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震の林(震卦六十四林)

汉 · 焦延寿 · 第61巻 / 71

作盤ガイド: 大衍筮法, 六爻納甲の立卦

姤 三鳥飛來,自到逢時。俱行先至,多得大利。(同人之夬)

豊の卦が姤の卦に変わる。三隻の鳥一斉に飛來して、自ら好時機に撞上せり。伴を結して同行して先んじて到達して、此れによって利を獲ること甚多し。此の林主として時機湊巧にして、足捷き者之を得て、財を求めて大吉なり。末の注此の林《同人》の《夬》と文同じを示す。

萃 鹿食山草,不思邑里,雖久無咎。

豊の卦が萃の卦に変わる。鹿山上に於て草を吃りて、自在にして村邑の裏に回らんと想わず。此のごとく久しきを過るも亦た過錯有らず。此の林主として處する所に安んじて、塵擾を遠離して、久しく居りて災なし、吉なり。

升 羊腸九縈,相催併前。止須王孫,乃能上天。(損之夬,履之師,蠱之剝,臨之巽)

豊の卦が升の卦に変わる。羊腸の小道九曲に盤繞して、衆人相互に催促して肩を并びて前行せり。只だ王孫一たび到るを待ちて、始めて能く一挙に天に登らん。此の林主として道路曲折艱難にして、須らく貴人の提携を待つべし、人を得れば則ち大吉なり。末の注此の林《損》の《夬》、《履》の《師》、《蠱》の《剥》、《臨》の《巽》と文同じを示す。

困 管仲遇桓,得其願歡。膠日殺糾,振冠無憂。笑戲不莊,空言妄行。(明夷之旅)

豊の卦が困の卦に変わる。管仲斉桓公に遇上して、君臣相得して各々心愿を遂げたり。桓公公子糾を誅殺したる後、管仲冠を掸きて出仕するを得て、従此憂なし。只だ嬉笑して荘重ならず、空言妄行の人は、終に能く此のごとくならず。此の林主として主に遇い志を得れば則ち吉にして、軽佻妄言すれば則ち敗る。末の注此の林《明夷》の《旅》と文同じを示す。

井 桀蹠並處,民困愁苦。旅行遲遲,留連齊魯。(復之離)

豊の卦が井の卦に変わる。夏桀と盗跖のごとき暴人惡人一世に同處して、百姓困頓愁苦せり。行旅緩慢にして進み難くして、齊魯の一帯に滯留せり。此の林主として時局昏乱して、行程阻まるを受けて、客の中愁苦せり、凶なり。末の注此の林《復》の《離》と文同じを示す。

革 魂孤無室,銜損不食。盜張氏饋,見敵失肉。

豊の卦が革の卦に変わる。魂魄孤零として帰宿なくして、傷損を含みて東西を吃り下る能わず。張家の食物を偷うも、一たび對頭を見れば又た嘴に到れる肉を丢了せり。此の林主として孤苦して養を失して、得る所復た失して、険を行いて益なし、凶なり。

鼎 讒言亂國,覆是為非。伯奇乖離,恭子憂哀。(巽之觀)

豊の卦が鼎の卦に変わる。讒言国政を擾乱して、是を説いて非と為せり。尹吉甫後妻の言を聴信して孝子伯奇を逐走し、晋献公驪姬の讒を聴信して太子申生憂愁哀痛して以て死せり。此の林主として讒口横行して、父子相疑して、賢良弃せられん、大凶なり。末の注此の林《巽》の《觀》と文同じを示す。

震 衛侯東遊,惑於少姬。亡我考妣,久迷不來。(乾之升,旅之師)

豊の卦が震の卦に変わる。衛侯東游して、年輕の姬姓の女子に迷住せられり。父母を抛下して顧みずして、長久沉迷して肯えて回らず。此の林主として色を貪りて歸を忘れて、親の養を廢弃して、家事荒疏せり、凶なり。末の注此の林《乾》の《升》、《旅》の《師》と文同じを示す。

艮 雞鳴同興,思配無家。執佩持鳧,莫使致之。(漸之鼎)

豊の卦が艮の卦に変わる。鶏叫の時一同に起身するも、婚配を成さんと想うも帰宿なし。手に佩玉を執りて野鴨を提げて聘礼に充作するも、人彼に替えて傳達するを為すなし。此の林主として意有りて媒なくして、婚事成ること難くして、愿う所達せず。末の注此の林《漸》の《鼎》と文同じを示す。

漸 義不勝情,以欲自縈。覬利危躬,催角折頸。(坤之豐,復之坤,小過之升)

豊の卦が漸の卦に変わる。義理私情を壓住する能わずして、欲望に身を纏住せられり。小利を貪圖して身家をして危殆ならしめて、最後に角摧折せられて頸子も亦た断れり。此の林主として欲を縱りて利を逐いて、自ら危亡を取る、大凶なり。末の注此の林《坤》の《豊》、《復》の《坤》、《小過》の《升》と文同じを示す。

歸妹 臣尊主卑,權力日衰。侵奪無光,三家逐公。(升之巽)

豊の卦が帰妹の卦に変わる。臣下尊大にして君主卑弱にして、君權一天ずつ衰微せり。權柄侵奪せられて威光尽く失して、終に魯国の三桓の如く国君を出境に驅逐せり。此の林主として主弱くして臣強くして、權下に移りて、国君位を失し、凶なり。末の注此の林《升》の《巽》と文同じを示す。

旅 叔仲善賈,與喜為市。不憂危殆,利得十倍。

豊の卦が旅の卦に変わる。叔仲經商を善くして、做す所倶に心に称うの買売なり。必ずしも危險を憂慮せずして、利十倍を獲たり。此の林主として賈を善くして法を得て、財源順遂して、經營大吉なり。

巽 六蛇奔走,俱入茂草。驚於長路,畏懼啄口。(井之兌,中孚之家人)

豊の卦が巽の卦に変わる。六条の蛇倉皇奔走して、一斉に茂密の草叢に鑚進せり。長路の上に於て驚を受けて、禽鳥に啄食せらるるを害怕せり。此の林主として驚を受けて禍を避けて、身を草莽に蔵して、宜しく隱忍すべく頭を出だすに宜ならず。末の注此の林《井》の《兌》、《中孚》の《家人》と文同じを示す。

兌 水壞我裡,東流為海。鳧□讙囂,不可安居。(旅之歸妹)

豊の卦が兌の卦に変わる。大水我が郷里を衝毀して、東に泛濫して大海を匯成せり。野鴨の類水上に於て聒噪喧鬧して、人已に安居するに法なし。此の林主として水患家を毀して、故土留ること難し、凶なり。原文缺字有り、□を以て之を存し、末の注此の林《旅》の《帰妹》と文同じを示す。

渙 飛不遠去,卑廝內侍,祿食未富。(渙之大畜)

豊の卦が渙の卦に変わる。飛ぶこと遠からざる能わずして、只だ地位低下の内侍雜役を做る能くして、俸禄飲食倶に豊厚と算す可ならず。此の林主として才位有限にして、身を進むること遠からずして、僅かに温飽を得るのみ。末の注此の林《渙》の《大畜》と文同じを示す。

節 陰變為陽,女化為男。治道大通,君臣相承。(屯之離,未濟之夬,渙之旅)

豊の卦が節の卦に変わる。陰轉變して陽と為りて、女變化して男と為れり。国を治むるの道此れによって大いに通達して、君と臣上下相承せり。此の林主として時局翻轉して好に向かいて、上下相得して、政通じて人和せり、吉なり。末の注此の林《屯》の《離》、《未済》の《夬》、《渙》の《旅》と文同じを示す。

中孚 踐履危難,脫厄去患。入福喜門,見誨大君。(震之家人,兌之乾)

豊の卦が中孚の卦に変わる。危險艱難を踏過して、厄運を擺脱して禍患を除去せり。福喜の門に走進して、大君を得見して并びに其の教誨を受けたり。此の林主として険の中脱を得て、貴に遇いて教を得て、先ず難にして後に吉なり。末の注此の林《震》の《家人》、《兌》の《乾》と文同じを示す。

小過 網密綱縮,動益蹙急,困不得息。

豊の卦が小過の卦に変わる。網眼細密にして綱繩収緊して、愈掙扎すれば愈急迫にして、裏頭に困して喘息を得ず。此の林主として約束重重にして、動けば便ち咎を得て、愈動く愈困る、凶なり。

既濟 負牛上山,力劣行難。烈風雨雪,遮遏我前。中道復還,憂者得歡。(同人之無妄,訟之剝,旅之睽)

豊の卦が既済の卦に変わる。牛を背負して山に上れば、力気足らずして行走艱難せり。又た烈風雨雪前頭に擋るに逢えり。半路折返して回れば、憂愁の人反って轉じて歓喜を得たり。此の林主として任重くして行き難くして、返るを知れば則ち安んじ、退守して吉を得ん。末の注此の林《同人》の《無妄》、《訟》の《剥》、《旅》の《睽》と文同じを示す。

未濟 喁喁嘉草,思降甘雨。景風升上,霑洽時澍,生我禾稼。

豊の卦が未済の卦に変わる。嘉美の草木口を張りて上に向かいて、甘霖の降下を盼れり。和暖の景風升起して、時雨大地を沾潤して、我が庄稼を養活せり。此の林主として久旱して雨を得て、望む所期に應じて、田事成有り、吉なり。

旅の林(旅卦六十四林)

旅 羅網四張,鳥無所翔。征伐困極,飢渴不食。(革之泰,兌之小過)

四方に網を張りめぐらせ、鳥は飛び去るところがない。征伐に出て困窮しきり、飢え渇いて食べるものもない。この林は四方から受け困り、進退の道がなく、行軍や遠役は大凶であることを主とする。末注はこの林が《革》の《泰》、《兌》の《小過》と文が同じであることを示す。

乾 寄生無根,如過浮雲。立本不固,斯須落去。更為枯樹。(小畜之蠱)

寄生の枝には自分の根がなく、空を流れ過ぎる浮雲のようだ。根本がしっかり立たなければ、たちまち落ちて、枯れ木となってしまう。この林は根なしの依附、基盤の不実を主とし、たちまち空しくなる。凶。末注はこの林が《小畜》の《蠱》と文が同じであることを示す。

坤 人無定法,綬降牛出。蛇雄走趨,陽不制陰。宜其家困。

人事に一定の法度がなく、印綬が下がり耕牛が出て行く。雄の蛇があちこちに走り、陽が陰を制することができない。その家が困窮するのは当然である。この林は法度の失守、陰陽の倒置を主とし、家道が窮する。凶。

屯 眾鳥所翔,中有大怪。九身無頭,魂驚魄去。不可以居。(漸之蒙)

群れの鳥が旋回する場所に、大きな怪物が現れた。九つの胴体に頭がなく、見た者は魂が驚き魄が去る。このような場所に住んではならない。この林は住居に妖異の兆しがあり、惊恐して安らかでなく、移り避けるべきことを主とする。凶。末注はこの林が《漸》の《蒙》と文が同じであることを示す。

蒙 封涿溝瀆,灌潰國邑。人宿口中,民多病疾。

溝渠の水道を塞ぎ、溜まった水が溢れて城邑を押し潰す。人は水口の中に宿るようになり、民は病気が多くなる。この林は水利の失修、湿気の害を主とし、疫疾が流行する。凶。

需 奮趐鼓翼,翱翔外國。消遙徙倚,來歸溫室。(損之觀)

翼を奮い羽ばたいて、外国を翱翔する。自在に游歩し徘徊した後、温かい家に帰って来る。この林は遠游の得意、去って帰れることを主とし、出入りともに吉。末注はこの林が《損》の《観》と文が同じであることを示す。

訟 秋蠶不成,冬種不生。設王逆理,棄其寵名。

秋に蚕を飼っても繭ができず、冬に種を蒔いても苗が出ない。为政者が常理に逆らって行えば、受けた尊寵と名位を失う。この林は時と理に逆らい、為すところ成らず、位を失う凶を主とする。

師 衛侯東遊,惑於少姬。亡我考妣,久迷不來。(乾之升,豐之震)

衛侯が東に游び、年少の姫姓の女子に惑わされた。父母を捨てて顧みず、長く迷って帰らない。この林は色に耽って帰るを忘れ、親の養いが廃れることを主とし、家事が守られない。凶。末注はこの林が《乾》の《升》、《豊》の《震》と文が同じであることを示す。

比 鳥會雀合,與惡相得。鴟鴞相酬,為心所賊。

鳥と雀が一か所に集まり、わざわざ悪類と気が合う。《詩経・豳風・鸱鸮》に刺された悪鳥が互いに唱和し、ついに自分の悪い心に害される。この林は匪類と交わり、悪をともに済ませ、かえってその害を受けることを主とする。凶。

小畜 雞鳴無距,與雀格鬥。趐折目盲,為仇所傷。

雄鶏は鳴くが距爪がなく、雀と格闘しようとする。結果、翼が折れ目も盲き、仇に傷つけられる。この林は自らの力を量らず、短をもって人を撃つことを主とし、かえって傷を受ける。凶。

履 木生內蠹,上下相賊。禍亂我國。

木の内部に蛀虫が生じ、上下が互いに戕害し合う。禍乱がこれによって我が国を乱す。この林は禍が蕭牆の内に起こり、内耗して自ら敗れることを主とし、国家が安らかでない。凶。

泰 延陵適魯,觀樂太史。車鄰白顛,知秦興起。卒兼其國,一統為主。(坎之剝,大畜之離)

《左伝》襄公二十九年に呉国の延陵季子が魯に聘し、周の楽を観ることを請うたとある。《秦風》の「車の鄰鄰たり、馬に白顛あり」の音を聞いて、秦が興起するだろうと断定した。後に秦は果たして六国を併呑し、天下を一統して主となった。この林は微を観て著を知り、時勢を予見することを主とし、占った事は弱から強に転じる。末注はこの林が《坎》の《剝》、《大畜》の《離》と文が同じであることを示す。

否 輔相之好,無有休息。時行雲集,所在遇福。

輔弼の大臣が心を同じくして交わり、政事に勤めて休まない。時に応じて行い、雲の集まるがごとく、行く先々で福に遇う。この林は上下が協力し、動いて吉に逢うことを主とし、いたる所で福を得る。大吉。

同人 床傾簀折,屋漏垣缺,季姬不愜。

床が傾き竹の席が折れ、屋根は漏り垣は欠け、季姫は住んで気が晴れない。この林は居室の破敗、家人の不安を主とし、処境が窘迫する。不吉。

大有 東入海口,循流北走。一高一下,五邑失主。七夜六日,死於水浦。(睽之蹇)

東へ海の口に入り、流れに沿って北へ漂う。波は一つ高く一つ低く、五つの城邑が主を失う。七夜六日漂って、ついに水辺で死んだ。この林は船行の危難、波に随って主なきことを主とし、溺死の凶。末注はこの林が《睽》の《蹇》と文が同じであることを示す。

謙 群虎入邑,求索肉食。大人守禦,君失其國。

群れの虎が城邑に入り、肉食を求めてあちこちを探す。大人が守り禦いでも、国君はその国を失う。この林は強暴が境に入り、防ぐ力がないことを主とし、失国の凶。

豫 四亂不安,東西為患。退身山足,無出邦域。乃得完全,賴其生福。(大有之睽)

四方が乱れて安らかでなく、東も西も禍患となる。山の麓に身を退き、国の境を出なければ、やっと保全を得て、その慎みによって福が生まれる。この林は乱世には退くべきを主とし、静を守り自ら保てば吉。末注はこの林が《大有》の《睽》と文が同じであることを示す。

隨 叔□抱冤,祈子自邑。乘遽解患,羊舌以免。賴其生全。(蹇之乾)

《左伝》襄公二十一年に晋の叔向が冤罪で囚われ、祁奚が封邑から駆けつけ、駅車に乗って執政に面会して彼のために弁明し、患難が解け、羊舌氏の一族はこれによって禍を免れ保全されたとある。この林は冤罪に救いがあり、貴人が急難に援けることを主とし、先は凶で後は吉。原文に欠字があり、□をもって存する。末注はこの林が《蹇》の《乾》と文が同じであることを示す。

蠱 延頸望酒,不入我口。深目自若,利得無有。(訟之益,履之萃)

首を長く伸ばしてあの一杯の酒を望んでも、一口も私の口に入らない。じっと見つめて平然を装っても、結局何も得られない。この林は望んでも及ばず、求めるものが空しくなることを主とする。末注はこの林が《訟》の《益》、《履》の《萃》と文が同じであることを示す。

臨 仁政之德,恭一日息。成都就邑,日受厥福。(巽之屯)

仁政を施す徳の恩沢は、恭く勤勉に一日も怠らない。集落が都会となり村邑が日に日に栄え、毎日その福を受ける。この林は徳政が日に積み、人烟が輻輳することを主とし、安居して福を受ける。吉。末注はこの林が《巽》の《屯》と文が同じであることを示す。

觀 牽頭繫尾,屈折幾死。雕世無仁,不知所歸。(升之大畜)

頭を引かれ尾を繋がれ、屈折してほとんど死ぬ。世は凋み仁を行う者がなく、どこに帰るべきか分からない。この林は人に制され、挙世に援けがないことを主とし、走るも投ずるも路がない。凶。末注はこの林が《升》の《大畜》と文が同じであることを示す。

噬嗑 教羊逐兔,使魚捕鼠。任非其人,費日無功。(需之噬嗑)

羊に兎を追わせ、魚に鼠を捕らえさせる。人をその才に任せず、日を費やして功がない。この林は任がその人に非ず、託する所を失うことを主とし、労して成らない。凶。末注はこの林が《需》の《噬嗑》と文が同じであることを示す。

賁 生角有尾,張孽制家。排揚逐狐,張氏易公。憂禍重凶。

角が生え尾が生え、妖孽が張り勢いを得て家門を把る。狐媚を排し追い払おうとするが、張氏はついに旧主に取って代わる。この林は妖孽が柄を窃み、主客が位を易えることを主とし、憂患が重なる。大凶。

剝 去安就危,墜陷井池,破我玉螭。

安を去り危に就き、井池に墜ちて、我が玉螭を破った。この林は自ら平安を捨て、険を行って損に至ることを主とし、宝器もろとも毀れる。凶。

復 茹芝餌黃,塗飲玉英。與神通流,長無憂凶。(既濟之蹇)

芝を茹で黄精を饵とし、玉の精液を飲む。これによって神明と気が通じ流れ、長く憂患も凶もない。この林は修養に道があり、身心が康泰であることを主とし、長安して咎なし。吉。末注はこの林が《既済》の《蹇》と文が同じであることを示す。

旡妄 體重飛難,未能越關。不離室垣。(震之鼎)

体が重く飛ぶことが難しく、関を越えることができず、屋の垣の内に守り留まるしかない。この林は力が任に勝えず、出行が阻まれることを主とし、旧を守れば咎なし。末注はこの林が《震》の《鼎》と文が同じであることを示す。

大畜 巢成樹折,傷我彝器。伯踒叔跌,凶羊乃追。

巣が成ったばかりで樹が折れ、宗廟の彝器まで損なわれた。兄は挫き弟は転び、凶は悪羊のように追いかけて放さない。この林は功成りて毀れ、禍は単行せず、家人皆傷つくことを主とする。凶。

頤 六人俱行,各遺其囊。黃鵠失曉,無以為明。(曉又作珠)

六人がともに行き、それぞれ行嚢を失った。黄鵠が暁の時を失したように、依り凭すべき明るさがない。この林は伴を結んで財を失い、時機を迷うことを主とし、前路に明なし。凶。末注は「暁」の字がまた「珠」と作ることを載せる。

大過 播枝遷岐,與母分離,絕不相知。(大有之坤)

枝が岐路の向こうに移し栽えられ、これによって母株と離れ、互いに消息が絶えて知らない。この林は遷徙し遠く別れ、母子が離れることを主とし、音問が通じない。凶。末注はこの林が《大有》の《坤》と文が同じであることを示す。

坎 迎福開戶,喜隨我後。曹伯愷悌,為宋國主。

門戸を開いて福を迎え、喜びは我の後に随って来る。曹伯は和楽平易の人で、これによって宋国の政を主とすることができた。この林は門を開き福を納れ、和悦をもって位を得ることを主とする。吉。

離 既痴且狂,兩目又盲。箕踞坐喑,名為無用。

人は癡でもあり狂でもあり、両目はまた盲いている。箕のように足を開いて坐り言葉を発することができず、廃人と見なされる。この林は神志が昏昧で、才能が廃棄されることを主とし、何の用もなさない。凶。

咸 金梁鐵柱,十年牢固。完全不腐,聖人安處。

金で鋳た梁、鉄で鋳た柱は、十年経てもなお牢固である。完全で朽ちず、聖人がその中に安らかに居る。この林は根基が堅実で、屋宇が長久であることを主とし、居家が安穏。吉。

恆 裹糗荷糧,與蹠相逢。欲飛不得,為網所獲。

乾粮を包み荷を担いで路に出たが、あいにく盗跖の類の強人に遇う。身を脱して飛び去ろうとしてもできず、ついに網に落ちて擒えられた。この林は行旅に盗に遇い、財も身も失うことを主とする。大凶。

遯 彭生為妖,暴龍作災。盜堯衣裳,聚蹠荷兵。青禽照夜,三旦夷亡。(鼎之遯,比之蒙)

斉の公子彭生が冤死して妖となり、暴龍が災いを作す。盗賊は尭の衣裳を窃み聖人を装い、跖徒は衆を聚め兵を荷い、怪鳥は夜に光を照らし、三旦の内に夷滅の禍がある。この林は冤気が祟りをなし、僭窃が乱を作すことを主とし、速亡の象。大凶。末注はこの林が《鼎》の《遯》、《比》の《蒙》と文が同じであることを示す。

大壯 褐夫老婦,不能生子,鰥寡居處。

粗布を着た貧夫と年老いた婦人は、もはや子女を生むことができず、ただ鰥寡として独居するだけだ。この林は年衰えて嗣がなく、孤身で自ら守ることを主とし、嗣を問うは利ならず。

晉 鷦鷯竊脂,巢於小枝。搖動不安,為風所吹。內寒飄搖,常憂殆危。

鷦鷯や竊脂のような小鳥が、細い枝に巣を作る。《荘子・逍遥游》に鷦鷯は林に巣うも一枝に過ぎないとあるが、枝が細ければ揺れて安らかでなく、風に吹かれれば巣の中は寒く飄搖し、常に傾覆を憂惧する。この林は託する所が固くなく、居処が安らかでないことを主とし、常に危惧を懐く。凶。

明夷 素車木輿,不任負重。王子出征,憂疑為咎。

飾りのない素車木の輿は、重い荷に堪えられない。王子が軍を率いて出征するが、心中で憂い疑い決せず、これによって咎となる。この林は器が任に勝えず、将帥が猶豫することを主とし、出師は利ならず。凶。

家人 土陷四維,安平不危。利以居止,保其玉女。

土を四角の維に固めて、地基は安穏平正で傾き危ぶむことがない。ここに居り止まるに宜しく、家中の玉のような娘を保つことができる。この林は宅基が牢固で、居家が安寧であることを主とし、子女が護られる。吉。

睽 負牛上山,力劣行難。烈風雨雪,遮遏我前。中道復還。(訟之剝)

牛を負って山に登るが、力が劣り歩みが難しい。さらに烈しい風雨雪が前を遮り、途中で引き返すしかない。この林は任重く力薄く、外の阻みが重なることを主とし、返るを知るが宜しき。末注はこの林が《訟》の《剝》と文が同じであることを示す。

蹇 金城鐵郭,上下同力。政平民親,寇不敢賊。

金の城、鉄の郭で、上下が心を同じくして力を合わせる。政令は公平で百姓が親附し、寇は賊なすことを敢えてしない。この林は内固く外安し、衆志が城を成すことを主とし、境内に虞なし。大吉。

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