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歳星犯天紀 十一

唐 · 瞿昙悉达 · 第27巻 / 119

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

《文曜鉤》曰:“歲星犯守天紀,倖臣執權,有兵起,王者有憂。”

《文曜鈎》にいう、歳星が侵犯して併せて天紀を守住せば、寵幸を受くる近臣は権柄を把持し、戦事を興起せんとし、帝王はこれがために憂慮せん。天紀の九星は貫索の東に在り、万物のために綱紀を立て・是非を辨理するを主る。この星に変あれば、便ち綱紀の紊乱・権柄の旁落して寵幸の人の手裏に至るを主る。

歳星犯天織 十二

《黃帝占》曰:“歲星守織女,天下有女憂,有兵起,不出其年。”

《黄帝占》にいう、歳星が織女を守れば、天下に女子の方面の憂患あり、還って戦事を興起し、この一年を出でずして則ち応験せん。標目の稱する所の「天織」は則ち織女なり。織女の三星は天紀の東端に在り、これ天女の象徴にして、瓜果・絲帛と珍宝とを主り、故にそれが凌犯せられれば多く女事の上に応ず。

歳星犯天市 十三

郗萌曰:“歲星入天市中,五官有憂;一日赦。”巫咸日:“歲星入天市,諸侯有戮者,將相凶,期百八十日,若一年。”郗萌曰:“歲星入天市,諸侯有戮者;一日弊易。”《海中占》曰:“歲星入天市,五官有憂,若市驚;一日易市。”石氏曰:“歲星守天市,諸侯相謀,若國有兵憂。”郗萌曰:“歲星守天市,五穀大貴。”

郗萌がいう、歳星が天市の中に進入せば、五官の職に憂患あらん。別の一説には赦令あるなり。巫咸がいう、歳星が天市に進入せば、諸侯の中に殺戮せらるる者あり、将相は凶に遭い、期は一百八十日に応じ、あるいは一年なり。郗萌がいう、歳星が天市に進入せば、諸侯の中に殺戮せらるる者あらん。別の一説には銭幣の貶損・市易の変更するなり。《海中占》にいう、歳星が天市に進入せば、五官の職に憂患あり、あるいは市集は驚乱せん。別の一説には市場を改易するなり。石氏がいう、歳星が天市を守れば、諸侯は彼此に図謀し、あるいは国中に兵患の憂いあらん。郗萌がいう、歳星が天市を守れば、五穀の価銭は暴漲せん。天市垣は共に二十二星にして、権衡・度量と衆を聚めて交易するの事とを主り、故に占辞は多く市易と諸侯とを謂う。

歳星犯帝座 十四

石氏曰:“歲星犯帝座.,為臣謀主,有逆亂事。”《玄冥》曰:“歲星犯帝座,為臣謀主,天下亂,兵大起,不出年。”

石氏がいう、歳星が帝座を侵犯せば、臣下の君主を図謀するを主り、叛逆・作乱の事あらん。《玄冥》にいう、歳星が帝座を侵犯せば、臣下は君主を図謀し、天下は大乱し、大挙して兵を興し、一年を出でずして則ち応験せん。帝座の一星は天市垣の正中に居り、これ天子の座位なり、故におよそ五星の凌犯有れば、占辞は皆直ちに君臣の名分に指す。

歳星犯候星 十五

《海中占》曰:“歲星犯守候星,陰陽不和,五穀傷,人大飢,有兵起。”

《海中占》にいう、歳星が侵犯して併せて候星を守住せば、陰陽の二気は失調し、五穀は受損し、人々は大いに饑饉を鬧かし、還って戦事を興起せん。候星の一顆は帝座の東北に在り、陰陽を伺察し・気候を観望するを主り、故にそれが凌犯せられれば、先ず寒暑の序を失うと年成の歉収との上に応ず。

歳星犯宦者 十六

甘氏曰:“歲星犯宦者,左右輔臣誅,若戮死,期不出年。”

甘氏がいう、歳星が宦者を侵犯せば、君主の左右の輔弼の臣は誅せられ、あるいは殺戮に遭いて死し、期は一年を出でずに応ず。宦者の四星は帝座の西南に在り、君主の左右に侍奉する近侍の官を主り、故に応験は近臣の身に落つ。

歳星犯宗正 十七

石氏日:“歲星犯守宗正,左右群臣多死,若更政令,人主有憂。”

石氏がいう、歳星が侵犯して併せて宗正を守住せば、君主の左右の群臣は死亡多く、あるいはまさに政令を更改せんとし、君主はこれがために憂慮せん。宗正の二星は帝座の東南に在り、これ宗室の大夫の象徴にして、皇族の事務を掌管す。

歳星犯宗人 十八

石氏日產歲星犯守宗人,親族貴人有憂,若有死者;一日人主親宗有離絕者。”

石氏がいう、歳星が侵犯して併せて宗人を守住せば、皇親・貴戚に憂患あり、あるいは人ありて死亡せん。別の一説には君主の近親の宗族の中に往来を断絶し・離析して出去する者あるなり。宗人の四星は宗正の東に在り、親疎・遠近を記錄し・昭穆の次序を排列するを主る。原文「石氏日产」の中の「产」の字は、「曰」の下の引号の訛奪なり。

歳星犯宗星 十九

甘氏曰:“歲星犯守宗星,宗室之臣,有分離者。”

甘氏がいう、歳星が侵犯して併せて宗星を守住せば、宗室の出身の臣子の中に、分離・析出する者あらん。宗星の二星は候星の東に在り、宗廟の祭享の事を主り、宗正・宗人と同じく一類に属す、故に三条の占辞は皆宗族の聚散に囲繞して謂う。

歳星犯東西咸 二十

石氏曰:“歲星犯守東西咸,為有臣不從令、有陰謀。”

石氏がいう、歳星が侵犯して併せて東咸・西咸を守住せば、臣子ありて肯んじて政令に聽從せず、暗中に陰謀を懐くを主る。東咸・西咸は各々四星にして、分列して房宿の南北の両辺に在り、これ淫佚を防閑するの門戸の象なり、故にここに星象の変あれば、多く内外の私通と臣下の密謀とを主る。

歳星犯天江 二十一

巫咸曰:“歲星犯守天江,下有水;若入之,大水齊城郭,人民飢亡,左其鄉。”

巫咸がいう、歳星が侵犯して併せて天江を守住せば、地上に水患あらん。若しそれが天江の中に進入せば、大水はまさに城墻と斉平に漲り至らんとし、百姓は饑饉に因りて死亡し、已むを得ず井郷を背く(原文「左其鄉」の「左」は「去」の一類の字の訛写にして、則ち離去の意なり)。天江の四星は尾宿の北に在り、太陰の気を主り、また水を主り、故にこの一星は專ら水災に応ず。

歳星犯建星 二十二

陳卓曰:“歲星入建星,臣相譖。”石氏曰:“歲星入建星,諸侯有謀入關者,期六十日,若百五十日。”《文曜鉤》曰:“歲星守建星,關梁不通,天下大飢,人相食,期二年。”石氏曰:“歲星守建星,糴貴,人相食。”《海中占》曰:“歲星守建星,旱,死者甚眾,民大耗。”郗萌曰:“歲星守建星,天下多暴貴;一曰牛貴。”

陳卓がいう、歳星が建星に進入せば、臣子の間は互相に讒を進め誣陷せん。石氏がいう、歳星が建星に進入せば、諸侯の中に関に入らんと図謀する者あり、期は六十日に応じ、あるいは一百五十日なり。《文曜鈎》にいう、歳星が建星を守れば、関卡・橋梁は阻断して通ぜず、天下は大いに饑饉し、人は人を食らうに至り、期は两年に応ず。石氏がいう、歳星が建星を守れば、米価は上漲し、人は人を食らわん。《海中占》にいう、歳星が建星を守れば、天は旱し、死する人は極めて多く、民力は大いに耗損せん。郗萌がいう、歳星が建星を守れば、天下の物価は多く暴漲せん。別の一説には牛価の上漲するなり。建星の六星は南斗の北に在り、これ天子の都関にして、関梁の出入を主り、故に占辞は多く関津と粮価とを謂う。

郗萌曰:“歲星守建星,天下之人,有相食者以百數;一歲不發;三年乃發,三年不發,六年乃發;六年不發,九年乃發;郡國有坐之。”又占曰:“歲星守建星,為臣謀其主。”又占曰:“歲星守建星,地氣洩,貴人多死。”又占曰:“歲星守建星,歲水,民飢,有自賣者。”

郗萌がいう、歳星が建星を守れば、天下は人が相い食らうこと百を以て計せん。若し一年の内に發作せざれば、三年の上に發作す。三年發作せざれば、六年の上に發作す。六年發作せざれば、九年の上に終に發作せんとし、郡国の中は總じてこのために罪を獲る者あらん。別の一条の占語にいう、歳星が建星を守れば、臣下のその君主を図謀するを主る。又一条の占語にいう、歳星が建星を守れば、地気は外泄し、貴人は死亡多からん。再び一条の占語にいう、歳星が建星を守れば、この一年は水を發し、百姓は饑饉し、人ありて身を賣りて活を求めん。

歳星犯天弁 二十三

甘氏曰:“歲星犯天弁,若守之,則囚徒兵起;一日不穀不成,糴大貴,人民飢。”

甘氏がいう、歳星が天弁を侵犯し、あるいはそれを守住せば、則ち牢中の囚徒はまさに乱を作し兵を起こさんとす。別の一説には莊稼は長成せず、米価は暴漲し、百姓は餓に挨ぐるなり。天弁の九星は建星の北に在り、これ市場の交易を掌管する官吏の象なり、故にそれが凌犯せられればまた粮価と年成との上に応ず。

歳星犯河鼓 二十四

《齊伯五星占》曰:“歲星犯河鼓大將,若左右將有誅者,若守之,將有罪;以五色占之。”石氏曰:“歲星入守河鼓,諸侯之將出,大兵起,旗鼓用,人主憂,期一年。”

《斉伯五星占》にいう、歳星が河鼓の中央のあの顆の大将の星を侵犯し、あるいは左将・右将の両星を侵犯せば、人ありて誅せられん。若し歳星がそれを守住せば、将帥はまさに罪を獲んとす。具體の応験は還って歳星の呈する所の青・赤・黄・白・黒の五色に按じて判斷するを要す。石氏がいう、歳星が進入して併せて河鼓を守住せば、諸侯の将帥は出動し、大挙して兵を興し、旗鼓は斉しく鳴り、君主は憂慮し、期は一年に応ず。河鼓の三星は牽牛の北に在り、軍鼓・征伐の事を主る。

歳星犯離珠 二十五

石氏曰:“歲星犯離珠,宮中有事,若有亂宮者;若宮中人有罪黜者。”

石氏がいう、歳星が離珠を侵犯せば、宮中に事を出し、あるいは人ありて宮禁を擾乱せん。あるいは宮中の人に罪を獲て貶黜せらるる者あらん。離珠の五星は須女の北に在り、これ後宮の御女の佩ぶる珠玉の象徴なり、故にこの一星は專ら宮掖の事に応ず。

歳星犯匏瓜 二十六

《聖洽符》曰:“歲星守犯匏瓜,天下有憂,若有遊兵,各果責;一曰魚鹽貴,價十倍,不出其年。”

《聖洽符》にいう、歳星が守住して併せて匏瓜を侵犯せば、天下に憂患あり、あるいは到る処に遊蕩する散兵あり、各地は皆責罰を追究せんとす。別の一説には魚・鹽は価貴く、平常の十倍に漲り至り、この一年を出でずして則ち応験せん。匏瓜の五星は離珠の北に在り、後宮の用うる所の果実・蔬菜を主り、故に占辞は魚鹽・果蔬の貴賤に牽連す。

歳星犯天津 二十七

《海中占》曰:“歲星犯天津關,道絕不通,有兵起;若關吏有憂。”郗萌曰:“歲星守天津者,皆革也。”

《海中占》にいう、歳星が天津を侵犯せば、関津は断絶して通ぜず、戦事を興起せんとす。あるいは関を守る官吏に憂患あらん。郗萌がいう、歳星が天津を守れば、一概に変革を主る。天津の九星は銀河を横断し、これ水を渡るの橋梁・津渡の象なり、故にそれに変あれば便ち道路・関梁の通塞の上に応ず。

歳星犯螣蛇 二十八

甘氏曰:“歲星守螣蛇,天子前驅凶;若奸臣有誅,前驅為害。”

甘氏がいう、歳星が螣蛇を守れば、天子の前導・先鋒は凶に遭わん。あるいは奸臣は誅せられて、而して前導を担任する人は反りて禍害と成らん。螣蛇の二十二星は営室の北に在り、これ水虫の象にして、水中の物と妖異の事とを主る。

歳星犯王良 二十九

石氏曰:“歲星守王良,為有兵。”《齊伯五星占》曰:“歲星犯守王良,天下有兵,諸侯放強臣謀主,期不出年。”

石氏がいう、歳星が王良を守れば、戦事あるを主る。《斉伯五星占》にいう、歳星が侵犯して併せて王良を守住せば、天下に戦事あり、諸侯は放縦・不法にして、強横の臣は君主を図謀し、期は一年を出でずに応ず。王良の五星は奎宿の北に在り、王良はもと古の善く車を駕する人にして、この星は天子の車騎を主り、故に凌犯せられれば多く兵車・戎事の上に応ず。

歳星犯閣道 三十

石氏曰:“歲星犯閣道絕漢者,為九州異政,各主其王,天下有兵,期二年。”

石氏がいう、歳星が閣道を侵犯して銀河を横断せば、九州の政令は各々その是を行い、各自にその君王を尊奉し、天下に戦事あり、期は两年に応ずるを主る。閣道の六星は王良の近旁に在り、これ天子の車駕の紫宮に出入するの複道なり。この道の犯せらるるは、正しく上下の往来の阻隔し・政の多門より出づるを象徴す。

歳星犯附路 三十一

石氏曰:“歲星守附路,大僕乃罪,若有誅;一曰馬多死,道無乘馬者。”

石氏がいう、歳星が附路を守れば、太僕はまさに罪を獲んとし、あるいは誅せられん。別の一説には馬匹の大量に死亡し、路上に馬を騎る人を見ざるなり。附路の一星は閣道の旁に在り、これ閣道の輔路にして、車馬の政と相関す、故に応験は輿馬を掌管する太僕の身に落つ。

歳星犯天大将軍 三十二

郗萌曰:“歲星入天將軍者,吉。”石氏曰:“歲星守犯天將軍,為大將死,若誅。”

郗萌がいう、歳星が天大将軍に進入せば、吉を主る。石氏がいう、歳星が守住して併せて天大将軍を侵犯せば、大将の死亡しあるいは誅せらるるを主る。天大将軍の十一星は婁宿の北に在り、正中のあの顆の大星は便ち大将にして、其の余は偏将と吏士と為る、故にここに星象の変あれば、直ちに軍中の主帥に応ず。

歳星犯大陵 三十三

石氏曰:“歲星入大陵,國有大喪,大臣有誅,若戮死:人民死者大半,皆不出其年。”《荊州占》曰;“歲星乘大陵,天下盡喪,死人如嶽。”

石氏がいう、歳星が大陵に進入せば、国中に大丧あり、大臣は誅せられ、あるいは殺戮に遭いて死せん。百姓は大半を死掉し、これらは皆この一年を出でずして便ち応験せん。《荊州占》にいう、歳星が大陵を凌乗せば、天下は到る処丧事あり、死人は堆積して山岳のごとく成らん。大陵の八星は胃宿の北に在り、これ陵墓・積尸の象徴にして、その中に別に積尸の一星あり、故にこの一処は專ら死丧に応ず。

歳星犯天船 三十四

郗萌曰:“歲星守天船,皆革也。”《聖洽符》曰:“歲星入守天船,兵大起,舟船用,有亡國,期不出年。”

郗萌がいう、歳星が天船を守れば、一概に変革を主る。《聖洽符》にいう、歳星が進入して併せて天船を守住せば、大挙して兵を興し、舟船はまさに動用せられ、国家の滅亡するあらん、期は一年を出でずに応ず。天船の九星は大陵の北・銀河の中に在り、水を渡ると舟楫の事とを主り、故にそれに変あれば便ち水戦と漕運との上に応ず。

歳星犯卷舌 三十五

石氏曰:“歲星乘捲舌,天下多喪。”又占曰:“歲星入守捲舌,有佞臣謀其君,以口舌為害,人主有憂。”

石氏がいう、歳星が卷舌を凌乗せば、天下は丧事甚だ多からん。別の一条の占語にいう、歳星が進入して併せて卷舌を守住せば、奸佞の臣ありてその君主を図謀し、一張の嘴を憑にして是非を搬弄して禍害を造成し、君主はこれがために憂慮せん。卷舌の六星は昴宿の北に在り、口舌・讒言を主り、故に占辞は專ら讒佞の小人に応ず。

歳星犯五車 三十六

石氏曰:“歲星犯五車,大早,若有喪;一曰犯庫星,兵起北方,若西方,犯倉星,穀貴,若有水。”《海中占》曰:“歲星入五車,兵大起,車騎行,五穀不成,天下民飢:若軍絕糧。”郗萌曰:“歲星入五車,向其傍,糴石三百;當其門,糴石五百;入其中,糴千錢。”

石氏がいう、歳星が五車を侵犯せば、大旱す(原文「大早」は「大旱」の訛字なり)、あるいは丧事あらん。別の一説には五車の中の庫星を侵犯するは、北方に兵を興し、あるいは西方に兵を興す。若し倉星を侵犯せば、穀価は上漲し、あるいは水患あらん。《海中占》にいう、歳星が五車に進入せば、大挙して兵を興し、車騎は出動し、五穀は長成せず、天下の百姓は饑饉せん。あるいは軍中は粮草を断絶せん。郗萌がいう、歳星が五車に進入し、それの旁に靠近せば、米価は一石三百銭ならん。それの門戸に正しく当たれば、米価は一石五百銭ならん。それの中間に深入すれば、米価はまさに一千銭に要到せん。五車の五星は畢宿の東北に在り、天子の兵車を主り、その中にまた分列して庫・倉などの星ありて粮械を主る。

《荊州占》曰:“歲星入五車庫,天下兵起:一曰若有水。”《孝經右秘》曰:“歲星入五車,王義絕,亂帝家。”石氏曰:“歲星中犯乘五車,若入天庫,以飢起兵。”《荊州占》曰:“歲星入五車中,犯乘守天庫星,水飢兵起。”

《荊州占》にいう、歳星が五車の中の庫星に進入せば、天下は兵を興さん。別の一説には水患あらん。《孝経右秘》にいう、歳星が五車に進入せば、帝王は道義を断絶し、皇家を攪乱せん。石氏がいう、歳星が正中より侵犯・凌乗して五車し、あるいは天庫の星に進入せば、饑饉に因りて兵を起こさんとす。《荊州占》にいう、歳星が五車の中に進入し、侵犯・凌乗して併せて天庫の星を守住せば、水災・饑饉と戦事とは一斉に興起せん。

歳星犯天閼 三十七

石氏曰:“歲星守天闋,臣謀主,若大臣有不道者;有兵起,期二年。”郗萌曰:“星守天闋,為貴人多死。”《海中占》曰:“歲星守犯天闋,道絕,天下相疑,有闋梁之令。”

石氏がいう、歳星が天閼を守れば、臣下は君主を図謀し、あるいは大臣の中に事を行うこと道義に合わざる者あらん。戦事を興起せんとし、期は两年に応ず。郗萌がいう、歳星が天閼を守れば、貴人は死亡多からん。《海中占》にいう、歳星が守住して併せて天閼を侵犯せば、道路は断絶し、天下は互相に猜疑し、関梁を封閉するの政令あらん。天閼は則ち天関にして、畢宿と東井との間に在り、これ日月・五星の往来の門戸にして、関梁の通塞を主る。

(案《宋書,天文志》曰:晉康帝建元元年,歲星犯天闋,安西將軍庾翼與兄水書曰:歲星犯天闋,占雲;闋梁當混塞,比來江東無他,故江道亦不艱,而石唐頻年閉關,夫關閉不通信使,此復是天公憒憒,無皂白之徵。)石氏曰:“歲星守天闋,歲水,民飢,有自賣者。”郗萌曰:“歲星行不從天闋,不出其年,有兵。”

原書小注の考證に《宋書・天文志》を引いていう、晋の康帝・建元元年、歳星は天閼を侵犯せり。安西将軍・庾翼は兄・庾冰(原文は「兄水」と作る、「水」は「冰」の訛字なり)に書を与えていう、歳星が天閼を犯すは、占辞は関梁の当に阻塞すべきを講ず。近來江東は併して別の変故なく、故に長江の水道もまた艱険ならず、倒さに北方の石氏の政権(原文は「石唐」と作る、字に訛あり)は連年関を閉ぐ、と。関口は一封ぜられれば、信使に連なりても皆通ぜず、これまた老天の糊塗と算す可く、給出するの徴兆は黑白を分かつ能わざるなり。石氏がいう、歳星が天閼を守れば、この一年は水を發し、百姓は饑饉し、人ありて身を賣りて活を求めん。郗萌がいう、歳星の運行が天閼の常道を循らざれば、この一年を出でずして、戦事あらん。

歳星犯南河・北河戍 三十八

石氏曰:“歲星行南河戍中,為四方兵起,百姓疾病。”《黃帝占》曰:“歲星乘南河戍,若出南河南,為中。”石氏曰;“歲星守南河,蠻夷兵起,邊戍有憂;若有旱災,人民飢。”郗萌曰:“歲星守天高,天下赦。歲星逆行天高,其君齋戒不謹。”

石氏がいう、歳星が南河戍の中を経行せば、四方の兵を興すを主り、百姓は病を生ぜん。《黄帝占》にいう、歳星が南河戍を凌乗し、あるいは南河の南面より出づれば、応験は中原に落つ。石氏がいう、歳星が南河を守れば、蛮夷は兵を興し、辺境の戍卒に憂患あらん。あるいは旱災ありて、百姓は餓に挨がん。郗萌がいう、歳星が天高の星を守れば、天下は大赦す。歳星が天高の星にて逆行せば、あの君主は斎戒の恭謹たるを足らざるなり。南河・北河は各々三星にして、分列して東井の南北に在り、これ上天の関門にして、辺塞を防禦するを主る。

《黃帝占》曰:“歲星若留止守南河戍,為百姓疾病;一曰為旱。歲星行南河戍中,若留止南河戍,皆為喪。歲星出北河,若乘北河戍,為女喪。”《黃帝占》曰:“歲星乘北河戍,若出北河戍北,外國王死。”

《黄帝占》にいう、歳星若し南河戍に停留・驻守せば、百姓の病を生ずるを主る。別の一説には乾旱を主る。歳星が南河戍の中を経行し、あるいは南河戍に停留すれば、皆丧事を主る。歳星が北河より出で、あるいは北河戍を凌乗せば、女子の丧を主る。《黄帝占》またいう、歳星が北河戍を凌乗し、あるいは北河戍の北面より出づれば、外邦の君王はまさに死せんとす。南北の両河は一南一北にして東井を夾住す、故に同じく一顆の歳星にして、出入の方位は相同じからず、応験は便ち分かちて百姓・女子と外邦の王とに属す。

《玄冥占》曰:“歲星守北河,朔方兵動:若守之三十日不下,北兵敗:若北主死,天下大水,人民飢,期不出二年。”巫咸曰;“歲星守北河,大臣有憂,若邊臣有罪,若有戮死者。”郗萌曰:“歲星經南河之南,刑法復暴,誅伐不當:經北戍之北,以女子、金錢、貪色、奢侈、失治道;近期三年,中期六年,遠期九年,而災至。”

《玄冥占》にいう、歳星が北河を守れば、北方の朔方の一帯は兵馬を調動せん。若し守候して三十日も還って離れざれば、北方の軍隊は敗績せん。あるいは北方の主は死亡し、天下は大水を發し、百姓は饑饉し、期は两年を出でずに応ず。巫咸がいう、歳星が北河を守れば、大臣に憂患あり、あるいは邊将は罪を獲、あるいは殺戮せられて死する者あらん。郗萌がいう、歳星が南河以南を経行せば、刑法は重ねて殘暴と為り、誅殺・征伐はその当を得ざらん。北河戍以北を経行せば、則ち女色・金銭・貪淫・奢侈に因りて治国の道を喪失せん。近きは三年、中は六年、遠きは九年にして、災禍は則ち到来せんとす。

《黃帝占》曰:“歲星出北河戍間,若留守北,若居南戍間,若守兩間,為天下有難,起道不通。”《荊州占》曰:“歲星守兩河間,天下乖離,道路不通。”郗萌曰:“歲星有不行入天闋間,為喪。”

《黄帝占》にいう、歳星が北河戍の間より出で、あるいは停留して北辺に守り、あるいは南戍の間に居り、あるいは南北の両河の当中に守れば、皆天下に難あり・道路は阻断して通ぜざるを主る。《荊州占》にいう、歳星が南北の両河の間に守れば、天下は乖違・離散し、道路は通ぜざらん。郗萌がいう、歳星が常道を循らずして天閼の間に進入せば、丧事を主る。

歳星犯五諸侯 三十九

石氏曰:“歲星犯五諸侯,若守之,兵大將,將七出,諸侯有憂,若有死者,”巫咸日:“歲星入五諸侯,伺其出日而數之,若二十日,兵發;伺始入處之率,一日期十日,軍罷。”

石氏がいう、歳星が五諸侯を侵犯し、あるいはそれを守住せば、まさに兵を興し将を拜し、将帥は屡屡出征せんとす(原文は「将七出」と作る、「七」の字に訛あり)、諸侯に憂患あり、あるいは人ありて死亡せん。巫咸がいう、歳星が五諸侯に進入し、それの出づるあの日より起算して、若し二十日に到れば、兵事は発動せん。再びそれの当初の進入の位置に照らして推せば、別の一説には期十日に応じて軍隊は解散す。五諸侯の五星は東井以北に在り、これ諸侯の封を受け位に列するの象徴なり。

《玄冥占》曰:“歲星守北諸侯,臣有謀主者;若議臣不忠,若有罪黜.,期一年。”石氏日:“歲星中犯乘守五諸侯,兵死,期三年。”郗萌曰:“歲星中犯乘守五諸侯,為所中乘守者誅,若有殃,期三年,兵發。”

《玄冥占》にいう、歳星が北面の諸侯の星を守れば、臣下ありて君主を図謀せん。あるいは参議の臣子は忠ならず、あるいは罪を獲て貶黜せらるる者あり、期は一年に応ず。石氏がいう、歳星が正中より侵犯・凌乗して併せて五諸侯を守住せば、人ありて兵事に死するを主り、期は三年に応ず。郗萌がいう、歳星が正中より侵犯・凌乗して併せて五諸侯を守住せば、それに犯され・乗ぜられ・守られたるあの一位はまさに誅せられ、あるいは禍殃に遭遇し、期は三年に応じて兵事は発動せん。

歳星犯積水 四十

巫咸曰:“歲星犯守積水,其國有水災,物不成,魚鹽貴:一曰以水為敗,糴大貴,人民飢,期二年。”

巫咸がいう、歳星が侵犯して併せて積水を守住せば、あの国家に水災あり、作物は長成せず、魚鹽は価貴からん。別の一説には水に因りて敗亡を致し、米価は暴漲し、百姓は餓に挨ぎ、期は两年に応ず。積水の一星は北河の西北に在り、水を蓄えて以て釀造・祭享に供するを主り、故にそれが凌犯せられれば專ら水患と魚鹽の貴賤とに応ず。

歳星犯積薪 四十一

甘氏曰:“歲星守積薪,天下大旱,五穀不登,人民飢亡。”

甘氏がいう、歳星が積薪を守れば、天下は大旱し、五穀は歉収し、百姓は饑饉に因りて死亡せん。積薪の一星は積水の東に在り、庖厨に供する柴薪を主り、積水と恰も一水一火の對を成す、故にこの一星の犯せらるるは反りて旱災の上に応ず。

歳星犯水位 四十二

郗萌曰:“歲星犯水位,大水:一曰出其南,大旱。”石氏曰:“歲星犯守水位,天下以水為害,津關不通;一曰大水入城郭,傷人民,皆不出其年。”

郗萌がいう、歳星が水位を侵犯せば、大水を發するを主る。別の一説にはそれが水位の南面より出づるは、大旱を主る。石氏がいう、歳星が侵犯して併せて水位を守住せば、天下は水患の害を受け、渡口・関卡は通ぜざらん。別の一説には大水は城郭に灌入して、百姓を傷害し、これらは皆この一年を出でずして則ち応験せん。水位の四星は東井以東に在り、水衡と河渠・溝洫の事とを主る。

歳星犯軒轅 四十三

郗萌曰:“歲星出東陵,有青龍出左右,若宮中者。”石氏曰:“歲星在軒轅中,有以女子請人君者。”《黃帝占》曰:“歲星行軒轅中,犯女主,女主失勢,(失勢者,憂喪也。)列大夫有放逐者,五官有不治者,色悴為憂,為疾,其所中犯乘守者,誅:若有罪。歲星中犯女主者,皆為女主當之,其守犯女主,女主有憂。”

郗萌がいう、歳星が東陵より出づれば、青龍の気ありてそれの左右に出現し、あるいは宮中に出現せん。石氏がいう、歳星が軒轅の中に処れば、人ありて女子を借りて君主に向かい請託せんとす。《黄帝占》にいう、歳星が軒轅の中を経行し、女主の星を侵犯せば、女主は勢を失わん(原書小注:いわゆる失勢は、則ち憂患と丧事とあるなり)。列位の大夫の中に放逐せらるる者あり、五官の中に職を失い治めざる者あらん。星の色は枯槁・憔悴すれば憂患を主り・疾病を主る。およそそれに正中より侵犯・凌乗・守住せられたるあの一位は、まさに誅殺せられ、あるいは罪を獲んとす。歳星が正中より女主の星を侵犯せば、一概に女主に由りて承当せん。それが守住して併せて女主の星を侵犯せば、女主は便ち憂患あらん。軒轅の十七星は七星の北に在り、これ黄龍の体にして、后妃の位を主る。

(案《宋書天文志》曰:宋元嘉十四年七月辛卯,歲星入軒轅,其後皇后袁氏崩。)《荊州占》曰:“歲星守軒轅,女后有以子諍者。”巫咸曰:“歲星行犯守軒轅,女主失政,若失勢:一日大臣當之,若有黜者,期二年。”

原書小注の考證に《宋書・天文志》を引いていう、宋の元嘉十四年七月辛卯、歳星は軒轅に進入し、此より後皇后・袁氏は去世せり。《荊州占》にいう、歳星が軒轅を守れば、皇后はまさに兒子の事のために人と争執せんとす。巫咸がいう、歳星が経行・侵犯して併せて軒轅を守住せば、女主は執政の権を喪失し、あるいは勢を失わん。別の一説には災の応は大臣の身に落ち、あるいは貶黜せらるる者あり、期は两年に応ず。

《玉曆》曰:“歲星犯守軒轅,女主有憂,其君失政,威令不行,後宮不安,期一年。”(司馬彪《天文志》曰:考桓延熹七年八月庚申。歲星犯軒轅大星,八年二月癸亥,皇后鄧氏坐執左道,廢,遷於祠宮,死。)

《玉暦》にいう、歳星が侵犯して併せて軒轅を守住せば、女主に憂患あり、あの君主は政柄を失去し、威令は推行して下らず、後宮は安寧を得ず、期は一年に応ず。原書小注に司馬彪《天文志》を引いていう、漢の桓帝・延熹七年八月庚申を考るに、歳星は軒轅の大星を侵犯せり。八年二月癸亥、皇后・鄧氏は左道・巫蠱を行うに因りて罪を獲て、廢黜せられ、祠宮に遷往し、随い後死去せり、と。

石氏曰:“歲星入軒轅中,犯乘守之,有逆賊,有火災。歲星犯乘守軒轅太民星,大飢,大流,太后宗有誅者,若有罪;中犯乘守少民星,小飢,小流,皇后宗有誅者,若有罪。”《荊州占》曰:“歲星中犯乘守軒轅左右角,皆為大臣當之。”

石氏がいう、歳星が軒轅の中に進入し、侵犯・凌乗して併せてそれを守住せば、叛逆の賊人あらんとし、また火災あらん。歳星が侵犯・凌乗して併せて軒轅の太民の星を守住せば、大饑饉・大批の流亡を主り、太后の一族の中に誅せらるる者あり、あるいは罪を獲る者あらん。正中より侵犯・凌乗して併せて少民の星を守住せば、小饑饉・小批の流亡を主り、皇后の一族の中に誅せらるる者あり、あるいは罪を獲る者あらん。《荊州占》にいう、歳星が正中より侵犯・凌乗して併せて軒轅の左角・右角の両星を守住せば、一概に大臣に由りて災の応を承当せん。

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