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咸の林(咸卦六十四林)

汉 · 焦延寿 · 第37巻 / 71

作盤ガイド: 大衍筮法, 六爻納甲の立卦

漸:端坐生患,憂來入門,使我不安。

遯の卦が漸の卦に変わる。端端正正坐しているも禍患を生じ、憂愁自ら門に上がり来り、我をして安寧を得ざらしむ。この林は災禍端なくして至り、静守も亦た免れ難く、心神寧ならざるを主とし、不吉である。

歸妹:小陬之市,利不足喜。二世積仁,蒙其祖先。匪躬之言,狂悖為患。

遯の卦が帰妹の卦に変わる。偏僻小角落の集市、其の一点の利益は歓喜に値せず。两代人仁徳を積累し、祖先の余蔭を蒙る。自身を顧みず直言進諫は本より美事なれど、一旦狂妄悖乱すれば即ち禍患と成る。王臣蹇蹇、匪躬之故は《周易・蹇》の六二に出る。この林は小利道うに足らず、祖徳の庇佑に賴り、言を進むるに分寸を守るべく、過ぎれば則ち禍を招くを主とす。

豐:登高望時,見樂無憂。求利南國,與寶相得。

遯の卦が豊の卦に変わる。高処に登りて時勢を観望すれば、見る所皆歓楽にして憂愁なし。南方の邦国に利を求め、正に珍宝と相遇す。この林は高に居りて遠くを見、時機乗ずべく、南行して宝を得て財を進むを主とし、大吉である。

旅:跛足息肩,有所忌難。金城鐵郭,以銅為關。藩屏自衛,安土無患。

遯の卦が旅の卦に変わる。足を瘸んで肩上の担子を卸すは、顧忌為難する所有ればなり。金鑄の城、鉄築の郭、銅を以て関門を成す。屏障を築きて自ら防衛し、本土に安居すれば禍患なし。この林は行動便ならざれば暫く止るを主とし、堅固の守りに憑れば平安無事、守れば吉なり行けば凶なり。

巽:江水沱汜,思附君子。伯仲處市,不我肯顧。侄娣恨悔。

遯の卦が巽の卦に変わる。江水は沱汜の两支流を分かち、心の内に君子に依附せんと思う。伯仲両位は市上に在りて、肯えて回頭して我を一顧せず。随嫁の侄女と妹妹は皆恨悔の心を懐く。《詩経・召南・江有汜》は正に媵妾の被弃の怨を詠ず。この林は附くれんと欲して門なく、人の冷落に遭い、姻親怨を生ずを主とし、凶である。

兌:芽糵生達,陽唱於外。左手執鑰,公言錫爵。

遯の卦が兌の卦に変わる。谷芽萌発し、抽条通達して、陽気は外に在りて生機を倡導す。左手に舞籥を執りて起舞し、主公開口して酒爵を賞賜す。左手執籥は《詩経・邶風・簡兮》に出る。この林は生機勃発、時に陽長に逢い、上の賞賜爵禄を得るを主とし、大吉である。

渙:雲夢苑囿,萬物蕃熾。犀象玳瑁,荊人以富。

遯の卦が渙の卦に変わる。雲夢沢の苑囿の中、万物繁盛興旺す。犀角、象牙と玳瑁応有尽く有りて、楚国人此れによって富足せり。雲夢は楚国の大沢、物産の富は《戦国策》に見る。この林は物産豊饒、珍貨充盈を主とし、家国倶に富めり、大吉である。

節:渠戎萬里,晝夜愁苦。櫜甲戍服,雖荷不賊。鷹鸇之殃,害不能傷。

遯の卦が節の卦に変わる。万里の外に戎人を防御しに往きて、日夜愁苦す。鎧甲を囊中に収め戍守の衣服に換え、身重任を負うと雖も賊害に遭わず。縦い鷹鸇の撲撃するがごとき災殃有りとも、彼を傷害する能わず。この林は遠戍艱苦にして終に保全を得るを主とし、凶险身に加え能わず、苦中に吉有り。

中孚:出門東行,日利辰良。步騎與駟,徑歷京邦。暮宿北燕,與樂相逢。

遯の卦が中孚の卦に変わる。出門して東に行けば、日子利有り時辰吉良なり。歩卒騎兵は駟馬の車に連なりて、一路直に京城大邦を穿つ。傍晚北方の燕地に投宿して、恰好歓楽に相遇す。この林は時を擇びて東行し、行程通達にして、途中楽を得るを主とし、大吉である。

小過:騎騅與蒼,南賈太行。逢蛟猛虎,為所吞餐。葬於渭陽。

遯の卦が小過の卦に変わる。騅馬と青馬に騎りて、南に太行を越え経商に往く。路上蛟竜猛虎に遇い、之等に吞吃せられ、最後に渭水の北に葬らる。渭陽は《詩経・秦風・渭陽》に出る。この林は遠行経商して猛悪に遭遇し、身は異郷に死するを主とし、大凶である。

既濟:鎡基逢時,稷契皋陶。貞良得願,微子解囚。市恐無虎,謾言妄語。

遯の卦が既済の卦に変わる。好い鋤頭有りとも又た農時に趕えば、正に后稷、契、皐陶が各々明主に遇うが如し。忠貞良善の人は心願を得て償われ、微子も亦た囚繋を解脱せり。《孟子・公孫丑上》に「雖有鎡基、不如待時」と曰う。至りて市に虎有りと説するは、不過謊話妄語なり、三人成虎の説は《戦国策》に見る。この林は時に逢い位を得、賢者志を伸べ、囚者釈を獲るを主とし、流言取信に足らず、吉である。

未濟:酒為歡伯,除憂來樂。福善入門,與君相索。使我有得。(來一作未)

遯の卦が未済の卦に変わる。酒は「歓伯」と号して、憂愁を除去し歓楽を招来する能し。福気と善慶は一同に門に入り、来りて主人に親を求め相就かんとし、我をして収穫有らしむ。校語に「来」の字は一本に「未」と作ると。この林は宴楽して憂を消し、福善門に臨むを主とし、求むる所得有り、吉である。

大壮の林(大壮卦六十四林)

大壯:左有噬熊,右有囓虎。前觸鐵矛,後躓強弩。無可抵者。

大壮の卦が自ら変じても大壮の卦のままである。左には人を咬む熊、右には人を噬う虎。前に往けば鉄矛に撞き、後に退けば強弩に绊つ。四面皆な抵当すべき地なし。この林は前後左右尽く凶险にして、避くるべき処なし、大凶である。

乾:金齒鐵牙,壽考宜家。年歲有儲,貪利者得。有其咎憂。

大壮の卦が乾の卦に変わる。金のごとき歯、鉄のごとき牙床にして、長寿にして家室に宜し。年年積儲有りて、利益を貪求する人も亦た手に入るを得、只だ之に随いて災咎と憂慮有るのみ。この林は身強く家旺え、年谷余り有るも、然れど利を逐うこと甚しければ咎を招く、吉中に憂を帯ぶ。

坤:家給八足,頌聲並作。四夷賓服,干戈櫜閣。

大壮の卦が坤の卦に変わる。家家豊足、人人富裕にして、頌揚の声斉しく興る。四方の外族皆来りて帰服し、兵器鎧甲は袋中に収め擱置して用いず。櫜甲束兵は《礼記・楽記》に記する武王の偃武修文の事。この林は家国殷実、天下太平にして、兵革興らざるを主とし、大吉である。

屯:獮猴冠帶,盜載非位。眾犬持吠,狂走蹶足。

大壮の卦が屯の卦に変わる。獼猴冠帯を戴き、本より其の属すべからざる位子を窃踞せり。群犬之に向かい狂吠し、狂奔逃走する時に足を跌傷せり。沐猴而冠は漢人の虚有其表を譏笑する旧語。この林は小人高位を窃据し、衆怒犯し難く、終に顚躓に至るを主とし、凶である。

蒙:心患其身,不念安存。忠臣孝子,為國除患。

大壮の卦が蒙の卦に変わる。心は只だ自身の安危を憂うるのみで、如何にすれば安身長存せんやを思わず。真の忠臣孝子は、国家の為に禍患を除く者なり。この林は私を一己に憂うる者は成す所難く、唯だ身を忘れて国に報ゆる者は功業を建つる能し、取捨全く公私の間に在り。

需:君不明德,臣亂為惑。丞相命駕,胡亥失所。

大壮の卦が需の卦に変わる。君主徳行を昭明せず、臣下作乱して人心迷惑す。丞相車を備えよと下令するも、秦二世胡亥は容身の処を失えり。趙高の二世を弑するは、《史記・秦始皇本紀》に事見る。この林は君昏く臣乱れ、権臣命を専らにし、主上傾危を主とし、大凶である。

訟:東行西窮,南北無功。張伯買鹿,從者失羊。

大壮の卦が訟の卦に変わる。東に行き西に行きて倶に絶路に至り、南北奔波しても功效なし。張伯は鹿を買いに行き、随従する人は却って羊を失えり。この林は四方奔走するも皆利を得ず、此を顧みて彼を失うを主とし、凶である。

師:鹿下西山,欲保其群。逄羿箭鋒,死於矢端。

大壮の卦が師の卦に変わる。鹿は西山より下り、己が鹿群を保全せんと欲すも、后羿の箭鋒に撞き、箭頭の下に死せり。后羿は射を善くす、《楚辞・天問》等の書に見る。この林は本より衆を護らんと欲して自ら険地に投じ、反って殺身の禍に遭うを主とし、大凶である。

比:夷明兆初,三旦為災。以讒復歸,名曰豎牛。剝亂叔孫,餒卒虛丘。

大壮の卦が比の卦に変わる。光明傷せられし兆剛わずかに顕れ、連日三日倶に災禍なり。讒言に倚りて重ねて帰り来る者、名を竪牛と曰う。彼は叔孫氏を剥奪攪乱し、終に叔孫豹をして虚丘に餓死せしめたり。事は《左伝・昭公四年》に見る。この林は小人讒を以て勢を得て人家を攪乱し、主家餓死するを主とし、大凶である。

小畜:秦失嘉居,河伯為恠。還其銜璧,神怒不佑。織組無文,燒香不芬。

大壮の卦が小畜の卦に変わる。秦国は美好の居処を失い、河伯は妖を興し怪を為す。口銜の玉璧を退け返し、神明惱怒して庇佑を加えず。織出の綬帯に花紋なく、焼起の香も芬芳ならず。銜璧は古の降服請罪の礼。この林は地を失い祟に遭い、神歆享せず、為す所皆成らず、凶である。

履:至德之君,禍不過鄰。使我世存,身無患災。

大壮の卦が履の卦に変わる。至高の徳行有る君主は、禍事隣近の処にも波及せず。我が家をして世代長存せしめ、自身禍患災殃なし。この林は徳厚く福深く、災身に及ばず、家世綿長を主とし、大吉である。

泰:眾惡之堂,相聚為殃。幽毒良人,使道不通。

大壮の卦が泰の卦に変わる。衆多の悪人聚集する厅堂は、湊り合わされば禍殃と成る。暗中に善良の人を毒害し、正道をして通行する能わざらしむ。この林は群小党を結び、暗に賢良を害し、公道壅塞するを主とし、凶である。

否:三痴六狂,欲之平鄉。迷惑失道,不知昏明。

大壮の卦が否の卦に変わる。三個の痴人、六個の狂徒、平郷に往かんと欲す。一路迷惑して正道を失い、天の昏れ天亮も分辨せず。この林は同行者尽く昏悖の輩にして、方向を迷失して自ら知らざるを主とし、凶である。

同人:老弱無子,不能自理。郭氏雖憂,終不離咎。管子治國,侯伯來服。乘輿八百,尊祀祖德。(一作大有卦)

大壮の卦が同人の卦に変わる。年老い体弱くして子嗣なく、己が事を料治する能わず。郭氏憂慮すると雖も、終に災咎を脱する能わず。至りて管仲の斉国を治むるは、諸侯方伯皆帰服し、車馬八百乗、隆重に祭祀して祖徳を彰顯せり。校語に此の条は一本に大有卦の辞と作ると。この林は孤弱無嗣の者は咎患を免れ難く、賢相を得て国を治むる者は則ち覇業昌隆す、两象吉凶懸殊なり。

大有:褒後生蛇,經孝曰微。追跌老耄,覆滅黃離。(一作同人卦)

大壮の卦が大有の卦に変わる。褒姒の来歴は伝うる所、竜漦の化して蛇と為るに関有り、経伝の記する孝道此れによって衰微す。追究すれば、年老昏聵の者の跟头を跌すが故、光明の黄離の徳再度熄滅せり。褒姒の周を亡ぼすは《史記・周本紀》に見る。黄離元吉は《周易・離》の六二に出る。校語に此の条は一本に同人卦の辞と作ると。この林は女寵禍を為し、老昏政を失い、光明淪喪するを主とし、大凶である。

謙:聰鬣黑髯,東歸南鄉。白虎推輪,蒼龍把衡。遂至夷傷,不離咎殃。

大壮の卦が謙の卦に変わる。長鬃黑髯の駿馬は、東に南郷に帰る。白虎後に輪を推し、蒼竜車衡を把持す。然れど終に受傷に落ち、災咎禍殃を脱開する能わず。この林は「遯之震」と同じく四靈駕車の象を用うるも、吉より凶に転ず。この林は神物の護送有ると雖も、去向当ならざれば仍お傷損に遭うを主とし、凶である。

豫:信譎龍且,塞水上流。半渡決囊,楚師覆亡。

大壮の卦が豫の卦に変わる。詭詐の竜且を軽信し、河水の上流に囊を築きて水流を壅塞す。楚軍の半渡を待ちて沙囊を決開し、楚軍此れによって覆滅せり。此れ正に韓信の囊沙して潍水を断ち竜且を破るの戦、《史記・淮陰侯列伝》に見る。この林は敵の計に中り、半渡に襲に遇い、全軍覆没するを主とし、大凶である。

隨:有莘季女,為王妃后。貴夫壽子,母尊四海。

大壮の卦が随の卦に変わる。有莘氏の小女児は、君王の妃后と為れり。丈夫顕貴にして兒子長寿し、母儀四海に尊し。有莘の女は周文王に嫁す、即ち太姒、《詩経・大雅・大明》に見る。この林は婚配貴を得、夫栄え子寿し、母儀天下を主とし、大吉である。

蠱:德被八表,蠻夷率服。蝥賊不作,道無苛慝。

大壮の卦が蠱の卦に変わる。徳沢は八方の辺際に覆い被せ、蛮夷皆相率いて帰服す。害虫のごとき賊人は再び風浪を興さず、路上に苛政と邪悪なし。この林は徳化遠く播き、四夷賓服し、境内清平を主とし、大吉である。

臨:載日精光,驂駕六龍。祿命徹天,封為燕王。

大壮の卦が臨の卦に変わる。車上に太陽の精華光輝を載せ、六竜を驂服して駕行す。禄命は天に高く通じ、封を受けて燕王と為れり。この林は気象宏大、貴ぶべきに言う可からず、封を受けて土を列するを主とし、大吉である。

觀:纓急縮頸,行不得前。五石示象,襄伯不成。

大壮の卦が観の卦に変わる。帽纓勒めて太甚く、脖子縮み返りて、前に走り到る能わず。天は五塊の隕石を降して徵兆を顕し、宋襄公の覇業終に成らざりき。隕石於宋五は《左伝・僖公十六年》に見る。この林は束縛太甚にして進退前せず、異象警を示すも事業成ることなし、凶である。

噬嗑:蛇鄉其穴,載麻當喪。哀悲哭泣,送死離鄉。

大壮の卦が噬嗑の卦に変わる。蛇は自ら其の洞穴に向かい、車上に麻布を載せて正に喪事に逢う。哀傷悲痛して哭泣し、送葬の後故郷を離る。この林は家に喪亡有り、哀を挙げて郷を離れ、凄凉極まるを主とし、大凶である。

賁:四潰不安,兵革為患。掠我妻子,客屢飢寒。

大壮の卦が賁の卦に変わる。四方潰散して安寧を得ず、兵戈甲冑禍患と為れり。我が妻兒を擄掠し去り、外に客居して屢屢凍餒を受く。この林は兵乱四起、家破れ人離れ、流落飢寒するを主とし、大凶である。

剝:乘風雨橋,與飛鳥俱。一舉千里,見吾愛母。(雨一作禹)

大壮の卦が剥の卦に変わる。風に乗りて雨中の橋を越え、飛鳥と同じく路に上る。一飛すれば即ち千里、我が敬愛する母親を見えたり。校語に「雨」の字は一本に「禹」と作ると。この林は行程神速、願の如く相見え、母子団聚するを主とし、大吉である。

復:雷霆所擊,誅者五逆。劘滅無跡,有懼方息。

大壮の卦が復の卦に変わる。雷霆の撃打する所は、是れ五種の大逆不道の人なり。之等を磨滅して痕跡を留めず、衆人心中的の恐懼始めて平息せり。この林は天悪逆を誅し、凶を除き乱を靖め、衆心安らぐを得、先驚後吉。

旡妄:張氏揖酒,請謁左右。王時枯槁,獨不蒙所。(王一作平)

大壮の卦が旡妄の卦に変わる。張氏杯を挙げて酒を敬い、左右の人に向かい引薦を拜求す。王氏一時形容枯槁にして、独り棲身の処を得ず。校語に「王」の字は一本に「平」と作ると。この林は奔走干謁するも遭遇均ならず、寵を得る者と隅に向く者と有り、吉凶人に因って分かつ。

大畜:坐爭立訟,紛紛匈匈。卒成禍亂,災及家公。

大壮の卦が大畜の卦に変わる。坐しても争い立ちても訟え、紛紛擾擾喧囂寧まらず。終に禍乱を醸成し、災禍一家の主に波及す。この林は争訟休まず、内外喧騰し、終に家主累を受くるに致るを主とし、凶である。

頤:霜降門戶,蟄蟲隱處。不見日月,與死為伍。

大壮の卦が頤の卦に変わる。霜は門戸に降り、蟄虫皆な躲蔵す。日月の光亮を見る能わず、死気と伍を為す。この林は時令肅殺、陽気尽く隱れ、閉塞して死の如し、大凶である。

大過:鼠聚生恠,為我患悔。道絕不通,商旅失意。

大壮の卦が大過の卦に変わる。老鼠成群に聚集して怪異を生じ、我が禍患と悔恨と為れり。道路断絶して通ぜず、行商旅客皆失意して帰る。この林は物妖災を示し、去路阻まるを主とし、経商成らず、凶である。

坎:寒暑不當,軌度失常。一前一後,年歲鮮有。

大壮の卦が坎の卦に変わる。寒暑の来るは時令に合わず、天時の軌度常規を失えり。節気或いは一時に提前し、或いは一時に落後して、年成の収穫便ち稀少なり。この林は天時乖違、寒温序を失い、収成歉薄を主とし、凶である。

離:築室水上,危於一齒。丑寅不徙,辰卯有咎。

大壮の卦が離の卦に変わる。屋を水上に建てば、危険なること歯一つの間のみ。丑寅の時に遷移するを肯ぜず、辰卯の際に至れば災咎有り。この林は居址安ならず、根基険に臨み、遅疑して遷らざれば必ず其の禍を受く、凶である。

咸:畜雞養狗,長息有儲。耕田得黍,主母喜舞。

大壮の卦が咸の卦に変わる。鶏を養い又た狗を養い、日に生息して積儲有り。耕田して黍子を収穫し、女主人喜びて手舞足蹈す。この林は畜牧農耕両旺、家道日に殷く、主婦歓欣を主とし、吉である。

恆:東壁餘光,數暗不明。主母嫉妒,亂我事業。

大壮の卦が恒の卦に変わる。東墻の彼方より透過する余光は、屢屢昏暗にして明亮ならず。女主人嫉妒の心を懐き、我が事業を攪乱す。鑿壁借光は本より明を求むるを喻うるも、此処は余光を連ねても足らず。この林は憑借足らず、内寵妒忌して、事業擾を受くるを主とし、凶である。

遯:剛柔相傷,火爛銷金。鵰鷹制兔,伐楚有功。

大壮の卦が遯の卦に変わる。剛と柔相互に損傷し、烈火金属を熔化す。雕鷹兔子を制服し、楚国を討伐して戦功を立つ。この林は剛柔相剋して損傷有ると雖も、然れど強を以て弱を制し、兵を出して功有り、凶中に得有り。

晉:鄭國讒多,數被楚憂。征夫愁苦,民困無聊。一本雲三豕俱走,斗於虎口。白豕不勝,死於坎下。

大壮の卦が晋の卦に変わる。郑国は讒言太多にして、屢屢楚国の侵擾の憂を受く。出征の人愁苦し、百姓困頓して依頼すべき所なし。一本に此の条を「三豕倶に走り、虎口に鬪う。白豕勝たず、坎下に死す」と作り、三匹の猪一同に奔逃して虎口の下に相鬪い、白猪敵せず、坎陷の中に死すと説く。この林は讒多く外患有り、民疲れ兵苦しみ、弱者必ず敗るるを主とし、凶である。

明夷:弓矢斯張,把彈弦折。丸發不至,道遇害患。

大壮の卦が明夷の卦に変わる。弓箭剛わずかに張り、弾弓を握る時弦断ける。弾丸射出して標的に及ばず、路上又た禍害に遇う。弓矢斯張は《詩経・大雅・公劉》に出る。この林は器械霊を失い、力遠く及ばず、出行して害に遇うを主とし、凶である。

家人:舉觴飲酒,未得至口。側棄醉酗,拔劍斫怒。武侯作悔。

大壮の卦が家人の卦に変わる。酒杯を挙げて飲まんとするも、未だ嘴辺に到らず。傍らに醉酒撒瘋する人有り、剣を抜きて怒気冲冲に乱砍し、武侯此れが為に追悔して及ばざりき。この林は宴飲変を生じ、酒後事を鬧し、刀兵を見て悔を致すを主とし、凶である。

睽:蒼鷹群行,相得旅前。王孫申公,驚奪我雄。北天門開,神火飛災。如不敬信,事入塵埃。

大壮の卦が睽の卦に変わる。蒼鷹成群に飛行し、彼此相随して前に排列す。王孫と申公一驚して我が雄鷹を奪走す。北方天門開啓し、神火飛下して災と為る。若し恭敬誠信なる能わざれば、事塵埃に落ちん。この林は強者我が所有を奪い、天災警を示すを主とし、唯だ敬慎守信のみ以て敗亡を免れん。

蹇:穿屋相宜,利倍我北。循邪詭道,迎不可得。南北望邑,遂歸入室。

大壮の卦が蹇の卦に変わる。屋舎を打通すれば正に相宜にして、我が北辺に往かば利益加倍す。若し邪僻詭詐の路に循れば、迎取せんと欲する物は手に到らず。南北張望して城邑を望み、最終に仍お己が屋に帰る。この林は正に循れば利倍し、邪を行けば獲なく、往返一場して仍お本位に帰る。

解:壽如松喬,與日月俱。常安康樂,不離禍憂。

大壮の卦が解の卦に変わる。寿命は赤松子と王子喬の如く長く、日月と同じく長存す。常に安穏康楽にして、禍患憂愁に遭わず。松喬は古来伝うる两仙の人。この林は長寿康寧、災憂侵されざるを主とし、大吉である。

損:出門望東,伯仲不來。疾病為患,使母憂歡。

大壮の卦が損の卦に変わる。出門して東に張望すれば、兄長と仲弟倶に帰らず。疾病禍患と為りて、母親をして憂愁して歓顔を展べ難からしむ。この林は親人帰らず、家に病患有り、慈母心を懸くを主とし、不吉である。

益:太姬之孫,周文九子。咸遂受成,寵貴富有。

大壮の卦が益の卦に変わる。太姫の子孫、周文王の九個の兒子は、個個皆な功業を成就し、恩寵を蒙りて富貴せり。太姫は周武王の女、陳胡公の妻、《左伝・襄公二十五年》に見る。この林は宗支昌盛、子孫器を成し、恩栄富厚を主とし、大吉である。

夬:桃李花實,累累日息。長大成熟,甘美可食。為我利福。

大壮の卦が夬の卦に変わる。桃樹李樹は花を開き果を結び、一串串として一日日に生長す。長大成熟の後、甘甜美にして食用すべく、我が利益と福気と為れり。この林は培植成り有り、日漸収穫し、先労後享を主とし、大吉である。

姤:婚禮不明,男女失常。行路有言,出爭我訟。

大壮の卦が姤の卦に変わる。婚姻の礼は不明不白に办められ、男女の名分常度を失えり。路上の人皆紛紛議論し、因って争執と官司を鬧出せり。この林は婚事正ならず、名分明ならず、口舌訟争を招来するを主とし、凶である。

萃:空穿漏敝,破桴殘缺。陰弗能完,瓦碎不全。(空一作室)

大壮の卦が萃の卦に変わる。房子は洞を穿ち四處漏損破敝し、屋椽も断裂殘缺せり。陰湿の処は修完する法なく、瓦片碎裂して斉備ならず。校語に「空」の字は一本に「室」と作ると。この林は居室敗壊、修補すべき所なく、家宅安ならざるを主とし、凶である。

升:數窮廓落,困於曆室。往登玉堂,與老侑食。(老一作堯)

大壮の卦が升の卦に変わる。気数尽頭に走り至り、四顧空空落落たり。推暦算日の屋子に困守す。後に玉堂に登り、老者に陪して食に進み餐を勧む。校語に「老」の字は一本に「堯」と作ると。この林は先に窮困寂寥、後に升進して宴に侍るを得、先困後達。

困:道溼為坑,輪陷躓強。南國作諱,使我多畏。

大壮の卦が困の卦に変わる。道路湿軟して坑洼に陷り、車輪陷り込みて勉强挣扎す。南方の邦国は此れに対し諱莫如深にして、我が心中格外に畏懼せしむ。この林は行路泥に陷り、進退勉强し、隠情明ならざれば畏を生ずを主とし、凶である。

井:鰥寡孤獨,福祿苦薄。入室無妻,我子哀悲。

大壮の卦が井の卦に変わる。鰥夫寡婦、孤児独老は、福禄皆苦薄なり。屋に入りて妻子相待するなく、我が兒子只だ悲傷哀哭するのみ。この林は孤苦依る所なく、福薄く命蹇し、家室成らざるを主とし、凶である。

The original text is in the public domain. The Japanese is a machine-assisted translation of this library’s own Chinese paraphrase, checked against a fixed glossary so that technical terms match the definitions used elsewhere on this site. It is a reading aid and does not replace the original.

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