Libo

損の林(損卦六十四林)

汉 · 焦延寿 · 第52巻 / 71

作盤ガイド: 大衍筮法, 六爻納甲の立卦

明夷:邃氣作云,蒙覆大君,塞聰閉明,殷人賈傷。

困の卦が明夷の卦に変わる。深郁の気雲霧を結成して、大君を籠罩遮蔽せり。聴覚を堵塞し視力を閉合して、殷商の人此れによって経商損を受けり。此れ蒙蔽して察を失うの象、上壅蔽せられれば則ち下其の害を受く、宜しく広く言路を開くべし。

家人:舉翅櫖翼,跂望南國,延頸卻縮,未有所得。

困の卦が家人の卦に変わる。翅膀を擧起して羽翼を張開して、脚を踮きて南方の国を遥望す。脖子を伸長して又た縮め回りて、終に一の獲もなし。此れ進まんと欲して復た止まるの象、心圖る所有りて敢えて行わざれば、坐りて其の機を失す。

睽:坎中蝦蟆,乍盈乍虛,三夕二朝,形消無餘。

困の卦が睽の卦に変わる。坑窪積水の中の蛤蟆は、一會兒盈滿し一會兒空虚す。三夜两朝に過ぎずして、形体便ち消散して一点の余もなし。此れ盈虚无常、旋ち得て旋ち失うの象、得る所久保し難し、須らく速成速敗を防ぐべし。

蹇:僮子射御,不知所定,質疑蓍龜,孰知所避。國安土樂,宜利止居,兵蔻不至,民無騷擾。

困の卦が蹇の卦に変わる。童子射箭と車を駕するを学習して、還た定准何の處に在るかを知らず。疑問を蓍草と龜甲に質證するに、又た誰か何を躲避すべきかを知らんや。所幸国土安寧歓楽にして、止息して安居するに宜しく、兵禍盗寇倶に來らずして、百姓騷擾なし。此れ疑して安を得るの象、一時適従する所なしと雖も、終に太平无事に帰す。

解:陰淫寒疾,水離其室,舟楫大作,傷害黍稷。民飢於食,不無病厄。

困の卦が解の卦に変わる。《左伝》の謂う所の「陰淫寒疾」、陰気過盛なれば便ち寒病を生じ、大水其の溝道を漫出せり。至る處船隻を動用して、黍稷の庄稼を皆な毀壞せしめり。百姓粮を缺きて挨餓して、病痛災厄を免れず。此れ水患災を成すの象、年成傷を受け疾疫随いて生ず、宜しく早く粮を備え疫を防ぐべし。

損:離友絕朋,巧言纏匿,覆白汙玉,顏叔哀哭。

困の卦が損の卦に変わる。朋友を離弃して同伴を断絶して、巧言纏繞して実情を隱匿せり。潔白を翻覆して美玉を弄髒して、顔叔此の為に哀声痛哭せり。此れ讒言毀誉の象、清白汚を遭いて知交離散せり、宜しく正を守りて以て昭雪を待つべし。

益:童女無媒,不宜動搖,安其室廬,傅母何憂。(傅一作傍)

困の卦が益の卦に変わる。幼小の女子未だ媒人來りて説合せずして、軽く挙げ妄動するに宜しからず。安心して自家の屋裏に守在して、教養の傅母又何の憂慮かあらん。此れ静を守りて時を待つの象、其の時に未だ至らざれば妄動する可からず、安分なれば便ち憂なし。旧本の「傅」の字或は「傍」と作る。

夬:作凶作患,北檄困貧,東與禍連,傷我老根。

困の卦が夬の卦に変わる。凶事を興作して禍患を釀成して、北方の征調文書頓困貧乏を弄せしめり。東辺又た禍事と牽連して、我が此の老根を傷せしめり。此れ四面禍を招くの象、妄動して事を生ずる者は根本損を受く、宜しく静守して擾する勿れ。

姤:東南其戶,風雨不處,曣晲仁人,父子相保。

困の卦が姤の卦に変わる。門戸東南に開きて、風雨吹き入る能わず。天色晴朗溫煦にして仁徳の人在りて旁に在りて、父子彼此保全を得たり。此れ向を擇びて宜を得るの象、居処所を得て又た仁人の相助に遇い、家室安然たり。

萃:被髮獸心,難與比鄰,來如飄風,去似絕弦,為狼所殘。

困の卦が萃の卦に変わる。頭髪を披散して野獣の心を懐きて、此のごとき人隣居と為ること難し。來る時旋風のごとく急にして、去る時断絃のごとく快くして、終に狼に殘害せられり。此れ惡と隣と為るの象、凶暴の人と交結せば必ず其の害を受く、宜しく遠く遠く避開すべし。

升:天覆地載,日月運照。陰陽允作,方內四富。

困の卦が升の卦に変わる。上に天の覆う有り下に地の載する有りて、日月運行して普く照らす。陰陽時に依りて興作して、四方境内一片富足なり。此れ天地位育の象、時序に順應すれば則ち万物各々其の養を得て、大吉である。

井:桀亂無道,民散不聚。背室棄家,君孤出走。

困の卦が井の卦に変わる。夏桀昏乱無道にして、百姓離散して肯えて聚集せず。人屋室を背弃して家园を抛下して、国君も亦た孤零零として出逃せり。此れ道を失して衆叛るの象、政を為すに仁ならざれば則ち民散じ国傾く。

革:申酉稷射,陰慝萌作。柯葭載牧,泥塗不白。

困の卦が革の卦に変わる。申、酉の位に到りて谷物穂を射りて成熟して、陰邪の気も亦た萌動を開始せり。蘆葦を砍下して載せて去りて放牧するに、泥涂に沾りて便ち再び洗い白くする能わず。此れ吉の中凶を伏するの象、収成の際邪気暗に生じて、清白の身沾染を受け易し、宜しく交わりを擇ぶを慎むべし。

鼎:踝踵足傷,右指病瘍。失旅後時,利走不來。

困の卦が鼎の卦に変わる。脚踝と脚跟倶に傷を受けて、右手の指头又た瘡を生じて潰爛せり。同伴を跟丢して時辰を誤りて、利益溜走して再び回來らず。此れ足を傷え時を失うの象、身妨礙有れば便ち行動遲誤して、求むる所終に落空に帰す。

震:四足俱走,駑疲在後。戰既不勝,敗於東野。

困の卦が震の卦に変わる。四条の腿一斉に奔跑して、駑劣疲弱の者最も後に落ちり。交戦既に勝を取る能わざれば、便ち東郊の原野に敗れり。此れ力弱くして北に敗るの象、才力足らずして強いて人と相争えば、必ず潰敗に至らん。

艮:塗行破車,丑女無媒。莫適為耦,孤困獨居。

困の卦が艮の卦に変わる。泥路の上を行走して車を弄壞して、貌醜の女子媒人上門するなし。相配の伴侶を尋ね得ずして、孤单困頓として独り活を過ごせり。此れ偶なく孤処の象、婚姻を問い同伴を問う倶に心に遂わず。

漸:搏髀大笑,不知憂懼。開立大路,為主所召。

困の卦が漸の卦に変わる。大腿を拍きて声を放って大笑して、全く憂愁畏懼を知らず。開辟建立して康荘の大道を成して、因って主上に召見任用せられり。此れ坦蕩して用を得るの象、胸懐開闊の者は反って賞識を得て征召を獲ん。

歸妹:伯圭東行,與利相逢。出既遭昧,孰不相知,憂不成凶。

困の卦が帰妹の卦に変わる。伯圭東に出行して、正に利益と相逢せり。門を出づる時昏暗不明の处境に遇上すると雖も、誰か又た彼此相知するに非ざらん。憂愁終に凶禍を釀成するに至らず。此れ憂にして害なきの象、出行小阻有ると雖も、人相識を得れば便ち安んず。

豐:東行賊家,鄭伯失辭。國無貞良,居受其殃。

困の卦が豊の卦に変わる。東に行走して人家を殘害して、鄭伯此れによって應對の辞令を失せり。国中堅貞良善の臣なくして、其の間に居処する人倶に禍殃を遭受せん。此れ辞を失し賢を失うの象、国正人なければ則ち上下同じく其の害を受けん。

旅:前屈後曲,形體飭急。絞黑大索,困於清室。

困の卦が旅の卦に変わる。前彎曲し後も亦た蜷曲して、身形梱束せられて緊迫難受なり。黒色の大繩を絞りて身を縛められて、牢獄の中に囚困せられり。此れ身縲紲に陷るの象、官非を問い出行を問う倶に凶なり、宜しく訟を避け禍を免るべし。

巽:鼓腋大喜,行婚飲酒。嘉彼諸姜,樂我皇考。

困の卦が巽の卦に変わる。掌を鼓し手を拍ちて大いに歓喜して、婚礼を舉行して酒を飲んで慶賀す。彼の姜姓の女子を贊美して、我が先父在天の靈をも歓楽せしむ。此れ婚慶して宗を光るの象、嫁娶、祭祀、宴飲倶に吉慶なり。

兌:國將有事,狐嘈向城。三日悲鳴,邑主大驚。

困の卦が兌の卦に変わる。国家變故有らんとして、狐狸城池に對して鳴叫喧鬧す。接連三天悲鳴止まずして、城邑の主大いに驚駭せり。此れ妖異警を示すの象、怪兆先に見れば則ち變故之に随わん、宜しく及早に防備すべし。

渙:明德克敏,重華貢舉。放勳徵用,公哲蒙佑。

困の卦が渙の卦に変わる。徳行光明にして又た事に任ずるに敏にして、重華と号する虞舜此れによって挙薦せられて上れり。放勛と号する唐堯征召して彼を任用して、公正明哲の人庇佑を蒙受せり。此れ賢を挙げ能を任ずるの象、徳才兼備の者は必ず薦抜を獲ん。

節:秋隼冬翔,數被嚴霜。甲兵充庭,萬物不生。雄父夜鳴,民大擾驚。

困の卦が節の卦に変わる。秋天の鷹隼冬天に到りても還た盤旋して、屢々嚴霜の摧折を遭受せり。甲冑兵器庭院に堆満して、万物生長するに従なし。雄鶏夜の裏に啼叫して、百姓大いに驚擾せり。此れ兵凶災異の象、兵禍と怪徵并び見えて、民聊生せず。

中孚:絲紵布帛,人所衣服。摻摻女手,紡績善織,南國饒足,取之有息。

困の卦が中孚の卦に変わる。絲、麻、布、帛は、是れ人衣裳を做るに用うる所なり。《詩経・魏風》の詠ずる纎纎女子の一双の手は、紡紗績麻して織造を善くせり。南方の国此れによって豊饒富足して、取用して還た余息有り。此れ織を勤めて富を致すの象、女工、紡織、経営倶に增益有り。

小過:鳳有十子,同巢共母。仁聖在位,歡以相保,興彼周魯。

困の卦が小過の卦に変わる。鳳凰十個の孩子を生じて、一巢に同住して一母を共侍せり。仁厚聖明の人位に在りて、歓歓喜喜として彼此保全して、周、魯のごとき邦国を興盛せしむ。此れ同心して族を保つの象、家族和睦して上仁主有れば、興旺を致す可し。

既濟:雄雞不晨,雌雞且伸。志庇心離,三旅出哀。

困の卦が既済の卦に変わる。公鶏暁を報ずるを司らずして、母鶏反って頸を引きて鳴くは、正に是れ《尚書・牧誓》の戒める所の事なり。心志各々遮蔽して彼此離散して、三軍出征して只だ一片の哀声を落得せり。此れ陰陽倒置の象、主弱く婦専にして上下心を離れば、事を挙げれば必ず敗れん。

未濟:光祀春成,陳寶雞鳴。陽鳥失道,不能自守,消亡無咎。(舉事不成,自取凶咎。)

困の卦が未済の卦に変わる。祭祀を光大して春天に礼を成するは、《史記・封禅書》の載する所の陳宝の神の降臨する時雄鶏の長鳴するが若し。南飛の陽鳥道路を迷失して、自身を守住する能わずして、消散亡去すると雖も罪咎と算うに足らず。旧注に此の象事を挙げて成らず、自ら凶咎を取ると謂う。此れ祭は吉にして行は凶の象、祀を守れば則ち安んじ、妄動すれば則ち敗れん。

井の林(井卦六十四林)

井:躓跛未起,失利後市,不得鹿子。

井の卦が自ら変じても井の卦のままである。跌倒して跛足して還た起きる能わずして、赶集遲くして行情を錯失し、一隻の小鹿を連ねても獵着せず。此れ起步して挫を受くるの象、行動遲滯すれば則ち利他の人に帰し、求むる所空手にして返る。

乾:左輔右弼,金玉滿堂。常盈不亡,富如廒倉。

井の卦が乾の卦に変わる。左右倶に輔佐の臣有りて、金玉厅堂に堆满せり。長久盈满にして虧損せずして、富足して装满の粮仓の如し。此れ助を得て富を致すの象、賢輔有れば則ち家国倶に豊にして、成を守れば久しき可し。

坤:雨師娶婦,黃岩季女。成禮既婚,相呼南上。膏澤下土,年歲大喜。

井の卦が坤の卦に変わる。雨師妻を娶るは、黄岩の人家の小女兒を迎えたり。礼成婚を完しての後、相互に招呼して南に向かいて上れり。甘霖下方の土地を潤沢して、此の年大いに喜慶有り。此れ婚成りて雨を得るの象、嫁娶と農事倶に吉にして、豊年に逢うを主とす。

屯:螟蟲為賊,害我嘉榖。中留空虛,家無所食。

井の卦が屯の卦に変わる。螟虫害を成して、我が好い庄稼を糟蹋せり。穂心空殻のみ留めて、家の裏吃る可き粮食なし。此れ虫蠹稼を傷めるの象、暗中侵蝕する者は家計をして空乏せしむ、宜しく内耗を察すべし。

蒙:跛躄難步,道不及舍。露宿澤陂,亡其襦褲。

井の卦が蒙の卦に変わる。跛脚殘廢して走路し難く、天黒くして還た宿た宿處に趕り到らず。只好く水沢の堤岸の上に露宿して、短衣と褲子を丢失せり。此れ行旅困頓の象、力及ばずして勉强して路に上れば、反って所を失い又た物を失うに致る。

需:大夫祈父,無地不涉。為吾相土,莫如韓樂。可以居止,長安富有。

井の卦が需の卦に変わる。《詩経・小雅》の詠ずる大夫祈父は、何の處も皆な跋涉し盡くせり。我に替えて居る可きの地を察看すれば、《大雅・韓奕》の贊する所の韓国の土より安樂なる莫し。此に於て定居して止息する可く、長久安寧にして富足せり。此れ地を擇びて吉を得るの象、遷居して宅を卜する者は安富を望む可し。

訟:少孤無父,長失慈母。悖悖煢煢,莫與為耦。

井の卦が訟の卦に変わる。年幼にして父を喪して孤兒と成りて、長ずれば又た慈母を失去せり。心緒紛乱、孤单無依にして、己と相伴する人なし。此れ孤苦無依の象、六親縁薄くして、凡そ事只だ自ら立て自ら謀るのみ。

師:側弁醉客,長舌作凶。披髮夜行,迷亂相誤。亡失居處。

井の卦が師の卦に変わる。帽子歪斜の醉客、加うるに《詩経・大雅・瞻卬》の刺す所の口舌を搬弄する人の風を興し凶を作す。頭髪を披散して夜に路を趕りて、迷乱の中彼此相耽誤して、連れて住處も亦た弄失せり。此れ醉乱して迷失の象、酒後言多ければ必ず事を敗り所を失うに致る。

比:馬驚車破,王墜深津。身絕魂去,離其室廬。貞難無虞。

井の卦が比の卦に変わる。馬驚きて車子撞壞して、君王深深の渡口に墜入せり。身死し魂離れて、永遠に己が屋舍を離開せり。唯だ正を守りて難に処れば始めて意外を免る可し。此れ車馬凶禍の象、出行大いに忌み、正を持し謹慎すれば方に虞なからん。

小畜:東行述職,征討不服。侵齊伐陳,御璧為臣。大得意還。

井の卦が小畜の卦に変わる。東に行走して朝覲して職を述べて、肯えて帰服せざる者を征討せり。斉国を侵伐し陳国を討伐すれば、對方玉璧を奉上して俯首して臣と称せり。大いに得意として凱旋して回れり。此れ征伐して捷を奏するの象、師を出し罪を問う者は敵を克ち降を受くるを望む可し。

履:百足俱行,相輔為強。三聖翼事,王室寵光。

井の卦が履の卦に変わる。上百隻の脚一斉に行走して、相互に扶持して因って強健なり。三位の聖人国事を輔翼して、王室此れによって光寵顯耀せり。此れ衆力協同の象、同心して事を共にする者は力強くして榮を得ん。

泰:根本不固,華落葉去,更為孤嫗。

井の卦が泰の卦に変わる。根柢牢固ならずして、花朵凋落し葉子飄去して、轉眼孤零零の老婦と成れり。此れ根本動搖の象、基業固からざれば則ち榮華速やかに謝りて、終に孤寂に帰す。

否:牧羊稻園,聞虎喧讙。畏懼怵惕,終無禍焉。

井の卦が否の卦に変わる。稻田園圃の裏に羊を放せば、老虎の喧叫声を聞る。心中害怕戒懼するも、終に禍事発生せず。此れ虚驚して害なきの象、驚に遇いて能く戒慎する者は以て安然として度過する可し。

同人:履位乘勢,靡有絕弊。為隸所圖,與眾庶伍。

井の卦が同人の卦に変わる。位置を占め勢を乘じて、從來弊病を断絶せず。結果奴仆に算計せられて、淪落して平民百姓と伍を為すに至れり。此れ勢を恃みて位を失うの象、位に居りて弊政を革めざる者は終に傾覆に遭わん。

大有:大輿多塵,小人傷賢。皇甫司徒,使君失家。

井の卦が大有の卦に変わる。大車過ぐる處多くの塵土を揚起して、小人因って賢良を傷害せり。《詩経・小雅・十月之交》の刺す所の皇父、司徒のごとき權臣道に当たりて、君主をして家国を失掉せしめり。此れ小人賢を蔽うの象、權奸事を用ゐれば則ち家国保を保たず。

謙:安如泰山,福祿屢臻。雖有狼虎,不能危身。

井の卦が謙の卦に変わる。安穩にして泰山の如くして、福気と禄位屢々到來せり。縦い豺狼猛虎有るも、自身に危害する能わず。此れ穩固して危なきの象、謙を守り重を持する者は百邪侵せず、大吉である。

豫:同氣異門,各別東西。南與凶遇,北傷其孫。

井の卦が豫の卦に変わる。本より同気連枝なれど分かれて不同の門戸に属して、各々東に向西に向かいて離散せり。南に往けば凶险に遇い、北に往けば又た子孫を傷せり。此れ親族離散の象、四方倶に利あらず、宜しく本を守りて遷らざるべし。

隨:蜺見不祥,禍起我鄉。行人畏懼,使命不通。

井の卦が随の卦に変わる。虹霓出現するは本より不祥の兆にして、禍事便ち我が郷里より生出せり。路を趕る人心に畏懼を存して、使者の音信も亦た通達する能わず。此れ凶兆行を阻むの象、使を出を出づ、遠行、通信倶に阻滯を受く。

蠱:養虎畜狼,還自賊傷。無事招福,自取災殃。

井の卦が蠱の卦に変わる。老虎を養い豺狼を蓄えて、反って自己を傷害せり。本より事なきに硬に福を招かんと欲して、結果自ら災殃を取れり。此れ患を養いて自ら害するの象、凶徒を姑息し非分を妄求する者は必ず其の禍を受けん。

臨:順風吹火,幸附驥尾。易為功力,因權受福。

井の卦が臨の卦に変わる。風勢に順いて火を吹きて、又た幸いに駿馬の尾巴の上に附せり。力を出すこと易くして功を收むる却って大なり、権勢に憑借して福気を領受せり。此れ力を借りて事を成すの象、善く時勢に依附する者は事半にして功倍す。

觀:五嶽四瀆,沾濡為德。行不失理,民賴恩福。

井の卦が観の卦に変わる。五岳と四瀆万物を滋潤するは、此れ便ち其の徳なり。事を行いて事理を失わざれば、百姓便ち皆な此の恩沢福気を仰賴せり。此れ徳沢下に済の象、政を為すに理に循る者は深く民心を得ん。

噬嗑:延陵聰敏,聽樂太史。雞鳴大國,姜氏受福。

井の卦が噬嗑の卦に変わる。延陵季子聰明敏悟にして、太史に向かい周楽を観せんことを請いて列国の興衰を尽く知れり。又た《詩経・齊風・雞鳴》の詠ずる大国の賢妃の夫を催して早く起こしむるが如くして、姜氏因って福を受けり。此れ音を知りて福を得るの象、事理を明察し内助賢明の者は家国倶に吉なり。

賁:神鳥五氣,鳳凰為主。集於王國,使君得所。

井の卦が賁の卦に変わる。神鳥五方の気を禀受して、鳳凰を以て其等の首領と為せり。王者の国に群集して、君主をして各々其の所を得しむ。此れ祥瑞歸聚の象、衆賢來附して、位に居る者は安穩にして尊顯なり。

剝:媒妁無明,雖期不行。齊女長子,亂我紀綱。

井の卦が剥の卦に変わる。媒人事を办するに不明不白にして、日期を約定するも亦た行を成す能わず。斉国の女子と長子の糾葛は、我が綱紀を擾乱せり。此れ婚事成らず、綱常乱を受くるの象、約を締し嫁娶する倶に宜しく愼重すべし。

復:明月作書,大人失居。眾星宵亂,不知所據。

井の卦が復の卦に変わる。明月文書のごとき光亮を発すれど、大人却って居所を失去せり。衆星夜の裏に散乱無序にして、何に依憑すべきかを知らず。此れ所を失し依なきの象、上其の位を失えば則ち下守る所なし、宜しく静観して以て安定を待つべし。

旡妄:少康興起,誅澆復祖。微滅復明,宮祀大禹。

井の卦が旡妄の卦に変わる。夏少康振興して起こりて、澆を誅滅して、祖先の基業を恢復せり。衰微湮滅より重新に光明して、宗廟の裏に於て大禹を祭祀せり。此れ中興して業を復するの象、衰えて能く起つる者は、位を失せし者は復た得るを望む可し。

大畜:千門萬戶,大福所處。黃屋左纛,龍德獨右。

井の卦が大畜の卦に変わる。千門万戸の巍峨の宮室は、正に是れ大福の在る所の処なり。黄繒を以て蓋と為し左に旄尾の大旗を挿すは、彼は是れ天子車駕の儀制にして、龍のごとき徳行独り尊位に居れり。此れ貴の極の象、位を求め名を求むる者は顕要に登臨するを望む可し。

頤:乾作聖男,坤為智女。配合成就,長住樂所。

井の卦が頤の卦に変わる。乾道聖明の男子を生成し、坤道智慧の女子を生成せり。両相配して美满を成就して、長久安住して歓楽の處所に在り。此れ陰陽配を得るの象、婚姻と合作倶に成りて、家宅長く安んず。

大過:羿張烏號,彀射驚狼。鐘鼓夜鳴,將軍壯心。趙國雄勇,鬥死滎陽。

井の卦が大過の卦に変わる。后羿「烏号」と号する良弓を張開して、弦を拉満して驚きたる狼に向かいて射れり。鍾鼓夜の裏に鳴響して、將軍豪情懐を満てり。趙地の勇士雄壮にして、終に力戦して滎陽に死せり。此れ勇戦して身を殞ずるの象、威名有ると雖も終に凶を免れず、慎みて軽く戰端を啓する勿れ。

坎:炙魚銅斗,張伺夜鼠。不忍香味,機發為祟。祟在頭頸。筰不得去。

井の卦が坎の卦に変わる。銅斗を以て魚を烤きて、機関を張設して夜裏の老鼠を守候せり。老鼠彼の香味に忍ぐ能わずして凑り前に來れば、機関一たび發すれば便ち禍祟と成れり。禍祟正に頭頸の上に落ちて、竹索に捆住せられて身を脱する能わず。此れ餌を貪りて彀に入るの象、小利を貪図する者は必ず羅網に陷る、宜しく欲念を克制すべし。

離:高飛不視,貪饕所在。臭腐為患,自害其身。(一作竊位貪榮,內汙外清。時時暫過,日日禍生。)

井の卦が離の卦に変わる。高々飛翔するも脚下を看て清らかにせずして、全く貪婪の心の致す所なり。腐臭の物を争食して禍患を釀成して、反って自己を害せり。此れ貪求して自ら戕うの象、利を逐うて危を忘るる者は終に自ら其の害を取らん。別の一本に「位を竊み榮を貪りて、内汚れて外清く、時時暫く過ぎて、日日禍を生ず」と作る、取る義相近し。

咸:鉛刀攻玉,堅不可得。盡我觔力,胝胼為疾。

井の卦が咸の卦に変わる。鉛鑄の鈍刀を拿りて玉を琢れば、玉太だ堅硬にして始終琢り動かず。我が筋骨の気力を用い尽くして、手脚老繭を磨出して病痛と成れり。此れ器事に称わざるの象、才具足らずして強いて重き事を任ずれば、徒労して又た損を受く。

The original text is in the public domain. The Japanese is a machine-assisted translation of this library’s own Chinese paraphrase, checked against a fixed glossary so that technical terms match the definitions used elsewhere on this site. It is a reading aid and does not replace the original.

Hexagrams in this volume