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太陽照武宜擒賊第三九

明 · 郭载騋(校) · 第52巻 / 56

作盤ガイド: 大六壬起課, 金口訣起課

不利劫營伐路。謂元武坐於太陽月將之上,占賊必敗,緣賊人喜夜而可以隱形,豈宜被太陽之光照耀,以致盜賊之形現露,不勞捕捉,必然自敗,縱太陽月將乘天空或作空亡,及坐空亡尤好,緣太陽不被雲翳,更光明也,惟畏占時在夜,賊反大幸也。

兵を用うれば即ち營を劫し路を截するに利あらず。この格の説く所は、元武が「太陽月将」(当月の太陽の在る星次の神)の上に坐すれば、賊を占えば必ず敗す。賊人は夜色を好み、黒暗を借りて身を蔵するを好めば、何処で太陽の一照に経得起さん。賊形は一たび露れれば、往きて捉うるを勞せず、自然に敗亡す。たとい太陽月将が天空に乗るか、或いは本身空亡に値するか、或いは坐する所の處が空地なるとも、反って更に好し。太陽は雲に遮られず、益々光明なればなり。怕るる所は只だ起課の時が正に夜裏に在れば、さすれば賊は反って大便宜を得ん。

尤宜逐季推尋日出日入之時,極準。如止以卯為日出,酉為日入,則元武止有臨地盤之申上者為晝,緣不臨地寅卯辰巳午未故也。如推究節氣,日出日入,則元武縱臨酉戌,尚可作太陽照武之用也。

最も好しとは四季に按じて分別に實際の日出・日落の時刻を推算すれば、さすれば才だ極準なり。倘若一概に卯を拿りて日出と當て酉を拿りて日落と當てば、然れば元武はただ地盤の申位の上に臨む者のみ白晝と算えらるべし。それが地盤の寅・卯・辰・巳・午・未の各位に臨み到らざればなり。若く肯んじて細究して節氣を推算して真正の日出・日入を得ば、然れば元武はたとい酉・戌の両位の上に臨むとも、還た太陽照武として以て取用し得べし。

如壬申日返吟卦,十月占,且支上寅木乃是日之盜氣,上又乘元武,必是家中人作盜,後必敗露,緣寅為月將照破元武故也。如辛亥日亥將戌時,三傳丑寅卯,此課所合主失脫而無疑也,緣干上亥是日之盜神又乘元武,又初傳是日之墓神,中傳雖寅卯為日財,又是旬空,雖是太陽照武,奈何是戌時,太陽已歸地下,其賊難獲,此例極多,餘皆仿此。

たとえば壬申日の返吟課に、十月に占えば、支上の寅木は正に壬水の氣を泄する盜神にして、寅の上にまた元武に乗れば、必ず家裏の人の賊を為すなり。但し後來に一定に敗露す。十月の月将は即ち寅にして、太陽の光が照破して元武を破るが故なり。またたとえば辛亥日に亥を以て月将と為し、戌時に起課すれば、三伝は丑・寅・卯。この一課は合せて看れば、失竊を主とす。干上の亥は辛金の氣を泄する盜神にしてまた元武に乗り、初伝はまた辛金の墓神なり。中伝の寅・卯は辛金の財と雖も、卻って「旬空」に落ち、即ち本旬の中に天干の配るべきなきあの両位の地支なり。説くは太陽照武と雖も、无奈戌時に占せば、太陽は已に地下に落ち去りて、この賊は便ち捉獲しがたし。この類の例子は極めて多く、残りは皆このように推せ。

至元武雖不臨太陽之上,如於卯辰巳午申天盤之上者,尚可捕盜,或元武臨天馬六丁,更臨酉戌亥子丑上,其賊終不敗露,必至遠竄。如占失財,其財坐長生之上者,終不致失,或所失物類坐於長生之上者,亦不至失也。

元武は正に太陽の上に坐せざると雖も、ただ天盤の卯・辰・巳・午・申のこの几位の上に落ちれば、仍舊として賊を捕うるを得べし。もし元武が「天馬」(奔走・馳逐を主とする神)或いは六丁の神に臨み、また酉・戌・亥・子・丑のこの几位の上に臨まば、あの賊は終究敗露せずして、必ず遠く逃窜せん。もし失財を占えば、あの筆の財が長生の位に坐するは、終究丟失せざるなり。或いは失う所の物件の類神が長生の位に坐するも、亦た照樣に丟失せざるなり。

天網四張格:最宜占賊必獲,謂用神與正時同剋日是也,惟在破網卦反難捉賊矣。破網者,有神克其初傳是也。賊向防連坐者例:緣元武所臨之神有神作六合是也。如元武加子臨丑,子與丑作六合故也。

「天網四張格」——最も賊を占うに宜しく、必ず捉獲す。説く所は「用神」(発用の神)と「正時」(起課に用うる時辰)とが一同に來て日干を克し、四面に網を張る。賊は逃るべき處なし。唯独破網卦に遇えば、反って賊を捉えがたし。いわゆる破網とは、即ち別に神有りて来てあの初伝を克するなり。「賊向防連坐者例」——元武の臨むあの神に、別に神有りてこれと六合を結ぶ。たとえば元武が子の上に加わりて丑に臨めば、子と丑とは正に六合を作す。これは即ち賊が同夥を供出し旁人を連累するを防ぐを要す。

捉賊不如趕賊格:假令甲日占,以申為賊,不可便以丙火剋剋之,雖去其鬼賊,亦竊甲干之氣,尤憂所費,以此推之,不如以壬水暗竊其申金尤生其甲木為妙。游都下捉賊必獲,游都煞者,甲己日丑,乙庚日子,丙辛日寅,丁壬日巳,戊癸日申。

「捉賊不如趕賊格」——假如甲日に賊を占うて申金を以て賊と為すも、卻って徑直に丙火を用いて往きてこれを克すべからず。丙火は能くこの鬼賊を除掉すと雖も、自己もまた甲木の氣を盜泄して、反って力を費し財を破らん。これに由って推想すれば、壬水を用いて暗暗にあの申金を耗泄せしめ、しかも壬水はまた転じて來て甲木を生ず。これ才だ妙と呼ぶべし。「游都」煞の下に在りて賊を捉えば、必定捉うるを得。游都煞の算法は、甲日・己日は丑に在り、乙日・庚日は子に在り、丙日・辛日は寅に在り、丁日・壬日は巳に在り、戊日・癸日は申に在り。

玄武加丁主失脫。賊捉賊格:如壬癸日辰戌未丑等為傳,三傳自相刑沖,可以凶制凶,又內有四金字可以化鬼也。又元之本家上神能制元亦是。鬼作生氣,賊來不已,如日之劫財,或占失財,亦以此為賊,或鬼賊本家與元武本家上神乘太陽,占盜立獲。

元武が丁神に加臨すれば、失竊・走失有るを主とす。「賊捉賊格」——たとえば壬日・癸日に辰・戌・未・丑を以て三伝を作せば、三伝は彼此相刑・相冲して、正に凶を以て凶を制すべし。四墓の中にまた各々金氣を蔵して、能く鬼を化解し得べし。別に元武の「本家」有り。即ち元武の属する本位の地支にして、その上の神の能く元武を制住するも、またこの格と算ぞ。もし鬼爻が同時に生氣を充てば、賊は便ち個不停に來らん。日干の「劫財」、即ち同類の相爭にして専ら我が財を奪うあの一爻に至っては、失財を占う時にもこれを當に賊として看べし。倘若鬼賊の本家・元武の本家の其上に乗る所の神が正に太陽月将なれば、失盜を占えば立刻に捉うるを得。

後合占婚豈用媒第四十

大過九五枯楊生花,家人九三嗃嗃嘻嘻,占兵有敵與臣下私謀者。謂干為夫,支為妻,凡占婚全看此,豈宜支干上乘天后、六合,以應私情,那更女之行年居在干上,男之行年居在支上,此乃私情,先相交通,至嫁娶之時,何有用媒伐乎。

取象は《周易》より出づ。《大過》の九五の爻辭に枯楊の花を開くと説き、《家人》の九三の爻辭に家を治むるの過嚴と嬉笑・無節のこの両種の情形を講ず。若く兵を用うるを占えば、即ち敵方と我が臣下との暗中に勾結する有るを主とす。この章の説く所は、日干を以て丈夫と為し日支を以て妻子と為し、およそ婚事を占うは全くこの両處を看る。干上・支上は怎麼して天后・六合のこの情愛を主とする両天将に乗るに宜しきや。あれは正に私情に應ず。何况女方の行年が干上に落ち男方の行年が支上に落つれば、これは更に私情なり。両人は已に先行して往来・通好して、正式の嫁娶の時候に到れば、何處で還た媒人を用いて説合せしめんを須せん。

如占婚值此者,必有有先奸後娶之意也。如丁卯日干上寅,晝乘六合,支上戌乘天后,又干上子夜乘六合,支上申乘天后,又干上戌乘天后,支上午乘六合夜。更看那邊空亡,審其真偽,如值空亡,則雖乘天后、六合,既已坐空,乃止懷虛意也。

婚を占うてこの種の課に遇えば、必定に先に私情有りて後に婚娶を行うの意思を含む。たとえば丁卯日に干上は寅、昼占の時に寅の上に六合に乗り、支上は戌にして天后に乗る。また干上は子、夜占の時に子の上に六合に乗り、支上は申にして天后に乗る。また干上は戌にして天后に乗り、支上は午にして六合に乗りて夜占を用う。還た再看して両辺に空亡に落つる有無有るを要し、以て是れ真か假かを辨明す。もし空亡に落ちれば、然れば天后・六合に乗ると雖も、既に空處に坐せば、亦不過白く一点の虚情を懐くのみ。

富貴干支逢禄馬第四一 功成受賞

謂干上有支驛馬,支上有干祿神者,故名真富貴卦,凡君子占之加官添俸,富貴雙全,常人占之,病訟俱凶,宅移身動。如丙寅日干上申,乃支驛馬,支上巳乃干祿,餘仿此。

日の天干を「干」と稱し、求占人の本身を主とす。日の地支を「支」と稱し、家宅と相手方とを主とす。およそ日干の上頭に乗る所の神が正に日支の「駅馬」(三合局に随って定め出す動星にして、奔走・遷転を主とす)にして、日支の上頭に乗る所の神がまた正に日干の「禄」(天干の臨官して位を得る處にして、俸禄・財源を主とす)なれば、「禄馬」が交互に登臨す。即ち真の富貴課と呼ぶ。士人・君子が占い得れば、官を升り俸を加え名も利も雙収するを主とす。尋常の百姓が占い得れば反って未だ必ずしも福ならず。病を問うも訟を問うも凶にして、多くは遷居・移宅・身の安を得ざるに應ず。譬如丙寅日に、日干の丙の上に申を見、申は正に日支の寅の駅馬なり。日支の寅の上に巳を見、巳は正に丙火の禄位なり。残りの各日はこれに照らして類推す。

尊崇伝内遇三奇第四二 如占大吉有成功封拜之喜

且夫三奇者有二等,有三傳全遇甲庚戊者,有三傳全遇乙丙丁者。其法亦有二,有遁旬中之干者,有遁五子元建之法者,凡值此二例,君子占之,官居一品之尊,貴入巖廊,縱使常人占之,雖無吉泰之兆,亦可消除災禍。

「三奇」は両類に分かつ。一類は「三伝」(四課より推し出す初伝・中伝・末伝)の三支の遁得する天干の齊しく甲・庚・戊を見る。一類は三支の遁得する天干の齊しく乙・丙・丁を見る。取法もまた両種有り。一種は本旬に依りて干を遁じ、日辰の属する旬首に照らして三伝の各支の天干を推し出す。一種は五子元建の法に依りて干を遁ず。およそこの両種の格局の一に碰えば、士人・君子が占い得れば、位列して一品の貴を主とし、朝廷の廊廟に出入するを得。たとい平常の百姓が占い得るとも、説くは未だ必ずしも大吉・大通の征兆ならずと雖も、亦た災を消し厄を解するに足る。

遁旬中之干者,如己卯日干上午,第四課發用,初傳丁丑加寅,中傳丙子,末傳乙亥。又己巳日丁卯加辰,丙寅加卯,乙丑加寅,又壬申日初傳乙丑加子,中傳丙寅,末傳丁卯。戊辰日初傳丁卯加辰,中傳丙寅,末傳乙丑。

先ず本旬に依りて干を遁ずるの一路を説く。譬如己卯日に、日干の己の上に午を得、第四課より取り出して発用と為す。初伝は丑にして遁干は丁を得、丑は寅の上に加わる。中伝は子にして遁干は丙を得。末伝は亥にして遁干は乙を得。三支の遁干は恰好として乙・丙・丁斉備す。またたとえば己巳日に、丁卯が辰に加わり丙寅が卯に加わり乙丑が寅に加わるも、亦た三奇の齊全なり。壬申日に、初伝の乙丑が子に加わり、中伝は丙寅、末伝は丁卯。戊辰日に、初伝の丁卯が辰に加わり、中伝は丙寅、末伝は乙丑。皆この一路に属す。

遁甲己還生甲者,如辛巳日干上午,初傳甲午加戌,中傳庚寅,末傳戊戌。己酉日初傳乙亥加戌,中傳丙子,末傳丁丑,餘仿此。

再び五子元建のあの一路を説く。口訣の所謂「甲己還生甲」は、即ち甲日・己日の遁干は仍お甲字より頭を起して順推すなり。譬如辛巳日に、日干の辛の上に午を得、初伝の甲午が戌の上に加わり、中伝は庚寅、末伝は戊戌。遁干は凑りて甲・庚・戊の三奇を成す。己酉日に、初伝の乙亥が戌に加わり、中伝は丙子、末伝は丁丑。遁干は凑りて乙・丙・丁の三奇を成す。残りの各日はこれに照らして推求せよ。

害貴訟直作屈断第四三 雖有深謀密計終主敗露無成

如甲申日未加申為夜貴,乃日之墓神,丑作晝貴,又受寅木克,又作天空,初傳子與未又為害,如占訟理雖直而必致曲斷,事小而必大凶。餘占皆弄巧成拙,止宜識時而屑就,庶不為大禍,其餘五甲日未加寅用夜貴,亦如其說。

譬如甲申日に、未が申の上に加わる。未は夜間に起課に用うる夜貴(天乙貴人は昼夜の両位に分かれ、白天は昼貴を取り夜間は夜貴を取る)にして、しかも未は偏偏としてまた甲木の墓神なり。別一位の丑は本は昼貴を為すも、卻って寅木に克住せられ、且つ虚詐不実の「天空」に乗る。再加えて初伝の子は未と互いに六害を為す。両位の貴人は一個は墓に困せられ、一個は克害に遭う。官司を占うてたとい自己の道理の再直なるとも、判し下せば必ず曲断と成り、事は本は大ならざるも終に大凶に致る。別の事情をこの一課に占うても、皆是巧を弄して拙を成し、只だ時勢を看清し委屈して遷就するにのみ宜しく、才だ大禍を釀成せざるに至らん。残りの五つの甲日の中に凡そ未が寅に加わりて夜貴を用うるは、説法はこれと相同じ。

又如乙酉日未加寅作初傳,害中傳之晝貴,其象稍相類占,亦如前說,曲直作鬼枷錮,如六己日逢曲直課也也,卯加亥先曲後直,卯加未先直後曲。凡申加午為白虎投朱雀,午加辰為朱雀投勾陳,皆主訟。

またたとえば乙酉日に、未が寅に加わりて取りて初伝を作し、反って來て中伝の上の昼貴を傷害す。取象は上例と相近く、断法もまた前面の説く所に照らす。若く曲直課(三伝が結んで亥卯未の木局を成す)の木が反って日干を克する官鬼を成せば、あれは即ち人に枷鎖を戴上するがごとし。六つの己日が木局の曲直課に遇えば便ち此のごとし。その中の卯が亥に加わるは、先ず委屈を受けて後に伸を得るを主とす。卯が未に加わるは、先ず順遂して後に屈を受くるを主とす。このほか凡そ申が午に加わるは、白虎の朱雀に投ずと呼び、午が辰に加わるは、朱雀の勾陳に投ずと呼ぶ。「白虎」は血光・凶傷を主とし、「朱雀」は口舌・文書を主とし、「勾陳」は爭鬥・牽纏を主とす。遇えば皆官司有るを主とす。

課伝俱貴転無依第四四 李廣不封侯楽毅見疑

如丁酉日第一課,干上酉乃夜貴,第二課酉上見亥乃晝貴,第三課酉亥相加,第四課又歸亥鄉,然後三傳酉亥丑,此四課三傳,皆是晝夜貴人所聚,名曰遍地貴人,貴多者不貴,凡占不歸其一,反無依倚,或權攝所委不一,託事無成。

譬如丁酉日に、「四課」(日干・日支とそれらの上神とを以て排成する四組の関係)の第一課は、日干の上に酉を見、酉は夜貴なり。第二課は酉の上に亥を見、亥は昼貴なり。第三課はまた酉亥の相加なり。第四課は仍舊として亥の上に落つ。続いて三伝を排出して酉・亥・丑。このように一来れば、四課三伝は處處皆昼夜の貴人の聚集の地なり。即ち遍地貴人と呼ぶ。貴人多ければ反って貴ならず。およそ事を占えば一個の専主なく、反って依託する所なし。事を弁じ起これば或いは代管・代弁する人の一位に止まらず、各々一套を説き、托付し出して終究一事も成さず。

如用夜貴,乃名咄目煞,如貴人咄目專視,反坐罪也,大不利告貴,占訟尤凶,外有三傳皆是貴人者亦可用,辛巳日干上午,丁卯日干上酉,乙亥日干上子、又干上午。

若く用うる所が夜貴なれば、この一格はまた咄目煞と呼ぶ。譬うれば貴人の目を怒らして視て、死死と你を盯住して放さざるがごとし。結果は反って罪責を判定せられん。この課は最も上司に求見し書を投じて干謁するに利あらず。官司を問えばことに凶険なり。別に三伝が全て貴人の位に落つる有り。またこの一例に照らして來て断ず。たとえば辛巳日に日干の上に午を見、丁卯日に日干の上に酉を見、乙亥日に日干の上に子を見また日干の上に午を見る有り。

昼夜貴加求両貴第四五 亦可請謁于諸侯

謂六處有旦暮天乙相加者,如占告貴求事,必干涉兩貴人而成就。或占謁貴,必不得見其貴人,緣貴人往見別貴,多不在宅,縱然在宅,必會貴客而排筵,蓋貴臨貴位,乃官人見官人也。如是同官,占之反宜謁見。

所謂六處とは、日干・日支およびその上神を連ねて三伝のこの幾個の位置を指す。この六處の中にもし早晚の両位の「天乙貴人」(即ち昼貴と夜貴)の彼此相加有れば、人を托して事を弁ずるを占うて、必要に両位の貴人に牽渉して才だ弁成し得べし。若く登門して貴人に拜見するを占えば、多くは見えず。這位の貴人は正に往きて別一位の貴人に會すれば、常に家に在らざるが故なり。たとい家に在るとも、正に貴客に陪して宴を設くるなり。これは貴が貴位に臨み官人が官人に會する象なり。若く見んと要するが同僚の一輩なれば、この課を占い得て反って前往するに適合す。

已後雖值晝夜貴人相加在傳,視其合用之貴,如值空亡,不可照前說。如六丁日亥加酉晝,丁巳、丁亥、丁丑日酉加亥夜,六丙日酉加亥夜,六癸日巳加卯晝,癸未、癸亥、癸巳、癸酉日卯加巳夜,辛酉日午加寅晝,辛巳日寅加午夜,乙酉日子加申晝,申加子夜,甲戊庚日返吟,餘雖有之,緣不在傳課,故不具載。

此の後に凡そ昼夜の貴人が相加して三伝の裏に落つるに遇えば、當時に該當に用うべきは哪の一位の貴人なるかを看るべし。それが若く正に「空亡」(一旬の中の缺くる所の两支にして、虚にして不実を主とす)に落ちれば、即ち上面の説法に照らして往きて断ずる能わず。具体の日辰有り。六つの丁日に亥が酉に加わりて昼貴を取る。丁巳・丁亥・丁丑の三日に酉が亥に加わりて夜貴を取る。六つの丙日に酉が亥に加わりて夜貴を取る。六つの癸日に巳が卯に加わりて昼貴を取る。癸未・癸亥・癸巳・癸酉の四日に卯が巳に加わりて夜貴を取る。辛酉日に午が寅に加わりて昼貴を取る。辛巳日に寅が午に加わりて夜貴を取る。乙酉日に子が申に加わりて昼貴を取り、申が子に加わりて夜貴を取る。甲・戊・庚の三日の返吟課もまたこの象有り。残りの日辰は貴人の相加有ると雖も、四課三伝の内に落ちざるが故に、一々列挙せず。

貴覆干支格:緣干支上皆乘晝夜貴人例,凡占亦得兩貴人周全而成事,如甲申日干上丑、支上未,庚寅日干上未,支上丑,己卯日干上子、支上申,己亥日干上申、支上子,丁巳日干上亥、支上酉,丁酉日干上酉、支上亥。

この一格は貴覆干支と呼ぶ。日干と日支の上神が同時に昼貴と夜貴とに乗ればなり。およそ事を占えば皆両位の貴人の一斉に照應するを得て、事情を弁じ得て周全なり。所属の日辰有り。甲申日に干上は丑・支上は未。庚寅日に干上は未・支上は丑。己卯日に干上は子・支上は申。己亥日に干上は申・支上は子。丁巳日に干上は亥・支上は酉。丁酉日に干上は酉・支上は亥。

兩貴空害格:如己卯日干上子、支上申,用夜貴乃空亡之貴加宅上,又克宅,干上之晝貴卻作勾陳,又為六害,凡占必家庭神位不齊,尊卑相厭,邪正同處,以致人口災患,又不宜告貴,告貴反逢其怒,或夜貴人加在晝貴人上,宜求關節也。

この一格は両貴空害と呼ぶ。譬如己卯日に、日干の上に子を得日支の上に申を得。夜貴を取れば、あの位の貴人は正に空亡に落ち、卻って家宅を代表する日支の上に加臨し、還た反って宅を克す。日干の上の昼貴は即ち爭鬥・牽纏を主とする勾陳に乗り、並び日干と六害を構成す。およそこの課を占い得れば、家中に供奉する神位は必定に齊整ならず、長幼・尊卑は彼此相厭し、正神と邪祟とは一室に同處す。因りて家裏の人口は多災・多病なり。この時もまた往きて上司に求見するに宜しからず。去れば反ってその怒を招く。若し是れ夜貴が昼貴の上に加臨すれば、即ち人を托して中より關節を打通するに宜し。

貴人差迭事参差不斝第四六 権臣在内忠臣不能在外立功

謂晝貴臨於夜地,夜貴卻臨晝方,故名貴人差迭,如占告貴人求事,多不歸一,如俗諺云:尖擔兩頭脫也。此例極多,不暇細具,或每日有二課者,但仿此而言之。如甲子日丑為晝貴坐在酉上,未為夜貴卻坐在卯上是也。

昼貴は偏偏として夜に属する方位に落ち、夜貴は反って昼に属する方位に落つ。両位の貴人の位置は互相に錯開す。故に貴人差迭と呼ぶ。請托して貴人に事を弁ぜしめるを占えば、事權は多くは一處に歸する能わず。正に俗話の説くがごとし。「尖担両頭脱」、両頭ともに實處に落ち得ざるなりと。この種の情形は極めて多く、一々列挙するに及ばず。ある日子は一天の中に両課を出現すとも、亦たこの道理に照らして往きて推せ。譬如甲子日に、丑は昼貴にして卻って酉の上に坐し、未は夜貴にして卻って卯の上に坐す。即ちこの格なり。

貴人順治格:緣一日內全無逆貴人者,凡告貴皆順,竟無阻卻,兼宜催督復進取。唯有巳為月將,甲戊庚日有之,內有空亡貴人乃無用,如丑未坐於辰戌上,貴人怒嗔。貴人逆治格:緣一日內全無順貴人者,凡告貴竟無相允意,止宜退步,不宜進前,如進則反受挫,惟亥為月將,甲戊庚日有之,內忌空亡。

貴人順治とは、這一天の内に昼夜の両貴が皆順行して、一位の逆行もなきを説く。およそ上司に求見し請托して事を弁ずる皆順當にして、全く阻攔なし。還た再三催促し勢に乗じて進取するに適合す。このような課はただ巳を以て「月将」(当月の太陽の在る辰にして、占時の上に加わりて天盤を転出す)と為す時に、また甲・戊・庚の三日に逢うて才だ有り。その中の貴人が若く恰も空亡に落ちれば便ち管用せず。若く丑・未の両貴が辰・戌の上に坐せば、反って貴人の發怒の象を成す。貴人逆治とは、這一天の内に両貴が全是逆行なるを説く。およそ人を求めて事を弁ぜしむる皆應允を得ず。只だ退讓するに宜しく、進逼するに宜しからず。硬に往きて前に迫れば反って挫折を受く。このような課はただ亥を以て月将と為す時に、また甲・戊・庚の三日に逢うて才だ有り。同じく貴人の空亡に落つるを忌む。

日貴在夜,開眼作暗。夜貴在日,自暗而明。貴在干前事不宜迫,迫則反為貴所怒,事必無成,貴在日後,事宜速催,不催事反被散漫,久必有災。

昼貴が夜方に落つれば、譬うれば眼を睜きながら暗處に身處するがごとく、明中に反って蒙蔽を受く。夜貴が昼方に落つれば、即ち暗より轉じて明と為り、事情は漸漸に眉目有らん。貴人の臨む所の辰が若く日干の前に在れば、事を弁ずれば即ち緊逼すべからず。逼め急けば反って貴人の惱怒を招き、事情は必ず弁成せず。貴人が若く日干の後に落つれば、即ち趕緊に催辦すべし。催さざれば即ち事情は拖沓・涣散して、拖し久しければ必ず災患を生ぜん。

貴雖在獄宜臨干第四七

謂天乙貴人加臨地盤辰戌上者,雖名入獄,如是乙辛二日占,卻名貴人臨身,反宜干投貴人周全成事。其餘八干,晝夜貴人坐地盤辰戌之上,始名天乙入獄,干官貴怒,惟宜私謀陰禱,亦名貴人受賄。如辰戌二日占之,乃為貴人入宅,非坐獄論也。

天乙貴人が地盤の辰・戌の両位の上に加臨すれば、本名は入獄——辰は天羅・戌は地網にして、皆囚繋の地なり。但し若し是れ乙日・辛日に起課せば、辰戌は恰好としてこの両干の貴人の本位にして、反って貴人臨身と呼ぶ。この時は正に書を投じて貴人に求見するに宜しく、事情は反って能く弁じ得て周全なり。残りの八つの天干の日に、昼夜の貴人が地盤の辰戌の上に坐すれば、才だ天乙の入獄と算ぞ。往きて官長に干謁すれば必ずその怒に觸れ、只だ暗中に謀劃し私下に禱求するに宜し。この種の課はまた貴人受賄と呼ぶ。若く辰日・戌日に占い得れば、あれは貴人が家宅に進入する象にして、坐獄に按じて断ずる能わず。

鬼乗天乙乃神祗第四八 當行反間可得敵人之助

如六辛日午加干,如用晝占,雖是日鬼臨身,緣為貴人,切不可作鬼祟看,占病必是神祗為害,如臨宅上者,必是家堂神像不肅而致病患,宜修設功德安慰宅神,庶得無咎。又六丙日晝將亥加巳或亥加支,六丁日晝將亥加未,或亥加支,六乙日申加乙或申加支。

譬如六つの辛日に、午が日干の辛の上に加わり、白天に起課すれば午は正に辛の昼貴なり。午火は辛金を克し、本は日鬼の身に臨むに属すれども、それは同時にまた貴人なり。切に當に鬼祟・凶煞として以て看るべからず。疾病を占えば、多くは神靈の作祟して病を致すなり。若くこの一位が日支即ち家宅の上に加われば、あれは便ち家中の堂上に供する神像の失修・失敬にして招來して病患を致すなり。當に功德を修設し宅神を安撫すべく、才だ災咎を免るを得。同類に還た有り。六つの丙日に昼将で亥が巳に加わるか或いは亥が日支に加わる。六つの丁日に昼将で亥が未に加わるか或いは亥が日支に加わる。六つの乙日に申が乙に加わるか或いは申が日支に加わる。

空亡貴人格:緣貴人作空亡者,亦是神祗撓害,占訟大凶,亦為之閒貴人尤忌。貴人作墓格:六甲日丑為夜貴作墓神加干,六庚日丑為晝貴作墓神加干。貴人脫氣格:如六壬、六癸日以卯為夜貴作脫氣,必被貴人脫賺,或神祗降殃,以致脫耗。

空亡貴人とは、取る所のあの位の貴人が正に空亡に落つるを指し、亦た神靈の擾害有るを主とす。官司を占えば大凶なり。このような貴人はまた閑貴人と呼び、事を弁ずる時にことに忌諱す。貴人作墓とは、貴人が同時にまた日干の墓神なるを指す。六つの甲日は丑を以て夜貴と為し、丑は正に甲木の墓にして、日干の上に加臨す。六つの庚日は丑を以て昼貴と為し、同じく墓神が日干の上に壓す。貴人脱氣とは、貴人が反って日干の氣を泄するを指す。六つの壬日・六つの癸日は卯を以て夜貴と為し、卯木は壬癸の水を泄す。事を占えば必ず貴人に誆騙せられ、或いは神靈の降禍に遭いて、以て銭物の耗散を致さん。

両貴受克難干貴第四九 栖栖皇皇終身不遇知己之主

凡晝夜貴人皆立受克之方者,切不可告貴用事,緣二貴自受剋制,必自怒而不能成就我也,不論在傳不在傳,皆可用之,占得此課,不如不告,天乙謾被怒阻也。如六乙、六己日申加午、子加戌,六丙、六丁日亥加未、酉加巳,六辛日午加子、寅加申,六壬、六癸日巳加亥,卯加酉,惟甲戊庚三干無此例。

およそ昼貴・夜貴の両位が皆克を受くる處に站立すれば、切に往きて上司に干謁し人を請けて事を弁ぜしむべからず。両位の貴人は自身尚且つ克せられて自主する能わざれば、必然に満腹の惱怒あらん。何處で還た我を成全するに顧及せん。それらが三伝の中に落つると否とを論ぜず、この一条は皆適用す。このような課を占い得れば、如かず往きて求告せざるなり。不然なれば白く天乙貴人の發怒・阻撓を惹來せん。所属の例子有り。六つの乙日・六つの己日に、申が午に加わり子が戌に加わる。六つの丙日・六つの丁日に、亥が未に加わり酉が巳に加わる。六つの辛日に、午が子に加わり寅が申に加わる。六つの壬日・六つの癸日に、巳が亥に加わり卯が酉に加わる。唯有りて甲・戊・庚の三干の日にこの種の格局なし。

白虎或乘臨丑格:乃貴人怒惡之貌,凡占干貴官值此,必招貴人嗔怒,占訟尤忌,緣丑乃天乙之本家,不宜見白虎也。或欲告貴人求文書事吉。

白虎が丑の上に乗臨すれば、便ち貴人の滿面の怒色の象なり。およそ往きて官長に求見してこの課を占い得れば、必定に相手方を觸怒せしめん。官司を問えばことに忌諱す。丑は天乙貴人の本家にして、家裏は該に一隻の白虎を闖入せしむべからざればなり。不過若し是れ貴人に向かって文書・批件の一類の事を求取せんと要せば、反って吉利なり。

貴人忌憚格:緣朱雀乘神克貴人,不可告貴求托,必貴人忌憚而不肯用事。如甲日丑加寅,乃晝貴臨身,如占用文書之事不吉,緣朱雀乘卯克天乙之丑土故也。又六己日申為夜貴臨身,朱雀乘午而克貴,又六己日晝貴人是子臨身,朱雀乘戌而克貴。

朱雀は文書・口舌を主とす。それが乗る所の神が反って往きて貴人を克制すれば、即ち貴人忌憚と呼ぶ。このような課は人を求め事を托すべからず。貴人は心存して顧忌有りて、肯んじて你のために出面せざればなり。譬如甲日に丑が寅に加わり、丑は昼貴にして日干の身に臨む。若く文書の事を占えば卻って不吉なり。縁故は朱雀が卯木に乗り、卯木が天乙の居る所の丑土を克住すればなり。またたとえば六つの己日に、申は夜貴にして身に臨むも、しかも朱雀は午火に乗りて來て申金を克す。六つの己日に昼貴は子にして身に臨むも、朱雀は戌土に乗りて來て子水を克す。皆この格に属す。

真朱雀格:緣朱雀臨午,惟可求文書於朝廷,或達於至尊之前最宜。戊己年或辰戌丑未年占之,以真朱雀生太歲故也。若申酉年占之大忌。

朱雀は本は火に属し、火位は午に在り。朱雀は恰好として午の上に臨み、是れ自己の本位を得たり。故に真朱雀と呼ぶ。この一格はただ朝廷に向かって文書を呈遞し、或いは話を直に至尊の御前に達するにのみ宜しく、最も相宜なり。若く戊年・己年或いは辰・戌・丑・未の年に占い得れば更に好し。真朱雀の火は能くこの幾年の土に属する太歳を生ずればなり。若く申年・酉年に占い得れば則ち大いに忌諱と為す。火は反って往きて金を克して、冲撞到を成せばなり。

二貴皆空虚喜期第五十 咸象曰山上有澤咸君子以虚受人功無成而終多不見用

凡晝夜貴人皆空亡者,如干投貴人,事已蒙許允,後卻被人攙越,凡占若值此,事事成拙,或有人報喜且勿信,恐為同名姓人,後非我喜,誠為虛喜,而己反有所費也,故俗諺云:爭似不來還不往,亦無歡喜亦無憂。如丁丑日酉加未作空,亥加酉又落空之類,主告貴先允而事未決,後換旬始可有望。

およそ昼貴・夜貴の両位が皆空亡に落つれば、往きて書を投じて貴人に求見すれば、事情は当面已に應允し下すれども、後頭に卻って別人に先を搶占せられん。およそこの一格に占い遇えば、件件の事皆弁じ得て笨拙にして成らず。たとい人の來て喜信を報ずる有るとも輕信する莫れ。多くは你と同名同姓の別の一人が好處を得たるにして、到頭にあの喜事は並び自己に属せず。白く高興を一場して、還た倒れて盤纏を貼したり。故に俗話に説く。空しく來て空しく往くに與んよりは、不來不往の如かず。既に歡喜なく、亦た憂愁なしと。譬如丁丑日に酉が未に加わりて空に落ち、亥が酉に加わりてまた空に落つ。即ちこの一類にして、上司に求見するに先ず口頭の應允を得て、事情は卻って遲遲として決せず、一旬を換え過ぐる後に要到して才だ指望有らんを主とす。

六壬大全巻十一終

六壬大全巻十二 《畢法賦》下

魁度天門關隔定第五一 賁六五賁于丘園束帛戔戔吝終吉猶駕舟楫而登劍閣如御輜重而過江津

謂戌為天魁,亥為天門,凡戌加亥為用者,占謀用皆被阻隔,或壬癸日占,旦暮皆乘白虎,占病多是隔氣,或食積隔,或是邪祟為災,服藥宜下之為佳。如占盜賊難獲,訪人不見,諸占總不免關隔二字也。

戌は天魁と稱し、亥は天門と稱す。およそ戌が亥の上に加わりて取りて発用と為すは、謀る所の事は皆阻隔に遇うを要す。若く壬日・癸日に起課に逢えば、早晚を論ぜずこの一位は皆白虎に乗る。疾病を占えば多くは氣機の壅塞して通ぜず、或いは飲食の積滞して隔を成し、或いは邪祟の作怪なり。藥を用うれば走りて通下し積を攻むるの路子を以て好しと為す。捕盜を占えば則ち賊は擒獲しがたく、訪人を占えば則ち人は見えず。各類の占問は総じて關隔の两字を逃るる能わず。

如壬午、壬辰、壬子、壬戌、癸亥五日並戌加亥為用,旦暮天將皆是白虎,又乙亥、丙子、丁亥、戊子、乙未、己亥、庚子、己酉、辛亥,此九日亦見戌加亥為用者,宜視晝夜之天將以定其吉凶之兆。

具体に説來すれば、壬午・壬辰・壬子・壬戌・癸亥のこの五天は、皆戌が亥に加わりて取りて発用と為し、且つ早占・晚占を論ぜず、この一位の乗る所の天将は皆白虎なり。別に乙亥・丙子・丁亥・戊子・乙未・己亥・庚子・己酉・辛亥の九天有りて、同じく戌が亥に加わりて発用するの情形を出現せん。あれは即ち當時の乗る所の究竟是れ昼将か夜将かを看るを要し、據りて吉凶の征兆を判定す。

罡塞鬼戸任謀為第五二 當行周文仁義之師

謂辰為天罡,寅為鬼戶,凡辰加寅為罡塞鬼門,不論在傳不在傳,皆名罡塞鬼戶,使眾鬼不得窺覷,宜閃災避難,陰謀私禱,或弔喪問病,合藥書符。

辰は天罡と稱し、寅は鬼戸と稱す。およそ辰が寅の上に加われば、便ち天罡が鬼門を把住して堵したなり。それが三伝の内に落つると否とを論ぜず、皆罡塞鬼戸と算え、能く群鬼をして窺伺するに從なからしめん。このような課は災を躲れ難を避け、暗中に籌謀し、私下に祈禱するに宜しく、亦た喪に奔り唁を吊い、病を探り疾を問い、および藥を配し劑を合し、符籙を書寫するに宜し。

如甲戊庚日尤的,緣晝貴登天門,天罡塞鬼戶,凡占無不亨利,又如己丑日卯加丑為初傳,乃是日之鬼,中傳巳又入鬼鄉,末傳未空,誠為凶課,如用辰為月將尤妙,名天網四張,賴天罡塞鬼戶,使萬鬼潛惡獸伏,所作任意謀為,無阻無障礙也。

甲日・戊日・庚日を以て最も応験と為す。這三日は昼貴が正に天門に登り(貴人は亥位に臨む)、天罡がまた鬼戸を堵住すれば、およそ占うて亨通・順利せざるなし。再びたとえば己丑日に、卯が丑に加わりて取りて初伝と為す。卯木は正に己土の官鬼にして、中伝の巳はまた落ち進みて鬼郷に入り、末伝の未は還た空亡に落つ。本是一副の凶課なれども、但し这一天に若く辰を以て月将と為せば、反って最も妙なり。この象は天網四張と呼び、全く天罡が鬼戸を堵死するに頼りて、萬鬼をして形を潛め惡獸をして伏蔵せしむれば、甚麽を弁ぜんと想うとも就かに弁じ、毫も阻碍なし。

貴塞鬼戶格:緣三傳作日鬼,賴貴人塞鬼戶也,亦任謀為。如壬戌、壬辰日巳加寅,癸丑、癸亥、癸未、癸酉四日亦巳加寅,三傳辰未戌皆鬼,如用晝貴乃名貴人臨寅鬼門,杜鬼賊不出,萬事皆寬。以上例如不在傳上,或占人行年本命在寅亦是也。

貴塞鬼戸とは、三伝は皆日干の官鬼を成したると雖も、卻って全く貴人が鬼戸を鎭住するに頼るを説く。故に照樣に放手して事を謀るを得べし。譬如壬戌・壬辰の両日に巳が寅に加わり、癸丑・癸亥・癸未・癸酉の四日も亦た巳が寅に加わる。三伝を排出して辰・未・戌は、壬癸の水に對して來説すれば皆是官鬼なり。この時に若く昼貴を取れば、便ち貴人が寅位の鬼門に臨むと呼び、鬼賊を門内に堵して出で來る能わざらしめ、萬事皆寛松を得。上面のこれらの例子は、たとい貴人が三伝の上に落ちざるとも、只だ求占人の「行年」(歳数に按じて年々推移する辰)或いは「本命」(属する生年の辰)が恰も寅の上に在れば、一樣に數え算うるを得。

神藏煞沒格:如甲戊庚三日以丑未臨亥者尤的,餘日有神藏無煞沒,有煞沒無神藏,緣貴人登天門,百煞拱護,凡謀亨利,且夫六神藏者,如甲戊庚日,丑未為晝夜貴加地盤亥,乃名貴登天門,塍蛇臨地盤子,名墮水;朱雀臨地盤癸丑,名投江;勾陳臨地盤卯,名受制;天空臨地盤巳,名投絕;白虎臨地盤午,名燒身;元武臨地盤申,名現形,此乃六神藏也。夫四煞沒者,緣辰戌丑未五墓煞,陷於四維而沒,故也。四孟月占尤的,緣四維為月將故也。餘月尚未可用。

神蔵煞沒とは、甲・戊・庚の三日に丑・未の両貴が亥の上に臨むを以て最も確切と為す。別の日子は往往としてただ神蔵有りて煞沒なきか、或いはただ煞沒有りて神蔵なきのみ。貴人が天門に登上し、衆煞が拱手して護衛すれば、およそ謀為有るは皆亨通・有利なり。所謂六神蔵とはこのごとし。甲・戊・庚日に丑・未の両位の昼夜貴人が地盤の亥の上に加わるを、貴登天門と呼ぶ。「螣蛇」が地盤の子位に臨むを、堕水と呼ぶ。朱雀が地盤の癸丑位に臨むを、投江と呼ぶ。勾陳が地盤の卯位に臨むを、受制と呼ぶ。天空が地盤の巳位に臨むを、投絶と呼ぶ。白虎が地盤の午位に臨むを、焼身と呼ぶ。「元武」(盗賊・陰私を主とする将)が地盤の申位に臨むを、現形と呼ぶ——六つの凶将が各々勢を失う。故に神蔵と稱す。所謂四煞沒とは、辰・戌・丑・未のこの几位の墓煞が四维の位に陷落して隱沒して起たざるなり。寅・申・巳・亥の四孟の月に起課すれば最も応験す。その時は四维が恰好として月将を充てればなり。残りの月份は還た用上げられず。

両蛇夾墓凶難免第五三 兵戦流血視其主客孰先預定

謂丙戌日戌加巳及支辰來墓日干,兼晝夜天將皆乘蛇及地盤之巳亦是螣蛇之位,故名為“兩蛇夾墓”也,如占病必有積塊在腹中,因此疾以至不救,或行年本命是戌,其死尤速。如年命居亥上乘天罡辰虎沖戌蛇故名“破墓”,庶得少延。如丙申日得此,終不能救,緣辰作空虎,無力沖其戌蛇也,外四丙日亦然。

丙戌日に戌が巳の上に加わり、日支の辰がまた来て日干の丙火の墓を充てる。加上すれば昼占・夜占を論ぜずこの一位は皆螣蛇に乗り、しかも地盤の巳は原本も亦た螣蛇の本位なり。上下の两条の蛇が墓神を中間に夾む。故に両蛇夾墓と呼ぶ。疾病を占えば、腹中に必ず積塊有りて、往往としてこの病によって救治する法なし。若く求占人の行年或いは本命が正に戌なれば、死することことに速し。倘若年命が亥の上に落ちれば、亥の上に乗るは天罡の辰にしてまた白虎に乗る。辰は能く戌位の蛇墓を冲開す。これを破墓と呼び、還た些かの時日を延するを得べし。若し是れ丙申日にこの一課を得れば、終帰して救い帰らず。あの辰が乗る所は落空の白虎にして、戌上の蛇を冲開するの力量なきが故なり。残りの四つの丙日も亦た一樣なり。

但不得如丙戌日例,巳上占訟必被囚禁,凡占事已見凶禍卒難脫免,轉昏轉晦不能亨快,占病難愈,占產凶。此例邵師為“抱石投江”之喻。

ただ応ずること丙戌日のあのように徹底せざるのみ。以上の諸例は官司を占えば必ず囚禁に遭い、およそ事情を占えば、凶禍は既に現形し、倉促のあいだ脱するが難く、局面は益々昏暗にして透氣し能わず。疾病を占えば好しがたく、生産を占えば則ち凶なり。この一格は、邵彦和先生が石を抱いて江に投ずるに比作す。石を抱いて跳びて江に下れば、沈み下去れば便ち再び浮起するの理なし。

外有六己日辰加未夜占,乃兩常夾墓;辰加辰伏吟,兩勾夾墓。六壬日辰加亥乃兩後夾墓;六辛日丑加申兩虎夾墓。六甲日未加丑夜貴,兩貴夾墓;未加戌晝貴,兩空夾墓。六乙日未加巳兩蛇夾墓。六壬、六癸日辰加巳,兩蛇夾墓。六庚日丑加丑,兩貴夾墓;丑加戌兩空夾墓。六丁日戌加巳兩蛇夾墓,六己日辰加辰兩勾夾墓。

このほか還た一批の同類の変格有り。六つの己日に辰が未に加わり夜間に起課すれば、上下皆「太常」(衣食・筵宴を主とし、亦た孝服・布帛を主とする将)に乗る。両常夾墓と呼ぶ。辰が辰に加わりて伏吟課を成せば、上下皆勾陳に乗る。両勾夾墓と呼ぶ。六つの壬日に辰が亥に加われば、上下皆「天后」(婦人・陰私を主とする将)に乗る。両后夾墓と呼ぶ。六つの辛日に丑が申に加われば、上下皆白虎に乗る。両虎夾墓と呼ぶ。六つの甲日に未が丑に加わりて夜貴を取れば、上下皆是貴人。両貴夾墓と呼ぶ。未が戌に加わりて昼貴を取れば、上下皆天空に乗る。両空夾墓と呼ぶ。六つの乙日に未が巳に加わるは、両蛇夾墓なり。六つの壬日・六つの癸日に辰が巳に加わるも、亦た両蛇夾墓なり。六つの庚日に丑が丑に加わるは、両貴夾墓なり。丑が戌に加わるは、両空夾墓なり。六つの丁日に戌が巳に加わるは、両蛇夾墓なり。六つの己日に辰が辰に加わるは、両勾夾墓なり。

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