Libo

歳星犯少微 四十四

唐 · 瞿昙悉达 · 第28巻 / 119

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

石氏曰:“歲星入少微,君當求賢佐:不求賢佐,則失威奪勢矣。歲星犯守少微,名士有憂,王者任用小人,忠臣被害,有死者。”《黃帝占》曰:“歲星入犯乘守少微,宰相易。歲星入中犯乘守少微,女主憂。”石氏曰;“歲星入中犯乘守少微,五官亂,宰相有憂。”

石氏がいう、歳星が少微に進入せば、君主は当に賢能の輔佐を訪求すべし。賢佐を訪求せざれば、則ち威権は旁落し・勢力は奪わるるに至らんとす。歳星が侵犯して併せて少微を守住せば、名望ある士人に憂患あり、帝王は小人を任用し、忠臣は迫害を受け、甚だしきは被害して死する者に至るあらん。《黄帝占》にいう、歳星が進入・侵犯・凌乗して併せて少微を守住せば、宰相はまさに更換せんとす。歳星がその中に深入して侵犯・凌乗・守住して少微すれば、女主に憂患あらん。石氏がいう、歳星がその中に深入して侵犯・凌乗・守住して少微すれば、五官は紊乱し、宰相に憂患あらん。少微の四星は太微垣の西に在り、これ處士と議士との位次なり、故に專ら賢才の進退・用舍に応ず。

歳星犯太微 四十五

《帝覽嬉》曰:“歲星行犯太微左右執法,為大臣有憂。”郗萌曰:“歲星犯左右執法,執法者誅,若有罪。”

《帝覧嬉》にいう、歳星が行き経て太微垣の左執法・右執法の二星を犯すのは、大臣に憂患がある兆しである。郗萌はいう、歳星が左執法・右執法を犯すのは、執法の職にある者が誅されるか、あるいは罪を得る兆しである。太微垣は天子の南宫の朝廷であり、左右の執法は端門の両側に分かれて居り、人間界ではそれぞれ廷尉と御史大夫に対応する。

(班固《天文志》曰:袁帝元壽元年十一月,歲星入太微,逆行干右執法,二年十月戊寅,高安侯董賢免大司馬位,歸第自殺。司馬彪《天文志》曰:“考桓延熹九年十月癸酉,歲星犯左執法,十一月戊午,歲星入犯左執法,其九年十一月,荊州刺史李隗等皆棄市,至永康元十二月,太傅陳蕃,大將軍寶武等皆枉死也。)

原書小注は班固《天文志》を引いていう、漢の哀帝元寿元年十一月(原文は「袁帝」と作るが「哀帝」の誤字である)、歳星が太微に入り、逆行して右執法を干犯した。二年十月戊寅、高安侯の董賢が大司馬の位を免ぜられ、邸に帰って自殺した。また司馬彪《天文志》を引いていう、漢の桓帝延熹九年十月癸酉に歳星が左執法を犯し、十一月戊午に歳星が太微に入ってまた左執法を犯した。この年の十一月に荊州刺史の李隗らは皆処刑されて屍を市に弃てられ、永康元年十二月に至って太傅の陳蕃・大将軍の竇武らも皆冤罪を受けて死んだ。

《荊州占》曰;“歲星道從太微西蕃北南方星間入,致南蕃東方星間南出道中,西蕃直坐入者,非道也。歲星以壬子日慎入太微天廷中,天子所使也:不以壬子日入,非天子使。”郗萌曰:“歲星當太微門,為受制;當左執法,為受事左執法;當右執法,受事右執法;守太微門,三日以下為受制;三日以上為兵,為賊,為亂,為飢。”

《荊州占》にいう、歳星すなわち木星は「太微垣」への出入りに正道と非正道の区別がある。太微垣の西藩のやや北寄り・南方の諸星の間から入り、南藩東側の諸星の間から南へ抜け出るのは正道を行くものであり、西藩から帝座の方位へまっすぐ切り込むのは正道ではない。歳星が「壬子」の日にゆっくり太微天廷の中に入るのは天子の命を奉じて行う象であり、壬子の日に入らなければ天子に遣わされたものではない。郗萌はいう、歳星が太微垣の南門に正対するのは天子の制命を受ける兆し、「左執法」星に正対するのは左執法から政事を受ける兆し、「右執法」星に正対するのは右執法から政事を受ける兆しである。もし太微門に留まり守るなら、守ること三日以内はなお受命の象にすぎず、三日を超えれば兵事・盗賊・動乱・飢饉に応じる。

《荊州占》曰:“歲星出東掖門為相,受命東南,出德事也;出西掖門為將,受命西南,出刑事也;期以春夏。”《齊伯占》曰:“歲星入太微,執道而出,王者有福,諸侯有受賜爵封者。”《黃帝占》曰:“歲星入天廷,色白潤澤,為期百八十日,有谷:歲星東行入太微廷中,出東門,天下有急兵;若守,將相御史大臣有死者:若入端門守廷,大禍至:入南門出東門,國大旱:若入南門逆行出西門,有大水;逆入東門出西門,大國破亡:若順入西蕃而留不去,楚國凶殃。”

《荊州占》にいう、歳星が太微垣の「東掖門」から抜け出るのは丞相に応じ、東南の方で命を受けて恩恵を施し徳を布く事を行い、「西掖門」から抜け出るのは将帥に応じ、西南の方で命を受けて刑殺・征伐の事を行う。応験の時期は春夏の二季にある。《斉伯占》にいう、歳星が太微垣に入って正道に沿って穿ち出れば、君王に福慶があり、諸侯の中に爵位と封邑を賜る者が出る。《黄帝占》にいう、歳星が天廷すなわち太微垣に入り、星の色が白く潤いがあれば、百八十日を期として年成の収穫がある。歳星が東へ順行して太微廷の中に入り東門から出れば、天下に緊急の兵事がある。もし滞在して去らなければ、将相・御史の級の大臣の中に死ぬ者が出る。「端門」から入って廷中に守れば大禍が間もなく臨み、南門から入って東門から出れば国に大旱があり、南門から入って逆行して西門から出れば大水があり、逆行して東門から入り西門から出れば大国が破れて滅び、順行して西藩に入ったまま去らなければ楚の地に凶殃がある。

《合誠圖》曰:“歲星入華闕門者,為臣殺之、候之。”石氏曰:“歲星入太微中華東西門,若左右掖門,而南出端門者,必有反臣。歲星入太微西門出東門,為人君不安,欲求賢佐:有入中華西門出中華東門,為臣出令:有入太陰西門出太陰東門,為天下大亂,有喪,若大水。”

《合誠図》にいう、歳星が太微垣の「華闕門」に入るのは、臣下が弑逆を行う兆しであり、厳重に備え候すべきである。石氏はいう、歳星が太微垣の「中華東門」「中華西門」あるいは左掖門・右掖門から入り、南へ向かって端門から出れば、必ず叛臣が現れる。歳星が太微の西門から入り東門から出るのは、人君の心中が安らかでなく賢能の士を求めて自らを輔けさせようとする象であり、「中華西門」から入り「中華東門」から出るのは政令が臣下の手から出る象であり、「太阴西門」から入り「太阴東門」から出れば天下大いに乱れ、喪事があるか、あるいは大水の災いがある。

郗萌曰:“歲星入太微西門,犯天廷,出端門,皆為大臣伐主;入西門而初出右掖門,皆為大臣假主之威而不從主命。歲星入西華門出端門,為臣詐稱詔。”《荊州占》曰:“歲星入太陰西門若端門出東門;貴者奪威勢。歲星與五星俱會太微宮中,成勾己而光不相及者,三王九侯亡:一曰名臣爭為主,更相殘賊。歲月入太微天廷出端門,臣不臣。歲星入太微宮,為天下大驚:一曰有兵。歲星入天廷,國不安其宮。”

郗萌はいう、歳星が太微の西門から入って天廷を犯し端門から出るのは、いずれも大臣が君主を攻伐する兆しであり、西門から入って先ず右掖門から出るのは、いずれも大臣が君主の威権を借りて事を行い君命に従わない兆しである。歳星が「西華門」から入って端門から出るのは臣下が詔書を偽造する兆しである。《荊州占》にいう、歳星が「太阴西門」または端門から入って東門から出れば、権貴の者の威勢が奪われる。歳星がその他の諸星とともに太微宮の中に会し、行度が曲がって「鉤己」の形を成し互いの光芒が接しないのは、三王九侯が敗亡する兆しであり、もう一説には名望ある重臣が争って君主の座を求め互いに殺し合うとする。歳星が太微天廷に入って端門から出れば、臣子は臣道を守らない(この句は底本が「歳星」を「歳月」と誤る)。歳星が太微宮に入れば天下は大いに震動し、もう一説には兵事があるとする。歳星が天廷に入れば、国家は自らの宮室に安んじることができない。

司馬彪《天文志》曰:“歲星入太微,人主改政。”巫咸曰:“歲星逆行入太微天廷中,為大臣有誅;若諸侯戮死,期二年。”石氏曰:“歲星逆行太微之中,及出入左右掖門,為有逆謀,天子有命,將征伐之事:一曰大赦可以解其患。歲星逆行入太陽東門,若入中華門,入主改政,非次,天下不安。”

司馬彪《天文志》にいう、歳星が太微垣に入れば君主は政令を更改する。巫咸はいう、歳星が逆行して太微天廷の中に入るのは大臣が誅殺される兆しであり、あるいは諸侯が処刑され、期限は二年である。石氏はいう、歳星が太微垣の中で逆行し、あるいは左掖門・右掖門から出入りするのは叛逆の企てがある兆しであり、天子は命令を下して征伐の事を興す。もう一説には大赦を頒行すればこの禍患を解き消せるとする。歳星が逆行して「太阳東門」から入るか「中華門」から入れば、君主は政令を更改し、しかも常規の次序に従わず、天下は安寧を得ない(この句は底本が「人主」を「入主」と誤る)。

郗萌日:“歲星逆行入左掖門,為臣劫其主;有入東華門,至黃帝座,出西門,為臣欲謀主;不成。”《玉曆》曰:“歲星逆行入太微,強臣凌主,諸侯兵起。”《荊州占》曰:“歲星主東方,南逆行入太微東南隅星之北,為南方,入二星之北,為東方。”

郗萌はいう、歳星が逆行して左掖門から入るのは臣下が君主を劫持する兆しであり、もし「東華門」から入って「黄帝座」まで行き着き西門から出れば、臣下が君主を害しようとするが謀って成らない兆しである。《玉暦》にいう、歳星が逆行して太微垣に入れば、強横な臣子が君主を陵し、諸侯は兵を興す。《荊州占》にいう、歳星は本来東方を主るが、もし南へ逆行して太微垣の東南角の星の北に進めば南方に応じ、あの二つの星の北に進めば東方に応じる。

《黃帝占》曰:“歲星留於太微,守三十日以上,為必有兵革,天下大赦。”《荊州占》曰:“歲星入太微從右,二十日以上,人主大不安,有大憂。”(案《宋書天文志》曰:魏貴初五年,歲星入太微,逆行積百四十幾日乃出,至—匕年五月,文帝崩,明帝即位,大赦天下。)

《黄帝占》にいう、歳星が太微垣に滞留して三十日以上守れば必ず戦事があり、続いて天下に大赦がある。《荊州占》にいう、歳星が右から太微垣に入って二十日以上留まれば、君主は極めて安らかでなく大きな憂患がある。以下は原書小注の按語で、《宋書・天文志》を引いていう、魏の黄初五年(底本は「黄初」を「貴初」と誤る)、歳星が太微垣に入り、逆行して累計百四十余日を経てようやく穿ち出た。黄初七年(底本はここで字形を「—匕年」と誤脱する)五月に魏の文帝曹丕が逝去し、魏の明帝曹叡が即位して天下を大赦した。

《荊州占》曰:“歲星入太微,從右入七日以上,為人主憂。”(司馬彪《天文志》曰:考桓延熹九年正月壬辰,歲星入太微中,五十八日出端門,永康元年十二月丁丑,桓帝崩。)歲星道南蕃入留止南門,為大臣有憂。歲星留太微廷中,為天下大憂;中央留十日以上,皆為天下有亡徒為兵者。”

《荊州占》にいう、歳星が右から太微垣に入って七日以上留まるのは君主に憂患がある兆しである。以下は原書小注で、司馬彪《天文志》を引いていう、漢の桓帝延熹九年(底本は「孝桓」を「考桓」と誤る)正月壬辰の日、歳星が太微垣の中に入り、五十八日後に端門から穿ち出た。永康元年十二月丁丑の日に至って桓帝は逝去した。歳星が南藩を取って入って南門に留まるのは大臣に憂患がある兆しである。歳星が太微廷の中に滞留するのは天下に大いなる憂いがある兆しであり、太微垣の中央に十日以上留まるのはいずれも天下に逃亡の徒が集まり結んで兵乱となる兆しである。

陳卓曰:“歲星入太微,犯左,左執法將相執法者有憂,若死亡;近期一年,遠五年。”《荊州占》曰:“歲星入太微天廷,所中犯乘守者,殺;若有罪,各以守官名之。歲星食太微東西蕃,四輔臣有誅者,若君臣失禮。”

陳卓はいう、歳星が太微垣に入って左側を衝犯するのは、「左執法」の主る将相と執法の官に憂患があり死に至ることもある兆しで、近ければ一年以内、遠ければ五年以内に応じる。《荊州占》にいう、歳星が太微天廷に入り、それが正中・衝犯・凌乗・守候した星の主る者は殺され、あるいは罪を得るのであり、それぞれ守る星の対応する官名によって誰に応じるかを判定する。歳星が太微垣の東藩と西藩を侵蝕するのは、「四輔」の大臣の中に誅殺される者が出るか、あるいは君臣の間に礼数を失する兆しである。

歳星犯黄帝座 四十六

石氏曰:“歲星犯黃帝座,改正易王,天下亂,存亡半。”又占曰:“歲星逆來犯黃帝座,王者惡之,禍成矣,期三年。”郗萌曰:“歲星干犯黃帝座,非其主立,天下不安。”《荊州占》曰;“歲星入黃帝座,其色白者,為有赦。”又占曰:“歲星逆行入太微天廷中,為諸侯將有戮上者。至黃帝座而成,不至黃帝座而還,有謀不成,以其入日占國。”又占曰:“歲星中黃帝座,為大人易,天下大亂。”又占曰:“歲星觸黃帝座,主賊,”《黃帝占》曰:“守黃帝座,大人憂。”

「黄帝座」は太微垣の正中にある大きな星で、天子その人を象徴する。石氏はいう、歳星が黄帝座を衝犯するのは正朔を改正し君王を換え、天下が大いに乱れて残る者と滅びる者が半々となる兆しである。また一条の占辞にいう、歳星が逆行して来て黄帝座を衝犯するのは君王が最も忌む天象で、禍事はすでに醸成されており、期限は三年である。郗萌はいう、歳星が黄帝座を干犯すれば、立つべきでない者が君主に立てられて天下は安寧を得ない。《荊州占》にいう、歳星が黄帝座に入り星色が白く発すれば、赦令を頒く兆しである。また一条の占辞にいう、歳星が逆行して太微天廷の中に入れば、諸侯の中に君上を殺害する者が出る。もし黄帝座まで行き着けばその事は成し遂げられ、黄帝座に至らずに折り返せば陰謀は成らず、太微に入った日の値する分野によってどの国に応じるかを推し断する。また一条の占辞にいう、歳星が黄帝座を正中するのは大人すなわち君主が更易し天下が大いに乱れる兆しである。また一条の占辞にいう、歳星が黄帝座に触れるのは賊寇がある兆しである。《黄帝占》にいう、歳星が黄帝座を守候するのは大人に憂患がある兆しである。

歳星犯四帝 四十七

石氏曰:“歲星犯守四帝,臣謀主:去之一尺,事不成。”《玉曆》曰:“歲星入太微,犯四帝,闢憂君也。”甘氏曰:“歲星中犯乘守四帝座,天下亡。”

「四帝座」は太微垣の中で黄帝座の四周に環衛する四つの星で、それぞれ東・南・西・北四方の帝座を象徴する。石氏はいう、歳星が四帝座を衝犯または守候するのは臣下が君主を図る兆しであり、歳星が四帝座から一尺ほど離れればその事は成らない。《玉暦》にいう、歳星が太微垣に入って四帝座を衝犯すれば、人君はこのために憂い惧れる。甘氏はいう、歳星が四帝座を正中・衝犯・凌乗または守候すれば、天下は敗亡しようとしている。

歳星犯屏星 四十八

甘氏曰:“歲星犯守屏星,君臣失禮,下而謀上:一曰大臣有戮死者。”石氏曰:“歲星中犯乘守屏星,為君臣失禮,而輔臣有誅者,若免罷去。”

「屏星」は遮蔽・障隔の象を取り、太微垣の天子座の前に列なって御座の前の屏風のようである。甘氏はいう、歳星が屏星を衝犯または守候するのは君臣の間に礼数を失し、下位に居る者が上位の者を図る兆しであり、もう一説には大臣の中に処刑される者が出るとする。石氏はいう、歳星が屏星を正中・衝犯・凌乗または守候するのは君臣が礼を失い、輔政の大臣の中に誅殺される者が出るか、あるいは免職・罷黜される兆しである。

歳星犯郎位 四十九

甘氏曰;“歲星犯守郎位,輔臣有謀,左右宿衛者為亂,王者宜備之。”

「郎位」は太微垣の内で郎官を象徴する一組の星であり、郎官は天子の左右に宿衛して顧問と差遣に備える近侍の臣である。甘氏はいう、歳星が郎位を衝犯または守候するのは、輔政大臣が密かに謀を抱き、君主の身辺で宿衛を務める者が乱を起こす兆しであり、君王はあらかじめ備えるべきである。

歳星犯郎将 五十

巫咸曰:“歲星犯守郎將,命曰陵;陵則將有誅,若將憂;一曰大臣為亂,誠慎左右。”《荊州占》曰:“歲星犯乘守郎將,具有以符節為奸者。”又占曰:“歲星中犯乘守郎,將必有不還之使,”

「郎将」は郎官の宿衛を統領する武職であり、その星は郎位のそばにある。巫咸はいう、歳星が郎将を衝犯または守候する天象は「陵」と呼ばれ、ひとたび陵となれば将帥が誅殺されるか将帥に憂患があり、もう一説には大臣が乱を起こすので君主は必ず身辺の近臣を慎み防ぐべきである。《荊州占》にいう、歳星が郎将を衝犯・凌乗または守候するのは、符節をたよりに私を営み姦を為す者がある兆しである。また一条の占辞にいう、歳星が郎将を正中・衝犯・凌乗または守候すれば、必ず外に出使して生きて帰れない使臣が出る。

歳星犯常陳 五十一

甘氏曰:“歲星犯守常陳,守衛有謀,兵起宮中,天子自出行,誅:期百八十日,遠一年。”

「常陳」は太微垣の北にあり、全部で七星、天子の近衛武士が列陣して警蹕する象である。甘氏はいう、歳星が常陳を衝犯または守候するのは宿衛を務める者に陰謀があり、兵乱が宮禁の中に起こり、天子が自ら出て誅討を行う兆しである。期限は百八十日、遠ければ一年である。

歳星犯三台 五十二

《玉曆》曰:“歲星入犯上臺司命,近臣有罪,若有誅:一曰近臣有逃走者,以五色占:色黃,當日無故:青黑,憂死喪,期一年。”郗萌曰:“歲星犯守上臺,改年易紀,太尉死,不則天子惡之;中臺,司徒病;下臺,司空。期百日,若七十日,丙子日。”《文曜鉤》曰:“歲星犯守中臺,司中奸臣有謀,若誅者,中公當之。”巫咸曰:“歲星犯守下臺,司祿近臣有罪,若出走,黑死者。

「三台」は全部で六星、二つずつ並んで上台・中台・下台に分かれ、三公の位を象徴する。《玉暦》にいう、歳星が上台に進犯するのは、上台は一に「司命」ともいい、近臣が罪を得るか誅殺される兆しであり、もう一説には近臣の中に逃亡する者が出るとし、星の五色によって占い断ずることができる——星色が黄に発せば当日は事故なく、青黒なら死喪に憂いがあり、期限は一年である。郗萌はいう、歳星が上台を衝犯または守候するのは改元・換紀、太尉の死亡、さもなければ天子がその事を悪む兆しであり、中台を衝犯すれば司徒が病み、下台を衝犯すれば司空に応じる。期限は百日または七十日で、丙子の日に応じる。《文曜鉤》にいう、歳星が中台を衝犯または守候するのは、中台は一に「司中」ともいい、姦臣に陰謀があるか誅殺される者があり、中公の位に居る者がそれを負う兆しである。巫咸はいう、歳星が下台を衝犯または守候するのは、下台は一に「司禄」ともいい、近臣が罪を得るか出逃するか、あるいは横死する者がある兆しである(底本の「黒死者」の「黒」は誤字と疑われ、この条の引文末は下引号も脱している)。

歳星犯相星 五十三

石氏曰:“歲星犯相星,輔臣凶。”

「相星」は北斗の魁星の南にあり、天子を輔佐する丞相を象徴する。石氏はいう、歳星が相星を衝犯するのは、政を輔ける大臣に凶禍がある兆しである。

歳星犯太阳守 五十四

甘氏曰:“歲星犯守太陽守,大臣戮死:若有誅,謀不出年。”

「太阳守」一星は北斗の魁星の下・相星の西にあり、兵権を掌る大臣と大将を象徴する。甘氏はいう、歳星が太阳守を衝犯または守候するのは大臣が処刑されるか、あるいは誅戮される者がある兆しであり、この陰謀は一年を出ずして発作する。

歳星犯天牢 五十五

《海中占》曰:“歲星犯守天牢,王者以獄為弊,貴人多係者。”

「天牢」六星は北斗の魁星の下にあり、貴人を拘繫する牢獄の象である。《海中占》にいう、歳星が天牢を衝犯または守候するのは、君王が刑獄の事によって害を受け弊が生じ、貴人の中に囚われ繋がれる者が多い兆しである。

歳星犯文昌 五十六

石氏曰:“歲星入文昌,天下兵起,其君不安,若有走主。”

「文昌」六星は北斗の魁星の前に列なり、天子の六府の象で文治と選挙・号令を主る。石氏はいう、歳星が文昌に入れば天下に兵事が興り、そこの国君は安寧を得ず、出奔・逃亡する君主さえ出る。

歳星犯北斗 五十七

《聖洽符》曰:“歲星入北斗口中,天下大亂,改政易王,國有大喪,期三年。”巫咸曰:“歲星入北斗,若守之,貴臣受殃。”郗萌曰:“歲星入守北斗,貴人有繫。”《荊州占》曰:“歲星守北斗,天子惡之。”《荊州占》曰:“歲星守北斗,不出一年,其歲大水;一曰大赦。”

「北斗」七星は天帝の乗る車駕で、中央を運って四方に臨み制し、号令・爵禄・生殺を主る。《聖洽符》にいう、歳星が北斗の魁星の囲む斗口の中に入れば、天下は大いに乱れ、政令を改め換え君王を更易し、国に大喪があり、期限は三年である。巫咸はいう、歳星が北斗に入るか留まり守れば、顕貴の大臣は殃を受ける。郗萌はいう、歳星が北斗に入って守候するのは貴人が拘繫されて獄に入る兆しである。《荊州占》にいう、歳星が北斗を守候するのは天子が忌む天象である。《荊州占》はまたいう、歳星が北斗を守候して一年を出ず、この年に大水があり、もう一説には大赦を行うとする。

歳星犯紫微宮 五十八

《海中占》曰:“歲星入長垣,天子以兵自衛,強臣凌主;一曰叛臣被誅,若戮死;期不出百八十日。”《玄冥占》曰:“歲星入紫微宮,奸臣有謀,兵起宮中,天下亂,人主憂,期二年。”巫咸曰:“歲星守紫微宮,民莫處其室宅,流移去其鄉。”

「紫微宮」すなわち紫微垣は天帝の居する宮城で、左右二つの垣墻が城のごとく合い抱くので長垣ともいう。《海中占》にいう、歳星が長垣に入れば、天子は兵を用いて自らを衛り、強横な臣子が君主を陵し、もう一説には叛臣が誅されるか処刑され、期限は百八十日を出ない。《玄冥占》にいう、歳星が紫微宮に入れば姦臣が密かに謀を抱き、兵乱が宮禁の中に起こり、天下は動乱し君主は憂愁し、期限は二年である。巫咸はいう、歳星が紫微宮を守候すれば、百姓は自らの屋宅に安んじることができず、流亡・迁徙して故郷を離れる。

歳星犯北極鉤陳 五十九

石氏曰:“歲星犯守北極,主星必有大喪,若有反臣。”《玉曆》曰:“歲星犯守太子星,太子憂,若有罪;犯守庶子,庶子憂,若有罪。”《荊州占》曰;“歲星中犯乘守北極主星,為大人憂。”《黃帝占》曰:“歲星犯守鉤陳,後宮亂,兵起宮中,倖臣謀,主者憂。”

「北極」五星は紫微宮の中にあり、順に太子・帝星(すなわち主星)・庶子・後宮・天枢で、天子の一家の象徴である。「鉤陳」六星は北極を環繞し、後宮と宿衛を主る。石氏はいう、歳星が北極を衝犯または守候すれば、主星の応じる君主は必ず大喪があるか叛臣が現れる。《玉暦》にいう、歳星が太子星を衝犯または守候すれば太子に憂患があるか罪を負い、庶子星を衝犯または守候すれば庶子に憂患があるか罪を負う。《荊州占》にいう、歳星が北極の主星を正中・衝犯・凌乗または守候するのは大人に憂患がある兆しである。《黄帝占》にいう、歳星が鉤陳を衝犯または守候すれば、後宮に乱が生じ兵変が宮禁の中に起こり、寵幸を受ける近臣が不軌を図り、君主はこれを憂う。

歳星犯天一 六十

石氏曰:“歲星犯守天一,倖臣有謀,人主憂。”

「天一」一星は紫微宮門の外・右星の南にあり、天帝の神霊で戦闘を主り人の吉凶を知る。石氏はいう、歳星が天一を衝犯または守候するのは、寵幸を受ける近臣が密かに謀を抱き、君主がこれを憂う兆しである。

歳星犯太一 六十一

石氏曰:“歲是生犯守太一,倖臣有謀,有兵起,人主憂。”

「太一」一星は天一の南にあり、これも天帝の神霊で十六神を使い、風雨・水旱と兵革・飢饉を知ることを主る。石氏はいう、歳星が太一を衝犯または守候するのは(底本は「歳星」の二字を「歳是生」と誤る)、寵幸を受ける近臣が密かに謀を抱き兵事が興る兆しであり、君主はこれを憂う。

開元占経 巻二十九

歳星占 七

歳星犯石氏外官 一

歳星犯庫楼 一

《黃帝占》曰:“歲星犯庫樓,兵出;一曰:民飢、舉兵。”巫咸曰:“歲星入庫樓,其國以飢起兵;若有旱災,期不出年。”

「庫楼」十星は角宿の南にあり、天上の兵庫と望楼で兵甲・器械を主る。《黄帝占》にいう、歳星が庫楼を衝犯するのは兵を発して出征する兆しであり、もう一説には百姓が飢饉して兵を起こすとする。巫咸はいう、歳星が庫楼に入れば、その国は飢饉のために兵を興し、あるいは旱災に遭い、期限は一年を出ない。

歳星犯南門 二

《荊州占》曰:“歲星守南門,王者出畋獵,不出三十日。”石氏曰:“歲星犯守南門,夷兵起;若路不通。”

「南門」二星は庫楼の南にあり、天上の外門で守衛と四夷往来の道路を主る。《荊州占》にいう、歳星が南門を守候するのは君王が外出して田猟する兆しで、三十日を出ずに応じる。石氏はいう、歳星が南門を衝犯または守候すれば四夷の兵が興り、あるいは道路が塞がり通じない。

歳星犯平星 三

石氏曰:“歲星犯平星、凶。”甘氏曰:“歲星守平星,執政臣憂;若有罪誅者,期一年。”

「平星」二星は庫楼の北にあり、刑法を平理することを主る廷尉執法の象である。石氏はいう、歳星が平星を衝犯するのは凶を主る。甘氏はいう、歳星が平星を守候するのは政柄を執る大臣に憂患があるか、あるいは罪を得て誅される者が出る兆しで、期限は一年である。

歳星犯騎官 四

甘氏曰:“歲星犯守騎官,有兵起,馬多發,若多死。”

「騎官」二十七星は氐宿の南にあり、天子の騎兵武官である。甘氏はいう、歳星が騎官を衝犯または守候するのは兵事が興る兆しで、戦馬が大批に徴発されるか、あるいは戦馬が大批に死亡する。

歳星犯積卒 五

石氏曰:“歲星入積卒,若守之,兵大起,士卒大行,若多死,期二年。”

「積卒」十二星は房宿の南にあり、集まり屯駐する士卒を象徴する。石氏はいう、歳星が積卒に入るか留まり守れば、兵事が大いに起こり、士卒が大規模に開拔して出征するか、あるいは傷亡が多く、期限は二年である。

歳星犯亀星 六

《海中占》曰:“歲星犯龜星,天下有水旱之災;守陽則旱,守陰則水。”

「亀星」五星は尾宿の南にあり、占卜と水中の介甲の物を主る。《海中占》にいう、歳星が亀星を衝犯すれば天下に水災・旱災があり、亀星の南面(陽位)に守れば旱し、北面(陰位)に守れば澇す。

歳星犯守傅説 七

石氏曰:“歲星犯守傅說,王者簡宗廟,廢五祀,後宮凶;一曰有絕嗣,期不出三年。”

「傅説」一星は尾宿の後にあり、伝えるところでは殷の高宗の賢相傅説が死んで化したもので、後宮の子嗣と祭祀の事を主る。石氏はいう、歳星が傅説を衝犯または守候するのは、君王が宗廟を怠慢し、門・戸・井・竈・中霤という五つの常祀を廃し、後宮に凶事がある兆しであり、もう一説には子嗣が断絶し、期限は三年を出ない。

歳星犯魚星 八

甘氏曰:“歲星犯守魚星之陽,為大旱,魚行人道;犯守魚星之陰,為大水,魚鹽貴。”

「魚星」一星は尾宿の後の天河の中にあり、陰湿の事と水中の鱗介の物を主る。甘氏はいう、歳星が魚星の南面を衝犯または守候するのは大旱の兆しで、河は干上がり水は浅く、魚はあえて人の行く道を歩む。魚星の北面を衝犯または守候するのは大水の兆しで、魚と塩の価が騰貴する。

歳星犯杵星 九

《海中占》曰:“歲星入杵星,若守之,天下有急發米之事,不出其年。”

「杵星」三星は箕宿の南にあり、臼星と相配する舂米の杵で、糧食の加工を主る。《海中占》にいう、歳星が杵星に入るか留まり守れば、天下に糧米を急いで調発する事があり、当年を出ずに応じる。

歳星犯鱉星 十

《黃帝占》曰:“歲星守鱉星,為有白衣之會。”石氏曰:“歲星守鱉星,有白衣若聚眾,若大水。”巫咸曰:“歲星守鱉星,國有水旱之災,守陽則旱,守陰則水。”

「鱉星」十四星は南斗の南にあり、水中の介甲の族を主る。《黄帝占》にいう、歳星が鱉星を守候するのは「白衣の会」、すなわち喪事を営んで衆が集まる兆しである。石氏はいう、歳星が鱉星を守候するのは喪服の事か衆が集まる事があり、あるいは大水を発する兆しである。巫咸はいう、歳星が鱉星を守候すれば国に水災・旱災があり、南面(陽位)に守れば旱し、北面(陰位)に守れば澇す。

歳星犯九坎 十一

石氏曰:“歲星守九坎,天下旱,名水不水,五穀不登,人民大飢;一曰:之陰大水,之陽大旱。”

「九坎」九星は牽牛の南にあり、溝渠・水塘の象で疎導と蓄泄を主る。石氏はいう、歳星が九坎を守候すれば天下に大旱があり、名ある江河は涸れて水と成さず、五穀は成熟せず百姓は大いに飢える。もう一説には、歳星が九坎の北面に行けば大水を発し、南面に行けば大旱を発する。

歳星犯敗臼 十二

石氏曰:“歲星守敗臼,民不安,其室憂,失其釜甑;若流移,去其鄉。”

「敗臼」四星は虚宿・危宿の南にあり、破敗した舂臼で凶災・飢饉を主る。石氏はいう、歳星が敗臼を守候すれば百姓は安寧を得ず、家ごとに憂いがあり、飯を炊く鍋と飯を蒸す甑さえ保てず、あるいは流亡・迁徙して故郷を離れる。

The original text is in the public domain. The Japanese is a machine-assisted translation of this library’s own Chinese paraphrase, checked against a fixed glossary so that technical terms match the definitions used elsewhere on this site. It is a reading aid and does not replace the original.