龍加生氣吉遲遲第九二
謂青龍乘生干之神,又作月內之生氣者,雖目下未足崢嶸,卻徐徐而發福也。此例喻君子欲施惠於人,未嘗啟齒,緩而作吉,尤奈歲寒爾。如六丙日,寅加巳夜將乘青龍,三月占尤的。六丁日干上寅夜將,三月占,內丙午、丁未日空亡不中用。六戊日干上申晝將乘青龍,九月占,內戊寅日申空。六己日干上巳晝將,六月占,內己亥日巳空。餘干無例。
この一条の説く所は、青龍が日干を生ずるあの神に乗りて、而もあの神が又た恰も当月の生氣なるに在り。眼下は雖も還た頭角を顯出せざれども、卻って會して慢慢として福を發起し來らん。これは譬うれば君子が恩惠を人に施さんと想うて、嘴上に從來先に説き出さざるがごとし。來ること雖も緩なれど卻って終歸して是れ吉なり。只是要して一段の歳寒に耐得住すのみ。生氣は月に按じて順推す。正月は子に在り、逐月に下に往く。三月は正に寅に在り、六月は正に巳に在り、九月は正に申に在り。たとえば六つの丙日に、夜将を用いて寅を以て巳に加えて而も寅の上に青龍に乗る。三月に占えばことに応験す。六つの丁日に日干の上に寅に乗りて夜将を用うるは、三月に占うも亦た好し。但しその中の丙午・丁未の両日は寅の空亡に落つるに因りて、就中用い上ぐる能わざるなり。六つの戊日に日干の上に申に乗りて昼将を用いて而も申の上に青龍に乗るは、九月に占うを佳と為す。その中の戊寅日の申は空に落つ。六つの己日に日干の上に巳に乗りて昼将を用うるは、六月に占うを佳と為す。その中の己亥日の巳は空に落つ。残りの天干はこの一例なし。
妄用三伝災福異第九三
時人起三傳尚有錯誤,想災福應無的驗也。且問三傳錯誤者何?辛酉日干上亥,既是辛日,豈可便以亥加戌為初傳乎。又如乙酉日亥加辰,既是乙日,豈可便以亥加辰為初傳乎。乙巳日干上卯,既是乙日,豈可便以卯加辰為初傳乎。戊寅日第四課申加巳有克。
如今の人は三伝をも起こすに錯有るを連ね、然らば即ち災と福との応験は自然として準を談じ上ぐる能わざるなり。要して問う三伝は怎麼會して錯を起こすや。譬如辛酉日に日干の上に亥に乗る。既然是れ辛日なれば、辛の寄宮は戌に在るに、怎麼能く便ち亥が戌に加わるを當に初伝と作さんや。またたとえば乙酉日に亥が辰に加わる。既然是れ乙日なれば、乙の寄宮は辰に在るに、怎麼能く便ち亥が辰に加わるを當に初伝と作さんや。乙巳日に日干の上に卯に乗る。既に是れ乙日なれば、怎麼能く便ち卯が辰に加わるを當に初伝と作さんや。還た戊寅日有りて、四課の中の第四課は申が巳に加わる。あそこは本來便ち相克有り。取用する時は當にそれを漏掉すべからざるなり。
又如甲辰日干上戌,時人皆以戌加寅涉害為用,三傳戌午寅皆作脫氣,凡占謀用無成,有憂皆散,殊不知乃擇此為用,非涉害也,何故?緣甲木與子水比和,戌土長甲木而不比,乃子申辰作三傳皆來生日,凡占欲成合而不利解釋災禍,但凶吉二事皆成也。後學何得以知之。
またたとえば甲辰日に日干の上に戌に乗る。如今の人は皆戌が寅に加わるを拿りて「渉害」の法に按じて取用し、戌・午・寅の三伝を排出す。全是甲木の氣を泄する脱神なり。ここにおいて斷じて凡そ謀る所有れば皆成らず、憂愁有れば皆消散し得ると作す。殊不知這裏は當に揀擇の辦法を用いて取用すべくして、並び渉害に非ず。甚麽の為にや。甲木と子水とは氣類相親しければ、戌土は甲木に對しては卻って一路に非ざればなり。この取法に照らせば、三伝は當に子・申・辰なるべくして、皆來て日干を生扶す。このようになれば、凡そ占うに反って促成せんと想う事は能く成り、而も災禍を解散するに利あらず——吉事・凶事の両樣皆弁じ成るを得べし。後學の人は何處でこの一層の道理を曉得せんや。
又甲戌日干上辰乃子加戌為用,非辰加寅用也。又戊辰、戊戌日返吟,丙子、戊辰日干上子,內戊子一日干上寅,庚辰、丁亥二日干上卯,壬戌、甲申日干上辰,庚子日干上午,乙卯日干上申,又乙卯日干上寅,庚寅日干上午,甲申日干上戌,各有其說也。
またたとえば甲戌日に日干の上に辰に乗る。取用は當に子が戌に加わるなるべくして、並び辰が寅に加わるに非ず。このほかたとえば戊辰・戊戌の両日の返吟課、丙子・戊辰日に日干の上に子に乗る、その中の戊子のこの一日に日干の上に寅に乗る、庚辰・丁亥の両日に日干の上に卯に乗る、壬戌・甲申日に日干の上に辰に乗る、庚子日に日干の上に午に乗る、乙卯日に日干の上に申に乗る又た日干の上に寅に乗る有る、庚寅日に日干の上に午に乗る、甲申日に日干の上に戌に乗る——これらの課の取用は各々その講究有りて、皆一概に常法に按じて往きて三伝を起こす能わざるなり。
喜懼空亡乃妙機第九四
強敵宜落空亡。凡空亡有要見,有不要見者,後學不辨,一例而言之,誠為可嘆。蓋天盤作空亡者,謂之遊行空亡,其吉凶有七八分,如地盤作空亡者,謂之落底空亡,其吉凶有十分。此不可不知者也。且夫要空亡者,乃克、盜、墓神,及神遙剋日,以上皆要空亡。惟生我者及救神並天德、生氣、財官及日遙克神,並不宜空亡,皆返為凶兆,尤有遇不遇者,共列五等於後。
兵占に譬を取りて説く。強敵は正に當に空亡の裏頭に落ちるべし。空亡には必ず見るを須とする有りて、亦た見るべからざる有り。後學の人は分辨して清からず、一律に等同して看待す。實に歎くべし。元來天盤の上に落つる空亡は、「游行空亡」と呼作し、吉凶は只だ七八分に應ず。地盤の上に落つる空亡は、「落底空亡」と呼作し、吉凶は就中十分に應足るを要す——この一点は知らざるべからず。哪些の神が巴不得としてそれの空に落つるを望むに至っては、我を克する・我が氣を盜泄する・墓神、および天盤の神が遥かに日干を克する、これらは皆それの空なるを要す。唯有りて我を生ずるの神・解救の神、および天德・生氣・財神・官星、還た日干が遥かに克するの神は、皆空に落つるに宜しからず。一たび空に落ちれば反って凶兆を成す。その中に又た遇うと遇わざるとの分別有りて、下面に五等に分かちて一々に列出す。
見生不生格:甲乙日以亥為生,其亥水居申上,他自戀生,不來生我。或是亥水居於辰戌丑未之上,為土所制,縱日辰行年上見之,亦不能生我。至於亥入空亡則大凶。如生我者空亡,占父母上人病,主不救,占干上位亦是徒然。略舉一全例,十二仿此,各令占之,亦如上說。
「見生不生格」——甲・乙日は亥水を以て我を生ずるの神と為す。若くこの亥水が申の上に坐せば、申は正に水の長生にして、それ自己が長生の地を貪戀して、便ち肯んじて過來して我を生ぜず。若く亥水が辰・戌・丑・未の土の上に坐せば、土に制せられて、たとい日干・日支・行年の上にそれを見るとも、亦た我を生ずる能わざるなり。亥が若く空亡に落ち進むに至っては、あれば即ち大凶なり。およそ我を生ずるの神が空に落つれば、父母・尊長の病を占えば救い回る能わざるを主とし、官位を謀求するを占うも亦た氣力を白費す。這裏は只だ略ば一個の完整の例子を擧ぐるのみ。残りの各干・各支はこれに照らして類推し、誰が來て占問するを論ぜず、道理は皆一樣なり。
見克不克格:如甲乙日以申酉為克,其金居巳午火上,他自受克,何暇克我。又申酉坐辰戌丑未上,他自戀生,亦不來克我。鬼陷空亡,亦不能為害。惟鬼作空亡加日辰、傳、年命上,無制伏者極凶,或失人口,或犯官司,費用百出。十干仿此。
「見克不克格」——たとえば甲・乙日は申酉の金を以て我を克するの鬼と為す。若くこの金が巳午の火の上に坐せば、それ自己は正に火の克に挨りて、何處で還た來て我を克するに顧及せんや。若く申酉が辰戌丑未の土の上に坐せば、土は能く金を生じて、それ自己がこの份の生扶を貪戀して、亦た來て我を克せざるなり。鬼が若く空亡に陷進せば、同じく人を害する能わざるなり。唯獨あの鬼が雖も空に落つるれど又た日干・日支・三伝・本命・行年の上に加臨して、而且甚麽の物もそれを制伏する能わざれば、あれば即ち極凶なり。或いは家中の人口を折損し、或いは官司に惹上して、花費は百出す。残りの十干は皆この道理に照らして往きて推せ。
見財無財格:如甲乙日以辰戌丑未為財,其財居寅卯上,不可取財也。或財作空亡,雖得,反有所費。財陷空亡亦不得,尤費財。如財居申酉脫氣之上,反有所費。十干仿此。戊辰日干上酉,壬午日干上未,壬寅日干上子,庚子日干上酉,丙午日干上午,己酉日干上申。
「見財無財格」——たとえば甲・乙日は辰戌丑未の土を以て財と為す。若くこの財が寅卯の木の上に坐せば、木が來て土を克し、財は便ち取り成す能わざるなり。財が若く天盤の空亡の裏に落ちれば、雖も手に到るれど、反って破費するを要す。財が若く地盤の空亡の裏に陷れば、あれば即ち根本として得る能わざるにして、破費すること更に厲害なり。若く財が申酉のこれらの氣を泄するの地の上に坐せば、同じく是れ有得にして有失有りて、反って錢を花するを要す。残りの十干はこれに照らして類推す。この一類に属する還た戊辰日に日干の上に酉に乗り、壬午日に日干の上に未に乗り、壬寅日に日干の上に子に乗り、庚子日に日干の上に酉に乗り、丙午日に日干の上に午に乗り、己酉日に日干の上に申に乗る有り。
見救不救格:如甲乙日,傳內先有申酉金,於日辰上見巳午火乃為救神,其巳午火居亥子上,或作空亡,或陷空亡,或在寅卯上,他自貪生,此不能為救也。如此反為災咎。如不見日鬼,其救神即盜神也。餘八干仿此。
「見救不救格」——たとえば甲・乙日に、三伝の裏に先ず申酉の金有りて來て我を克す。この時に日干・日支の上に巳午の火を見れば、火は能く金を克す。あれは便ち「救神」なり。然るにこの巳午の火が若く亥子の水の上に坐して水に澆熄せられるか、或いは自己が空に落ちて空亡の裏に陷るか、或いは寅卯の木の上に坐して只だ顧みて木の來てそれを生ずるを貪戀せば、あれば即ち救い成す能わざるにして、反って變じて一場の災咎と為る。反って説來せば、倘若課中に本來便ち日干の官鬼なからんには、あの所謂救神も亦不過我が氣を泄するの盜神のみ罷了す。残りの八個の天干はこれに照らして類推す。
見盜不盜格:如甲乙日見巳午火居亥子之鄉,或入空亡之內,皆是盜我之氣不得也,反變成吉。十干日同。今人不看如何,見生便言生,見財便說財,見鬼便言有鬼,有救便言救,至於所立之地,所行之方,不少為分別,惜哉。
「見盜不盜格」——たとえば甲・乙日に巳午の火を見るに、若くそれが亥子の水の地方に坐するか、或いは空亡の裏頭に落ち進めば、あれば即ち我が氣を盜み走る能わざるにして、反って凶を轉じて吉と為す。残りの十干は皆是一樣なり。如今の人は卻ってこれらを管せず。生神を見着れば便ち生と説き、財神を見着れば便ち財と説き、官鬼を見着れば便ち鬼有りと説き、救神を見着れば便ち救有りと説く。これらの神の各自の立つ所の地盤・行く所の方位に至っては、一点の分別も肯んじて做さざるなり——實に可惜なり。
德貴合局生身格,亦貴德臨身消除禍患格:如乙酉日干上申,晝占,雖三傳水局生日,緣天將晝夜皆貴勾常土神,使水局不能生其乙木。如用夜貴,尚賴貴臨本身,猶能勉強倚貴而求生計。
「德貴合局生身格」、亦た「貴德臨身消除禍患格」と呼ぶ——たとえば乙酉日に日干の上に申に乗りて白天に占えば、雖も三伝は會して水局を成して來て乙木の日干を生ずるれど、无奈乗る所の天将は昼夜を論ぜず皆是貴人・勾陳・太常のこの三位の土神にして、土が來て水を克し、水局をして乙木を生成せしめ得ざらしむ。若く改めて夜間の貴人を用いて起課せば、還た貴人の本身の上に臨むを仗るを得て、勉强として貴人に倚靠して往きて一条の生路を謀るを得べし。
長上災凶格:乃長生空亡之例。戊寅日申為長生作空亡,庚子日巳為長生作空亡,壬午日申為長生作空亡,甲子日亥為長生作空亡,丙午日寅為長生作空亡。月內生氣亦忌空亡。喜懼格:一則以喜,一則以懼之例,謂干上長生,三傳皆鬼。
「長上災凶格」——講ずる所は長生の空亡に落つるの例子なり。戊寅日は申を以て長生と為すれど、偏偏として申は空亡に落つ。庚子日は巳を以て長生と為すれど、巳は空亡に落つ。壬午日は申を以て長生と為すれど、申は空亡に落つ。甲子日は亥を以て長生と為すれど、亥は空亡に落つ。丙午日は寅を以て長生と為すれど、寅は空亡に落つ——この几日の空亡は皆恰好として本日の長生の上に壓す。当月の生氣も同じく空亡に落つるを忌む。「喜懼格」——一辺は喜ぶべく一辺は懼るべきの例子は、日干の上に長生に乗るを指して、而も三伝は卻って統統として官鬼なり——頭上は生扶を得て、腳下は克伐を受く。故に又た喜び又た怕る。
六爻現卦防其克第九五
財爻現卦,必憂父母。歌云:“三傳俱作日之財,得此須憂長上災,年命日辰乘干鬼,爭知此類不為乖”。如辛未日干上午,三傳卯亥未木局,三傳皆作日之財,雖憂父母,賴干上先有午火生其父母爻,竊其財爻,此名傳財化鬼。人但知言父母等類,而不知言傳財化鬼,如欲占財,則有災禍耳。
財爻が課中に顯現すれば、必ず要して父母を憂慮す。歌訣に説く、三伝が統統として本日の財を充てば、この種の課を得て便ち當に尊長の災有らんを擔心すべしと。若く本命・行年と日干・日支の上に又た日干の官鬼に乗れば、怎で知らんこの一類は反って違逆と算ふべからざるを。譬如辛未日に日干の上に午に乗り、三伝は卯・亥・未で會して木局を成す。木は辛金の財にして、三伝は全て財爻を成す。本當に父母を憂慮すべし。幸にして日干の上に先ず午火有りて、火は既に能く父母爻(土)を生じ、又た能く財爻を耗去す(木は火を生じて木を泄す)。これを即ち「伝財化鬼」と呼ぶ。世人は只だ父母の一類の応験を説くを知るれど、卻って伝財化鬼のこの一層を講ずるを懂せず。若し是れ求財を占わんと想わば、あれば反って災禍を出さんと要す。
餘日辰年命上無官鬼爻者,乃可言父母災也,亦必支干年命上先有父母爻,後被傳財克者,始可言父母長上災。如無父母爻,則亦不言此例。如丁丑日干上先見卯為父母爻,豈應三傳金局之財來傷卯木,此方可言長上災。或求財而妨生計,或被惡妻逆其翁姑,此二事尤的。又有己丑日干上午,庚辰日干上未,丁酉日干上卯,戊戌日干上午,皆如前說。必待財旺月乃憂長上,其財休囚,卻為財也。外有乙亥日,欲賴支上申生父母爻而竊其財爻,殊不知申空亡,仍主父母之災。
残りの日子は、唯だ日干・日支・本命・行年の上に皆官鬼爻を見ざる有りて、才だ父母の災有りと説くべし。而且必ず干支・年命の上に先ず父母爻有りて、隨後に三伝の財爻に克せられて、才だ父母・尊長の災を談じ上ぐべし。若く課中に根本として父母爻なければ、この一例は亦た便ち説くを須とせず。譬如丁丑日に日干の上に先ず卯木を見て父母爻を作すれど、偏偏として三伝は會して金局を成すの財が來てこの卯木を傷す。これは才だ尊長の災有りと斷作すべし。應験し起これば、或いは求財せんがために反って生計を妨礙し、或いは凶悍の妻子に公婆を忤逆せらる。この両樁はことに準なり。還た己丑日に日干の上に午に乗り、庚辰日に日干の上に未に乗り、丁酉日に日干の上に卯に乗り、戊戌日に日干の上に午に乗る有りて、皆上面の説法に照らして看よ。不過必ず財の旺なる月を待たば才だ尊長を憂うべし。若くあの財が正に當に休囚・無力なれば、就中仍舊として當に財として以て断ずべし。別に乙亥日有りて、本想として日支の上の申金を靠りて往きて父母爻を生じ、順帶して財爻を耗掉せんとするも、殊不知申は空亡に落つ。結果は仍舊として父母の災有るを主とす。
父母爻現卦,必憂子息。歌云:“父母現卦子孫憂,日辰年命細參求,同類比肩居在上,兒男昌盛不為仇”。如戊寅日干上丑,三傳戌午寅火局,皆作父母爻,雖憂子息,賴干上先有丑土生其子息,竊其父母。
父母爻が課中に顯現すれば、必ず要して子女を憂慮す。歌訣に説く、父母が卦に現ずれば、子孫は便ち當に發愁すべしと。要して日干・日支と本命・行年の上に細細として參詳すべし。若く同類の比肩の神が上頭に落つれば、兒郎は反って昌盛して、仇害と算ふべからず。譬如戊寅日に日干の上に丑に乗り、三伝は戌・午・寅で會して火局を成す。火は來て戊土を生じて、全て父母爻を成す。本當に子女を憂慮すべし。幸にして日干の上に先ず丑土有りて、丑は戊の同類にして、既に能く子息爻(金)を生じ、又た父母の火を耗去す(火は土を生じて火を泄す)。子女は便ち妨げなし。
若子息爻現卦,必憂官事。歌云:“子息見時官事無,古法流傳實不虛,豈知四處財爻現,官遷訟罪病難蘇”。己巳日干上亥,三傳酉丑巳金局皆作子息爻,雖憂官職,緣干上先有亥水生其官鬼,竊其子息爻,餘如前說。官訟則忌。
若く子息爻が課中に顯現すれば、必ず要して官職の事を憂慮す。歌訣に説く、子孫爻を見れば、官司は便ち無しと。これは古法の流傳して來るにして、確實に虚ならず。哪知道四處に又た財爻を現出せば、あれば官職は遷動するを要し、訟事は罪を判するを要し、病も亦た好し難し。譬如己巳日に日干の上に亥に乗り、三伝は酉・丑・巳で會して金局を成す。金は己土の生ずる所にして、全て子息爻を成す。本當に官職を憂慮すべし。好在として日干の上に先ず亥水有りて、水は能く官鬼(木)を生じ、又た子息の金を耗去す(金は水を生じて金を泄す)。残りは前面の説法に照らせ。不過官司・訴訟を占う時は、こようして反って忌むべし。
官鬼爻現卦,憂己身及兄弟。歌云:“官星鬼賊作三傳,本身兄弟不宜占,父母之爻如透出,己身昆仲總安然”。如乙丑日干上子,三傳巳丑酉金局皆鬼爻,雖憂己身及兄弟,奈干上先有子水生其己身兄弟,竊其官鬼爻也。餘仿此。
官鬼爻が課中に顯現すれば、要して自身と兄弟とを憂慮すべし。歌訣に説く、官星・鬼賊が三伝を占滿すれば、自身と兄弟とは便ち占問するに宜しからずと。若く父母爻の能く透出するを得れば、自己と手足とは反って總歸して平安なり。譬如乙丑日に日干の上に子に乗り、三伝は巳・丑・酉で會して金局を成す。金は來て乙木を克して、全是官鬼爻なり。本當に自身と兄弟とを憂慮すべし。好在として日干の上に先ず子水有りて、水は既に乙木の本身と同類の兄弟とを生じ、又た能く官鬼の金を耗掉す(金は水を生じて金を泄す)。残りはこれに照らして類推せ。
同類現卦,必憂妻及去財。歌云:“干支同類在傳中,錢財耗散及妻凶,支干上神乘子息,妻宮無恙反財豐”。如丙寅日干上丑,三傳戌午寅皆是日之同類,雖憂妻位及損耗錢財,奈干上先有丑土生其財爻,竊其比肩。餘仿此。
同類(兄弟・比肩)が課中に顯現すれば、必ず要して妻子と破財とを憂慮す。歌訣に説く、日干・日支の同類が三伝に佈滿すれば、錢財は就中耗散して妻子も亦た凶険有らんと。若く日支・日干の上に乗る所が子息爻なれば、あれば妻宮は平安・無恙にして、錢財は反って豊足なり。譬如丙寅日に日干の上に丑に乗り、三伝の戌・午・寅は本日に就て來説すれば皆同類の一黨と算す。本當に妻位と錢財の損耗とを憂慮すべし。好在として日干の上に先ず丑土有りて、土は丙火の生ずる所の子息にして、既に能く財爻(金)を生じ、又た比肩の火を耗掉す(火は土を生じて火を泄す)。残りはこれに照らして類推せ。
六爻相生而成類,乃三傳生起干上之爻象者。傳財化鬼者,如辛未日干上午,三傳卯亥未生起干上之午鬼。傳鬼化父母者,如乙巳日干上子,三傳酉巳丑生起干上之子水父母爻。傳父母化兄弟,如戊午日干上丑,三傳戌午寅生起干上之丑兄弟爻。傳兄弟化子息,如丁亥日昴星,干上戌,三傳午戌寅,生起干上之戌土為子息,乃不言墓。
六爻の彼此相生して結んで一類を成すとは、三伝が往きて日干の上のあの爻象を生起するを指す。所謂「伝財化鬼」は、たとえば辛未日に日干の上に午に乗り、三伝の卯・亥・未は本是財にして、卻って反って往きて日干の上の午火の官鬼を生起す。所謂「伝鬼化父母」は、たとえば乙巳日に日干の上に子に乗り、三伝の酉・巳・丑は本是官鬼にして、卻って往きて日干の上の子水の父母爻を生起す。所謂「伝父母化兄弟」は、たとえば戊午日に日干の上に丑に乗り、三伝の戌・午・寅は本是父母にして、往きて日干の上の丑土の兄弟爻を生起す。所謂「伝兄弟化子息」は、たとえば丁亥日の昴星課に、日干の上に戌に乗り、三伝の午・戌・寅は本是兄弟にして、往きて日干の上の戌土を生起して子息を作す——この時は便ち再びあの戌を當に墓として以て説かざるなり。
傳子息化財爻,如甲寅日干上戌,三傳戌午寅生起干上之戌土為財。以上如或占病,或父母、兄弟、子孫、妻妾、己身有病,如逐類現卦,雖曰不吉,其各類加干,令得地反不為凶。如位死絕又坐克方,死而無疑。
所謂「伝子息化財爻」は、たとえば甲寅日に日干の上に戌に乗り、三伝の戌・午・寅の裏の午火は甲木の子息にして、往きて日干の上の戌土を生起して財と為る。以上のこれらは、若し是れ病を占わば——父母・兄弟・子孫・妻妾或いは自身の病有るを論ぜず——只だ各自の類神が課中に顯現すれば、雖も説く吉と算ふべからざるとも、但しあの一類の神が若く日干に加臨して而又た地を占い得れば、反って凶と算せざるなり。倘若それが死・絶の位に落ち、底下に又たそれを克する方位を坐せば、あれば即ち死すること定まりて疑いなし。
三傳內現類而傳自墓克者例,皆是午丑申作三傳者。如乙亥、乙酉、乙未、乙巳、乙卯五日,並午加亥為用,如有官人占之,不可得官,如常人占之,反宜急難除禍,緣末傳之申金為官鬼,被初傳午火所克,又被中傳丑來墓申,兼末之申金自坐於丑墓之上,其申金全無氣象。又如丙辰、丁亥二日,亦是午丑申為三傳,乃申金財全無氣象,亦緣初被克,中被墓也。己亥日長生無氣,庚辰日德祿無氣。辛亥日兄弟爻無氣。六壬日長生無氣。以上皆是午丑申為三傳者。
三伝の内に類神を現出して、而も三伝の自身が又たそれを墓住し克住するの例子は、皆是午・丑・申が三伝を作すなり。譬如乙亥・乙酉・乙未・乙巳・乙卯の五日は、皆午を以て亥に加えて発用と為す。若し是れ官職有る人の來て占わば、官職は求め成る能わざるなり。若し是れ平常の人の來て占わば、反って急難の中に在りて禍患を除去するに宜し。これは因るに末伝の申金は本是乙木の官鬼にして、卻って先ず初伝の午火に克され、又た中伝の丑土に墓住せられ、加上して末伝の申金が自己還た丑のこの墓の上に坐すれば、あの申金は便ち一点の氣象も無くなれり。またたとえば丙辰・丁亥の両日も、亦た午・丑・申が三伝を作す。あの申金は火日の財にして、同じく一点の氣象も無く、一樣に是れ初伝がそれを克し中伝がそれを墓すればなり。己亥日は則ち長生の氣を沒し、庚辰日は德禄の氣を沒し、辛亥日は兄弟爻の氣を沒し、六つの壬日は長生の氣を沒す——以上皆午・丑・申が三伝を作すの例子に属す。
支干同類格:難求財,緣支干各相爭奪,惟有十二日,甲寅、乙卯、庚申、辛酉、丙午、丁巳、壬子、癸亥、己丑、己未、戊辰、戊戌。白蟻食尸格:壬癸日申坐丑上,夜將上乘白虎,此乃父母爻乘白虎坐墓,必父母墓中生白蟻,或興禍端。如父母在,主病災。更作月內死氣、死神,占父母病必死。又六戊日午加戌,晝將上乘白虎。六己日巳坐戌旦將,上乘白虎,皆如前說。餘干逐類而推之。
「支干同類格」——この一格は財を求むること難し。日支と日干とが五行相同にして、両辺が同じ一份の財を爭奪すればなり。この格に属するはただ十二日のみ有り。甲寅・乙卯・庚申・辛酉・丙午・丁巳・壬子・癸亥・己丑・己未・戊辰・戊戌なり。「白蟻食尸格」——壬・癸日に申金が丑の上に坐し、夜将を用いて而も申の上に白虎に乗る。申金は水日の父母爻にして、今父母爻が白虎に乗りて又た墓庫の裏に坐進す(金の墓は丑に在り)。必ず父母の墳塋の裏に白蟻を生じたるか、或いはこれに因りて禍端を惹出すを主とす。若く父母が還た在世なれば、則ち病災を主とす。倘若あの申が又た兼ねて当月の死氣・死神を當てば、父母の病を占えば必ず死す。またたとえば六つの戊日に午を以て戌に加えて昼将を用いて而も午の上に白虎に乗り、六つの己日に巳が戌の上に坐して晨将を用いて而も巳の上に白虎に乗る(火の墓は戌に在り)は、皆上面の説法に照らして看よ。残りの天干は各々自己の類神に按じて往きて推せ。
懶去取財格:六甲日干上寅或卯,縱傳內見財爻,如求財,必心多退悔,懶去取財,恐爭奪也。餘日逐類看所乘何神而言其事類。德喪祿絕格:陽日返吟,陰日四絕體。
「懶去取財格」——六つの甲日に日干の上に寅に乗るか或いは卯に乗れば、たとい三伝の裏に財爻を見るとも、真に往きて財を求める時に、心裏も亦た必定に多く退縮・懊悔して、懶として身を動かして往きて取らざるなり——寅卯は正に甲木の同類の兄弟にして、人と爭奪し起こるを怕ればなり。残りの日子は、各々日干の上に乗る所が甚麽の神なるかに按じて、往きてそれに相應するの事類を説け。「德喪禄絶格」——陽日の返吟課は即ち是にして、陰日は則ち四絶の体なり。
旬内空亡逐類推第九六
財空軍儲乏,鬼空敵人遁,救空謀策拙,比空贊佐慵,生空防失惠。甲子旬戌亥空亡。甲子、乙丑日妻財及父母空;丙寅、丁卯日墓貴及官鬼空;戊辰、己巳日兄弟及妻財空;庚午、辛未日父母及子息空;壬申、癸酉日官鬼及兄弟空。又壬日德祿皆空。以上縱戌亥在六處亦不可用。
兵占に譬を取りて説く。財が空に落ちれば、軍中の儲備は便ち匱乏す。鬼が空に落ちれば、敵人は便ち自行に遁走す。救神が空に落ちれば、謀略は便ち拙劣なり。比肩が空に落ちれば、輔佐の人は便ち怠惰なり。生氣が空に落ちれば、就中恩惠を失掉するを隄防するを要す。甲子のこの一旬の中に戌・亥は空亡と為す。甲子・乙丑日は妻財と父母とが空に落つ。丙寅・丁卯日は墓神・貴人と官鬼とが空に落つ。戊辰・己巳日は兄弟と妻財とが空に落つ。庚午・辛未日は父母と子息とが空に落つ。壬申・癸酉日は官鬼と兄弟とが空に落つ。このほか壬日の德神・禄神も亦た一斉に空に落つ。以上のこれらは、たとい戌亥が日干・日支・三伝・本命・行年のこの六處の内に落つるとも、一樣に取用する能わざるなり。
甲戌旬申酉空亡。甲戌、乙亥日官鬼空;丙子、丁丑日妻財空;戊寅、己卯日子息空;庚辰日德祿空,辛巳日兄弟己身空;壬午癸未日父母空。以上縱申酉在三傳、年命、日辰上亦不可用。甲申旬午未空亡。甲申、乙酉日子息、墓、妻財空;丙戌、丁亥日兄弟、子息空;戊子、己丑日父母、兄弟空,內己日祿空;庚寅、辛卯日官鬼、父母空,辛日旦貴空;壬辰、癸巳日妻財、官鬼空,內甲戊庚三日夜貴空。
甲戌のこの一旬の中に申・酉は空亡と為す。甲戌・乙亥日は官鬼が空に落つ。丙子・丁丑日は妻財が空に落つ。戊寅・己卯日は子息が空に落つ。庚辰日は德神・禄神が空に落つ。辛巳日は兄弟と自身とが空に落つ。壬午・癸未日は父母が空に落つ。以上のこれらは、たとい申酉が三伝・本命・行年・日干・日支の上に落つるとも、一樣に取用する能わざるなり。甲申のこの一旬の中に午・未は空亡と為す。甲申・乙酉日は子息・墓神と妻財とが空に落つ。丙戌・丁亥日は兄弟と子息とが空に落つ。戊子・己丑日は父母と兄弟とが空に落ち、その中の己日の禄神も亦た空に落つ。庚寅・辛卯日は官鬼と父母とが空に落ち、辛日の白昼の貴人も亦た空に落つ。壬辰・癸巳日は妻財と官鬼とが空に落ち、その中の甲・戊・庚の三日の夜間の貴人は空に落つ。
甲午旬辰巳空亡。甲午、乙未日妻財、子息空;丙申、丁酉日子息、兄弟空;戊戌、己亥日兄弟、父母空;庚子、辛丑日父母、官鬼空及長生空,辛日官德空;壬寅、癸卯日墓及官鬼、妻財空,並晝貴尤不得力,內丙戌日德祿空。甲辰旬寅卯空亡。甲辰、乙巳日兄弟、己身並祿空,甲日德空;丙午、丁未日父母空;戊申己酉日官鬼空,內己日德空;庚戌、辛亥日妻財空,內辛日夜貴空;壬子、癸丑日子息空,止宜脫禍。
甲午のこの一旬の中に辰・巳は空亡と為す。甲午・乙未日は妻財と子息とが空に落つ。丙申・丁酉日は子息と兄弟とが空に落つ。戊戌・己亥日は兄弟と父母とが空に落つ。庚子・辛丑日は父母・官鬼が長生を連ねて一斉に空に落ち、辛日の官星と德神とも亦た空に落つ。壬寅・癸卯日は墓神・官鬼と妻財とが空に落ち、白昼の貴人も亦た格外に力を使い上ぐる能わず。その中の丙戌日の德神・禄神は空に落つ。甲辰のこの一旬の中に寅・卯は空亡と為す。甲辰・乙巳日は兄弟と自身とが禄神を連ねて空に落ち、甲日の德神も亦た空に落つ。丙午・丁未日は父母が空に落つ。戊申・己酉日は官鬼が空に落ち、その中の己日の德神は空に落つ。庚戌・辛亥日は妻財が空に落ち、その中の辛日の夜間の貴人は空に落つ。壬子・癸丑日は子息が空に落ち、このようの課は就中只だ禍災を脱去するに用うるにのみ宜し。
甲寅旬子丑空亡。甲寅、乙卯日父母、妻財空;丙辰、丁巳日官鬼、子息空;戊午、己未日妻財、兄弟空;庚申、辛酉日子息及父母或墓空;壬戌、癸亥日兄弟、官鬼空;甲戊庚乙己五日旦貴空。十惡大敗日乃無祿之日也。蓋甲辰、乙巳、壬申、丙申、丁亥、庚辰、戊戌、癸亥、辛巳、己丑,此十日內祿神空亡,故為無祿之日。
甲寅のこの一旬の中に子・丑は空亡と為す。甲寅・乙卯日は父母と妻財とが空に落つ。丙辰・丁巳日は官鬼と子息とが空に落つ。戊午・己未日は妻財と兄弟とが空に落つ。庚申・辛酉日は子息と父母、或いは説く所は墓神が空に落つ。壬戌・癸亥日は兄弟と官鬼とが空に落つ。甲・戊・庚・乙・己の五日の清晨の貴人も亦た空に落つ。所謂「十惡大敗日」とは、即ち禄無きの日なり。甲辰・乙巳・壬申・丙申・丁亥・庚辰・戊戌・癸亥・辛巳・己丑のこの十個の日子は、本日の禄神が皆恰好として空亡の裏に落つ。故に之を呼びて禄無きの日と為す。
所筮不入仍憑類第九七
如占失脫,雖元武並脫氣、日鬼不在六處,亦宜用此類而言其方所、色目也。餘所占萬類皆如其法。
譬如失竊・走失を占うに、たとい盗を主とする元武・我が氣を泄する脱神および本日の官鬼が皆日干・日支・三伝・本命・行年のこの六處の内に落ちざるとも、亦た仍舊として要してこの幾種の類神を拿りて往きて推説して賊人の所在する方位・失物の色樣・名目を——占う所の事は課の裏に落ち進まざれば、就中類神に憑りて來て説く。残りの各類の占問も、亦た皆この辦法に照らして處理す。
非占現類勿言之第九八
凡行師之日,以干為三軍,支為營壘。如前賢有諸秘法,用之極靈。且如白虎臨寅在支上發用者,必宅中有棟折榱崩之驚,斯法極驗。設有占課君子問求財事,卜得此課,切不可言其樑棟摧折大抵與求財異。如此條貫犯之極多,時人不可不為自警。舉此一法,其餘可知。
兵占に譬を取りて説く。およそ兵を出すの日は、日干を以て三軍を代表し、日支を以て營壘を代表す。前輩の留下する各種の秘法は、用い起これば極めて靈験なり。譬如白虎が寅の上に臨みて、又た日支に落ちて発用するは、家中に必ず棟梁の折斷し椽子の崩塌するの驚恐有らん。この一法は極めて準なり。然るに假如來て課を占う君子有りて問う所が求財の事にして、恰好としてこの一課を卜得せば、就中切に梁棟の摧折するの話頭を説き出すべからず——あれは彼の問う所の求財と根本として両码事なり。この一類の毛病を犯す人は極めて多し。今人は引きて以て自警せざるべからず。この一法を擧出せば、残りのも亦た可想而知的なり。
常問不應逢吉象第九九
貴課利貴人不利小人,太平時雖有破敵之策而無所用之日。諸龍德、鑄印、高蓋乘軒、斫輪、官爵、富貴、三光、三奇、三陽之吉泰卦,但有官君子占之則為吉兆,或遷官轉職,或面君而奏事也。如常人占得上項吉卦,恐致災咎臨身,大難相壓,蓋常流百姓,既不事貴,兼以本身無官無祿,豈宜占得面君及見貴之卦乎。必因訟而名達朝廷,不然必到訟庭,面見太守而遭罪,占病必見陰司,如得遠干出外,可免病訟。
兵占に譬を取りて説く。貴人の課は貴人に利有りて小民に利あらず。即ち譬うれば太平の時節に雖も敵を破るの良策有るとも、卻って是れ用うる處無きの日子なり。およそ龍德・鑄印・高蓋乗軒・斫輪・官爵・富貴・三光・三奇・三陽のこの一類の吉泰の卦は、唯だ身に官職を居るる君子が占い到れば才だ吉兆と算す。或いは升遷・轉職し、或いは君王に面見して奏對するを得るを得。若し是れ平常の百姓が上述の吉卦を占い得れば、恐怕反って災咎の身に臨み大難の相壓するを招かん。尋常の百姓は既に權貴に侍奉せず、本身は又た官無く禄無し。何處で面君・見貴の課を占い得るに配得上せんや。あれは多くは訟事に因りて名聲が朝廷に傳到するが為にして、不然なれば即ち公堂に上りて、太守の面に當りて罪を獲るを要す。病を占えば則ち必ず陰司を見ん。この時に若く能く遠行・外出して往きて事を幹せば、倒れて病と訟とを避開し得べし。
已災凶逃返無疑第一百
凡值喪魂、魄化、天禍、天寇、伏殃、天獄、天網四張、天地二煩諸凶否卦,如已見病訟災迍,之後占得前項諸凶卦,其災卻可消除,不足為慮,如未見病訟之前占得此者,必病訟喪禍並至,更無疑也。至天罡之神臨身命、行年,靜者主動,動者主靜,如占訟入獄者,即出獄也,及問罪會犯與不犯,然後言之,其餘占凶者卻吉,占吉者卻凶。
およそ喪魂・魄化・天禍・天寇・伏殃・天獄・天網四張・天地二煩のこれらの凶否の卦に遇えば、如果病・訟・災難が已に發生し過ぎたれば、事後に再び上述の凶卦を占い得ても、あの災は反って消除し得べくして、憂慮するを須とせず。若く病・訟の未だ起こらざる之前にそれを占い得れば、あれば病・訟・喪・禍が一斉に來到して、絶として疑う可きなし。辰のこの天罡の神が本命・行年の上に臨むに至っては、本來静なるは就中動くを要し、本來動くは就中静なるを要す。譬如訟事を占いて而も人已に獄に下りたれば、反って立刻に獄を出るを主とす。還た須く先ず問清して犯する所の罪の究竟に犯したるや犯さざるやを、然る後に再び斷語を下せ。總じてこの一類の課は、凶事を占えば反って吉を得、吉事を占えば反って凶を得。
結絕格:六丙日干上亥,或常問必主病訟,如已見凶災,反宜結絕舊事,又作晝貴尤宜告貴人而結絕凶事。以凶制凶格:六癸日辰加丑,此乃墓神覆剋日,誠為凶也,如夜將又乘蛇尤凶,以末戌乘白虎沖辰,謂之破墓沖鬼,以凶制凶,凶即散而無咎也。又四癸日戌加丑晝將,亦賴末之蛇沖虎,辰沖戌,尤宜解憂。外無癸酉、癸亥日也。
「結絶格」——六つの丙日に日干の上に亥に乗る。若し是れ平常に事を問えば、必ず病と訟とを主とす。但如果凶災が已に發生し過ぎたれば、反ってこの一課を借りて往きて舊案を了結するに宜し。若く又た白昼の貴人を用いれば、ことに貴人に稟告して以て凶事を了斷するに宜し。「以凶制凶格」——六つの癸日に辰を以て丑に加う。辰は既に墓神にして、又た覆壓して上頭より來て日干を克す。本是實實在在の凶なり。若く夜将を用いて而も辰の上に又た螣蛇に乗れば、就更に凶なり。好在として末伝の戌の上に白虎に乗りて往きてあの辰を冲す。これを「破墓冲鬼」と呼ぶ——凶を拿りて往きて凶を制すれば、凶氣は反って散去して而も災咎なし。またたとえば四個の癸日に昼将を用いて戌を以て丑に加うるも、亦た全く末伝の螣蛇が往きて白虎を冲し辰が往きて戌を冲するに靠る。ことに憂愁を解開するに宜し。このほか癸酉・癸亥の両日は則ちこの種の課なし。
六壬大全卷十二終
《六壬大全》卷十二は此處に到りて結束す。全書も亦た就此にて終篇す。
