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斛星占 三十三

唐 · 瞿昙悉达 · 第69巻 / 119

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

甘氏曰:“斛四星,在市中,斗南。”《論語讖》曰:“天斛星,主量則。”《甘氏贊》曰:“斗斛稱量,尺寸分銖。”

甘氏はいう、斛は四つの星で、天市垣の中・斗星の南面に在る。《論語讖》にいう、天上の斛星は量器の法則を主掌する。《甘氏賛》にいう、斗と斛は以て多寡を称量し、尺寸・分銖の標準もまたこれに由って定出す。

日星占 三十四

甘氏曰:“日一星,在房中道前。”《甘氏贊》曰:“日詔德令,耀生飛鳥也。”

甘氏はいう、日はただ一つの星で、房宿の中道の前に在る。《甘氏賛》にいう、日星は徳教と政令を宣示し、その光耀の及ぶ所は、飛鳥の類の禽属を化生する。

天乳星占 三十五

甘氏曰:“天乳一星,在氐北。”《甘氏贊》曰:“天乳甘露,醴酪充飴。”

甘氏はいう、天乳はただ一つの星で、氐宿の北面に在る。《甘氏賛》にいう、天乳は甘露を降下し、甜酒と乳酪は充盈し、滋味は甘美にして飴糖のごとし。

亢池星占 三十六

甘氏曰:“亢池六星,在亢池北。亢,舟船也;池,水也;亢池,猶度水也。”《黃帝占》曰:“亢池、一名代津;一名亢星。亢星,巨星之兩端也。亢池敗,天下不通。”焦延壽曰:“亢池不居亢度中;則廟有大怪,以主司日見則主命終。”郗萌曰:“亢池,主水道,其星微細則凶,其壞敗宗廟。”《甘氏贊》曰:“亢池不居移徙之家。”

甘氏はいう、亢池は六つの星で、亢池の北面に在る。「亢」は舟船を指し、「池」は水を指し、亢池は水を渡って行くに譬える。《黄帝占》にいう、亢池はまた「代津」とも名づき、また「亢星」とも名づく。亢星は巨星の両端に処る。亢池が敗壊すれば、天下の道路が通ぜざるを主る。焦延寿はいう、亢池が亢宿の度数の中に居らざれば、宗廟に大きな怪異の現わるるを主る。それが主司する日辰に按じて推占し、一旦顕現すればすなわち性命の告終するを主る。郗萌はいう、亢池は水上の道路を主掌し、この星が細微であれば凶で、宗廟を敗壊するであろう。《甘氏賛》にいう、亢池が本位に安居せざれば、主人家はまさに遷徙搬移する。此の条の前文は亢池は「亢池北」に在るといい、底本の文字は訛脱あるに似たり。

漸台星占 三十七

甘氏曰:“漸臺四星,屬織女東足。”(四方高曰臺,下有水曰漸,主晷律呂之事。)《甘氏贊》曰:“漸臺守漏晷吹滅。”

甘氏はいう、漸台は四つの星で、織女星の東足に附属する。原書の小注にいう、四面が高く起つを「台」と呼び、下に水あるを「漸」と呼ぶ。それは日晷と律呂の事を主掌する。《甘氏賛》にいう、漸台は漏壺と晷影を看守し、灯燭の吹滅に至るまでなおその職守を廃さず。

輦道星占 三十八

甘氏曰:“輦道五星,屬織女西足。”《甘氏贊》曰:“輦道逍遙,優遊私行。”

甘氏はいう、輦道は五つの星で、織女星の西足に附属し、天帝が輦に乗って往来する道路である。《甘氏賛》にいう、輦道は天帝に輦に乗りて逍遥し、閒適従容にして私に出行することを供す。

三公星占 三十九

甘氏曰:“三公三星、在北斗柄南。”(三公若今之太尉、司徒、司空也。)石氏曰:“三公星,天子輔臣也,其星欲大明,黃潤澤,有德令;其星赤,皆有兵;蒼白黑,有急喪。”《黃帝占》曰:“三公一星去,天下危;二星去,天下亂;三星去,天下不治。”《甘氏贊》曰:“三公宣德,奉均匡衡。”

甘氏はいう、三公は三つの星で、北斗の斗柄の南面に在る。原書の小注にいう、三公は今の太尉・司徒・司空に譬える。石氏はいう、三公星は天子の輔弼の臣で、これらの星は明亮碩大・色が黄く潤沢なるを以て宜しとし、そうであればすなわち徳政・善令がある。これらの星が紅に発せば、いずれも兵事あるを主る。青蒼・白・黒の色を呈すれば、倉促の喪事あるを主る。《黄帝占》にいう、三公が一つの星を欠けば、天下はすなわち危殆で、二つの星を欠けば、天下はすなわち動乱し、三つの星を欠けば、天下はすなわち治すべき法なし。《甘氏賛》にいう、三公は徳教を宣布し、公允を秉持し権衡を匡正す。

周鼎星占 四十

甘氏曰:“周鼎三星,在攝提西。”《春秋緯》曰:“天鼎,主流亡。”(宋均曰:天鼎,周鼎也。)《甘氏贊》曰:“周鼎酒尊,二簋缶壺。”

甘氏はいう、周鼎は三つの星で、摂提星の西面に在る。《春秋緯》にいう、天鼎は流離・逃亡の事を主掌する。原書の小注に宋均を引いていう、ここにいう天鼎とは、すなわち周鼎である。《甘氏賛》にいう、周鼎は酒を盛る尊器と并列し、さらに二隻の簋および缶・壺の類の礼器を配す。

帝席星占 四十一

甘氏曰:“帝席三星,在大角北。”石氏曰:“帝席不欲明,明則大臣外其心,期三年。”《甘氏贊》曰:“帝席設座,宴旅酢酬。”

甘氏はいう、帝席は三つの星で、大角星の北面に在り、天帝が席を設けて宴飲する処所である。石氏はいう、帝席は明亮するを宜しとせず、一旦明亮すれば、すなわち大臣が心に外向を存し別に図る所あるを主り、応期は三年。《甘氏賛》にいう、帝席は座位を鋪設し、賓旅を宴請し主客が交相に献酬するを供す。

天田星占 四十二

甘氏曰:“天田二星,在右角北。”《甘氏贊》曰:“天田外界,縣邑正邪。”

甘氏はいう、天田は二つの星で、右角星の北面に在る。《甘氏賛》にいう、天田は畿外の田界を標示し、これに拠って県邑の田土の正と不正を核正す。

天門星占 四十三

甘氏曰:“天門二星,在左角南。”《甘氏贊》曰:“天門待客,應對無疑。”

甘氏はいう、天門は二つの星で、左角星の南面に在り、上天の門戸のあるところである。《甘氏賛》にいう、天門は来賓を迎候し、応対答問は従容不迫で、毫も遅疑なし。

平道星占 四十四

甘氏曰:“平道二星,在左右角間。”(平道,主治道之官也。)《甘氏贊》曰:“平道,除道塗轍宣輸。”

甘氏はいう、平道は二つの星で、左角と右角の間に在る。原書の小注にいう、平道は道路を修治することを主管する官署である。《甘氏賛》にいう、平道は道路の清除・車轍の平整を負責し、転運・輸送を暢通せしめる。

進賢星占 四十五

甘氏曰:“進賢一星,在平道西。”甘氏曰:“進賢,卿相舉逸命才。”《甘氏贊》曰:“進賢,鄉里庠序選。”

甘氏はいう、進賢はただ一つの星で、平道の西面に在る。甘氏にまたいう、進賢は卿相が隠逸の士を挙薦し才幹ある人を任命するを主管する。《甘氏賛》にいう、進賢は郷里・学校の中の人才の選抜と挙薦を主持する。

謁者星占 四十六

甘氏曰:“謁者一星,在左執法北,主贊謁之官也。”

甘氏はいう、謁者はただ一つの星で、左執法星の北面に在り、賓客を接引し拝謁を通伝するを主掌する官職である。およそ朝見奏事は、いずれも彼の由りて前に導引伝達す。

三公内座星占 四十七

甘氏曰:“三公內座三星,在謁者東北,朝會宴私之所也。”

甘氏はいう、三公内座は三つの星で、位は謁者の東北に在り、三公が上朝集会し、および退きて私に相い宴飲休憩する処所である。

九卿内座星占 四十八

甘氏曰:“九卿內座三星,在三公北。”《甘氏贊》曰:“三公九卿,贊謁者、諸侯。”

甘氏はいう、九卿内座は三つの星で、三公星の北面に在り、九卿が内朝の座次である。《甘氏賛》にいう、三公と九卿は列を同じくして朝堂に在り、謁者の由りて賛引され、諸侯とともに朝会して礼を行う。

内五諸侯星 四十九

甘氏曰:“內五諸侯五星,在九卿西。”又曰:“五諸侯衛國,故列在帝庭。”《河圖》曰:“五諸侯,主刺奸。”《禮緯》曰:“辟雍之禮得穆穆皇皇和服,則太微諸侯明也。”

甘氏はいう、内五諸侯は五つの星で、九卿の西面に在る。甘氏にまたいう、五諸侯は王室・邦国を衛護す。ゆえに天帝の宮庭の中に陳列する。《河図》にいう、五諸侯は奸邪を糾察することを主掌する。《礼緯》にいう、辟雍の中の礼儀が粛穆堂皇にして上下が和順に弁じられれば、太微垣の中の諸侯星はすなわち明亮する。辟雍は天子の設立する太学である。

太子星占 五十

甘氏曰:“太子一星,在帝座北。”

甘氏はいう、太子はただ一つの星で、位は帝座星の北面に在り、儲君が天上の象徴である。

従官星占 五十一

甘氏賢:“從官一星,在太子西北,從官,侍衛之臣也。”《甘氏贊》曰:“從官常陳,五署列居。”

甘氏はいう、従官はただ一つの星で、太子の西北に在る。いわゆる従官とは、すなわち随侍衛護の臣属である。《甘氏賛》にいう、従官は常に側に陳列し、五署の衛士は次を序して位を列して居守る。

幸臣占 五十二

甘氏曰:“倖臣一星,在帝座東北。”《甘氏贊》曰:“太子倖臣,侍座後聚。”

甘氏はいう、幸臣はただ一つの星で、帝座星の東北に在り、君主の寵幸を受ける近臣を象徴する。《甘氏賛》にいう、太子と幸臣は、いずれも天帝の座位の後に侍立して陪従を聚集す。

明堂星占 五十三

甘氏曰:“明堂三星,在太微西南角外。”《甘氏贊》曰:“明堂顯化,常盡孝慈。”

甘氏はいう、明堂は三つの星で、太微垣の西南角の外に在る。明堂は天子が政を布き、祭祀し、諸侯を朝会する正殿で、天上はその名を取って以て星を名づく。《甘氏賛》にいう、明堂は教化を彰顕し、時時に孝順慈愛の道を尽くす。

霊台星占 五十四

甘氏曰:“靈臺三星,在明堂西,觀候之所也。”《甘氏贊》曰:“靈臺考符,居南密微。”

甘氏はいう、霊台は三つの星で、明堂の西面に在り、天象を観測し気候を伺察する処所である。《甘氏賛》にいう、霊台は上天の降す符応を考察し、位は南方に居して精微・隠密の事を察知す。

勢星占 五十五

甘氏曰:“勢四星,在太陽守北。”《甘氏贊》曰:“勢不專事,相命御之。”(勢者,官也,謂刑餘之人才,不可專事,助宣王命而已。)

甘氏はいう、勢は四つの星で、太陽守星の北面に在る。《甘氏賛》にいう、勢は政事を専断すべからず、丞相と詔命の由りてこれを駕駁す。原書の小注にいう、いわゆる「勢」とは、一種の官職で、宮刑を受けた人を指す。この類の人はこれに政事を専断せしめてはならず、ただ王命を協助宣達するに止まる。

内平星占 五十六

甘氏曰:“內平四星,在中臺南。”《甘氏贊》曰:“內平近決,讞請禮書。”(內平近執法之官,有疑則準案禮律。)

甘氏はいう、内平は四つの星で、中台星の南面に在る。《甘氏賛》にいう、内平は近く就きて案件を裁決し、疑獄に遇えばすなわち礼制・律文を援引して定讞を奏請す。原書の小注にいう、内平は執法の官に貼近し、疑難に遇えば礼律に依って比照して案を断ず。

爟星占 五十七

甘氏曰:“爟四星,在軒轅尾南、柳北。”巫咸曰:“爟,土官也。”《甘氏贊》曰:“爟舉烽表,遠期沉浮。”(爟,烽火,驚急以火相告,日行萬里。)

甘氏はいう、爟は四つの星で、軒轅の尾の南面・柳宿の北面に在る。巫咸はいう、爟は五行において土官に属する。《甘氏賛》にいう、爟星は烽火を挙げて標識と為し、遠方の消息はその起落を借りて伝逓す。原書の小注にいう、爟とはすなわち烽火で、驚急の事に遇えば火光を以て互相に通報し、一日に万里を伝うべし。

酒旗星占 五十八

甘氏曰:“酒旗三星,在軒轅右角。”(酒,酒官也。旗,旗官也。)《元命苞》曰:“酒旗,主上尊大帝,運樞陰陽,滿陳列宿,成德五星,布恩神明,和合四節,並宣曆紀,齊得諸靈合歡,故設酒旗以人侑神。”焦延壽曰:“酒旗不具,天下有燕,大喪,以酒亡。”《甘氏贊》曰:“酒旗燕會,情意歡娛。”

甘氏はいう、酒旗は三つの星で、軒轅の右角に在る。原書の小注にいう、「酒」は酒を掌る官を指し、「旗」は旗を掌る官を指す。《春秋元命苞》にいう、酒旗は天帝に上等の尊酒を進奉することを主掌する。天帝は枢機を運転し陰陽を調理し、列宿を布満し排定し、五星の徳を成就し、神明に恩澤を散布し、四時の節気を調和し、一併せて暦法・紀年を頒行し、衆神をして一斉に歓洽せしむ。ゆえに酒旗を設置し、人をして酒食を以て神霊に勧饗せしむ。焦延寿はいう、酒旗の星数が全からなければ、天下に宴飲の事あるを主り、あるいは大喪あり、酒に因って敗亡を致す。《甘氏賛》にいう、酒旗は宴飲・聚会を主り、情意は歓暢愉悦す。

天尊星占 五十九

甘氏曰:“天尊三星,在東井北。”《甘氏贊》曰:“天尊愍民,憐育幼弧。”(天尊,主盛餤粥,以給貧病也。)

甘氏はいう、天尊は三つの星で、東井宿の北面に在る。《甘氏賛》にいう、天尊は百姓を怜憫し、年幼・孤苦の人を撫育す。原書の小注にいう、天尊は餤餅・粥食を盛放することを主掌し、以て貧窮にして病ある人を周済す。

諸王星占 六十

甘氏曰:“諸王六星,在五車南。”《元命苞》曰:“諸王星,主存亡。”郗萌曰:“諸王,主朝會。”《元命苞》曰:“王星明,則下附從。(宋均曰:不明,下倍畔也。)《甘氏贊》曰:“王星督察,諸侯存亡。”

甘氏はいう、諸王は六つの星で、五車星の南面に在り、分封された諸王の星象である。《春秋元命苞》にいう、諸王星は存亡の事を主掌する。郗萌はいう、諸王は朝会を主掌する。《春秋元命苞》にまたいう、王星が明亮すれば、下面の人はすなわち帰附順従す。原書の小注に宋均を引いていう、王星が明亮でなければ、下面の人はまさに背離叛乱す。《甘氏賛》にいう、王星は諸侯を督察し、彼らの存續と覆滅を主管す。

司怪星占 六十一

甘氏曰:“司怪四星,在鉞前。”(司怪,主占候災祥者也。)《洛書》曰:“司怪集得失。”又曰:“司怪,主人揆靈出微。”焦延壽曰:“司怪星不行宮中,有大怪,若天下多怪物。”《甘氏贊》曰:“司怪誥咎,國無災殃。”

甘氏はいう、司怪は四つの星で、鉞星の前に在る。鉞星は井宿の側に在る。原書の小注にいう、司怪は災禍と祥瑞を占験することを主掌する。《洛書》にいう、司怪は人事の得失を匯集す。またいう、司怪は人に替わって神霊の意を揆度し、隠微の征兆を揭示す。焦延寿はいう、司怪星が宮中に運行せざれば、重大の怪異あるを主り、あるいは天下に怪物多く出る。《甘氏賛》にいう、司怪は災咎を予告し、国家をして災殃を免れしむ。

座旗星占 六十二

甘氏曰:“座旗九星,在司怪東北。”《甘氏贊》曰:“座旗,旗表別異,殊居以旗。”(表,則君世之安立也。)

甘氏はいう、座旗は九つの星で、司怪の東北に在る。《甘氏賛》にいう、座旗は旌旗を以て標識と為して等差を区別し、異なる位次は各々異なる旗号を用う。原書の小注にいう、いわゆる「表」とは、すなわち君主の世系が安然に確立するを得る凭拠である。

天高星占 六十三

甘氏曰:“天高四星,在參旗西,近畢。”《合誠圖》曰:“天高,主齊戒之門。”焦延壽曰:“天高星,近井鉞,大臣斬,不乃高為下,下為高。”《甘氏贊》曰:“天高闕遠,九層望樓。”

甘氏はいう、天高は四つの星で、参旗の西面に在り、畢宿に靠近す。《春秋合誠図》にいう、天高は斎戒の門を主掌し、君主が祭祀を行うに先だちここで斎戒す。焦延寿はいう、天高星が井宿の鉞星に靠近すれば、大臣の斬殺されるを主り、然らざればすなわち高位に在る者は下位に降り、下位に在る者は高位に升る。《甘氏賛》にいう、天高は高遠の宮闕に譬え、九層の高さの望楼である。

礪星占 六十四

甘氏曰:“礪石四星,在五車西。”《甘氏贊》曰:“礪石砥刃,百工卒治。”

甘氏はいう、礪石は四つの星で、五車星の西面に在る。《甘氏賛》にいう、礪石は用いて刀刃を磨砺し、各行の工匠はそれに靠って活計を仕上げて善く成す。

八穀星占 六十五

甘氏曰:“谷擊八星,在五車北。”(八穀:謂稻、黍、稷、大麥、小麥、大豆、小豆、麻子也。)巫咸曰:“八穀星,主土官也。”郗萌曰:“八穀,主候歲。”石氏曰:“八穀,一星不具,則一谷不成;三星已上不具,以食為害。”《甘氏贊》曰:“八穀平衡,聚集王都。”(謂穀粟皆歸集於王都也。)

甘氏はいう、穀撃は八つの星で、五車星の北面に在り、この星官は通称を八穀という。原書の小注にいう、いわゆる八穀とは、稻・黍・稷・大麦・小麦・大豆・小豆・麻子のこの八種の穀物を指す。巫咸はいう、八穀星は土官の事を主掌する。郗萌はいう、八穀は一年の収成を観候するを主る。石氏はいう、八穀の中に一つの星を欠けば、すなわち一種の穀物が熟せず、三つの星以上を欠けば、まさに糧食の短缺に因って災害を醸成する。《甘氏賛》にいう、八穀は持平して衡のごとく、穀物は王都に汇聚す。原書の小注にいう、これは穀粟がいずれも王都に帰聚するを講う。

天讒星占 六十六

甘氏曰:“天讒一星,在捲舌中。”石氏曰:“天讒星明大,則讒佞害,民善,天下二心,諸侯專權誣欺。”《甘氏贊》曰:“捲舌唾水,讒主天醫。”

甘氏はいう、天讒はただ一つの星で、巻舌星の中に在る。石氏はいう、天讒星が明亮碩大であれば、すなわち讒佞の徒が為害し、良善の百姓は損を受け、天下に人は二志を懐き、諸侯は権柄を専擅し誣罔し欺瞞するを主る。《甘氏賛》にいう、巻舌は唾を吐きて水のごとく、讒毀の害は天医に由りて医治すべし。

積水星占 六十七

甘氏曰:“積水一星,在天船中。”石氏曰:“積水星明,則水大出,船行人道,必有淪邑者;星動搖,而行上舟,船摩天。”《甘氏贊》曰:“天船布罔,積水候災。”

甘氏はいう、積水はただ一つの星で、天船星の中に在る。石氏はいう、積水星が明亮すれば、すなわち大水の涌出を主り、船隻は本来人の行くべき道路上を行駛し、必ず城邑の淹没されるあり。この星が揺動すれば、水勢は上漲して舟船を托起し、船身はほとんど天を摩擦せんとす。《甘氏賛》にいう、天船は羅網を張開し、積水星は水災を観候す。

積尸星占 六十八

甘氏曰:“積尸一星,在大陵中。”石氏曰:“大陵中有朽骨,故大陵中有積尸。若其星明大者,有大喪,死人如丘山。”《甘氏贊》曰:“大陵表墓;積尸隨居。”

甘氏はいう、積尸はただ一つの星で、大陵星の中に在る。「積尸」とはすなわち堆積する尸骨である。石氏はいう、大陵の中に朽壊した骸骨を埋む。ゆえに大陵の当中にこそ積尸のこの星ある。この星がもし明亮碩大であれば、すなわち大喪あるを主り、死者は丘山のごとく堆積す。《甘氏賛》にいう、大陵は墳墓を標示し、積尸はすなわち随ってその中に居る。

左更星占 六十九

甘氏曰:“左更五星,在婁東。”(左更,山虞之官,主川澤、林藪、竹林、菜蔬之屬也。)郗萌曰:“左更,主仁之道。”《黃帝》曰:“左更星不具,天下道不通。”焦延壽曰:“左更星不動搖,王者以出,必道亡;其動者,以出吉。”《甘氏贊》曰:“左更采薪,菟圓採茹。”

甘氏はいう、左更是五つの星で、婁宿の東面に在る。左更と右更は婁宿の東西に分列し、一対の相配する星官である。原書の小注にいう、左更は山虞の類の官で、川沢・林藪・竹林・菜蔬の類の物産を主管する。郗萌はいう、左更は仁愛の道を主掌する。《黄帝占》にいう、左更の星数が全からなければ、天下の道路は通暢せず。焦延寿はいう、左更星が揺動せざる時、君王がもしこの時に出行すれば、路上に必ず喪失する所あり。この星が揺動する時に出行すれば、すなわち吉利である。《甘氏賛》にいう、左更は薪柴の采伐を負責し、また兎園の中に蔬茹を采摘して以て膳羞に供す。

右更星占 七十

甘氏曰:“右更五星,在婁西。”(右更,主牧養牛馬之官也。)郗萌曰:“右更,主禮義。”《黃帝占》曰:“右更星不具,天下道不通。”焦延壽曰:“左更不動,右更獨動,王者私出;左右具動,王者千萬官出。”《甘氏贊》曰:“右更僕畜孕重犢駒也。”

甘氏はいう、右更是五つの星で、婁宿の西面に在り、婁宿の東面の左更と相対して列す。原書の小注にいう、右更は牛馬を牧養することを主管する官である。郗萌はいう、右更は礼義の道を主掌する。《黄帝占》にいう、右更の星数が全からなければ、天下の道路は通暢せず。焦延寿はいう、左更が動かずして右更が独り揺動すれば、君王が私に微行して宮を出るを主る。左更・右更が一斉に揺動すれば、君王が千百の官員を率いて出行するを主る。《甘氏賛》にいう、右更は僕役と畜牧を掌管し、母畜をして懐孕し牛犢・馬駒を多産せしむ。

軍南門星占 七十一

甘氏曰:“軍南門一星,在天將軍西南,大將軍之南門也。”《甘氏贊》曰:“軍門營壘,禁攻御暴。”

甘氏はいう、軍南門はただ一つの星で、位は天将軍星の西南に在り、大将軍の営塁の南に向かって開く正門である。《甘氏賛》にいう、軍門は営塁と相連なり、以て敵の進攻を禁絶し外来の暴乱を抵御す。

天潢星占 七十二

甘氏曰:“天潢五星,在五車中。”《合誠圖》曰:“天潢主河梁,所以渡神人,通四方。”《禮緯》曰:“潢星明,天子壽昌,萬民無疾疫災殃。”《甘氏贊》曰:“天潢濟渡,漸池濯高。”

甘氏はいう、天潢は五つの星で、五車星の中に在る。「潢」はもともと水を積む池塘を指す。《春秋合誠図》にいう、天潢は河上の橋梁を主掌し、以て神人を渡送し四方に通達す。《礼緯》にいう、潢星が明亮すれば、天子の長寿昌隆を主り、万民に疫病・災殃なし。《甘氏賛》にいう、天潢は人を渡して河を過ぐるを主管し、漸台の池水は高き処の洗濯に供すべし。

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