Libo

月蝕変色 六

唐 · 瞿昙悉达 · 第19巻 / 119

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

《荊州占》曰:“月蝕青色,人民多死者,五穀有傷,糴且大貴,望之下賤,皆不出一年,各為其國災;月蝕赤色者,君為客,不出其年;蝕黃色者,不出其年,有立諸侯為國者;月蝕白色,其國失地,若有喪。”

《荊州占》にいう、月食の時に月色が青を発すれば、百姓の死亡多く、五穀は受損し、米価はまさに大いに漲り、眼を瞬かすにまた跌落し下がるを主り、これらはいずれも一年を出でずして応験し、各々分野によって相応の国に帰属す。月食の時に月色が赤を発すれば、国君の出で居りて客と為るを主り、当年を出でずして応験す。月食の時に月色が黄を発すれば、当年を出でずして冊立せられて諸侯と為りて国を開く人あるを主る。月食の時に月色が白を発すれば、その国の土地を喪失するを主り、あるいは丧事あり。

《荊州占》曰:“月蝕盡者,糴貴,各為國。月已蝕而青者,為憂;月已蝕而赤者,為兵;月已蝕而黃者,為財;月已蝕而白者,為喪;月已蝕而黑者,為水。”(蕭子顯《齊書》曰:“永泰元年正月乙亥,月蝕,色赤如血,二日而大司馬王敬則舉兵反。)

《荊州占》にいう、月が食い尽くされれば、米価の騰貴するを主り、各々分野によって相応の国に帰す。月食過ぎて復た円にして月色が青を発すれば、憂患あるを主る。食後に色赤なれば、兵事あるを主る。食後に色黄なれば、財貨の利あるを主る。食後に色白なれば、丧事あるを主る。食後に色黒なれば、水災あるを主る(原書小注に蕭子顕《南斉書》を引く:斉の明帝・永泰元年正月乙亥の日、月食あり、月色は赤紅にして血のごとし、両日を過ぎて、大司馬・王敬則はすなわち兵を起こして反叛せり、と)。

月蝕而暈斗月併蝕 七

京房《易飛候》曰:“月暈蝕殃祥;得其日者吉,得其時者凶。”石氏曰:“月蝕而暈,其國君主惡之。”《荊州占》曰:“月暈而蝕,人相食。”石氏曰:“月斗薄而蝕,有軍必戰,無兵兵起。”石氏曰:“兩月並蝕,天下大亂。”

京房《易飛候》にいう、月暈と月食との主る禍福は、それの出現する時日を看るを要す。当有の日に応ずるは吉と為し、ただ当有の時辰に赶上るは凶と為す。石氏がいう、月食の時にまた暈圏を生出せば、その分野の国の国君の凶事に遭遇するを主る。《荊州占》にいう、月が先に暈を生じて後に亏蝕すれば、人相食の大飢饉を主る。石氏がいう、両月が相闘い・光色は薄暗にしてまた亏蝕すれば、已に軍隊あるは必ず交戦し、兵事なきもまた兵を興すを主る(「斗月」とは両月の併見して相薄するの異象を指す)。石氏がいう、両個の月が一同に亏蝕すれば、天下の大乱を主る。

月蝕雲気入月中又有風雨 八

《荊州占》曰:“月蝕,有氣從外來,入月中,主人凶,氣從中出,客凶,氣南行,南軍凶;北東西者亦然。”

《荊州占》にいう、月食の時、雲気ありて外面より侵来し・月体の中に進入すれば、拠守する一方の凶を主る。雲気が月体の中より外に透出すれば、遠来進攻の客方の凶を主る。雲気が南に向かいて行けば、南面の軍隊の凶を主る。北・東・西に向かいて行くも、またこれに照らして類推し、各々あの一方の軍隊の遭凶するを主る。

月一月再蝕 九

《帝覽嬉》曰:“軍在外,一月而再蝕,將還兵其國,戰不勝。”

《帝覧嬉》にいう、軍隊がまさに境外に在りて、一か月の内に接続して两度月食が発生すれば、将帥はまさに班師して国に帰るを主り、作戦は勝を得る能わず(一月に两食するはもと常理に非ず、古人はこれを極重の凶兆と視す)。

月未望而蝕 十

石氏曰:“月生三日而蝕盡,是謂大殃,國有喪。”甘氏曰:“月生十日至十四日而蝕,天下兵起。”(如望在十四,依垣占。)石氏曰:“十五日出而蝕,國破滅亡。”(如望在十五亦然。)

石氏がいう、月が初生の第三日にして全部食い尽くさるるは、これを「大殃」と謂い、国家に丧事あるを主る。甘氏がいう、月の初生の後の第十日より第十四日の間に亏蝕が発生すれば、天下の兵を興すを主る(原書小注:若しこの月の望日が正しく十四に落つれば、常法によって推占す)。石氏がいう、十五日に月の出づる時に亏蝕が発生すれば、国家の破敗・滅亡を主る(原書小注:若し望日が正しく十五に落つれば、またこのごとく推占す)。

月四時蝕 十一

京氏曰:“月春蝕,歲惡,將軍死,一曰有憂;夏蝕,旱,憂殺;秋蝕,羌兵起;冬蝕,其國飢,有女喪。”京房《易候》曰:“月春蝕,有憂;夏蝕,有兵起,民無有一月糧,糴貴。《荊州占》曰:“孟春月蝕,賤人當之;仲春蝕,貴人當之;季春蝕,人主當之。”

京房がいう、月食が春に発生すれば、年成の凶悪を主り、将軍は死亡し、別の一説にはただ憂患あるを主るのみ。夏に発生すれば、天旱を主り、刑殺に憂う。秋に発生すれば、西羌の兵の興起するを主る。冬に発生すれば、その国の飢饉し・女子の丧事あるを主る。京房《易候》にいう、月食が春に在れば、憂患あるを主る。夏に在れば、兵を興すを主り、百姓は一か月の口粮さえなく、米価は騰貴す。《荊州占》にいう、孟春月に月食が発生すれば、地位卑下の人に由りて災応を承当せしむ。仲春月に発生すれば、顕貴の人に由りて承当せしむ。季春月に発生すれば、君主に由りて承当せしむ。

《帝覽嬉》曰:“月春蝕東方,王死之;夏蝕南方,王死之;季夏蝕中央,王死之;秋蝕西方,王死之;冬蝕北方,王死之,國以謀亡。”《荊州占》曰:“月夏蝕南方,歲飢;秋蝕西方,兵起。”

《帝覧嬉》にいう、春に月食して月が正しく東方に在れば、君王がこれがために死するを主る。夏に月食して月が南方に在れば、君王がこれがために死するを主る。季夏に月食して月が中央に在れば、君王がこれがために死するを主る。秋に月食して月が西方に在れば、君王がこれがために死するを主る。冬に月食して月が北方に在れば、君王がこれがために死するを主り、国家は内部の図謀をもって亡ぶ(四時は各々一方に配し、蝕してその方位に当たれば、則ち災応は最も重し)。《荊州占》にいう、夏に月食して月が南方に在れば、年成の飢荒を主る。秋に月食して月が西方に在れば、兵を興すを主る。

月十二月蝕 十二

《荊州占》曰:“正月蝕,有災異蟲。一曰燕受災,期在七月之後。”《帝覽嬉》曰:“正月月蝕,賤人病,糴石二千;二月月蝕,貴人病,糴石二千;三月月蝕,人主當之,糴石四千;四月月蝕,人主當之;五月月蝕,年飢;六月月蝕,赤地千里;七月月蝕,有兵;八月月蝕,兵罷;九月月蝕,年飢;一曰有戰;十月月蝕,藏谷,一曰起軍;十一月月蝕,有喪,兵圍城夏,軍殺將;十二月月蝕,不盡,是謂當其數,不占。”

《荊州占》にいう、正月に月食が発生すれば、虫類の災異あるを主る。別の一説には燕地の災を受くるを主り、期は七月以後に応ず。《帝覧嬉》にいう、正月の月食は、地位卑下の人の患病を主り、米価は石あたり二千銭。二月の月食は、顕貴の人の患病を主り、米価は石あたり二千銭。三月の月食は、君主に由りて災応を承当せしめ、米価は石あたり四千銭。四月の月食は、君主に由りて承当せしむ。五月の月食は、年成の飢荒を主る。六月の月食は、赤地千里を主る。七月の月食は、兵事あるを主る。八月の月食は、兵を罷むを主る。九月の月食は、年成の飢荒を主り、別の一説には戦事あるを主る。十月の月食は、糧穀を囤積するを主り、別の一説には兵を興すを主る。十一月の月食は、丧事あり・敵兵は城を囲み・軍中は主将を誅殺するを主る。十二月に月食して食い尽くさざれば、これを正しくその常数に合すと謂い、占断するを必とせず。

《荊州占》曰:“正月月蝕,歲災。上旬蝕;旱,中旬蝕,蟲;下旬蝕,賤人死。”《荊州占》曰:“十二月月蝕,吳國受災,期六月;一曰有流民,盡乃以日辰占其野。”《荊州占》曰:“十二月月蝕,來年國有大事,小兵起。”

《荊州占》にいう、正月に月食が発生すれば、この年に災あるを主る。上旬に発生するは、旱を主る。中旬に発生するは、虫害を主る。下旬に発生するは、地位卑下の人の死亡を主る。《荊州占》にいう、十二月に月食が発生すれば、呉地の災を受くるを主り、期は六月に応ず。別の一説には流民あるを主り、食い尽くすの時を待ち、再び当日の干支によって応ずる分野を推占す。《荊州占》にいう、十二月に月食が発生すれば、来年に国家の大事あり、小規模の兵事の興起あるを主る。

月十干蝕 十三

《洛書》曰:“月以甲乙日蝕,年多魚;丙丁日蝕,年飢;一曰年穀收。戊己日蝕,無耕下田;庚辛日蝕,高田不入,凶;壬癸蝕,其歲和美。司馬遷《天官書》曰:“月蝕甲乙,四海之外,不占;丙丁,淮海,岱也,戊己、中州,河濟也;庚辛、華山以南;壬癸,恆山以北;月蝕皆將軍當之。”

《洛書》にいう、月食が甲乙日に発生すれば、この年に魚多きを主る。丙丁日に発生すれば、年成の飢荒を主り、別の一説には反りて年穀の収あるを主る。戊己日に発生すれば、低窪の下田は耕種する法なきを主る。庚辛日に発生すれば、高処の田地は粒も倉に入らず、年成は凶悪を主る。壬癸日に発生すれば、この年に風調り雨順ぐを主る。司馬遷《史記・天官書》にいう、月食が甲乙日に在れば、災応は四海の外に在り、占断するを必とせず。丙丁日に在れば、淮河・東海と泰山の一帯に応ず。戊己日に在れば、中原の腹地と黄河・済水の間に応ず。庚辛日に在れば、華山以南に応ず。壬癸日に在れば、恒山以北に応ず。およそ月食は、いずれも将軍に由りて災応を承当せしむ。

南方蝕 十四

《荊州占》曰:“蝕辰巳地,來年麥傷,春蟲;蝕千未地,禾稼少實,麥夏傷。”

《荊州占》にいう、月食が辰・巳の両個の方位の対する分野に発生すれば、来年の麦子の受損し・春に虫を生ずるを主る。月食が午・未の両個の方位の対する分野に発生すれば、禾稼の結実の稀少・麦子は夏に受損するを主る(本節の標目「南方蝕」とは、辰巳午未のこの一段の偏南の天区を指す。底本は「午」を「千」に訛作す)。

月行五星暈而蝕 十五

甘氏曰:“月行宿歲星而蝕,民相食,粟石千文,司農憂。”《荊州占》曰:“月暈歲星而蝕,天下大戰。”甘氏曰:“月行宿熒惑而蝕,天下破亡,有憂;期不出三年。”《荊州占》曰:“月犯熒惑,暈而蝕,天下破亡,失地,大將有憂,期不出三年。”《帝覽嬉》曰:“月犯熒惑,暈而蝕,天下破亡地,大將有憂;蝕盡者,王位也;不盡者,大臣位也;近期三月,遠期三年。”

甘氏がいう、月が運行して歳星と同宿の処に至りて亏蝕が発生すれば、百姓の飢餓して人相食むに至り・粟米は石あたり一千文・銭穀を掌る大司農はこれがために憂労するを主る。《荊州占》にいう、月暈が歳星を籠罩してまた月食が発生すれば、天下に大戦あるを主る。甘氏がいう、月が運行して熒惑と同宿の処に至りて亏蝕が発生すれば、天下の破敗・滅亡し・憂患ありを主り、期は三年を出でずに応ず。《荊州占》にいう、月が熒惑を侵犯し、既に暈を生じまた亏蝕すれば、天下の破敗・滅亡し・土地を喪失し・大将に憂患あるを主り、期は三年を出でずに応ず。《帝覧嬉》にいう、月が熒惑を侵犯し、既に暈を生じまた亏蝕すれば、天下の破敗・失地し・大将に憂患あるを主る。若し月が食い尽くさるれば、災応は王者の位に在り。食して尽くさざれば、災応は大臣の位に在り。近き期は三か月、遠き期は三年。

甘氏曰:“月行宿填星而蝕,其國以伐,飢亡。”《巫咸占》曰:“月當填星而蝕,其國有土功之事。”甘氏曰:“月行宿太白而蝕,強國戰,不勝亡城,大將有兩心;不出三年。”《荊州占》曰:“月宿太白,暈而蝕,其國有強兵,若戰而亡。”甘氏曰:“月行宿辰星而蝕,其國有女亂而亡國;期三年,若五年。”

甘氏がいう、月が運行して填星と同宿の処に至りて亏蝕が発生すれば、その国の征伐を遭うをもって飢饉・敗亡するを主る。《巫咸占》にいう、月が正しく填星に対して亏蝕が発生すれば、その国に土木・工役の事あるを主る。甘氏がいう、月が運行して太白と同宿の処に至りて亏蝕が発生すれば、強国の交戦し、勝を得る能わずして城池を丢失し、大将は二心を懐くを主り、期は三年を出でずに応ず。《荊州占》にいう、月と太白とが同宿し、既に暈を生じまた亏蝕すれば、その国の強兵を擁するも、あるいは交戦をもって覆亡せんとするを主る。甘氏がいう、月が運行して辰星と同宿の処に至りて亏蝕が発生すれば、その国の女子の作乱をもって国を亡ぼすを主り、期は三年に応じ、あるいは五年。

月在東方七宿而蝕 十六

石氏曰:“月蝕在角、亢,刑法之臣有當黜者。”《黃帝占》曰:“月入角而蝕,將使有憂,國門四閉,其邦凶。”陳卓曰:“月蝕於角,其君死。”甘氏曰:“月在亢中蝕,其君邦有憂。”《黃帝占》曰:“蝕在氐中,天子憂疾;一曰妃后憂疾。”石氏曰:“月在氐中蝕,大臣死,後惡之;一曰後宮惡之;王者復禮,以赦除之。”

石氏がいう、月食が角宿・亢宿に発生すれば、刑法を執掌する臣子の中に当に罷黜せらるべき者あるを主る(本篇は月食の所在する宿次によって分かちて占い、各宿の主る官職と災応とは同ならず)。《黄帝占》にいう、月が角宿に入りて亏蝕が発生すれば、将帥と使臣とに憂患あり、都城は四門緊閉し、その邦国に凶事あるを主る。陳卓がいう、月食が角宿に発生すれば、その分野の国の国君の死を主る。甘氏がいう、月が亢宿の中にて亏蝕すれば、その国の国君と邦国とに憂患あるを主る。《黄帝占》にいう、月食が氐宿の中に発生すれば、天子の疾病に憂うるを主る。別の一説には妃后の疾病に憂うるを主る。石氏がいう、月が氐宿の中にて亏蝕すれば、大臣の死し・皇后の凶事に遭遇するを主る。別の一説には後宮の凶事に遭遇するを主る。君王は当に礼制を重修し、併せて赦免をもって災応を消除すべし。

《荊州占》曰:“在氐、房蝕,主治耕之臣當有黜者。”石氏曰:“月在房而蝕,公卿大夫在憂,當有黜者。”石氏曰:“月在房蝕,王者有憂,皆亂大臣專政,必有憂病。”京氏《妖占》曰:“月蝕於房,天子有喪。”郗萌曰:“月蝕房心間,人主有兵害。”石氏曰:“月在心蝕,人主惡之,太子庶子有憂,三公有死者。”郗萌曰:“月蝕,臣伐主,內亂。”《荊州占》曰:“月在心蝕,三公諸候有當黜者。”

《荊州占》にいう、月食が氐宿・房宿に発生すれば、農耕を掌管する臣子の中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る。石氏がいう、月が房宿にて亏蝕すれば、公卿・大夫に憂患あり、その中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る。石氏がいう、月が房宿にて亏蝕すれば、君王に憂いあるを主り、いずれも大臣が朝綱を擾乱し・政柄を専擅するがためなり、必ず憂愁・疾病あらん。京房《妖占》にいう、月食が房宿に発生すれば、天子に丧あるを主る。郗萌がいう、月食が房宿と心宿との間に発生すれば、君主に兵戈の害あるを主る。石氏がいう、月が心宿にて亏蝕すれば、君主の凶事に遭遇するを主り、太子と庶子とに憂患あり、三公の中に死亡する者あらん。郗萌がいう、月が亏蝕すれば、臣下が君上を討伐し・内部に乱を生ずるを主る。《荊州占》にいう、月が心宿にて亏蝕すれば、三公と諸侯との中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る。

甘氏曰:“月蝕尾、箕,后族有刑罪,若妾有坐者,后有憂。”石氏曰:“月在尾、箕而蝕,主御者及樂人有當黜者。”郗曰:“月蝕於箕,為風;一曰車騎發。”陳卓曰:“月宿箕而蝕,人相食。”

甘氏がいう、月食が尾宿・箕宿に発生すれば、外戚・后族に人ありて刑を獲て罪を定められ、あるいは嬪妾の中に連坐する人あり、皇后に憂患あるを主る(尾宿はもと後宮・嬪妃を主る、故に災応は后族に及ぶ)。石氏がいう、月が尾宿・箕宿にて亏蝕すれば、車駕を執掌する御者および楽工の中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る。郗萌がいう、月食が箕宿に発生すれば、風の起こるを主る。別の一説には車騎の師の出動するを主る。陳卓がいう、月が箕宿に宿して亏蝕すれば、人相食の大飢饉を主る。

月在北方七宿而蝕 十七

甘氏曰:“月在南斗而蝕,將相有憂,飢、凶。”甘氏曰:“月入牽牛度而蝕,其國叛兵起。”甘氏曰:“月在須女而蝕,邦有女主憂,天下女功廢。”郗萌曰:“月在須女而蝕,宮中有巫咒詛禱祝以求,幸有當黜者。”《黃帝占》曰:“月蝕在虛而蝕,邦有崩喪,天下改服,期九十日。

甘氏がいう、月が南斗にて亏蝕すれば、将帥と丞相とに憂患あり、飢饉・凶年を主る。甘氏がいう、月が牽牛の度数の内に入りて亏蝕すれば、その分野の国に叛兵の興起するあるを主る。甘氏がいう、月が須女にて亏蝕すれば、邦国の女主に憂いあり、天下女子の紡織の功は荒廃するを主る。郗萌がいう、月が須女にて亏蝕すれば、宮中に巫術・咒詛・祷祝をもって寵幸を求取する人あり、その中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る。《黄帝占》にいう、月食が虚宿に発生すれば、邦国に崩逝・丧亡の事あり、天下はこれがために丧服を改換するを主り、期は九十天に応ず(虚宿はもと哭泣・丧事を主る、故に災応はこのごとし。底本この句「月蝕在虚而蝕」は一の「蝕」字を衍し、末句は引号を脱去す)。

郗萌曰:“月蝕虛、危,民多去其室;一曰大戰。”郗萌曰:“月在虛、危而蝕,主刀,主刀劍衣履金玉之臣有當黜者。”甘氏曰:“月蝕危,不有崩喪,必有大臣薨,天下改服。”石氏曰:“月在危而蝕,刀劍之官憂;一曰月在虛、危而蝕,戒在衣履金玉之臣有黜者;一曰必有驚恐之事。”石氏曰:“月蝕危,不有病主,必有大喪,天下改服。”

郗萌がいう、月食が虚宿・危宿に発生すれば、百姓の屋室を離棄すること大量なるを主る。別の一説には大戦あるを主る。郗萌がいう、月が虚宿・危宿にて亏蝕すれば、刀剣・衣履と金玉・器物とを掌管する臣子の中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る。甘氏がいう、月食が危宿に発生すれば、若し君王の崩逝ならざれば、必ず大臣の去世あり、天下はこれがために丧服を改換せん。石氏がいう、月が危宿にて亏蝕すれば、刀剣を掌管する官員に憂いあるを主る。別の一説には、月が虚宿・危宿にて亏蝕するは、警戒は衣履・金玉を掌管する臣子に罷黜せらるる者あるに在り。さらに別の一説には必ず人を驚恐せしむるの事あるを主る。石氏がいう、月食が危宿に発生すれば、若し君主の患病ならざれば、必ず大丧あり、天下はこれがために丧服を改換せん。

甘氏曰:“月在營室而蝕,為軍族士眾之潰。”石氏曰:“月蝕營室,大軍絕糧。”郗萌占曰:“月在營室而蝕,陰道毀,不能化生,有黜削之罪。”《玄冥占》曰:“月在東壁而蝕,大臣有戮,文章者執。”

甘氏がいう、月が営室にて亏蝕すれば、軍中の族属と士卒との潰散を主る。石氏がいう、月食が営室に発生すれば、大軍の糧草を断絶するを主る。《郗萌占》にいう、月が営室にて亏蝕すれば、陰柔の道の毀損し・生育・化成する能わざるを主り、罷黜・削奪の罪ある者あらん。《玄冥占》にいう、月が東壁にて亏蝕すれば、大臣の殺戮に遭い・文章・図籍を掌管する人は拘捕せらるるを主る(東壁はもと文章を主る、故に災応は文史の官に及ぶ)。

月在西方七宿而蝕 十八

石氏曰:“月在奎而蝕,有大臣憂,削凶;期九十日。”石氏曰:“月奎度中,魯國凶,一曰邦君不安,白衣之會。”《郗萌占》曰:“月在奎而蝕,主邊兵之臣有當黜者。”《海中占》曰:“月蝕於奎,大將軍有謀。”石氏曰:“月在奎、婁而蝕,主聚斂之臣有黜者。”甘氏曰:“月蝕婁,皇后犯危,大臣受誅。”《海中占》曰:“月蝕婁,其國有王事。”郗萌曰:“月宿婁而蝕,人相食。”

石氏がいう、月が奎宿にて亏蝕すれば、大臣に憂患あり、削奪に遭いて凶なるを主り、期は九十天に応ず。石氏がいう、月の亏蝕が奎宿の度数の中に在れば、魯国に凶事あるを主る。別の一説には邦国の君安からず、白衣を穿く送丧の聚会あるを主る。《郗萌占》にいう、月が奎宿にて亏蝕すれば、辺防・兵事を掌管する臣子の中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る。《海中占》にいう、月食が奎宿に発生すれば、大将軍に図謀する所有るを主る。石氏がいう、月が奎宿・婁宿にて亏蝕すれば、賦税・聚斂を掌管する臣子に罷黜せらるる者あるを主る。甘氏がいう、月食が婁宿に発生すれば、皇后の危難に触犯し・大臣の誅戮を遭受するを主る。《海中占》にいう、月食が婁宿に発生すれば、その分野の国に王命・差役の事あるを主る。郗萌がいう、月が婁宿に宿して亏蝕すれば、人相食の大飢饉を主る。

《黃帝占》曰:“月在骨而蝕,王者相吞食,大邑亡主,大將亡軍;一曰委轄之臣有罪。”甘氏曰:“月在昴而蝕,皇后有憂;一曰虐吏憂。”郗萌曰:“月在昴而蝕,人相食。”石氏曰:“月在昴而蝕,大臣貴,女失職。”郗萌曰:“月在昴而蝕,人相食。”郗萌曰:“月在昴、畢而蝕,天下聚;又曰主獄之臣有黜者。”甘氏曰:“月蝕在畢,有邊使者凶,若邊國有臣誅,不出一年。”京房《妖占》曰:“月蝕在畢,天下有小兵。”郗萌曰:“月宿畢而蝕,人相食。”

《黄帝占》にいう、月が胃宿にて亏蝕すれば、諸王の互相に吞併し、大城邑は主人を失い、大将は軍隊を喪失するを主る。別の一説には命を受けて出使する臣子の罪を獲るを主る(底本「胃」を「骨」に訛作す)。甘氏がいう、月が昴宿にて亏蝕すれば、皇后に憂いあるを主る。別の一説には苛虐の官吏に憂いあるを主る。郗萌がいう、月が昴宿にて亏蝕すれば、人相食むを主る。石氏がいう、月が昴宿にて亏蝕すれば、大臣は顕貴にして、女子は本職を失うを主る。郗萌がいう、月が昴宿にて亏蝕すれば、人相食むを主る(この条、底本は重出す)。郗萌がいう、月が昴宿・畢宿にて亏蝕すれば、天下の人衆の聚集するを主る。またいう、刑獄を掌管する臣子に罷黜せらるる者あるを主る。甘氏がいう、月食が畢宿に発生すれば、辺地に出使する使者に凶事あるを主り、あるいは辺地の国に臣子の誅せらるる者あり、一年を出でず。京房《妖占》にいう、月食が畢宿に発生すれば、天下に小規模の兵事あるを主る。郗萌がいう、月が畢宿に宿して亏蝕すれば、人相食むを主る。

郗萌曰:“月在觜、參而蝕,主兵之臣當黜之。”甘氏曰:“月在觜蝕,主殺臣。”石氏曰:“月在參而蝕,旱,赤地千里,人民飢。”甘氏曰:“月在參而蝕,貴臣誅,大飢,人相食;一曰貴臣謀。”《海中占》曰:“月蝕於參,兵在外,大將死,其國有憂,天下更令。”

郗萌がいう、月が觜宿・参宿にて亏蝕すれば、兵権を執掌する臣子は当に罷黜せらるべきを主る。甘氏がいう、月が觜宿にて亏蝕すれば、君上の臣下を誅殺するを主る。石氏がいう、月が参宿にて亏蝕すれば、天旱を主り、赤地千里、百姓は飢饉す。甘氏がいう、月が参宿にて亏蝕すれば、顕貴の臣の誅せられ・大飢饉し・人相食むを主る。別の一説には顕貴の臣に図謀する所有るを主る。《海中占》にいう、月食が参宿に発生すれば、兵馬は外に在り・大将は陣亡し・その分野の国に憂患あり・天下は政令を更改するを主る。

月在南方七宿而蝕 十九

石氏曰:“月在井、鬼而蝕,主人主五祠之官憂。”甘氏曰:“月在東井而蝕,大臣誅,一曰大臣謀,皇后不安,五穀不登。”陳卓曰:“月在東井而蝕,其國內亂。”甘氏曰:“月在輿鬼而蝕,廢貴臣,后有憂,天下不安;期一年,遠三年。”

石氏がいう、月が井宿・鬼宿にて亏蝕すれば、君主に替わりて五種の祭祀を掌管する官員に憂いあるを主る(鬼宿はもと祠祀を主る、故に災応は祠官に在り)。甘氏がいう、月が東井にて亏蝕すれば、大臣の誅せらるるを主る。別の一説には大臣に図謀する所有り、皇后は安からず、五穀は歉収す。陳卓がいう、月が東井にて亏蝕すれば、その分野の国の内部に乱を生ずるを主る。甘氏がいう、月が輿鬼にて亏蝕すれば、顕貴の臣を廃黜し・皇后に憂いあり・天下は安からざるを主り、期は一年に応じ、遠くは三年に至る。

石氏曰:“月在柳而蝕,大臣有黜者。”甘氏曰:“月在柳而燭,主虞水官有當黜者。”郗萌曰:“月宿注而蝕,人相食。”注者柳之別名。”甘氏曰:“月在七星而蝕,正陽虧太陰星,大臣有暴誅,國大飢;又曰主詞事者憂黜。”郗萌曰:“月有七星而蝕,主道橋門戶之臣有當黜者。”

石氏がいう、月が柳宿にて亏蝕すれば、大臣に罷黜せらるる者あるを主る。甘氏がいう、月が柳宿にて亏蝕すれば、山沢と水利とを掌管する虞官・水官の中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る(底本「蝕」を「燭」に訛作す)。郗萌がいう、月が注星に宿して亏蝕すれば、人相食むを主る。原書は明注す、「注」は柳宿の別名なり、と。甘氏がいう、月が七星宿にて亏蝕するは、正陽の気が太陰の星を亏损するなり、大臣の骤然と誅戮に遭い・国家は大いに飢うるを主る。またいう、文書・辞訟を掌管する官員は罷黜せらるるに憂う。郗萌がいう、月が七星宿にて亏蝕すれば、道路・橋梁と門戸・関防とを掌管する臣子の中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る。

甘氏曰:“月在張而蝕,貴人失勢,皇后有憂,期七十日。”郗萌曰:“月在張而蝕,人相食。”甘氏曰:“月在張而蝕,水衡虞人當有黜者。”甘氏曰:“月在翼而蝕,忠臣見譖言,清正者亡,不出其年。”郗萌曰:“月在翼而蝕,主車駕之臣有黜者。”甘氏曰:“月在軫而蝕,貴臣亡;一曰后不安,期百八十日。”郗萌曰:“月在軫而蝕,車騎發。”

甘氏がいう、月が張宿にて亏蝕すれば、顕貴の人は勢いを失い・皇后に憂いあるを主り、期は七十日に応ず。郗萌がいう、月が張宿にて亏蝕すれば、人相食むを主る。甘氏がいう、月が張宿にて亏蝕すれば、水利を掌管する水衡都尉と山沢を掌管する虞人との中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る。甘氏がいう、月が翼宿にて亏蝕すれば、忠臣の讒言の中傷に遭受し・清白・正直の人は敗亡するを主り、当年を出でず。郗萌がいう、月が翼宿にて亏蝕すれば、車駕を掌管する臣子に罷黜せらるる者あるを主る。甘氏がいう、月が軫宿にて亏蝕すれば、顕貴の臣の敗亡を主る。別の一説には皇后の安からざるを主り、期は一百八十日に応ず。郗萌がいう、月が軫宿にて亏蝕すれば、車騎の師の出動するを主る(軫宿はもと車駕を主る、故に災応は車騎に在り)。

月犯石氏中官而蝕 二十

《荊州占》曰:“月在建而蝕,后妃癙娣有當黜者。”石氏曰:“月在太微而蝕,有破國易王。”

《荊州占》にいう、月が建星にて亏蝕すれば、后妃と随嫁の娣媵との中にまさに罷黜せられんとする者あるを主る(建星の六星は南斗の北にあり、天子の旗鼓と都門となり)。石氏がいう、月が太微垣にて亏蝕すれば、国家の破亡し・君王の更替するの事あるを主る。

月在石氏外官而蝕 二十一

石氏曰:“月在弧、狼而蝕,主供養之官當黜者;一曰食者亡。”

石氏がいう、月が弧矢・天狼にて亏蝕すれば、君上の飲食・供養を掌管する官員は当に罷黜せらるべきを主る。別の一説には俸食を領受する人の敗亡するを主る(弧矢と天狼とはいずれも井宿の南に在り、石申一家に伝わる外官に属し、もと盗賊を備御し守衛するを主る)。

救月蝕 二十二

《海中占》曰:“月蝕,王者以救,除咎則安;又曰:月蝕,清刑明罰,敕法。”《周禮地官司徒》曰:“救月蝕,則詔王鼓。鄭玄曰:救日月食,王者必親擊鼓。《禮記婚義》曰:“婦教不修,陰事不得,謫見於天,月為之食。是故月蝕則後素服而修六宮之職,蕩天下之陰事。”《星傳》曰:“月者、刑也,月蝕修刑。”(鄭玄曰:救月蝕,王必親擊鼓也。)

《海中占》にいう、月食が発生すれば、君王は救護の礼を挙行し、災咎を消除すれば則ち安寧を得べし。またいう、月食の時は、当に刑獄を澄清し・賞罰を申明し・法度を整飭すべし。《周礼・地官司徒》にいう、月食を救うの礼を挙行すれば、則ち君王に告請して親しく鼓を撃たしむ。鄭玄の注:日食・月食を救護するは、君王は必ず親しく鼓を撃つ。《礼記・昏義》にいう、婦徳の教化の修まらず・陰に属する事務の常度を失えば、上天は則ち譴責の徴兆を降下し、月はこれがために亏蝕す。故に月食に一遇うや、皇后は則ち素服を穿き、六宮の職守を整粛し、天下の陰に属する事務を涤蕩す。《星伝》にいう、月は刑を主る、月食が発生すれば則ち刑政を整修すべし(原書小注:鄭玄がいう、月食を救護するは、君王は必ず親しく鼓を撃つ、と)。

開元占經 卷十八

五星占 一

五星所主 一

《春秋緯》曰:“天有五帝,五星為之使。”《荊州占》曰:“五星者,五行之精也;五帝之子,天使者,行於列舍,以司無道之國王者;施恩佈德,正直清虛,則五星順度,出入應時,天下安寧,禍亂不生;人君無德,信奸佞、退忠良、遠君子、近小人,則五星逆行、變色、出入不時、揚芒角、怒變為妖星、彗、孛、茀、掃、天狗、枉矢、天槍、天掊、攙雲、格澤,山崩地振,川竭雨血,眾妖所出,天下大亂,主死國滅,不可救也,餘殃不盡,為飢旱疾疫。”

《春秋緯》にいう、天上に五位の天帝あり、五星は則ち彼らの使者なり。《荊州占》にいう、五星は五行の精気の凝まる所にして、五帝の子・上天の使臣なり、二十八宿の次舎の間に運行して、もって無道の国を伺察す。君王若し恩を施し徳を布き、正直・清静・無為なれば、五星は則ち常度を順循し、出没は時節に応合し、天下は安寧し、禍乱は生ぜず。君王若し徳なく、奸佞を聴信し・忠良を斥退し・君子を疏远し・小人に親近せば、五星は則ち逆行・倒退し・顔色を改変し・出没は時を失い・芒角を揚げ、憤怒して化して妖星と為り、彗・孛・茀・掃・天狗・枉矢・天槍・天掊・攙雲・格沢の類のごとく、これに随いて山陵は崩塌し・大地は震動し、河川は枯竭し・天は血雨を降らし、種種の妖異は一斉に出現し、天下は大いに乱れ、君主は身を死し・国家は滅亡し、挽救する可きなし。余る所の災殃は尽きず、還って化して飢饉・旱災と疾疫とと為らん。

甘氏曰:“五星主兵,太白為主;五星主谷,歲星為主;五星主旱,煢惑為主;五星主土,填星為主;五星主水,辰星為主。五星木土以逆行為凶;火以鉤巳為凶;金以出入不時為凶;水以不效為凶;五凶並見,其年必惡。”

甘氏がいう、五星の中で兵事を主るは、太白を主と為す。穀物の収成を主るは、歳星を主と為す。旱涝を主るは、熒惑を主と為す。土功を主るは、填星を主と為す。水事を主るは、辰星を主と為す。失度に就いて言えば、木星・土星は逆行をもって凶と為し、火星は行が鉤曲の形を成し逗留して去らざるをもって凶と為し、金星は出没が時節に合わざるをもって凶と為し、水星は当に出ずべきに出でず・その期に応ぜざるをもって凶と為す。五種の凶象が一斉に出現すれば、この一年の年成は必ず悪劣ならん(底本「熒」を「煢」に訛作す)。

巫咸曰:“五星者,五勝也。十二辰、二十八宿舍於刑德;日為朱鳥,月為玄武,房心為青龍,參為白虎;常每向北斗、太一,審能知此,萬事盡畢。五星、二十八舍以王時,則王者之事也;以相時,則卿相之事;以囚時,則囚徒之事也;以廢時,則萬民之事也。

巫咸がいう、五星は即ち五行の相勝する気なり。十二辰と二十八宿とは、帰結するに「刑」と「徳」の両端に外ならず。日は朱鳥に属し、月は玄武に属し、房宿・心宿は青竜と為り、参宿は白虎と為り、しかも彼らはまた常に各々北斗と太一とを朝向す。能くこれらを審辨し清からしめば、占候の万事は皆完備せん。五星と二十八宿とは、若し五行の「王」の時に正当すれば、占う所は便ち王者の事なり。「相」の時に当たれば、占う所は公卿・宰相の事なり。「囚」の時に当たれば、占う所は囚徒の事なり。「廃」の時に当たれば、占う所は万民の事なり(王・相・囚・廃は五行が四時に随いて旺衰・遞嬗するの次第なり)。

五星各受制,而司無道之國;故審五星逆、順、變色、留守,觀其喜、怒、變色所加宿之左右、前後、遠近、疏數、害克、陰陽,及見五氣相賊王者,而救之轉禍為福,宗廟可得而保,社稷可得而有。”石氏《五星贊》曰:“五星更出司不祥,應節守道不為殃,月滿不入其事興,過時不出陰謀行;以星所守占其方、芒角變動非其常;審察五色別青黃,各以事類知其殃。”

五星は各々五行の制約を受け、而して分かちて無道の国を伺察す。ゆえに五星の逆行・順行・変色と留守とを審察するを要す——「留」とは行度が停住して進まざるを謂い、「守」とは淹留してある宿に多日去らざるを謂う——それらの喜と怒との情態を観察し、変色の時の加臨する宿次は左に在るか右に在るか・前に在るか後に在るか・相距るは遠きか近きか・聚散は疏か密か・彼此は相害するか相克するか・行く所は陰道か陽道かを見、五行の気がいかに互相に賊害するかを看清すに至る。君王はこれに拠りて補救を加えれば、則ち禍を転じて福と為すこと能く、宗廟は保たるべく、社稷は長く有るべし。石氏《五星賛》にいう、五星は番番に出没し、専ら不祥の事を司る。若し能く節候に応合し・各々常道を守れば、災殃と為らざらん。満月の時、当に入るべきに入らざれば、その事は必ずまさに興起せん。当に出ずべきの期を過ぎて出でざれば、陰謀はまさに暗中に進行す。星の守候する宿次によってその対応する方位を推占し、芒角の伸張と位置の移動とが常態に反するか否かを看、さらに仔細に青・黄・赤・白・黒の五色の分別を審察し、各々事類によってその主る災殃を推知すべし。

五星行度盈度失行 二

石氏曰:“五星不失行,則年穀豐昌。”《黃帝占》曰:“有道之國,五星過之不失其行,則人君吉昌,萬民安寧。”又曰:“出中道,天下太平;出陰道,旱;出陰道,多雨水。”《動聲儀》曰:“五音和,則五星如度。陳卓曰:“五星出陰道,多陰謀。”

石氏がいう、五星がその常行の度数を失わざれば、この年は五穀すなわち豊収・昌盛せん。《黄帝占》にいう、有道の国は、五星がその分野を経過して常度を失わざれば、君主の吉慶・昌盛し・万民の安寧するを主る。またいう、五星が黄道の正中の「中道」を行けば、天下の太平を主る。黄道以北の陽道を行けば、天旱を主る。黄道以南の陰道を行けば、雨水多きを主る(底本は両処併せて「陰道」と作る、前の一処は当に「陽道」の訛ならん)。《動声儀》にいう、宮・商・角・徵・羽の五音が諧和すれば、五星は則ち各々その度に合せん。陳卓がいう、五星が陰道を行けば、陰謀多きを主る。

石氏曰:“五星分天之中,積於東方,中國大利;積於西方,負海之國,用兵者利。”《春秋緯》曰:“五星早出為盈,盈者為客;晚出為縮,縮者為主人,禍發其沖。”《考靈耀》曰:“天失日月,遺其珠囊。”(珠五星也,遺囊者,盈縮失度也。)

石氏がいう、周天を当中に分かてば、五星が東方に聚集するは、中原の大いに利を得るを主る。西方に聚集するは、海を背くる辺遠の国の利あるを主り、兵を用うる一方は利を得ん。《春秋緯》にいう、五星が常度より提前して出現するを「盈」と謂い、盈は則ち客の位を取る。常度より延後して出現するを「縮」と謂い、縮は則ち主人の位を取る。災禍は則ちそれと相冲するあの方位の上に発作す。《考霊耀》にいう、上天若し日月を失わば、譬えば珠を盛る囊袋を丢却するがごとし(原書小注:珠が指すは五星なり、囊袋を丢却するとは、五星の盈縮・失度を謂う)。

《黃帝占》曰:“五星不出兩河間,必有不道之臣;一曰必有道不通。”《春秋緯》曰:“君臣有謀,心憤未言,精象動於物,五星錯於官。”郗萌曰:“五星不行天門、天闕間,皆為有喪。

《黄帝占》にいう、五星が南河・北河の両組の戍星の間より通過せざれば、必ず臣道を守らざる臣子あるを主る。別の一説には必ず道路の阻隔・不通あるを主る。《春秋緯》にいう、君と臣とが各々図謀を懐き、憤懣は心中に積みて口に出ださざれば、この股の精気の象は便ち万物に感動し、五星は則ち各々の官位の上に錯乱・失次せん。郗萌がいう、五星が天門・天闕の間より通行せざれば、いずれも丧事あるを主る(本分片の源文はここに止まる。末句、底本は下引号を脱去し、その下文は後の分片に属す)。

五星不道東西咸,皆為必有賊。五星行往天闕,不出其年,有兵。五星皆逆行,主且乘法臣且謀其主。”石氏曰:“五星行二十八舍裡七寸內者,及宿者,其國君死。五星舍二十八宿,王者誅,除其國。五星犯合宿中間星,其坐者在國中;犯南為男,犯北為女,東為少,西為老。五星逆行,去宿雖非七寸內而守之者,其國君被誅刑死,順而留下,疾病死。”

五星(歳星は即ち木星、熒惑は即ち火星、填星はまた鎮星と曰い即ち土星、太白は即ち金星、辰星は即ち水星)の運行は常道を循らず、忽ち偏りて東し忽ち偏りて西し、五星が全部このごとくなれば、則ち必ず盗賊の興起あらん。五星の運行が「天闕」——これ天門を象徴する星官なり——に趨向すれば、当年を出でずして兵事あらん。五星が一斉に「逆行」するは、即ち再び平常のごとく自ら西に向かい東に行かず、反りて倒退して西に移る、これ君主のまさに法度の上に凌駕せんとし・臣子のまさにその君主を図謀せんとするの徴象なり。以上はなお上文の占辞に承接す。石氏がいう、五星が二十八宿の内に運行し、逼近して七寸以内に至る、および正しく宿星の上頭に圧するは、あの一宿の分野の国君は死せんとす。五星が二十八宿の中に停宿すれば、王者はまさに誅戮を行い、併せてあの国家を鏟平せん。五星が侵犯してある宿の正中のあの一顆の星に會合すれば、罪を獲て連坐する人は則ち国都の中に出づ。犯す所は南に偏すれば男子に応じ、北に偏すれば女子に応じ、東に偏すれば年少者に応じ、西に偏すれば年長者に応ず。五星が逆行し、宿星を離るることなお七寸の近さに至らざるに、却って「守」を停めて彼処に去るを肯んぜざれば、あの一分野の国君は誅戮・刑死せられん。若し順行して宿星の下方に滞留せば、国君は便ち疾病に死せん。

郗萌曰:“五星並出,皆逆行,不出其年,天下遣五將,期五十日。”巫咸曰:“五星受制而出,司無道之國,變色而逆行,犯度列宿及中官,留守二十日以上,皆臣殺;滿六十日以上,王者殺;則彗、-出所過之鄉,其下有亂兵。故世亂感,則天文變;下侵上,則五星逆。五星逆守列宿,若已去之還復,居之繞環成勾己,乍大乍小,乍明乍晦,是謂絕紀,其禍愈甚。”

郗萌がいう、五星が同時に出現し、しかも皆逆行すれば、当年を出でずして、天下はまさに五路の将領を派出せん、期は五十日に応ず。巫咸がいう、五星は天命の節制を受けて顕現し、来たりて無道の国を伺察するなり。それらが本色を改変しまた倒行・逆走し、二十八宿の宿度および中宮の諸星官を冲犯し、いわゆる「留守」とは一処に停まり久滞して去らざるなり、滞留二十日以上のは、臣下の殺せらるるに応じ、六十日に満つ以上のは、王者の殺せらるるに応ず。この時彗星の類の妖星が出現すれば(ここ底本は一字を脱し、ただ一個の符号を存す)、およそそれらの掃過する所の下は、則ち乱兵あらん。故に人世の昏乱に感召する所有れば、天象は則ちこれに随いて変異す。下に在る者が上に在る者を侵凌すれば、五星は則ち逆行を出現す。五星が逆行してある宿を守り、若し已に離れてまた折り返り、盤桓してその間を繞れて勾曲の形を成し、忽ち大きく忽ち小さく・忽ち明るく忽ち暗くするは、これを「絶紀」と呼作す、即ち上天の綱紀の断絶なり、それの招致する禍患は格外に深重なり。

《海中占》曰:“五星不當歷列宿,絕列星;有分國貴人有獄,抵列舍其國有喪;以五色占其吉凶;黃為喜,赤為兵,白為喪,蒼為憂,黑為水。”董仲舒曰:“五星失行度者,臣非其人,賢不肖並立,臣亂於下,則星錯於上,進賢,退不肖,以救亡。”

《海中占》にいう、五星がもと経過すべからざるある宿次を径自に走り過ぎ、成列の星宿をことごとく抛き断絶せば、このごとくは、値する分野の国の貴人は官司を喫せん。若し径直に抵住してある宿舍に去らざれば、その国は丧事あらん。吉凶は五星の当時呈現する五種の顔色を看て判断するを要す:黄色は喜慶を主り、赤色は兵事を主り、白色は丧事を主り、青色は憂患を主り、黒色は水災を主る。董仲舒がいう、五星の運行が正常の度数を失うは、位に在る臣子が合適の人に非ざるがゆえなり、賢者と不肖者とが並び同進す。臣下が人間に作乱すれば、星辰は則ち天上に錯行す。補救の法は賢能を進用し・不肖を斥退し、この办法をもって危亡を挽救するなり。

《黃帝占》曰:“五星逆行變色,出入不時,則王者宜變俗更行,起毀宗廟,立無後,賑貧窮,恤孤寡,寬刑罰,賞有功,舉名士,禮賢者,順天道;四時發藏財物,虛府庫,薄賦斂,則日月五星,妖孽虹彗,不為禍害矣。”郗萌曰:“五星有逆行及變色,若非其常,則以聞於上;各以其事修其政。”

《黄帝占》にいう、五星が逆行し・変色し、出没は常時を按ぜざれば、王者は則ち当に風俗を改易し・政令を更張すべし:已に傾毀したる宗廟を重修し、嗣を絶てる人家に後を立て、貧窮の家を賑済し、孤児・寡婦を抚恤し、刑罰を放寛し、功ある人を賞賜し、名望ある士人を薦挙し、礼をもって賢者に相待し、凡事は天道に順応せよ。一年四季はいずれも庫蔵の財貨を散髪し出で、府庫を騰空し、賦税を減軽せよ。このごとくなれば、日月・五星の失常、および妖星・虹霓・彗星の類は、禍害を醸成せざらん。郗萌がいう、五星が逆行および変色を出現すれば、ただ平常の態に合わざれば、則ち奏報して君主に知らしむべし。然る後各々応ずる所の事によって相関の政務を整頓せん。

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