井、魏、楊,凡羊、土傍之類。

未の主る姓氏に、朱・秦・高・章・羊・杜・井・魏・楊あり。大凡そ羊の字を帯び・土の字旁を帯びる姓は、皆未の管に歸す。未は生肖に羊に属し、五行に土に属すれば、この兩處より象を取る。

小吉姨姑乗陰婚禮儀乗龍,羊酒祠禱祭神祗乗常見元武貴人應此。白頭乗蛇見喪車主孝爭訟壬癸日乗朱勾公婆母乗後,井泉乗空天耳乗空,四月宜捉訪墓乙日乗虎風師辛、己日乗虎。

小吉の一条の綱目は:「太陰」を乘ずれば姨母姑母を主る。「青龍」を乘ずれば婚姻禮儀を主る。「太常」を乘ずれば羊酒祠禱・神祇を祭祀することを主る。若し「玄武」と「貴人」を見ればまたこの象に應ず。「螣蛇」を乘じて喪車煞を見れば、白頭孝服を主る。壬・癸日に「朱雀」「勾陳」を乘ずれば爭訟を主る。「天后」を乘ずれば婆婆と母親を主る。「天空」を乘ずれば井泉を主り、また天耳煞を主る。四月裏にこれに遇えば捉拿訪察に宜し。乙日に「白虎」を乘ずれば墳墓を主る。辛日・己日に白虎を乘ずれば則ち風師を作し、大風を起こすを主る。

太陰臨主姑姨妹之事,青龍臨主婚姻禮儀之事。太常穀粟之神,壬癸日並土,以土克水,故酣而為酒。丙丁日,亥作天乙為天豬煞,未為天羊煞,亥與太常三合,主豬羊事;天乙加未,玄武居亥,為三合,主祠禱神祗。

「太陰」が未に臨めば、姑母・姨母・妹子の類の事を主る。「青龍」が未に臨めば、婚姻禮儀の事を主る。「太常」は谷粟を掌る神にして、壬・癸日はまた土氣を併せ、土を以て水を克し、穀は醞釀を經て酒を成す。ゆえに酒を主る。丙・丁日は、亥上に「貴人」を作せば便ち天猪煞、未は便ち天羊煞なり。亥は太常と同じく亥卯未の三合の中に在り。ゆえに猪羊の事を主る。貴人が未に加わりて「玄武」が亥に居れば、また三合を結成し、神祇を祠禱することを主る。

葢玄武是北斗將軍,掌妖訛事,不聽居其於丑未;丑、未,天乙所處,即無將軍之位,如君子不與小人競,故曰祠禱也。白頭者,孝服也;螣蛇為喪車煞、魄煞,三者並臨,主孝服。勾陳主爭,謂上將臨旺鄉,值壬癸日占,必有爭也。

これは玄武が北斗の將軍にして、妖訛の事を掌管するも、それが丑・未の兩宮に居るを許さざるが故なり。丑と未は貴人の處する位置にして、將軍ここに在ればその地位なし。譬えるに君子は小人と相爭わざるがごとし。ゆえにただ祠禱を説きて妖訛を説かず。いわゆる白頭は、すなわち孝服なり。「螣蛇」はまた喪車煞と魄煞なり。三樣併臨して一處に在れば、必ず孝服の身に臨むを主る。「勾陳」は爭闘を主るとは、上乘の將が旺氣の郷に臨むを説く。若し壬・癸日の占に値えば、必定に爭執あり。

朱雀主公訟文書,天后水生木,墓於未鄉,主婆母。天空主井泉。帶凶煞則主井怪、崩壊;四月占天空又為天耳煞,凡捉人遇此必得的信天耳,正月起戍順行四季。木日占病,白虎臨之為墳墓煞;六乙日占虎臨又為風師,主作大風。

「朱雀」は官司と文書を主る。「天后」は水に属し、水は木を生じて木は未に墓す。ゆえに婆婆と母親を主る。「天空」は井泉を主る。若し凶煞を帶びれば、便ち井中に怪を作しあるいは井壁の崩壞を主る。四月の占時に天空がまた天耳煞を充當すれば、凡そ人犯を捉拿するにこれに遇えば、必ず確實の消息を得べし(天耳煞は正月より戌に起こり、辰戌丑未の四季に順いて推行す)。木日に病を占えば、「白虎」が未に臨むは便ち墳墓煞なり。六個の乙日に占えば、白虎が未に臨みてまた風師を作し、大風を刮起することを主る。

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