Libo

干支占雨

唐 · 瞿昙悉达 · 第97巻 / 119

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

春雨甲子,六十日旱;夏雨甲子,四十日旱;秋雨甲子,四十日澇;冬雨甲子,二十七日寒雪。春雨甲申,五穀熟;夏雨甲申,五禾大美;秋雨甲申,六畜死;冬雨甲申,人多死。春雨乙卯,夏糴貴;夏雨丁卯,秋糴貴;秋雨辛卯,冬糴貴;冬雨癸卯,來春糴貴。

春に甲子の日に雨が降れば、それから六十日間旱する。夏に甲子の日に雨が降れば、それから四十日間旱する。秋に甲子の日に雨が降れば、それから四十日間水が溢れる。冬に甲子の日に雨が降れば、それから二十七日間寒く雪が降る。春に甲申の日に雨が降れば五穀が熟する。夏に甲申の日に雨が降れば、あらゆる禾稼が大いによく育つ。秋に甲申の日に雨が降れば、牛・馬・羊・鶏・犬・豕の「六畜」が多く死ぬ。冬に甲申の日に雨が降れば、民の死が多い。春に乙卯の日に雨が降れば、夏に糴穀の値が上がる(「籴」は糧を買い入れる意)。夏に丁卯の日に雨が降れば、秋に糧の値が上がる。秋に辛卯の日に雨が降れば、冬に糧の値が上がる。冬に癸卯の日に雨が降れば、来春に糧の値が上がる。

《黃帝占》曰:“春不欲雨乙卯,夏不欲雨丁卯,秋不欲雨辛卯,冬不欲雨癸卯,以此四日,占民安否,若其日雨,則疾疫起。凡四時卯日雨,皆主穀價;雨一卯,斛百文;雨二卯,斛二百文;雨三卯,斛三百;雨四卯。斛金一斤。正五、九月,殺在丑;二、六、十月,殺在戌;三、七、十一月,殺在未;四、八、十二月,殺在辰,以此日雨,雨所建,賊犯之,期六十日。凡壬戌癸亥日雨,以乘甲子,旬乃止,賤人伐貴者。”

《黄帝占》にいう。「春は乙卯の日に雨が欲しくなく、夏は丁卯の日に、秋は辛卯の日に、冬は癸卯の日に雨が欲しくない。この四日をもって民の安否を占い、もしその日に雨が降れば、疾疫が流行する。凡そ四時の卯日に雨が降れば、いずれも穀物の値段を主る。一つの卯日に雨が降れば一斛が百文、二つの卯日に雨が降れば一斛が二百文、三つの卯日に雨が降れば一斛が三百文、四つの卯日とも雨が降れば一斛が黄金一斤となる。正月・五月・九月は「殺」の神が丑にあり、二月・六月・十月は殺神が戌にあり、三月・七月・十一月は殺神が未にあり、四月・八月・十二月は殺神が辰にある。これらの日に雨が降り、雨がその月の斗建の指す方に落ちれば、賊寇が侵犯してきて、応期は六十日以内である。凡そ壬戌・癸亥の両日に雨が降れば、甲子の日に乗じて連なり、一旬を満たしてはじめて止む。これは卑賤の者が尊貴の者を伐つ兆しである。」

《京房占》曰:“諸寅卯日,有小雨,小急;大雨,大急;丙午日雨,有圍城;戊午日雨,霖三日止,其下大戰;乙卯日雨,旱,有兵起東方;丁卯雨,旱,有兵起南方;己卯雨,旱,有兵起中央;辛卯雨,旱,有兵起西方;癸卯雨,旱,有兵起北方。立春雨,復五穀;立秋雨,害五穀。”

《京房占》にいう。「凡そ寅日・卯日に小雨が降れば小さな急難があり、大雨が降れば大きな急難がある。丙午の日に雨が降れば、城を囲む事がある。戊午の日に雨が降れば、三日連なってはじめて止み、その下に対応する所で大戦がある。乙卯の日に雨が降れば旱を主り、東方に兵事が起こる。丁卯の日に雨が降れば旱を主り、南方に兵事が起こる。己卯の日に雨が降れば旱を主り、中央の地に兵事が起こる。辛卯の日に雨が降れば旱を主り、西方に兵事が起こる。癸卯の日に雨が降れば旱を主り、北方に兵事が起こる。立春の日に雨が降れば五穀が蘇り豊かに実り、立秋の日に雨が降ればかえって五穀を害する。」

天鏡占

天雨三日以上不絕,陰謀興。《漢五行志》:“文帝后三年,大雨,晝夜不絕,四十五日以上不絕,其後新垣平謀反。”

天に雨が降って三日以上絶えなければ、陰謀が起こることを主る。《漢書・五行志》に記す。「漢の文帝の後元三年、大雨が昼夜絶えず、四十五日以上続いても止まず、その後に方士の新垣平の謀反事件が起こった。」

凡雨作,於四時旺相之日,草木得之,莫不榮茂;其死囚休廢之日,雖有雨,不能生物也。凡泰和之世,雷雨必作於巳午陰生之後,至夜而止者,吉;若作於子丑寅卯,至丙而晴者,為亂,為兵,亡民失國。

凡そ雨が降るとき、四季で五行が「旺」「相」の日にあたれば、草木はこの雨を得て茂らないものはない。「死」「囚」「休」「廃」の日にあたれば、雨が降っても万物を滋生できない(旺・相・休・囚・死は五行が四季につれて消長する強弱の次第である)。凡そ太平で和順の時世では、雷雨は必ず巳時・午時に陰気が初めて生じたあとに発し、夜になると止むのが吉である。もし雷雨が子・丑・寅・卯の時刻に発して「丙」に至って晴れるなら(古人は一夜を甲・乙・丙・丁・戊の五更に分け、丙は三更)、これは禍乱を主り、兵災を主り、民が流亡し国を失うことを示す。

凡先風後雨,為順;先雨後風,為逆;雨止而風雷不止,雲霧不散者,國亂人災。凡先雷後雨,其雨必小;先雨後雷,雨必大也。

凡そ先に風が起こり後に雨が降るのは「順」であり、先に雨が降り後に風が起こるのは「逆」である。雨が止んだのに風雷が止まず、雲霧が散らなければ、国が乱れ民に災いがあることを主る。凡そ先に雷が鳴り後に雨が降れば、その雨は必ず小さい。先に雨が降り後に雷が鳴れば、雨は必ず大きい。

易候:凡占雨,以晦、朔、弦、望,雲氣四塞者,皆雨;東風,則當日雨;黑氣如牛彘者,有暴雨;黑氣如水牛,不出三日,大雨;黑氣如群羊,奔如飛鳥,五日必雨;黑雲氣如浮船,雨;蒼黑雲如櫛綿,蔽日月,五日內雨;雲如兩人提鼓、持桴,有暴雨;四望見青白雲,名曰天塞之,雲雨之征也。

《易》家の候雨の法。凡そ雨を占うには、毎月の晦日(末日)・朔日(一日)・上弦・下弦と望日(十五日)を取って見る。雲気が四方に天空を塞ぎ満ちれば、いずれも雨が降る。これらの日に東風が吹けば当日に雨が降る。黒い気が牛や豚の形をしていれば暴雨がある。黒い気が水牛のようなら三日を出ずして大雨がある。黒い気が群れた羊のようで飛ぶ鳥のように奔れば、五日以内に必ず雨が降る。黒い雲気が水に浮かぶ船のようなら雨を主る。青黒い雲が櫛や綿絮のように日月を蔽えば、五日以内に雨が降る。雲の形が二人が一人は鼓を提げ一人は鼓槌を持つようであれば(「桴」はすなわち鼓槌)、暴雨がある。四方を望んで青白い雲が見えれば、これを「天塞」といい、雨の降りそうな徴候である。

《尚書大傳》曰:“五嶽之雲,觸石而出,皆不崇朝而雨。”京房曰:“諸六甲日,無雲,一旬少雨;月離畢之陰,則雨;離畢之陽,無雨;日傍有赤雲如冠珥,不有大風,必有大雨。”

《尚書大伝》にいう。「五岳の山の雲は、山石に触れて湧き出れば、いずれも一朝を経ずして雨が降る(「崇朝」は夜明けから朝食までの間を指す)。」京房はいう。「甲子・甲戌・甲申・甲午・甲辰・甲寅という六甲の日に天に雲がなければ、この一旬は雨が少ない。月が畢宿の陰面(南側)に行けば雨が降り、畢宿の陽面(北側)に行けば雨が降らない。日の傍らに赤い雲が冠や耳飾りのように上に戴き傍らに垂れていれば(上にあるを「冠」、側にあるを「珥」という)、大風が起こるか、必ず大雨が降る。」

東方朔占

子日東風,卯日雨;壬日東風,辰日雨;寅日東風,巳日雨。卯日東風,午日雨;辰日東風,未日雨;巳日東風,申日雨。午日東風,即日雨;未日東風,申日雨;申日東風,子日雨。酉日東風,壬日雨;戌日東風,寅日雨;亥日東風,辰日雨。

子の日に東風が吹けば卯の日に雨が降り、壬の日に東風が吹けば辰の日に雨が降り、寅の日に東風が吹けば巳の日に雨が降る。卯の日に東風が吹けば午の日に雨が降り、辰の日に東風が吹けば未の日に雨が降り、巳の日に東風が吹けば申の日に雨が降る。午の日に東風が吹けばその日に雨が降り、未の日に東風が吹けば申の日に雨が降り、申の日に東風が吹けば子の日に雨が降る。酉の日に東風が吹けば壬の日に雨が降り、戌の日に東風が吹けば寅の日に雨が降り、亥の日に東風が吹けば辰の日に雨が降る。(この一節は本来十二地支の日を配するもので、文中の二箇所の「壬日」は地支の日名の伝写による訛りであろう。底本はこのままなので改補しない。)

又曰:甲子日雨,丙寅止;乙丑雨,丁卯止;丙寅雨,即日止;丁卯雨,夕止;戊辰雨,夜半止;己巳雨,立止;庚午日雨,辛未止;辛未日雨,戊寅止;壬寅日雨,即日止;癸酉日雨,甲戌止;甲戌日雨,即時止;己卯日雨,立止;庚辰日雨,即止;辛巳日雨,癸未止;壬午日雨,即日止;癸未日雨,甲申止;甲申日雨,即止;乙酉日雨,丙戌止;丙戍日雨,夕止;丁亥日雨,即時止;

またいう。甲子の日に降る雨は丙寅の日に止み、乙丑の日に雨が降れば丁卯の日に止み、丙寅の日に雨が降ればその日に止み、丁卯の日に雨が降れば夕方に止み、戊辰の日に雨が降れば夜半に止み、己巳の日に雨が降ればすぐに止み、庚午の日に雨が降れば辛未の日に止み、辛未の日に雨が降れば戊寅の日に止み、壬寅の日に雨が降ればその日に止み、癸酉の日に雨が降れば甲戌の日に止み、甲戌の日に雨が降ればその時に止み、己卯の日に雨が降ればすぐに止み、庚辰の日に雨が降ればすぐに止み、辛巳の日に雨が降れば癸未の日に止み、壬午の日に雨が降ればその日に止み、癸未の日に雨が降れば甲申の日に止み、甲申の日に雨が降ればすぐに止み、乙酉の日に雨が降れば丙戌の日に止み、丙戌の日に雨が降れば(底本はここで「戌」を「戍」と書く)夕方に止み、丁亥の日に雨が降ればその時に止む。

戊子日雨,庚寅止;己丑日雨,壬辰止;庚寅日雨,即時止;辛卯日雨,止;壬辰日雨,辛壬止;癸巳日雨,夕止;甲午日雨,即時止;乙未日雨,丁酉止;丙申日雨,夕止;丁酉日,己亥止;戊戌日,辛壬止;己亥日,即止;庚子日,壬辰止;辛丑日,壬寅止;壬寅日,即止;癸卯日,即時止;

戊子の日に雨が降れば庚寅の日に止み、己丑の日に雨が降れば壬辰の日に止み、庚寅の日に雨が降ればその時に止み、辛卯の日に雨が降ればすぐに止み、壬辰の日に雨が降れば「辛壬」の日に止み、癸巳の日に雨が降れば夕方に止み、甲午の日に雨が降ればその時に止み、乙未の日に雨が降れば丁酉の日に止み、丙申の日に雨が降れば夕方に止み、丁酉の日に雨が降れば己亥の日に止み、戊戌の日に雨が降れば「辛壬」の日に止み、己亥の日に雨が降ればすぐに止み、庚子の日に雨が降れば壬辰の日に止み、辛丑の日に雨が降れば壬寅の日に止み、壬寅の日に雨が降ればすぐに止み、癸卯の日に雨が降ればその時に止む。(文中の二箇所の「辛壬」は干支相配の例に合わず、伝写の脱訛であろう。底本はそのまま存録する。)

甲辰日,即止;乙巳日,丙午止;丙午日,即止;丁未日,即時止;戊申日,庚戊止;己酉日,辛亥止;庚戌日,即止;辛亥日,癸壬止;壬子日,癸丑止;癸壬日,即時止;甲寅日,即止;乙卯日,丙辰止;丙辰雨,丁巳止;丁巳雨,即時止;戊午日,即止;己未日,即止;庚申日,即止;辛酉日,即時止;壬戌日,即止;癸亥日,即時止;

甲辰の日に雨が降ればすぐに止み、乙巳の日に雨が降れば丙午の日に止み、丙午の日に雨が降ればすぐに止み、丁未の日に雨が降ればその時に止み、戊申の日に雨が降れば「庚戊」(庚戌とすべき)の日に止み、己酉の日に雨が降れば辛亥の日に止み、庚戌の日に雨が降ればすぐに止み、辛亥の日に雨が降れば「癸壬」の日に止み、壬子の日に雨が降れば癸丑の日に止み、「癸壬」の日に雨が降ればその時に止み、甲寅の日に雨が降ればすぐに止み、乙卯の日に雨が降れば丙辰の日に止み、丙辰の日に雨が降れば丁巳の日に止み、丁巳の日に雨が降ればその時に止み、戊午の日に雨が降ればすぐに止み、己未の日に雨が降ればすぐに止み、庚申の日に雨が降ればすぐに止み、辛酉の日に雨が降ればその時に止み、壬戌の日に雨が降ればすぐに止み、癸亥の日に雨が降ればその時に止む。

子日雨,立止,不止,寅日止;丑日雨,寅日止,不止,至卯止;寅日雨,即止,不止,卯止;卯日,即止,不止,巳止;辰日雨,巳止;巳日雨,未止,不止,申止;

以下は地支の単日で推算する。子の日に雨が降ればすぐに止み、止まなければ寅の日に止む。丑の日に雨が降れば寅の日に止み、止まなければ卯の日に至って止む。寅の日に雨が降ればすぐに止み、止まなければ卯の日に止む。卯の日に雨が降ればすぐに止み、止まなければ巳の日に止む。辰の日に雨が降れば巳の日に止む。巳の日に雨が降れば未の日に止み、止まなければ申の日に止む。

午日雨,立止,不止,至十日陰;未日雨,申止,不止,戌止;申日雨,夕止,見日,不見日,久陰;酉日雨,立止,不止,久陰;戌日雨,立止,不止,久陰;亥日雨,立止,不止,大陰;此其大概也。

午の日に雨が降ればすぐに止み、止まなければ十日まで陰が続く。未の日に雨が降れば申の日に止み、止まなければ戌の日に止む。申の日に雨が降れば夕方に止んで日が見える。日が見えなければ長い陰天となる。酉の日に雨が降ればすぐに止み、止まなければ長い陰天となる。戌の日に雨が降ればすぐに止み、止まなければ長い陰天となる。亥の日に雨が降ればすぐに止み、止まなければ連日の大きな陰天となる。以上は雨の止むのを候する大略の法を述べたものである。

開元占経巻九十三

候星善悪雲気占

元日祥瑞

《漢魏鮮正月朔旦八風占》云:“風南來,大旱;西南來,小旱;西來,有兵;西北來,有胡兵,胡豆成;北方來,為中歲;東北來,為上歲;東來,大水;東南來,人病,歲惡。八風各與其沖對課,多勝少,疾勝徐。自旦至食時,為麥;食時至日昳,為稷;昳至晡時,為黍;晡時至下晡,為菽;下晡至日沒,為麻。風從北來,宜客;南來,為主吉;西來,宜客;東來,宜主;西北來,宜客;東南來,宜主;西南來,有謀不成;東北來,主客俱不利。若風熱冷異常,或暴急昏濁,又當以八卦暴風占之。”

漢代の魏鮮の《正月朔旦八風占》にいう。「正月朔日の早朝、風が南から来れば大旱、西南から来れば小旱、西から来れば兵事あり、西北から来れば胡人の兵馬があり胡豆が豊作、北から来れば中くらいの年成、東北から来れば上の年成、東から来れば大水、東南から来れば民に病が多く年成が悪い。八方の風はそれぞれ真正面から来る風と比較考校し(「冲」はすなわち相対する方角)、多く来る風が少ない風に勝ち、急に来る風が徐々に来る風に勝つ。夜明けから朝食までの間の風は麦に応じ、朝食から「日昳」(日が西に傾く午後一・二時)までの風は稷に応じ、日昳から「晡時」(午後三時から五時)までの風は黍に応じ、晡時から「下晡」までの風は豆類の「菽」に応じ、下晡から日没までの風は麻に応ずる。風が北から来れば客方(出兵して攻める側)に利があり、南から来れば主方に吉があり、西から来れば客方に利があり、東から来れば主方に利があり、西北から来れば客方に利があり、東南から来れば主方に利があり、西南から来れば図ることがあっても成らず、東北から来れば主客ともに利がない。もし風の冷熱が常と異なり、あるいは急激で猛烈で天色が昏濁するなら、さらに八卦で暴風を占う法をもって推断すべきである。」

《京房占》:“正月朔日候八風:從乾來,有憂兵;坎來,有大水;艮來,人疾疫,歲內有蟲蝗;震來,陽氣干,歲大旱,有喪;巽來,年內多風,傷五穀;離來,歲旱,大熱,多火災;坤來,有疾疫,道上多死人;兌來,有兵事。”

《京房占》にいう。「正月朔日に八方の来風を候察する。風が乾の位(西北)から来れば憂うべき兵事があり、坎の位(正北)から来れば大水があり、艮の位(東北)から来れば民に疫病が生じ年内に蝗虫の災いもあり、震の位(正東)から来れば陽気が亢燥して一年大旱し、しかも喪事があり、巽の位(東南)から来れば年内に風が多く五穀を傷つけ、離の位(正南)から来れば一年が旱して酷熱で火災が多く、坤の位(西南)から来れば疫病が流行して道に死人が多く、兌の位(正西)から来れば兵事がある。」

八節日気候

立春正月節,其日睛明少雲,歲熟;陰則旱,蟲傷禾豆。風從乾來,暴霜殺物,谷猝貴;坎來,冬大寒,胡兵內擾;艮來,五穀熟;震來,氣洩,物不成;巽來,多風、蟲;離來,旱傷物;坤來,春寒,六月水,人多愁土功;兌來,旱、霜,兵起。

立春は正月の節気である。この日が晴れて雲が少なければ年成は熟し、陰ならば旱を主り、虫が禾稼や豆を傷つける。風が乾の位(西北)から来れば、突然の厳霜が作物を凍死させ穀物の値が急に上がる。坎の位(正北)から来れば、冬が酷寒で胡人の兵馬が境内を擾す。艮の位(東北)から来れば五穀が熟す。震の位(正東)から来れば陽気が外に泄れて作物が育たない。巽の位(東南)から来れば大風と虫害が多い。離の位(正南)から来れば旱が作物を傷つける。坤の位(西南)から来れば春が寒く六月に水が出て、民は徭役や土木の事に愁える。兌の位(正西)から来れば旱と霜があり兵事が起こる。

春分二月中,其日東方有青雲,歲熟;晴明,物不成。風從乾來,歲多寒,金鐵倍貴;坎來,豆菽不成,民飢病;艮來,夏不熱,米貴一倍;震來,五穀成,亦無盜賊;巽來,蟲生,四月多暴寒;離來,五月先水、後旱;坤來,小水,人多瘧疾;兌來,春寒,八月國有憂,有兵。

春分は二月の中気である。この日に東方に青い雲があれば年成は熟し、晴れて雲がなければ作物がかえって育たない。風が乾の位(西北)から来れば一年に寒さが多く、金属や鉄器の値が倍に上がる。坎の位(正北)から来れば豆類が実らず民は飢え病む。艮の位(東北)から来れば夏が暑くならず米の値が倍に上がる。震の位(正東)から来れば五穀が実り盗賊もいない。巽の位(東南)から来れば虫害が発生し四月に急な寒さが多い。離の位(正南)から来れば五月に先に水があって後に旱する。坤の位(西南)から来れば小さな水患があり民に瘧疾が多い。兌の位(正西)から来れば春が寒く八月に国家に憂患があり兵事がある。

立夏日,南方有赤雲,歲豐;清明,則旱。風從乾來,其年凶、飢,夏霜,麥不刈;坎來,多雨水,魚行人道;艮來,山崩地動,人疫;震來,雷不時,擊物;巽來,其年大熟;離來,夏旱,禾焦;坤來,萬物夭傷;兌來,蝗蟲大作。

立夏の日に南方に赤い雲があれば年成は豊かで、清らかに晴れていれば旱を主る。風が乾の位(西北)から来ればその年は凶で飢饉となり、夏に霜が降り麦は刈り取れない。坎の位(正北)から来れば雨水が多く魚が人の通る道を泳ぐ。艮の位(東北)から来れば山が崩れ地が動き民に疫が生じる。震の位(正東)から来れば雷が時に合わず鳴り物を撃つ。巽の位(東南)から来ればその年は大いに熟す。離の位(正南)から来れば夏が旱して禾苗が焦げる。坤の位(西南)から来れば万物が夭れ傷つく。兌の位(正西)から来れば蝗虫が大いに起こって害をなす。

夏至日,南方有赤氣,則熟;晴明,則旱。風從乾來,寒傷萬物;坎來,寒署不時,夏日多寒;艮來,山水暴出;震來,八月人多疾;巽來,九月風,落草木;離來,五穀熟;坤來,六月雨水橫流;兌來,秋多雨霜。

夏至の日に南方に赤い気があれば年成は熟し、晴れて明るければ旱を主る。風が乾の位(西北)から来れば寒さが万物を傷つける。坎の位(正北)から来れば寒暑が時を失し夏に寒さが多い。艮の位(東北)から来れば山の水が暴れ出る。震の位(正東)から来れば八月に人に病が多い。巽の位(東南)から来れば九月に風が吹き草木を落とす。離の位(正南)から来れば五穀が熟す。坤の位(西南)から来れば六月に雨水が横流して災いをなす。兌の位(正西)から来れば秋に雨と霜が多い。

立秋日,有白雲及小雨,則吉;晴明,物不成。風從乾來。甚寒。多雨;坎來。冬多雪。多陰寒;艮來,秋氣不和;震來,秋多雨雹,人不和,草木再榮;巽來,內兵猝起;離來,兵戎不利,多旱;坤來,五穀熟;兌來,兵起,將行。

立秋の日に白い雲と小雨があれば吉で、晴れて明るければ作物が育たない。風が乾の位(西北)から来ればとても寒く雨が多い。坎の位(正北)から来れば冬に雪が多く陰寒が多い。艮の位(東北)から来れば秋の気が和しない。震の位(正東)から来れば秋に雨と雹が多く人が和せず草木が反常して再び花を咲かせる。巽の位(東南)から来れば内部の兵変が突然起こる。離の位(正南)から来れば用兵に不利で旱が多い。坤の位(西南)から来れば五穀が熟す。兌の位(正西)から来れば兵事が起こり将帥が出征する。

秋分日,西方有白雲,則善;晴明,物不成。風從乾來,人多相掠;坎來,多寒;艮來,十二月多陰寒;震來,人疫,再花,不實;巽來,十月多風;離來,兵動國南七百里;坤來,土功興;兌來,五穀大收。

秋分の日に西方に白い雲があれば良く、晴れて明るければ作物が育たない。風が乾の位(西北)から来れば人が互いに掠め合う。坎の位(正北)から来れば寒さが多い。艮の位(東北)から来れば十二月に陰冷が多い。震の位(正東)から来れば人に疫が生じ草木が反常して再び花を咲かせるが実らない。巽の位(東南)から来れば十月に風が多い。離の位(正南)から来れば国都の南七百里の所で兵事が動く。坤の位(西南)から来れば土木の工事が興る。兌の位(正西)から来れば五穀が大いに収穫される。

立冬日,晴明,小寒,人君吉,天下喜。風從乾來,君令行,天下安;坎來,冬雪殺走獸;艮來,地氣淺,人多病;震來,人不安居,多寒;巽來,冬溫,明年夏旱;離來,明年五月大疫;坤來,水泛溢,魚鹽倍多;兌來,妖言為幻,兵在山澤。

立冬の日に晴れて明るく、やや寒さがあれば、人君は吉で天下は喜ぶ。風が乾の位(西北)から来れば君主の政令が行われ天下が安まる。坎の位(正北)から来れば冬の雪が走獣を凍死させる。艮の位(東北)から来れば地気が浅く人に病が多い。震の位(正東)から来れば人が安居できず寒さが多い。巽の位(東南)から来れば冬が温かく明年の夏が旱する。離の位(正南)から来れば明年の五月に大疫がある。坤の位(西南)から来れば大水が氾濫し魚塩の産出がかえって倍加する。兌の位(正西)から来れば妖妄の言が人心を幻惑し、兵禍が山林川沢の間に起こる。

冬至日,有雲,雪寒,明年大豐;晴明,物不成。風從乾來,強國有憂,多寒;坎來,歲美,人安;艮來,正月多陰;震來,雷不發,大雨並;巽來,百蟲害物;離來,冬溫,乳母多死,水旱不時,人疫;坤來,蟲傷苗,多水;兌來,明年秋雨,兵起。

冬至の日に雲があり雪が降って寒ければ、明年は大豊作となる。晴れて明るければ作物が育たない。風が乾の位(西北)から来れば強国に憂患があり寒さが多い。坎の位(正北)から来れば年成が良く人民が安んじる。艮の位(東北)から来れば正月に陰天が多い。震の位(正東)から来れば鳴るべき雷が鳴らず大雨が続いて降る。巽の位(東南)から来ればあらゆる虫豸が作物を害する。離の位(正南)から来れば冬が温かく乳を与える婦人の死が多く水旱が時を失し人に疫が生じる。坤の位(西南)から来れば虫が苗を傷つけ水が多い。兌の位(正西)から来れば明年の秋に雨が多く兵事が起こる。

立夏,巽卦,王風從乾來,為一逆,小凶。立春,艮卦,王風從坤來,為二逆,兵起。立秋,坤卦,王風從艮來,為三逆,谷無實。立冬,乾卦,王風從巽來,為四逆,人去其鄉。

以下は当令の卦と来風が相冲する「逆」の象を述べる。立夏は巽卦が当令し、本来は東南の風が吹くべきところ、当権の風が乾の位(西北)から吹いてくる。これが「一逆」で小さな凶を主る。立春は艮卦が当令し、本来は東北の風が吹くべきところ、風が坤の位(西南)から吹いてくる。これが「二逆」で兵事の起こることを主る。立秋は坤卦が当令し、本来は西南の風が吹くべきところ、風が艮の位(東北)から吹いてくる。これが「三逆」で穀物が実らないことを主る。立冬は乾卦が当令し、本来は西北の風が吹くべきところ、風が巽の位(東南)から吹いてくる。これが「四逆」で民が郷里を離れて逃げることを主る。

秋分,兌卦,王風從震來,為五逆,帶刀入市。冬至,坎卦,王風從離來,為六逆,人民潰散。夏至,離卦,王風從坎來,為七逆,臣子為亂。春分,震卦,王風從兌來,為八逆,殿上有刺客。

秋分は兌卦が当令し、本来は西の風が吹くべきところ、当権の風が震の位(正東)から吹いてくる。これが「五逆」で、人々が刀を帯びて市に入る、動乱が間近なことを主る。冬至は坎卦が当令し、本来は北の風が吹くべきところ、風が離の位(正南)から吹いてくる。これが「六逆」で、人民が潰散し逃亡することを主る。夏至は離卦が当令し、本来は南の風が吹くべきところ、風が坎の位(正北)から吹いてくる。これが「七逆」で、臣子が乱を起こすことを主る。春分は震卦が当令し、本来は東の風が吹くべきところ、風が兌の位(正西)から吹いてくる。これが「八逆」で、殿堂の上に刺客が現れることを主る。

七十二候当候不候

正月

是月也,東風解凍,蟄蟲始振,魚陟負冰,獺祭魚,候雁北,草木萌動。孟春行夏令,則雨水不時,草木早落,國時有恐;行秋令,則其民大疫,焱風暴雨總至,藜莠蓬蒿並興;行冬令,則水潦為敗,雪霜大摯,首種不入。

この月には、東には、東風が氷凍を解かし、蟄伏の虫豸が動き始め、魚が水面に近い薄氷の下に浮かび上がり、水獺が捕った魚を岸に並べて供物のように陳し、候雁が北へ帰り、草木が芽生えて育つ。これらが今月に応ずべき物候であり、応ずべきが応じないのを「当候不候」という。孟春の月に夏の政令を誤って行えば、雨水が時令に合わず、草木が早く凋落し、国中に時々惊恐の事がある。秋の政令を誤って行えば、民に大いに疫病が起こり、狂暴な風雨がいっしょに至り、藜・莠・蓬・蒿という悪草がいっしょに蔓延する。冬の政令を誤って行えば、水がたまって禾稼を敗り、雪霜がひどく降り、真っ先に播いた種が土に入って育たない。

二月

桃始華,倉庚鳴,鷹化為鳩,玄鳥至,雷乃發聲。始電。仲春行秋令,則其國大水,寒氣總至,寇戎來征;行冬令,則陽氣不勝,麥乃不熟,民多相掠;行夏令,則國乃大旱,暖氣早來,蟲螟為害。

桃の花が咲き始め、倉庚(黄鶯)が鳴き、鷹が鳩に化し(古人は春に鷹隼が減り鳩が増えるのを見てこの説を立てた)、燕が飛来し、雷が鳴り始め、稲妻も出始める。仲春の月に秋の政令を誤って行えば、国の中に大水があり、寒気がいっしょに襲い来て、敵寇が兵を興して伐ってくる。冬の政令を誤って行えば、陽気が陰気に勝てず、麦が熟せず、民が多く互いに掠め合う。夏の政令を誤って行えば、国の中が大旱し、暖気が早く来て、螟虫が災いをなす。

三月

桐始華,田鼠化為鴽,虹始見,萍始生,鳴鳩拂其羽,戴勝降於桑。季春行冬令,則寒氣時發,草木皆肅,國有大恐;行夏令,則民多疾疫,時雨不降,山陵不收;行秋令,則天多沉陰,淫雨早降,兵革並起。

桐の花が咲き始め、田鼠が鴽鳥に化す(「鴽」は鶉の類の小鳥)、虹が現れ始め、浮萍が生じ始め、鳴く鳩が羽を払い、戴勝鳥が桑の木に降りる。季春の月に冬の政令を誤って行えば、寒気が時々発し、草木がことごとく蕭索し、国中に大きな惊恐がある。夏の政令を誤って行えば、民に疫病が多く、時の雨が降らず、山地丘陵は一粒も収穫がない。秋の政令を誤って行えば、天に沈陰が多く、長雨が早く降り、兵戈の乱がいっしょに興る。

四月

螻蟈鳴,蚯蚓出,王瓜生,苦菜秀,靡草死,麥秋至。盂夏行秋令,則苦雨數來,五穀不滋,四鄙入保;行冬令,則草木早枯,後乃大水,敗其城郭;行春令,則蝗蟲為敗,暴風來格,秀草不實。

螻蛄が鳴き、蚯蚓が地面を出て、王瓜の蔓が生じ、苦菜が花を咲かせ、陰を好む靡草が枯れ死に、麦の熟す「麦秋」が至る。孟夏の月(底本は「孟」を「盂」と書く)に秋の政令を誤って行えば、苦雨がしきりに降って止まず、五穀が滋長せず、四方の辺邑の民は城堡に退いて自ら守らねばならない。冬の政令を誤って行えば、草木が早く枯れ、そのあと大水が出て城郭を壊す。春の政令を誤って行えば、蝗虫が災いをなして稼を敗り、暴風が襲い来て、穂を出した作物が実らない。

五月

螳螂生,鳩始鳴,反舌無聲,鹿角解,蜩始鳴,半夏生。仲夏行冬令,則雹凍傷谷,道路不通,暴兵來至;行春令,則五穀晚熟,百螣時起,其國乃飢;行秋令,則草木零落,果實早成,民殃於疫。

螳螂が孵って生まれ、伯労が鳴き始め、百鳥の声をよく真似る反舌鳥が声を出さなくなり、鹿の角が解け落ち、蝉が鳴き始め、薬草の半夏が生える。仲夏の月に冬の政令を誤って行えば、雹や寒凍が穀物を傷つけ、道路が通じず、凶暴な兵馬が襲い来る。春の政令を誤って行えば、五穀の成熟が遅れ、苗を食う害虫「螣」が時々起こり、国の中が飢饉となる。秋の政令を誤って行えば、草木が零落し、果実が早く熟し、民が疫病の殃を受ける。

六月

溫風至,蟋蟀居壁,鷹始摯,腐草為螢,土潤溽暑,大雨時行。季夏行春令,則谷實鮮落,國多風欬,民乃遷徙;行秋令,則丘隰水潦,禾稼不熟,乃多女災;行冬令,則風寒不時,鷹隼早鷙,四鄙入保。

温かい風が吹き来て、蟋蟀が野を離れ壁に棲み、鷹が獲物を搏つことを学び始め、腐草が蛍を化生し(古人は腐草の間から蛍が飛び出すのを見てこの説を立てた)、土地が湿って暑気が蒸しこもり、大雨が時にしたがって降る。季夏の月に春の政令を誤って行えば、穀粒が少なく早く脱落し、国の中に風邪ひき咳の疾が多く、民はそのため流れて郷を去る。秋の政令を誤って行えば、高地も低地も一面に水がたまり、禾稼が熟せず、また婦女の災いが多い。冬の政令を誤って行えば、風寒が時令に合わず、鷹隼が早くも猛く搏殺し、四方の辺邑の民は城堡に退いて自ら守らねばならない。

七月

涼風至,白露降,寒蟬鳴,鷹乃祭鳥,天地始肅,禾乃登。孟秋行冬令,則陰氣大勝,介蟲敗谷,戎兵乃來;行春令,則其國乃旱,陽氣復還,五穀不實;行夏令,則其國火災,寒熱不節,民多瘧疾。

涼風が吹き来て、白露が降り、寒蝉が鳴き、鷹が捕った鳥を並べて供物のように陳し、天地の気が粛殺し始め、禾稼が登場して収穫される。孟秋の月に冬の政令を誤って行えば、陰気が大いに勝ち、甲のある虫豸が穀物を荒らし、敵兵がやって来る。春の政令を誤って行えば、国の中が旱し、陽気が再び帰って来て、五穀が実らない。夏の政令を誤って行えば、国の中に火災があり、寒熱が節度を失い、民に瘧疾が多い。

八月

鴻雁來,玄鳥歸,群鳥養羞,雷始收聲,蟄蟲壞戶,水始涸。仲秋行春令,則秋雨不降,草木生榮,國乃大恐;行夏令,則其國乃旱,蟄蟲不藏,五穀復生;行冬令,則風災數起,收雷先行,草木早死。

鴻雁が飛来し、燕が帰って行き、群鳥が越冬の食物を蓄え(「羞」は美味な食物を指す)、雷が響きを収め始め、蟄伏の虫豸が土で穴の口を塞ぎ、水が涸れ始める。仲秋の月に春の政令を誤って行えば、秋雨が降らず、草木が反常して萌え茂り、国の中に大きな惊恐がある。夏の政令を誤って行えば、国の中が旱し、蟄虫が伏蔵せず、五穀が反常して再び萌え出る。冬の政令を誤って行えば、風災がたびたび起こり、雷の声が早く収まり、草木が早く枯死する。

九月

鴻雁來賓,雀入大水為蛤,菊有黃華,豺乃祭獸,草木黃落,蟄蟲咸俯,季秋行夏令,則其國大水,冬藏殃散,民多鼽嚏;行冬令,則國多盜賊,邊境不寧,土地分裂;行春令,則暖風來至,民氣解惰,師興不居。

後れて来る鴻雁が賓客のように到来し、雀が海に入って蛤に化し(古人は深秋に雀が減り蛤が増えるのを見てこの説を立てた)、菊が黄色い花を開き、豺が捕った獣を並べて供物のように陳し、草木が黄く枯れ落ち、蟄虫が皆頭を垂れて伏蔵する。季秋の月に夏の政令を誤って行えば、国の中に大水があり、冬に貯蔵した物資が殃を受け散失し、民に鼻づまり・くしゃみの疾が多い。冬の政令を誤って行えば、国の中に盗賊が多く、辺境が安まらず、国土が分裂する。春の政令を誤って行えば、暖風が吹き来て、民気が弛み怠け、兵事がたびたび興って安居できない。

十月

水始冰,地始凍,雉入大水為蜃,虹藏不見,天氣上升,地氣下降,閉塞而成冬。盂冬行春令,則凍閉不密,地氣上洩,民多流亡;行夏令,則國多暴風,方冬不寒,蟄蟲復出;行秋令,則霜雪不時,小兵時起,土地侵削。

水が氷り始め、地が凍り始め、雉が海に入って大きな蛤「蜃」に化し(これも古人の説)、虹が隠れて見えず、天の陽気が上昇し地の陰気が下降し、天地が閉塞して冬となる。孟冬の月(底本は「孟」を「盂」と書く)に春の政令を誤って行えば、封凍が緻密でなく、地気が上に泄れ、民に流亡が多い。夏の政令を誤って行えば、国の中に暴風が多く、冬であるべきなのに寒くなく、蟄虫がまた這い出る。秋の政令を誤って行えば、霜雪が時令に合わず、小規模な兵事が時々起こり、国土が侵奪され削られる。

十一月

鶡鴠不鳴,虎始交,荔挺出,蚯蚓結,麈角解,水泉動。仲冬行夏令,則其國乃旱,氛霧賓賓,雷乃發聲;行秋令,則天時雨汁,瓜瓠不成,國有大兵;行春令,則蟲螟為敗,水泉咸竭,民多疾癘。

寒号鳥「鶡鴠」が鳴かなくなり、虎が交尾し始め、馬藺草「荔」が新芽を出し、蚯蚓が縮こまって結ばれ、麋鹿の角が解け落ち(底本は「麋」を「麈」と書く)、地下の泉水が動き始める。仲冬の月に夏の政令を誤って行えば、国の中が旱し、霧気が昏として満ち、雷があろうことか鳴り響く。秋の政令を誤って行えば、天から雨雪交じりの「雨汁」が降り、瓜や瓠が育たず、国の中に大きな兵禍がある。春の政令を誤って行えば、螟虫が災いをなして稼を敗り、泉水が皆涸れ、民に疫癘が多い。

十二月

雁北鄉,鵲始巢,雉雊,雞乳,徵鳥厲疾,水澤腹堅。季冬行秋令,則白露蚤降,介蟲為妖,四鄰入保;行春令,則胎夭多傷,國多痼疾,命之曰逆;行夏令,則水潦敗國,時雪不降,冰凍消釋。

大雁が北へ向かって飛び、鵲が巣を作り始め、雉が鳴いて番を求め、家鶏が卵を抱いて雛を育て、遠く飛ぶ鷹隼が猛く速く搏ち、水沢が中心まで堅く凍る。季冬の月に秋の政令を誤って行えば、白露が早すぎて降り(「蚤」は「早」に同じ)、甲のある虫豸が怪をなして災いとなり、四隣の民は城堡に退いて自ら守らねばならない。春の政令を誤って行えば、胎児・幼児に夭傷が多く、国の中に治りにくい痼疾が多く、これを「逆」と名づける。夏の政令を誤って行えば、水がたまって国家を敗り、時の雪が降らず、氷凍がかえって解消する。

開元占経巻九十四

雲気雑占

帝王気

天子氣,內赤外黃,正四方,鬱鬱蔥蔥,所發之處,當有王者;若天子欲有遊,往其地,亦先發此氣,遠近數里,如法計之,吉凶以日辰生克,決期以支干數法。又曰:天子氣,如城門,隱隱在氣霧中,又多在晨昏見。又曰:天子氣,如千石倉,在氣霧中。又曰:天子氣,五色如山鎮。又曰:天子氣,如高樓,在霧中。

天子の気は、内側が赤で外側が黄色、四方を正しく正対して、濃く葱々としている。それが起こる所には、王と称する者が現れるはずである。もし天子が出行・遊幸しようとするなら、行く先の地にもあらかじめこの気が発し、範囲は遠近数里に及ぶので、占法にしたがって推算すればよい。吉凶は日辰干支の相生相克で判断し、応ずる期日は干支の数で推定する。別の説では、天子気の形は城門のようで、はっきりと霧気の中に現れ、しかも多くは清晨と黄昏に見える。別の説では、天子気は千石の糧を容れる大きな倉のようで、霧気の中にある。別の説では、天子気は五色を備え、一方を鎮める大山のようである。別の説では、天子気は高楼のようで、霧の中に現れる。

又曰:氣象青衣人垂手,在日西,天子氣也。又曰:敵上氣如龍馬,雜色鬱鬱沖天者,帝王之氣,不可擊;若在吾軍,必得天助。又曰:氣如龜如鳳,五色,隨王時發者,天子氣也。

別の説では、気の形が青衣の人が両手を垂れたようで、日の西に現れるのが天子気である。別の説では、敵軍の上空の気が龍や馬のようで、雑色が濃く天に冲するのは帝王の気であり、撃ってはいけない。この気が我が軍の上にあれば、必ず天の助けを得る。別の説では、気の形が亀や鳳のようで、五色を備え、五行の王る時令に随って発するのが天子気である。

范增曰:“吾使人望沛公,其氣沖天,五色相摻,皆為龍虎,此非人臣氣也。”

項羽の謀士・范増はいった。「私は人を遣わして沛公・劉邦の頭上の雲気を望ませた。その気は天に冲し、五色が交じり合って、ことごとく龍虎の形を結んでいた。これは人臣となる者の気ではない。」

《洛書》曰:“蒼帝起,青雲扶日;赤帝起,赤雲扶日;黃帝起,黃雲扶日;白帝起,白雲扶日;黑帝起,黑雲扶日。一曰:蒼帝氣如人向日,拳手而倪首,一手在後;赤帝氣如象火光,如覆薁狀,立在日下;黃帝氣如馬,在日下;白帝氣如虎,在日下;黑帝氣如船,在日下。青紫氣自地屬,天其地有貴女。凡帝王氣發,常以四時王相時日相生之日,相生之日,其國大昌。”

《洛書》にいう。「東方の木徳を主る蒼帝が興れば、青雲が日を扶する。南方の火徳を主る赤帝が興れば、赤雲が日を扶する。中央の土徳を主る黄帝が興れば、黄雲が日を扶する。西方の金徳を主る白帝が興れば、白雲が日を扶する。北方の水徳を主る黒帝が興れば、黒雲が日を扶する。」別の説では、蒼帝の気は人が日に向かい、手を拱いて頭を垂れ、一方の手をうしろにしているようである。赤帝の気は火光のようで、また伏せた野葡萄「薁」の状のようで、日の下に立つ。黄帝の気は馬のようで、日の下にある。白帝の気は虎のようで、日の下にある。黒帝の気は船のようで、日の下にある。青紫の気が地から天までつながっていれば、その地に高貴な女子がいる。凡そ帝王の気が発するのは、常に四時で五行が「王」「相」の時日および五行相生の日である。相生の日に現れれば、その国は大いに昌える。

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