Libo

辰星の東壁を犯す 七

唐 · 瞿昙悉达 · 第55巻 / 119

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

陳卓曰:“辰星犯東壁,王者刑急法深,朝廷憂愁,國有蓋藏保守之事。”《春秋圖》曰:“辰星之東壁,天下和平。”石氏曰:“守東壁,國有大喪;一曰大水;又曰兵革起。”

東壁はすなわち壁宿で二星あり文章・図籍を主りまた土木の营造を主る。陳卓がいう、水星が東壁を冒犯するのは、君王の刑罰が苛急で法令が深刻で朝廷の上下が憂愁し国中に封蔵・守備の事があることを主る。《春秋図》にいう、水星が東壁に到るのは、天下の和平を主る。石申がいう、東壁を守るのは、国中に大喪があることを主る。一説では大水を主る。またいう、兵革が興起する。

郗萌曰:“辰星守東壁,為大人衛守;一曰為天下兵起;又曰秋兵起,亦云有土功事;又曰為多水;一曰歲晚水。”《春秋圖》曰:“辰星入東壁而守之,奸臣有謀。”《玉曆》曰:“逆行守東壁,大水出,橋樑不通,舟船用,民大飢。”

郗萌がいう、水星が東壁を守るのは、貴人が宿衛・守備を加強することを主る。一説では天下に兵事が興起することを主る。またいう、秋に兵が起きあるいはまた土木・工程の事があると謂う。またいう、水が多いことを主る。一説では年成が尽きようとする時に水がある。《春秋図》にいう、水星が東壁に入りその中に守留するのは、奸臣が暗中に図謀があることを主る。《玉暦》にいう、逆行して東壁を守るのは、大水が暴発し橋梁が冲断されて通じず往来は舟船に依頼するのみで百姓が大いに飢饉することを主る。

開元占経 巻五十六・辰星占四

辰星の西方七宿を犯す

辰星の奎を犯す 一

石氏曰:“辰星入奎,有決漏之事,名水有絕。”《海中占》曰:“辰星潤澤出奎;有差令;變色入奎,有為令來者;出奎,有為令出使者。”《春秋圖》曰:“辰星之奎,天下賤人出貴女。”《黃帝占》曰:“辰星守奎,奸臣賊子謀弒其主。”

奎宿の十六星は西方の白虎の首で溝渠・水利を主りまた武庫の兵事を主る。石申がいう、水星が奎宿に入るのは、堤防が決口・渗漏する事があり著名な河流に断流があることを主る。《海中占》にいう、水星が光潤・明沢して奎宿に出るのは、差使を派遣する政令があることを主る。色を変えて奎宿に入るのは、命を奉じて前来する人があることを主る。奎宿から出るのは、命を奉じて出使する人があることを主る。《春秋図》にいう、水星が奎宿に到るのは、天下の卑賤の家に貴女を生ずることを主る。《黄帝占》にいう、水星が奎宿を守るのは、奸臣・賊子が君主を弑殺することを図謀することを主る。

《河圖》曰:“有大水之災;又曰大臣下獄。”《聖洽符》曰:“有溝瀆之事於國外。”石氏曰:“外國之王,入御中國;一雲天下多愁;一曰山水潰出。”巫咸曰:“多火災,為旱,萬物不成,有兵災。”郗萌曰:“有水事。”《荊州占》曰:“王者憂之,大人當之。”

以下の各家はなおも水星が奎宿を守犯するに就いて立論する。《河図》にいう、大水の災があることを主る。またいう、大臣が牢獄に下される。《聖洽符》にいう、国境の外に溝を開き渠を通ずる事があることを主りこれは正しく奎宿が本より溝瀆を主るに応ずる。石申がいう、外国の君王が進入して中原を統治することを主る。一説では天下の人が多愁苦する。一説では山洪が潰決して出る。巫咸がいう、火災が多く旱を主り万物が成熟できず兵災があることを主る。郗萌がいう、水患の事があることを主る。《荊州占》にいう、君王がこれを憂慮し応験が貴人の身に落ちることを主る。

辰星の婁を犯す 二

《聖洽符》曰:“辰星之婁,其國任能,賢人當用,良才得達。”甘氏曰:“辰星守婁,若角動,赤黑色,臣有爭祿而起兵者。”巫咸曰:“多火災。”郗萌曰:“為白衣之會;又曰外國之主,入御中國。”《天文志》曰:“辰星守婁,為兵;為匿謀。”

婁宿の三星は奎宿の東にあり苑牧と祭祀の犠牲を主りまた衆を聚め兵を興すことを主る。《聖洽符》にいう、水星が婁宿に到るのは、その国が能人を任用し賢者が進用を得優良の人才が顕達を得ることを主る。甘徳がいう、水星が婁宿を守りもし星の芒角が閃動し顔色が赤黒なれば臣子が禄位を争奪して兵を起こす者があることを主る。巫咸がいう、火災が多いことを主る。郗萌がいう、白衣を穿く喪事の集会があることを主る。またいう、外国の君主が進入して中原を統治する。《天文志》にいう、水星が婁宿を守るのは、兵事を主り暗中の図謀を主る。

郗萌曰:“有兵兵罷,無兵兵起。”《荊州占》曰:“有兵,犧牲多死。”陳卓曰:“多水災,萬物五穀不成。”《百二十占》曰:“且有水出。”陳卓曰:“犯守婁,刑罰劇急。”《洽書》曰:“逆行守婁,歲有水;若有蝗蟲,犧牲多死,萬物不成。”甘氏曰:“辰星入婁,犯守之,王者刑法急,大臣當誅,必有下獄者。”

郗萌がいう、原本兵事あるは兵事がすなわちここに罷息し原本兵事なきは兵事が反って興起する。《荊州占》にいう、兵事があり祭祀に用いる牲畜が大量に死亡することを主りこれは婁宿が本より犠牲を主るに応ずる。陳卓がいう、水災が多発し万物・五穀がみな成熟できないことを主る。《百二十占》にいう、まさに大水が暴発して出ようとする。陳卓がいう、婁宿を冒犯し守住するのは、刑罰が劇烈・苛急であることを主る。《洽書》にいう、逆行して婁宿を守るのは、その年に水があることを主る。あるいは蝗虫が災を成し祭祀の牲畜が大量に死亡し万物が成熟できない。甘徳がいう、水星が婁宿に入り冒犯しその中に守留するのは、君王の刑法が苛急で大臣が当に誅さるべく必定に人が牢獄に関ぜ込められる者があることを主る。

辰星の胃を犯す 三

郗萌曰:“辰星犯胃,天下谷無實,以飢為憂;一曰為亂。”《春秋圖》曰:“辰星之胃,布帛賤。”《黃帝》曰:“辰星守胃,且有兵令;一曰國主當之。”《黃帝》曰:“有兵國以無義失弊;又曰大飢、失政;一曰有陰兵,夷狄勝中國。”甘氏曰:“辰星守胃,若角動,色赤白,以水兵起,無名而窮;又有立侯王,若旱,五穀不成。”

胃宿の三星は婁宿の東にあり天上の倉廩・厨蔵で穀物を積聚することを主る。郗萌がいう、水星が胃宿を冒犯するのは、天下の穀物が結実せず飢饉を愁うべきことを主る。一説では動乱を主る。《春秋図》にいう、水星が胃宿に到るのは、布帛が価賤なることを主る。《黄帝占》にいう、水星が胃宿を守るのは、まさに兵を徴する号令があろうことを主る。一説では応験が国君の身に落ちる。《黄帝占》にまたいう、兵事があり国家が道義に合わざるによって敗壊することを主る。またいう、大飢饉と政令の失当を主る。一説では暗中に調動する兵があり夷狄が中原に戦勝する。甘徳がいう、水星が胃宿を守りもし星の芒角が閃動し顔色が赤白なれば水患によって兵を起こし師が名なきを出て終に困窮に帰することを主る。また人が侯王と立てられる者がありあるいは旱があり五穀が熟さないことを主る。

巫咸曰:“辰星守胃,多火災,為旱;萬物不成,有兵。”《海中占》曰:“民人大飢,亂。”《荊州占》曰:“逆行守胃,天下有兵,倉穀空虛。”《雌雄圖三光占》云:“辰星犯胃,母子同死;國立后王,且有急令,國主當之。”陳卓曰:“若犯守胃,國主不寧。”《荊州占》曰:“辰星守胃,穀貴;傷火災。”

巫咸がいう、水星が胃宿を守るのは、火災が多く旱を主ることを主る。万物が成熟できず兵事がある。《海中占》にいう、百姓が大いに飢饉し随いて動乱することを主る。《荊州占》にいう、逆行して胃宿を守るのは、天下に兵があり倉中の穀物が空虚であることを主りこれは胃宿が本より倉廩を主るに応ずる。《雌雄図三光占》にいう、水星が胃宿を冒犯するのは、母子が一同に死亡し国中が皇后と储君を冊立しまさに緊急の詔令があろうことを主り応験は国君の身に落ちる。陳卓がいう、もし胃宿を冒犯し守住すれば国君が安寧を得ないことを主る。《荊州占》にいう、水星が胃宿を守るのは、穀価が昂貴することを主る。また火災の傷を受ける。

辰星の昴を犯す 四

石氏曰:“辰星犯乘昴,且有亡國,有謀主之變;若行其北,西夷有毒霜早降,歲有疾癘。”《荊州占》曰:“辰星犯乘昴,夷狄之兵起,為民害。”郗萌曰:“辰星乘昴,若出北者;為陰國有憂,若北主死。”郗萌曰:“入昴中,有三丈之水,五穀不成,大飢。”《春秋圖》曰:“辰星之昴,民且從之陵。”

昴宿の七星は胃宿の東にありまた「旄頭」と叫ばれ西方の胡人を主りまた牢獄の事を主る。石申がいう、水星が昴宿を冒犯・凌壓するのは、まさに亡国の禍があり君主を図謀する変乱があろうことを主る。もし昴宿の北面を行けば西方の夷人の地に毒霜が提早に降下しその年に疫病が流行することを主る。《荊州占》にいう、水星が昴宿を冒犯・凌壓するのは、夷狄の兵事が興起し百姓を為害することを主る。郗萌がいう、水星が昴宿を凌壓しもしその北面に出現すれば陰に属する北方の国に憂いがありあるいは北方の君主が死去することを主る。郗萌がいう、昴宿の中に入るのは、三丈の深き大水があり五穀が熟さず大飢饉することを主る。《春秋図》にいう、水星が昴宿に到るのは、百姓がまさに高陵に逃げ上って難を避けんとすることを主る。

石氏曰:“辰星留二十日,若六十日守昴,中國開門,有大客;國政大危,易政令;若自來之王。”《黃帝占》曰:“辰星守昴,兵起,破散,民流亡。”《洛書》曰:“大水決溢,為民害,傷五穀。”石氏曰:“夷狄勝中國,若五穀不成,民大飢。”甘氏曰:“守昴,若角動,其謀者在北方,大將之家,外戚之親,以星入日占期。”甘氏曰:“辰星守昴,執法臣誅。”

石申がいう、水星が二十日停留しあるいは六十日停留して昴宿を守るのは、中原が関門を開放し遠来の大賓客があり国政が極めて危険で政令を更改すべくあるいは自ら前来して帰附する王があることを主る。《黄帝占》にいう、水星が昴宿を守るのは、兵事が興起し軍隊が潰敗・離散し百姓が流亡することを主る。《洛書》にいう、大水が堤を決し漫溢して百姓を為害し五穀を傷ることを主る。石申がいう、夷狄が中原に戦勝しあるいは五穀が成熟できず百姓が大いに飢饉することを主る。甘徳がいう、昴宿を守りもし星の芒角が閃動すればすなわち図謀して乱を作す人が北方にあり大将の家あるいは外戚の親属の中に出で水星がこの宿に入った日辰をもって応期を推算できることを主る。甘徳がいう、水星が昴宿を守るのは、執法の臣が誅されることを主りこれは昴宿が本より獄事を主るに応ずる。

郗萌曰:“天下失綱,有兵;一曰起中野;又曰多水災;又曰守畢昴。東行至天高,復反至五車,為近兵發,有赦。”《感精符》曰:“逆行守昴,有兵,大臣有坐法死者;一曰冤獄,失理。”《荊州占》曰:“逆行守昴環繞,兵起。”郗萌曰:“犯若守昴,為白衣之會。”《雌雄圖三光占》曰:“犯守昴,夷狄之兵起,國失政;一曰有陰兵。”郗萌曰:“中犯乘守昴,為兵北征。”

郗萌がいう、天下が綱紀を失し兵事があることを主る。一説では兵が郊野の中に起きる。またいう、水災が多いことを主る。またいう、畢宿・昴宿を守り東に行って天高星に至りまた折り返して五車星に回るのは、近処にまさに兵事が発動し大赦があろうことを主る。《感精符》にいう、逆行して昴宿を守るのは、兵があり大臣の中に法を犯して死する者があることを主る。一説では冤獄があり案を断ずるに失当である。《荊州占》にいう、逆行して昴宿を守り併せて環繞して去らないのは、兵の起こることを主る。郗萌がいう、昴宿を冒犯しあるいは守住するのは、白衣を穿く喪事の集会があることを主る。《雌雄図三光占》にいう、昴宿を冒犯し守住するのは、夷狄の兵事が興起し国家の政令が失当であることを主る。一説では暗中に調動する兵がある。郗萌がいう、正中から昴宿を冒犯・凌壓・守住するのは、兵を興して北征することを主る。

辰星の畢を犯す 五

《黃帝占》曰:“辰星犯畢,出其北,為陰國有憂;出其南,陽國有憂。”郗萌曰:“辰星犯畢,若入之,兵起於外,狄可憂。”《荊州占》曰:“犯乘畢,邊兵起。”巫咸曰:“入畢中,各伺其出日而數之,期二十日為兵發;伺始入處之率,一日期十日,為軍罷。”《海中占》:“入畢中,有兵;一曰歲熟。”郗萌曰:“有憂;一曰其國易主。”

畢宿の八星は形が兎を捕う長柄の網のようで辺境の兵事と田猟を主りまた雨水を主る。《黄帝占》にいう、水星が畢宿を冒犯しその北面から出るのは、陰に属する国に憂いがあることを主る。その南面から出るのは、陽に属する国に憂いがあることを主る。郗萌がいう、水星が畢宿を冒犯しあるいはその中に入るのは、兵事が境外に起き北狄の一方が憂うべきに値することを主る。《荊州占》にいう、畢宿を冒犯・凌壓するのは、辺境に兵が起きることを主る。巫咸がいう、畢宿の中に入り各自それが出る日を守候して推算し二十日を期として兵事が発動する。さらにそれが始めて入った位置に按じて折算し入ること一日をすなわち十日を期として軍隊が罷散する。《海中占》にいう、畢宿の中に入るのは、兵があることを主る。一説ではその年が豊熟する。郗萌がいう、憂患があることを主る。一説ではその分野の国が君主を更換する。

石氏曰:“出畢陽,則旱;出畢陰,則水;為政令不行。”《春秋圖》曰:“辰星之畢,有大赦。”《黃帝占》曰:“辰星守畢,山崩民流。”《聖洽符》曰:“川河大盛,民多死亡。”《春秋圖》曰:“子歸母,天下安寧,若有赦。”巫咸曰:“辰星守畢,邊有以水起兵者。”石氏曰:“山水潰,河大溢,潦大至。”

石申がいう、畢宿の陽位から出ればすなわち旱を主る。その陰位から出ればすなわち水を主る。また政令が推行できないことを主る。《春秋図》にいう、水星が畢宿に到るのは、大赦があることを主る。《黄帝占》にいう、水星が畢宿を守るのは、山が崩れ百姓が流亡することを主る。《聖洽符》にいう、江河の水勢が大いに漲り百姓に死亡が多いことを主る。《春秋図》にいう、畢宿は本より雨を主り水星がここに到れば儿子が母親の身辺に回るが如く母子が相得ゆえに天下の安寧あるいは大赦を主る。巫咸がいう、水星が畢宿を守るのは、辺境に人が水患によって兵を起こす者があることを主る。石申がいう、山洪が潰決し河水が大いに漲り漫溢し積潦が大量に涌来することを主る。

甘氏曰:“辰星守畢,民多疾病,死亡。”巫咸曰:“有水災,萬物不成。”郗萌曰:“野人為亂。”陳卓曰:“犯附耳,為兵起;若將相有喪憂也,不則免退。”郗萌曰:“守畢,急謀兵,期八十日;若八月。”

甘徳がいう、水星が畢宿を守るのは、百姓に疾病を生ずる者と死亡が多いことを主る。巫咸がいう、水災があり万物が成熟できないことを主る。郗萌がいう、郷野の人が衆を聚めて乱を作すことを主る。陳卓がいう、畢宿の傍らの附耳星を冒犯するのは、兵事が興起しあるいは将相に喪事・憂患がありさもなければ職を免ぜられ位を退くことを主る。郗萌がいう、畢宿を守るのは、朝廷が急ぎ兵事を謀劃し応期は八十日であることを主る。あるいは八月に応ずる。

辰星の觜觽を犯す 六

石氏曰:“辰星犯觜,其國兵起,天下動移。”《荊州占》曰:“犯乘觜,憂水兵之災。”郗萌曰:“入觜中,伺其出日而數之,期二十日,兵發;伺始入處之率,一日期十日,軍罷。”石氏曰:“守觜,西方客動,侵地,欲為君王;崇禮以制義,則國安。”

觜觽はすなわち觜宿で三星あり形が小さく一処に聚まり西方の白虎の口で收斂・聚蔵を主る。石申がいう、水星が觜宿を冒犯するのは、その分野の国に兵が起き天下が動蕩・遷移することを主る。《荊州占》にいう、觜宿を冒犯・凌壓するのは、水患と兵禍の災を憂慮することを主る。郗萌がいう、觜宿の中に入りそれが出る日を守候して推算し二十日を期として兵事が発動する。さらにそれが始めて入った位置に按じて折算し入ること一日をすなわち十日を期として軍隊が罷散する。石申がいう、觜宿を守るのは、西方の外来の勢力に挙動が有り土地を侵奪し自立して君王と為らんと欲することを主る。もし礼制を崇尚し義をもって裁断すれば国家は便ち安定できる。

甘氏曰:“守觜,子歸母,君臣和同。”巫咸曰:“為萬物不成;一曰旱,五穀不成,大人憂;又曰不出百日,天下大飢。”巫咸曰:“多火災。”《海中占》曰:“守觜中,有兵。”郗萌曰:“守觜,萬物五穀不成;一曰天子不可動眾行兵;又曰有反臣,不出百日,天下水,趙國尤其。”

甘徳がいう、觜宿を守るのは、儿子が母親の身辺に回るが如く母子が相安じゆえに君臣が和睦し同心することを主る。巫咸がいう、万物が成熟できないことを主る。一説では乾旱を主り五穀が熟さず貴人に憂いがある。またいう、百日を出でず天下が大いに飢饉する。巫咸がいう、火災が多発することを主る。《海中占》にいう、觜宿の中に守るのは、兵事があることを主る。郗萌がいう、觜宿を守るのは、万物・五穀がみな成熟できないことを主る。一説では天子は大衆を発動して兵を用いてはならない。またいう、反逆の臣があり百日を出でず天下に大水を発し觜宿の分野の在る趙の地一帯が尤其に厳重である。

辰星の参を犯す 七

甘氏曰:“辰星犯乘參,貴臣黜。”《荊州占》曰:“國有水、兵。”《春秋圖》曰:“之參,兵大起。”巫咸曰:“留止衡,兵革起;守參,貴臣黜。”郗萌曰:“逆行若留止衡中,為兵革起。”《黃帝占》曰:“辰星守伐,星移南,敵入塞;星移北,敵出塞。”石氏曰:“守參,且有水、兵;一曰有反者,國有憂。”

参宿の七星は斬刈・殺伐と辺境の兵事を主り中央の三星が横列して「衡」と称し衡の下の三颗の小星を「伐」と称す。甘徳がいう、水星が参宿を冒犯・凌壓するのは、顕貴の大臣が罷黜されることを主る。《荊州占》にいう、国中に水患があり兵事があることを主る。《春秋図》にいう、水星が参宿に到るのは、兵事が大いに起きることを主る。巫咸がいう、衡星に停留するのは、兵革が興起することを主る。参宿を守るのは、顕貴の大臣が罷黜されることを主る。郗萌がいう、逆行しあるいは衡星の中に停留するのは、兵革が興起することを主る。《黄帝占》にいう、水星が伐星を守り星位が南に移るのは、敵人が塞に入ることを主る。星位が北に移れば敵人が塞から出ることを主る。石申がいう、参宿を守るのは、まさに水患・兵事があろうことを主る。一説では反叛の人があり国中に憂いがある。

班固《天文志》曰:“辰星與參出南方,為旱;若大臣誅。”石氏曰:“守參,天子不可以將兵動眾,國有反臣;一曰有赦,若出參中,邊有兵。”巫咸曰:“水災,萬物不成。”《海中占》曰:“守伐,衛尉當之。”郗萌曰:“守參,若守伐,為有反臣中兵,一曰為后夫人當之;一曰內亂。”《春秋圖》曰:“逆行守參,邊將有憂;一曰外夷動。”《聖洽符》曰:“入參犯守之,不出其年,有兵起,若拔邑;先起兵者破亡,後起兵者昌。”

班固《漢書・天文志》にいう、水星と参宿が一同に南方に出現するのは、旱を主る。あるいは大臣が誅される。石申がいう、参宿を守るのは、天子が兵を領して大衆を発動すべからずを主り国中に反逆の臣があることを主る。一説では大赦があることを主りもし参宿の中から出れば辺境に兵事があることを主る。巫咸がいう、水災を主り万物が成熟できない。《海中占》にいう、伐星を守るのは、応験が宮門の屯兵を掌管する衛尉の身に落ちる。郗萌がいう、参宿を守りあるいは伐星を守るのは、反逆の臣が朝内に兵を起こす者があることを主る。一説では応験が皇后・夫人の身に落ちる。一説では内乱を主る。《春秋図》にいう、逆行して参宿を守るのは、辺を守る将領に憂いがあることを主る。一説では外族が異動する。《聖洽符》にいう、参宿に入り冒犯しその中に守留するのは、その年を出でず兵事が興起しあるいは城邑が攻拔される者がある。先に手を動かして兵を起こした一方は破敗・滅亡し後に兵を起こして応戦した一方は昌盛する。

開元占経 巻五十七・辰星占五

辰星の南方七宿を犯す

辰星の東井を犯す 一

《文曜鉤》曰:“辰星入東井,蠻夷君憂,有死者;若邊兵起,期不出年。”郗萌曰:“辰星入東井,軍在外;星進兵退;星退兵進。”《河圖》曰:“辰星出入東井,有暴兵;馬當貴。”《荊州占》曰:“辰星出入東井,有亂臣。”《黃帝》曰:“辰星守東井,為水。”

東井はすなわち井宿で八星あり天上の水を主る「水衡」でまた法令を主る。《文曜鈎》にいう、水星が東井に入るのは、蛮夷の君に憂いがあり死亡する人があることを主る。あるいは辺境に兵が起き応期はその年を出でず。郗萌がいう、水星が東井に入るのは、軍隊が外にあることを主る。星が前に進めば兵は後退し星が後に退けば兵は前進する。《河図》にいう、水星が東井に出入するのは、突発の兵事があることを主る。馬価が当に貴し。《荊州占》にいう、水星が東井に出入するのは、乱臣があることを主る。《黄帝占》にいう、水星が東井を守るのは、水を主る。

(《天文志》曰:光武建武三十年閏月甲午,水在東井二十度,生白氣,東南指,焰長五尺,為彗,東北行至紫宮西藩工,五月甲子不見,凡見三十一日,水常以夏至後效東井,閏月在四月,尚未當見而見,是躁而進也,東井為水衡,水出之為大水,是歲五月及明年,郡國大水,壞城郭,傷禾稼,殺人民也。)

(原書小注:《天文志》にいう、光武帝建武三十年閏月甲午日に水星が東井宿の二十度上に白気を生出し東南を指向し光焰の長さ五尺で彗状を形成し東北に行って紫微宮の西藩に至った。五月甲子日にもはや見えず前後に共に三十一日出現した。水星は常規に按じて夏至以後に東井に応験すべきでこの年の閏月は四月にあり本よりまだ出現すべき時に当たらないのに出現した。これは躁動して提前して行進したのである。東井は水を主る水衡で水がここから出ればすなわち大水と為りこの年五月および第二年に各郡国が大水し城郭を冲壊し庄稼を傷害し百姓を淹死させた。)

《感精符》曰:“辰星守東井,去之七寸,七日已上至十五日,王者誅大臣;期不出百八十日。”石氏曰:“守東井,其年早旱,晚水;一曰天下大水;又曰法臣相戮;一曰入其中,王者易,更政。”甘氏曰:“守東井若角動,色赤黑,以水起兵。色黃潤澤,天子有善令;若色變,大人憂,天下有名水絕;所謂絕者,逆行而入之。”

《感精符》にいう、水星が東井を守りそれを離れること七寸で七日を守候して以上十五日に至るのは、君王が大臣を誅殺することを主る。応期は百八十日を出でず。石申がいう、東井を守るのは、その一年が前期は乾旱で後期は水涝することを主る。一説では天下に大水がある。またいう、執法の臣が互相に殺戮する。一説では井宿の中に入れば君王が更替し政令を改易することを主る。甘徳がいう、東井を守る時もし星の芒角が閃動し顔色が赤黒なれば水患によって兵を起こすことを主る。顔色が黄を発して潤沢なれば天子に善政の令があることを主る。もし顔色が変異すれば貴人に憂いがあり天下に著名な河流が断流する者があることを主る。いわゆる断流とは水星が逆行して東井に入るを指す。

郗萌曰:“辰星久守東井,為金錢易,萬物五穀不成;一曰守東井,胡兵起,五穀霜死,其國尤甚,歲大惡。辰星入犯秉守東井三日以上,蠻夷君當之,死期三月,若一年、二年、三年。”石氏曰:“犯東井,守錢大臣誅,鈇鋮用,有兵起。”《荊州占》曰:“守東井,道上多死人。”陳卓曰:“守東井,百川皆溢。”

郗萌がいう、水星が久しく東井を守住するのは、銭幣の制度が変易し万物・五穀がみな成熟できないことを主る。一説では東井を守るのは胡人の兵が起き五穀が霜に凍死しその分野の国が尤其に厳重で年成が極めて壊れることを主る。水星が東井に進入・冒犯・執持・守留して三日以上するのは、応験が蛮夷の君の身に落ち死亡の応期は三箇月あるいは一年・二年・三年である。石申がいう、東井を冒犯するのは、銭穀を掌管する大臣が誅され斧鉞の刑具が動用され兵事が興起することを主る。《荊州占》にいう、東井を守るのは、道路上に死人の暴露が多いことを主る。陳卓がいう、東井を守るのは、百川がみな漫溢して災を成すことを主る。

辰星の輿鬼を犯す 二

《河圖》曰:“辰星犯輿鬼,為國有憂,大臣誅。”石氏曰:“有兵;一曰犯天質,兵起。”郗萌曰:“犯輿鬼,亂臣在內。”《黃帝》曰:“犯輿鬼、質,執法者誅。”《南官侯》曰:“犯天尸,貴臣有罪;犯四星,天子發之。”郗萌曰:“入犯輿鬼,執法者有戮死,若兵起,將軍有憂,人多死。”《甄曜度》曰:“入輿鬼,犯積尸,大臣有誅、斧鑕用,貴人有犯罪者,若戮死。”

輿鬼はすなわち鬼宿で四星あり中央に一団の白気があり「積尸気」と叫ばれまた「天尸」「質星」と称し祠祀と死喪を主る。《河図》にいう、水星が輿鬼を冒犯するのは、国家に憂いがあり大臣が誅されることを主る。石申がいう、兵があることを主る。一説では天質星を冒犯すれば兵の起きることを主る。郗萌がいう、輿鬼を冒犯するのは、乱臣がすなわち朝内に在ることを主る。《黄帝占》にいう、輿鬼と質星を冒犯するのは、執法の人が誅されることを主る。《南官侯》にいう、天尸を冒犯するのは、顕貴の大臣が罪を獲ることを主る。鬼宿の四星を冒犯するのは、天子が自ら発落することを主る。郗萌がいう、輿鬼に入り冒犯するのは、執法の人が殺されあるいは兵が起き将軍に憂いがあり死人が甚だ多いことを主る。《甄曜度》にいう、輿鬼に入り積尸気を冒犯するのは、大臣が誅され斧鑕の刑具が動用され貴人の中に犯罪の者がおり甚だしきは処死に至ることを主る。

郗萌曰:“辰星入輿鬼,為大人卒,事以命終。”《荊州占》曰:“亂臣在內,有屠滅。”《天文志》曰:“為死喪,一曰大臣有死。”陳卓曰:“蠻夷之君有誅。”《春秋圖》曰:“辰之鬼,天下有疫病。”郗萌曰:“守輿鬼,月食;若五穀不成。”《春秋圖》曰:“守犯輿鬼,金錢發用,民多痛耳目。”石氏曰:“守輿鬼,有兵死者;一曰王者崩;一曰大人有祭祀之事。”《海中占》曰:“守輿鬼,出其南、水,出其北、旱。”

この一組はなおも水星が鬼宿に入犯する応験を講ずる。郗萌がいう、水星が輿鬼に入るのは、貴人が猝然として死去し事が性命をもって終わることを主る。《荊州占》にいう、乱臣がすなわち朝廷の内に在り屠戮・滅族の事があることを主る。《天文志》にいう、死喪を主り一説では大臣の中に死亡する者がある。陳卓がいう、蛮夷の君が誅殺されることを主る。《春秋図》にいう、水星が鬼宿に到るのは、天下に瘟疫が流行することを主る。郗萌がいう、輿鬼を守るのは、月食が出現するかあるいは五穀が成熟できないことを主る。《春秋図》にいう、輿鬼を守住し冒犯するのは、銭幣が大量に支用され百姓に耳目の疼痛の疾を患う者が多いことを主る。石申がいう、輿鬼を守るのは、人が兵禍に死する者があることを主る。一説では君王が駕崩する。一説では貴人に祭祀の事がありこれは正しく鬼宿が本より祠祀を主るに応ずる。《海中占》にいう、輿鬼を守りその南辺から出れば水を主り北辺から出れば旱を主る。

郗萌曰:“守輿鬼三月,后夫人疾;二十日,太子夫人疾;十日,諸國王夫人病。守輿鬼,西南為秦漢、有反臣兵事;以赦令解之。守輿鬼、質星,鈇鉞用。守輿鬼,有喪;右為主人,左為客;一雲五月大水,蝗蟲。”《海中占》曰:“守入鬼,大人憂。”

郗萌がいう、輿鬼を三箇月守るのは、皇后・夫人に病があることを主る。二十日守れば太子・夫人に病があることを主る。十日守れば各諸侯王の夫人に病があることを主る。輿鬼を守り西南の方位は秦の地と漢中一帯に応じ反臣が兵を興す事がある。赦令をもって化解できる。輿鬼と質星を守るのは、斧鉞の刑具が動用されることを主る。輿鬼を守るのは、喪事があることを主る。右辺は主人の一方に応じ左辺は客方に応じる。一説では五月に大水があり蝗虫が害を為す。《海中占》にいう、鬼宿を守住し入るのは、貴人に憂いがあることを主る。

郗萌曰:“入若守輿鬼,為主憂、財寶出;若大臣有謀。秉賢者,君貴人憂,金玉用,民疾;南入、為男;北入、為女;西入、為老;東入,為壯;棺木貴。”《荊州占》曰:“千犯守輿鬼,隨所守,王者發之;不出七十日,天下有喪;陽,為人君;陰,為皇后;左、為太子;右、為貴臣。(《天文志》曰:“孝順漢安二年七月甲申、辰星犯輿鬼,明年八月,順帝崩,孝沖即位,明年正月崩。)

郗萌がいう、輿鬼に入りあるいは守るのは、君主に憂いがあり財宝が外流しあるいは大臣に陰謀があることを主る。もし賢者の位を執持すれば国君と貴人に憂いがあり金玉の器が動用され百姓が病を生ずることを主る。南面から入れば男子に応じ北面から入れば女子に応じ西面から入れば老人に応じ東面から入れば壮年人に応じ棺木が価貴なる。《荊州占》にいう、輿鬼を干犯・守住すればすなわちそれが守る部位に随い君王が自ら発落する。七十日を出でず天下に喪事がある。陽位にあれば君主に応じ陰位にあれば皇后に応じ左辺にあれば太子に応じ右辺にあれば顕貴の大臣に応ずる。(原書小注:《天文志》にいう、漢の順帝漢安二年七月甲申日に水星が輿鬼を冒犯し第二年八月に順帝が駕崩し冲帝が即位しまた一年を過ぎて正月に冲帝もまた駕崩した。)

辰星の柳を犯す 三

石氏曰:“辰星犯柳,有木功事;若名木見伐者。”《海中占》曰:“入天庫,以水起。”《荊州占》曰:“入注,下刑上,子訟父,民多仇;粟貴、大旱、馬貴。”《春秋圖》曰:“辰星之柳,天下米貴,馬貴;先潦後旱。”《黃帝占》曰:“歲不收。”

柳宿の八星はまた「注」と名づき南方の朱雀の口喙で厨膳の飲食を主る。石申がいう、水星が柳宿を冒犯するのは、木工の营造の事がありあるいは名貴の樹木が砍伐されることを主る。《海中占》にいう、天庫に入るのは、水患によって事を起こすことを主る。《荊州占》にいう、注宿に入るのは、下位の人が反って上位の人を刑罰し儿子が父親を控告し百姓に仇怨を結ぶ者が多く粟価が貴く大旱し馬価が貴いことを主る。《春秋図》にいう、水星が柳宿に到るのは、天下に米価が貴く馬価が貴く先に涝して後に旱することを主る。《黄帝占》にいう、その年に颗粒の収穫なしを主る。

甘氏曰:“王者賜客,若國有貴客。”郗萌曰:“為反臣中外兵,以德令解之;一曰舟船相望,在於北方;若處其陽,大旱,又死喪;處其陰,大水,為災傷。”《玄冥占》曰:“貴臣得地,後有德令;不出九十日。”郗萌曰:“辰星守柳注,藥在酒食中,忌,不可食之。”

甘徳がいう、君王が賓客を賞賜しあるいは国中に貴客が来ることを主る。郗萌がいう、反逆の臣が内外の兵を勾結する者があり施徳の政令をもって化解できることを主る。一説では舟船が首尾相望ち事は北方に応ずる。もし柳宿の陽位に処れば大旱を主りまた死喪がある。陰位に処れば大水を主り災傷を釀成する。《玄冥占》にいう、顕貴の大臣が封地を得て此の後に恩を施す詔令があり九十日を出でないことを主る。郗萌がいう、水星が柳宿(注宿)を守住するのは、酒食の中に毒薬があり必須に忌避し食用すべからずを主る。

辰星の七星を犯す 四

郗萌曰:“辰星犯七星,臣為亂。”甘氏曰:“入七星,有君置太子者。”《春秋圖》曰:“辰星之七星,天下勞,多流亡。”郗萌曰:“留七星,為天下大憂。”(憂中兵也)石氏曰:“守七星,民多疾;一曰民流千里;又曰兵內起;若守二十日以上,有水。”

七星はすなわち星宿で共に七顆あり朱雀の頸項で急兵を主りまた衣裳の文繍を主る。郗萌がいう、水星が七星を冒犯するのは、臣下が乱を作すことを主る。甘徳がいう、七星に入るのは、国君がまさに太子を冊立せんとすることを主る。《春秋図》にいう、水星が七星に到るのは、天下が労苦し流亡が多いことを主る。郗萌がいう、七星に停留するのは、天下に大憂があることを主る。(原書小注:憂う所は内部の兵事である。)石申がいう、七星を守るのは、百姓に疾病が多いことを主る。一説では百姓が千里に流亡する。またいう、兵事が内部から興起する。もし二十日以上守留すれば水があることを主る。

甘氏曰:“守七星,若角動,天下有兵,三年乃解;又曰萬物不成。”《海中占》曰:“大臣凶,貴人有罪,若法官有憂。”郗萌曰:“為反臣中外兵,以德令解之;一曰大水為災。”(此《荊州占》也)巫咸曰:“犯七星三日以上,賊臣在側;若有叛臣,皆九十日;應之以善令,則無咎。”

甘徳がいう、七星を守りもし星の芒角が閃動すれば天下に兵があり三年して乃ち解除できることを主る。またいう、万物が成らない。《海中占》にいう、大臣に凶禍があり貴人が罪を獲あるいは法を掌る官員に憂いがあることを主る。郗萌がいう、反逆の臣が内外の兵を勾結する者があり施徳の政令をもって化解できることを主る。一説では大水が災を成す。(原書小注:この条は《荊州占》に出ずる。)巫咸がいう、七星を冒犯して三日以上するのは、賊臣がすなわち君主の身辺に在ることを主る。あるいは叛臣がありみな九十日の内に応ずる。善政の令をもって対応すれば災禍を招来しない。

辰星の張を犯す 五

《春秋圖》曰:“辰星之張,有賢人在下,當為卿相。”石氏曰:“守張,天下大水,兵起;若守而角動,有臣傷其君;色赤,有兵出,其君傷,諸侯之臣,起於宮中,從庖廚奉牢之間是也;其色黑,食中有藥,不可食;大人有憂。”

張宿の六星は朱雀の嗉嚢で珍宝と宗廟が用いる衣物を主りまた天子が賓客を宴饗することを主る。《春秋図》にいう、水星が張宿に到るのは、賢人が下位に身処し当に公卿・宰相に抜擢さるべき者があることを主る。石申がいう、張宿を守るのは、天下に大水があり兵が起きることを主る。もし守留して星の芒角が閃動すれば臣子が国君を傷害する者があることを主る。星色が赤を発すれば兵の出動があり国君が傷を受け乱を作すのは諸侯の臣属で事は宮廷の中に発しすなわち厨膳を掌り牲牢を供する人の中間に出ずることを主る。星色が黒を発すれば飲食の中に毒薬があり食用すべからずを主る。貴人に憂いがある。

甘氏曰:“守張,貴臣專國,天下不寧。”巫咸曰:“萬物五穀不成。”郗萌曰:“為反臣中外兵,以德令解之。謂赦令也。又曰夏麥不收,大飢;一曰民多喪、病,又多鬥訟。”《南官候》曰:“天下大飢。”《百二十占》曰:“且有更令。”郗萌曰:“入張,若守之,水入火,為逆理犯上,天下不安;下謀上,多鬥訟,若多疾。”

甘徳がいう、張宿を守るのは、顕貴の大臣が国政を専擅し天下が安寧を得ないことを主る。巫咸がいう、万物・五穀が熟さないことを主る。郗萌がいう、反逆の臣が内外の兵を勾結する者があり施徳の政令をもって化解できいわゆる徳令はすなわち赦令である。またいう、夏の麦子が収められず大きな飢饉がある。一説では百姓に喪事が多く疾病が多くまた争闘・訴訟が多い。《南官候》にいう、天下の大飢を主る。《百二十占》にいう、まさに政令を更改する事があろう。郗萌がいう、張宿に入りあるいはその中に守留するのは——張宿は南方の火に属しこれは水が火に侵入するので——常理に違逆し尊上を冒犯し天下が安からぬことを主る。下位の者が上位の者を図謀し争闘・訴訟が多くあるいは疾病が多い。

辰星の翼を犯す 六

《玉曆》曰:“辰星入翼中,兵大起。”《春秋圖》曰:“辰星之翼,有賢在民間,當用。”石氏曰:“守翼,水入火,逆理;貴臣有憂,若大臣有戮,又曰水旱之災;星入其度,當位者退之,以消天怒,王者以赦除咎;又曰守翼,為萬物不成;一曰為人民流亡;又曰監鐵大貴四倍,牛馬行。”

翼宿の二十二星は朱雀の翅膀で楽舞・歌吹を主りまた遠方より来朝する賓客を主る。《玉暦》にいう、水星が翼宿の中に入るのは、兵事が大いに起きることを主る。《春秋図》にいう、水星が翼宿に到るのは、賢才が民間に有り当に任用を加うべき者があることを主る。石申がいう、翼宿を守るのは、水が火に侵入し常理に違逆し顕貴の大臣に憂いがありあるいは大臣が殺されることを主る。またいう、水旱の災を主る。水星が翼宿に入るのは度数が位に当たる官員は当に引退すべくもって上天の震怒を消解し君王はすなわち大赦をもって災咎を除去する。またいう、翼宿を守るのは万物が成らないことを主る。一説では百姓が流亡する。またいう、鹽・鐵の価銭が大いに漲って四倍し牛馬が道を奔走する。

甘氏曰:“守翼,大水,兵起;色白、京師起;色黃,事成;色青黑,死事。”巫咸曰:“為旱。”《海中占》曰:“有兵災,若大水在北方,五穀不成。”郗萌曰:“多火災;一曰火在北方;又曰為反臣中外兵,以德解之。”《荊州占》曰:“近臣,為有亡國,飢歲,民流千里;若地龍見。”

甘徳がいう、翼宿を守るのは、大水があり兵事が興起することを主る。星色が白を発すれば兵事が京師に起きることを主る。星色が黄を発すれば事が辦り成ることを主る。星色が青黒なれば死喪の事があることを主る。巫咸がいう、旱を主る。《海中占》にいう、兵災がありあるいは北方に大水があり五穀が成熟できないことを主る。郗萌がいう、火災が多発することを主る。一説では火災が北方に出る。またいう、反逆の臣が内外の兵を勾結する者があり施徳の政令をもって化解できることを主る。《荊州占》にいう、応験が君主の近臣の身に落ち亡国の禍があり年成が飢饉し百姓が千里の外に流亡しあるいは地龍の類の怪異が出現することを主る。

陳卓曰:“王者有疾,期不出年中。”《二十八宿山經注》曰:“辰星一年不出,出於翼軫,主死。”《玄冥占》曰:“守翼,若有誅者。”《玉曆》曰:“有急事,若有大風。”陳卓曰:“犯守翼,天下大荒。”班固《天文志》曰:“辰星與翼見西方,大臣誅。”

陳卓がいう、君王が病を生じ応期はその年の内を出でないことを主る。《二十八宿山経注》にいう、水星はもと常に日光の中に伏しもし整整と一年とも出現せず一たび出現すればすなわち翼宿・軫宿に在れば死亡があることを主る。《玄冥占》にいう、翼宿を守るのは、人が誅殺される者があることを主る。《玉暦》にいう、緊急の事がありあるいは大風があることを主る。陳卓がいう、翼宿を冒犯し守住するのは、天下の大荒を主る。班固《漢書・天文志》にいう、水星と翼宿が一同に西方に出現するのは、大臣が誅されることを主る。

辰星の軫を犯す 七

石氏曰:“辰星入軫中,為大兵起。”巫咸曰:“伺其出日而數之,期二十日,為兵發;伺始入處之率,一日期十日,軍罷。”《黃帝占》曰:“守軫,天下大疾,貴者多死;一曰國有喪。”《天文志》曰:“守犯軫,為白衣之會。”石氏曰:“守軫,萬物五穀不成。”郗萌曰:“守軫,為反臣中外兵,以德令解之,又執法貴臣凶,車騎用。”

軫宿の四星は朱雀の尾羽で車駕・騎乗を主りまた風を主る。石申がいう、水星が軫宿の中に入るのは、大規模の兵事が興起することを主る。巫咸がいう、それが出る日を守候して推算し二十日を期として兵事が発動する。さらにそれが始めて入った位置に按じて折算し入ること一日をすなわち十日を期として軍隊が罷散する。《黄帝占》にいう、軫宿を守るのは、天下の大疫と顕貴の人に死が多いことを主る。一説では国中に喪事がある。《天文志》にいう、軫宿を守住し冒犯するのは、白衣を穿く喪事の集会があることを主る。石申がいう、軫宿を守るのは、万物・五穀が熟さないことを主る。郗萌がいう、軫宿を守るのは、反逆の臣が内外の兵を勾結する者があり施徳の政令をもって化解できることを主りまた執法の顕貴の大臣に凶禍があり車馬・騎兵が動用されることを主る。

《玉曆》曰:’天下疾疫,人多死;其死,災多在北方。”《南官候》曰:“戚臣凶。”《甄曜度》曰:“入軫及守犯之,有兵必大戰,有破軍殺將於其野,人心驚駭;守過二十日以上,光明色大,有數十萬人戰,流血積尸殃;不則大水,有山河崩決,百姓流波之災;五穀傷敗,人民飢死;期二年。”

《玉暦》にいう、天下に瘟疫があり人に死亡が多く死亡と災害は多く北方に発生することを主る。《南官候》にいう、外戚の臣に凶禍があることを主る。《甄曜度》にいう、軫宿に入りおよびそれを守留・冒犯するのは、兵事があり必定に大戦が発生しまさにその一分野の郊野の上に軍隊が撃破され将領が殺され人心が驚駭することを主る。守留が二十日以上を超え光色が明亮にして形体が大きく変われば数十万人が交戦し血が流れて河を成し屍体が堆積して災を成すことを主る。さもなければ大水であり山崩・河決があり百姓が漂没の災に遭う。五穀が傷敗し百姓が飢餓して死する。応期は二年である。

開元占経 巻五十八・辰星占六

辰星の石氏中官を犯す

辰星の大角を犯す 一

《海中占》曰:“辰星守大角,臣謀主;有兵起,人主憂,王者戒慎左右;期不出百八十日,遠一年。”

大角は摂提の二星の間の一颗の大星で天王の座位と為り帝王の尊を象徴する。《海中占》にいう、水星が大角を守住するのは、臣下が君主を図謀し兵事が興起し君主に憂患があり君王は当に身辺の近侍を厳加に戒備・謹慎すべきことを主る。応期は百八十日を出でず遠ければ一年である。

辰星の梗河を犯す 二

巫咸曰:“辰星守梗河,國有謀兵,四夷兵起,來侵中國,邊境有憂。”

梗河の三星は大角の北にあり胡人の兵事を主り天上の矛戟・干戈の象である。巫咸がいう、水星が梗河を守住するのは、国中に兵事を謀劃する人があり四方の夷狄が兵を興し前から来て中原を侵犯し辺境に憂患があることを主る。

辰星の招摇を犯す 三

《聖洽符》曰:“辰星犯招搖,邊兵大起,四夷為寇;若守之,夷人敗,若夷主死;期不出二年。”

招摇の一星は梗河の北にあり北斗の斗柄の末端と相応し胡人の兵事を主る。《聖洽符》にいう、水星が招摇を冒犯するのは、辺境の兵事が大いに起き四方の夷狄が前来して劫掠することを主る。もしその上に守留すればすなわち夷人が敗亡しあるいは夷人の君主が死去し応期は二年を出でず。

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