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彗孛が梗河を犯す 其の三

唐 · 瞿昙悉达 · 第93巻 / 119

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

《海中占》曰:“彗孛干犯梗河,天子慎邊防亂中國。”陳卓曰:“彗孛干犯梗河,北兵為敗。”巫咸曰:“彗星出梗河,四夷兵為敗,中國有邊患,若守之,王者誅四夷,期三年。”

《海中占》に曰く:彗星・孛星が「梗河」を冲犯するは、天子は辺疆を謹慎に守備し、外敵が中原を擾乱するを防止すべきである。梗河の三星は大角の北にあり、胡人の兵事を主る。陳卓に曰く:彗孛が梗河を冲犯するは、北方の軍隊は敗戦を喫せんとす。巫咸に曰く:彗星が梗河に現れるは、四方の夷狄の兵馬はまさに打敗せられんとし、中原にもまた辺境の禍患がある。もし彗星が滞留して去らなければ、すなわち王者が兵を出して四夷を討伐する象で、三年の内に応験する。

彗孛が招揺を犯す 其の四

陳卓曰:“彗孛干犯招搖,邊兵大動,期一年。”石氏曰:“彗星出招搖,突厥入寇,守之勝。”黃帝曰:“攻胡,星孛招搖。”(《天官書》曰:漢兵伐大宛,星孛招搖也。)石氏曰:“彗星守招搖,犯北主,期出三年。”班固《天文志》曰:“漢孝武太初中,星孛於招搖,其後漢兵擊大宛,斬其王。”

陳卓に曰く:彗孛が「招揺」を冲犯するは、辺境の兵馬は大いに調動し、一年の内に応験する。招揺の一星は北斗の斗柄の外にあり、玄戈と同じく兵事と辺地の夷狄を主る。石氏に曰く:彗星が招揺に現れるは、突厥はまさに境に入りて劫掠せんとす。彗星がその上に停留すれば、すなわち中原の一方は取勝する。黄帝に曰く:兵を出して胡人を攻打する時、孛星に招揺に現れるがある。(原書の小注:《史記・天官書》に記す、漢朝が兵を派して大宛を討伐し、まさに孛星が招揺を犯すに逢った。)石氏に曰く:彗星が招揺に停留するは、北方の主を冲犯し、三年の内に応験する。班固《漢書・天文志》に曰く:漢の武帝・太初の年間、孛星が招揺に現れ、その後漢兵は大宛を攻打し、大宛国王を斬殺した。

彗孛が玄戈を犯す 其の五

陳卓曰:“彗孛干犯玄戈,主戰,單于大敗,期二年。”《玉曆》曰:“彗星出玄戈,北方兵起,單于大敗,其國破亡,期一年,遠三年。”

陳卓に曰く:彗孛が「玄戈」を冲犯するは、戦事を主り、匈奴の単于是まさに大敗せんとして、二年の内に応験する。玄戈の一星は招揺の北面にあり、同じく兵戈の象に属し、もっぱら北方の辺夷に応ずる。《玉暦》に曰く:彗星が玄戈に現れるは、北方は戦事を興起し、単于は大いに敗れ、彼の国は破滅して覆亡し、近いは一年に応験し、遠いは三年に応験する。

彗星が天槍を犯す 其の六

甘氏曰:“彗星出天槍,王者備四夷,防捍邊境,若有驚恐,人民憂。”陳卓曰:“彗星守天槍,鈇鉞大用,誅殺不當,多梟首之民。”

甘氏に曰く:彗星が「天槍」に現れるは、王者は四方の夷狄に備え、辺境の守衛を加固すべく、然らざればまさに驚擾・恐慌の事があり、百姓は憂苦する。天槍の三星は北斗の斗柄の端・紫微垣のそばにあり、天上の兵器の象である。陳卓に曰く:彗星が天槍に停留するは、刀斧の刑は大量に動用され、誅殺は失当し、斬首・示衆せらる百姓は多い。

彗孛が天棓を犯す 其の七

《聖洽符》曰:“彗星出天棓,兵大起,五仗用,國有憂,期二年。”陳卓曰:“彗星守天棓,兵四起。”

《聖洽符》に曰く:彗星が「天棓」に現れるは、大規模の戦事が興起し、五種の儀仗・兵器は皆動用せんとして、国家に憂患があり、二年の内に応験する。天棓の五星もまた紫微垣の外にあり、天槍と同じく天子の棍棒・兵仗と為る。陳卓に曰く:彗星が天棓に停留するは、四方は皆兵事の発作するがある。

彗孛が女床を犯す 其の八

石氏曰:“彗孛干犯女床,貴人暴誅,期百八十日。”齊伯曰:“彗星犯女床,貴人有憂,若有暴誅者;一曰:貴女有罪者,期百八十日,遠一年。”

石氏に曰く:彗孛が「女床」を冲犯するは、顕貴の人は驟然として処死せられ、百八十日の内に応験する。女床の三星は紀星の北にあり、后宮の嬪妃・侍御を主る。斉伯に曰く:彗星が女床を侵犯するは、貴人に憂患があり、あるいは突然誅殺せられる者があり。別の一説に、貴族の婦女の中に罪を獲る人があり、百八十日の内に応験し、遠いは一年に応験する。

彗星が七公を犯す 其の九

《甄曜度》曰:“彗星出七公,忠言者凶,議人下獄,政令不行,王者信讒,邪臣在側,其國憂敗。”

《甄曜度》に曰く:彗星が「七公」に現れるは、忠言を進める人がかえって殃を受け、議政に参与する人は牢獄に投げ込まれ、政令は推行すること能わず、王者は讒言を聴信し、奸邪の臣は左右に侍立し、あの国は憂患に陥りて敗亡する。七公の七星は貫索の西にあり、天子の議政する大臣の象徴なので、彗星がそれを犯せば、応ずる所は皆言路と刑獄の上に落ちる。

彗孛が貫索を犯す 其の十

《春秋緯》曰:“彗星出貫索,大臣憂有反者。”《海中占》曰:“彗星出貫索,必有反臣殺君,若有大赦,期百日,遠一年。”《孝經內記》曰:“彗星在天獄,諸侯作禍。”

《春秋緯》に曰く:彗星が「貫索」に現れるは、大臣に憂患があり、その中に謀反する人があらんとす。貫索の九星はまた「天獄」と呼ばれ、天上の牢獄である。《海中占》に曰く:彗星が貫索に現れるは、必ず叛臣が君主を弑殺し、あるいは国家が大赦を頒行せんとして、百日の内に応験し、遠いは一年に応験する。《孝経内記》に曰く:彗星が天獄の中に停るは、諸侯はまさに兵を興して乱を作し、禍患を醸成せんとす。

彗孛が東西咸を犯す 其の二十一

《文曜鉤》曰:“彗星出東咸,女主淫溢自恣,宮門不禁,若貴女有憂。”

《文曜鈎》に曰く:彗星が「東咸」に現れるは、女主は淫乱・放縦して恣意に妄為し、宮門の出入の禁令は形同虚設と化し、あるいは貴族の婦女に憂患がある。東咸・西咸は各々四星、房宿の両そばに分列し、もともとは淫佚を防範する門戸なので、彗星がそれを侵犯すれば、宮闈の防の敗壊に応ずる。

彗孛が天江を犯す 其の二十二

巫咸曰:“彗星出天江,天下大水,舟船用,五穀不登,其歲人相食,期三年。”陳卓曰:“彗孛干歷天江,大兵攻王國,王者以赦除之,則國豐平。”

巫咸に曰く:彗星が「天江」に現れるは、天下に大水を発し、舟船は大いに用を派し、五穀は収穫を欠き、その年の百姓は飢餓して互いに残食するほどに至り、三年の内に応験する。天江の四星は尾宿の北にあり、もっぱら水事を主る。陳卓に曰く:彗孛が天江を冲犯し経歴するは、大軍が王畿の国を進攻せんとして、王者がもし赦令を頒下してもってそれを消解すれば、国家はなお豊足・太平たりえよう。

彗孛が建星を犯す 其の二十三

陳卓曰:“彗孛干犯建星,王失道,忠言者誅,賢士逃亡。”黃帝曰:“彗星出建星,道路不通,多盜賊,子攻父,弟攻兄,守之則有大兵,將軍出行,期一年,遠三年。”

陳卓に曰く:彗孛が「建星」を冲犯するは、君王は治国の正道を失い、忠言を進める人がかえって誅殺され、賢能の士は外に逃亡する。建星の六星は南斗の北にあり、天子の都門と旗鼓の象である。黄帝に曰く:彗星が建星に現れるは、道路は阻塞して通ぜず、盗賊は众多で、子は父を攻め、弟は兄を攻める。もし彗星が滞留して去らなければ、大規模の兵禍があり、将軍は兵を領して出征し、近いは一年に応験し、遠いは三年に応験する。

彗孛が天弁を犯す 其の二十四

《帝覽嬉》曰:“彗孛出天弁,寶玉大貴,若糴貴五倍,萬物不興,其國飢。”郗萌曰:“彗星入若守天弁者,皆為囚徒起兵。”

《帝覧嬉》に曰く:彗孛が「天弁」に現れるは、珠宝・玉器の価格は暴騰し、あるいは粮価は五倍に上騰し、万物は生長・興旺すること能わず、あの分野の国家は飢饉を鬧ぐ。天弁の九星は建星の北にあり、市集の交易を主管する官署である。郗萌に曰く:彗星が天弁に入るあるいは天弁に停留するは、皆囚徒が衆を聚めて兵を起こすを主る。

彗孛が河鼓を犯す 其の二十五

郗萌曰:“彗星入河鼓,且有兵。”黃帝曰:“彗星出河鼓,天下兵起,大將出謀,旗鼓立,若守之,有死將;守中星,大將死;守旁兩星,小將死;期一年,中三年,遠五年。”《春秋緯》曰:“彗星出河鼓,鼓鳴,武士發,天子賦。”

郗萌に曰く:彗星が「河鼓」に入るは、まさに兵事の発生せんとす。河鼓の三星は牽牛の北にあり、天上の鼓と将軍の象で、中間の一星は大将、両そばの両星は左右の裨将である。黄帝に曰く:彗星が河鼓に現れるは、天下に戦事が興起し、大将は出て軍機を謀画し、軍旗・戦鼓は一斉に樹立する。もし彗星が滞留して去らなければ、すなわち将領の陣亡するがあり、中間のあの星に停れば、大将は戦死する。そばの両星に停れば、副将は戦死する。近いは一年に応験し、中は三年、遠いは五年。《春秋緯》に曰く:彗星が河鼓に現れるは、戦鼓は擂き鳴らし、武士は徴発され、天子は百姓に軍賦を徴収する。

彗孛が離珠を犯す 其の二十六

石氏曰:“彗孛犯離珠,後宮為亂,若宮人有誅;守之陽,為大旱;陰,為大水,五穀不登,人民飢。”

石氏に曰く:彗孛が「離珠」を侵犯するは、后宮に変乱が発生し、あるいは宮中の侍女・内人に誅殺せられるがある。離珠の五星は須女の北にあり、后妃の佩ぶ珠飾の象徴である。彗星がもしそれの陽に属する南側に停留すれば、大旱を主る。陰に属する北側に停れば、大水を主り、五穀は収穫を欠き、百姓は飢餒する。

彗孛が匏瓜を犯す 其の二十七

石氏曰:“彗星干犯匏瓜,政亂,近臣相譖,宮有戮死者,王者以赦除咎。”《玉曆》曰:“彗星出匏瓜,人主因食瓜而亡,若果中有藥害其君,若食官憂。”《玉曆》曰:“彗星守匏瓜,魚鹽貴十倍,果物不成。”

石氏に曰く:彗星が「匏瓜」を冲犯するは、朝政は紊乱し、君主の身辺の近臣は互いに讒を進み構陷し、宮中に殺戮せられて死する人があり、王者は赦令を頒行してもって災咎を消除すべきである。匏瓜の五星は離珠の北にあり、瓜果と后宮の膳食を主る。《玉暦》に曰く:彗星が匏瓜に現れるは、君主は瓜を食うによって命を喪い、あるいは果実の中に毒薬を入れられて国君を加害し、あるいは膳食を掌る官員に憂患がある。《玉暦》はまた曰く:彗星が匏瓜に停留するは、魚と塩の価格は十倍に騰り、瓜果の類は皆結実しない。

彗孛が天津を犯す 其の二十八

石氏曰:“彗星犯天津,賊斷王道。”郗萌曰:“彗星干犯入漢中,有亡國,當其野者變之。”甘氏曰:“彗星出天津,關津不通,若關吏有憂,若守之,天下大亂,津河隔塞,有旱災,期三年。”《洛書摘亡闢》曰:“彗星見漢中,亡君之戒。”何法盛《中興書》曰:“安帝隆安四年十一月,星孛於貫索,及天市,中天津。其時元顯輔政,刑署不中,故掃貫索;發徭無度,故掃天市;建士失節,故掃天津;天津,合通萬川,利闊梁也;天市,貨財帛,周百姓也;貫索,平察刑獄,無枉濫也;而元顯皆反之,天若曰掃除穢惡,令改革也,顯不悛,遂致覆滅。”

石氏に曰く:彗星が「天津」を侵犯するは、まさに賊寇に王者の往来する通道を截断せられんとす。天津の九星は銀河を横に跨ぎ、渡口と橋梁の象である。郗萌に曰く:彗星が冲犯して銀河の中に入るは、国家の滅亡するがあり、まさにあの片の分野の地方に当たって変故を出さんとす。甘氏に曰く:彗星が天津に現れるは、関隘・渡口は通ぜず、あるいは関を守る官吏に憂患があり。もし彗星が停留して去らなければ、天下は大いに乱れ、河津は阻隔・堵塞し、また旱災があり、三年の内に応験する。《洛書摘亡辟》に曰く:彗星が銀河の中に現れるは、国君の敗亡の警戒である。何法盛《中興書》に曰く:晋の安帝・隆安四年十一月、孛星が貫索に現れ、また天市に至り、さらに天津の中に至った。この時司馬元顕は朝政を輔理し、刑罰・断案はその平を得ず、ゆえに天象は貫索を掃った。徭役の徴発は節度なく、ゆえに天市を掃った。士人の選立は法度を違失し、ゆえに天津を掃った。天津は万川を匯通し橋梁の往来を便利する星官である。天市は貨物・財帛を流通し百姓を周済する星官である。貫索は刑獄を公平に審察し人を冤滥を受けざらしむる星官である。元顕の作為は処処にこれと相反し、上天はあたかも汚穢・邪悪を掃除し彼に改革せしめんと謂うがごとくであった。元顕は悔改むるを肯せず、ついに覆滅を招致した。

彗孛が王良を犯す 其の二十九

《運斗樞》曰:“彗星出王良,好遊馳,奉車反。”齊伯曰:“彗星出王良,兵馬大動,車騎行天下,有急馬多死;一曰:水道不通,津開塞,期二年,遠三年。”《宋書天文志》曰:“魏陳留王咸熙二年五月,彗星見王良,丈餘,色白,東南指,積十二日滅。占曰:王良,天子御駟,彗星掃之,禪伐之表,除舊佈新之象,白色為喪,王良,東壁宿,又幷州之分野。八月,晉王薨,十二月,帝遜位於晉。”

《運斗枢》に曰く:彗星が「王良」に現れるは、君主は出遊・馳騁を貪好し、車駕を掌る奉車の官はまさに反逆せんとす。王良の五星は奎宿の北にあり、天子の車夫と駟馬の象である。斉伯に曰く:彗星が王良に現れるは、兵馬は大いに調動し、車騎は天下に奔走し、事情が緊急の時は馬匹は大批に斃倒する。別の一説に、水路は通ぜず、渡口は時に開き時に塞ぎ、二年の内に応験し、遠いは三年に応験する。《宋書・天文志》に曰く:魏の陳留王・咸熙二年五月、彗星が王良に現れ、長さ一丈余、顔色は白を発し、尾は東南を指し、十二日を累積してやっと消失した。占辞に曰く:王良は天子の駕御する駟馬で、彗星がそれを掃い過ぐるは、禅譲と征伐の表徴であり、また除旧・布新の象である。白色は喪事を主る。王良は東壁宿に隷属し、また并州の分野である。この年八月に晋王・司馬昭は去世し、十二月に魏帝はすなわち晋に位を譲った。

彗孛が螣蛇を犯す 其の三十

陳卓曰:“彗孛干犯螣蛇,水道不通,天下隔,期二年。”《聖洽符》曰:“彗星出螣蛇,以水雨為害,大水出,萬物不成,民人飢;一曰:水蟲為敗。”

陳卓に曰く:彗孛が「螣蛇」を冲犯するは、水路は通ぜず、天下の往来は阻隔し、二年の内に応験する。螣蛇の二十二星は営室の北にあり、水中の飛蛇の象で、主る所は多く水事にある。《聖洽符》に曰く:彗星が螣蛇に現れるは、まさに洪水・霖雨によって災を成し、大水が氾濫し、万物は成熟すること能わず、百姓は飢饉する。別の一説に、水中の虫害が庄稼を敗壊せしむる。

彗孛が閣道を犯す 其の三十一

陳卓曰:“彗星干犯閣道,王者居正殿,不私行,則災自消。”《甄曜度》曰:“彗星出閣道,天下津不通,兵大起,御道有伏兵,欲謀其主,王者宜備之。”

陳卓に曰く:彗星が「閣道」を冲犯するは、王者はただ正殿に端居し私に出行しなければ、災禍は自ずから消解する。閣道の六星は王良のそばにあり、天子が紫宮から別の処に通ずる複道である。《甄曜度》に曰く:彗星が閣道に現れるは、天下の渡口は通ぜず、大規模の戦事が興起し、御用の道路上に兵士を埋伏し、君主を加害せんと企て、王者は厳かに備えるべきである。

彗孛が附路を犯す 其の三十二

陳卓曰:“彗孛干犯附路,道不通,天下半隔,期一年。”《海中占》曰:“彗孛出附路,天下大飢,車騎滿野,道中縱橫,人主臨兵,期三年。”

陳卓に曰く:彗孛が「附路」を冲犯するは、道路は通ぜず、天下は半分の地方が互いに隔絶し、一年の内に応験する。附路の一星は閣道に傍依し、複道のそばの副路である。《海中占》に曰く:彗孛が附路に現れるは、天下は大いに飢饉を鬧ぎ、車馬・騎兵は郊野に満ち、道路上の人馬は縦横に雑乱し、君主は親しく軍中に臨み、三年の内に応験する。

彗孛が天将軍を犯す 其の三十三

《玄冥占》曰:“彗星出天將軍,兵大起,將軍出,旗陳立,若守之,大將死,若有誅,期不出二年。”

《玄冥占》に曰く:彗星が「天将軍」に現れるは、大規模の戦事が興起し、将軍は兵を領して出征し、軍旗と陣列は一斉に擺開する。もし彗星が停留して去らなければ、大将は戦死し、あるいは将領に誅戮を遭う者有り、二年を出ずに応験する。天将軍の十二星は婁宿の北にあり、中に居る大星はすなわち天上の大将である。

彗孛が大陵を犯す 其の三十四

《文曜鉤》曰:“彗星出大陵,國有大喪,有土功、墳陵之事,若守之,天子崩,明審,期不出三年,遠五年。”《春秋緯》曰:“彗星出大陵,天子以不慈見犯,復出之,將反。”

《文曜鈎》に曰く:彗星が「大陵」に現れるは、国家に大喪があり、土木の工程と墳墓・陵寝を営建する事を興起せんとす。もし彗星がその上に停留すれば、天子は晏駕し、この占は明白にして験あり、三年を出ずに応験し、遠いは五年に応験する。大陵の八星は胃宿の北にあり、陵墓と死喪を主る。《春秋緯》に曰く:彗星が大陵に現れるは、天子は慈愛ならざるによって冒犯せられる。彗星がもし再び現れれば、臣下はまさに反逆せんとす。

彗孛が天船を犯す 其の三十五

《春秋緯》曰:“彗星出舟星,外夷侵。”巫咸曰:“彗星出天船,天下大水,舟船用事,若外夷來侵,水兵起,期一年。”(按司馬彪《天文志》曰:漢孝明帝永平三年六月丁卯,彗星出天船北,長二尺,所稍北行,至亢南,百三十五日去,是歲,伊洛水溢,到津城門,壞伊橋,郡七、縣三十二,皆大水。《宋書天文志》曰:晉穆帝昇平二年五月丁亥,彗星出天船,在胃宿中。四年五月,天下皆大水。)

《春秋緯》に曰く:彗星が舟星に現れるは、外族の夷狄はまさに犯し来たらんとす。巫咸に曰く:彗星が「天船」に現れるは、天下に大水を発し、舟船は大いに用を派し、あるいは外族が来たりて侵扰し、水上の戦事が興起し、一年の内に応験する。天船の九星は大陵の北にあり、銀河の中に横陳するので、もっぱら水事に応ずる。(以下は原書の小注:司馬彪《続漢書・天文志》に記す、漢の明帝・永平三年六月丁卯、彗星が天船の北に現れ、長さ二尺、少しずつ北に移行し、亢宿の南に到達し、百三十五日後に去った。この年伊水・洛水は氾濫し、津城門に漲り至り、伊橋を冲壊し、七つの郡・三十二の県は皆大水を遭った。《宋書・天文志》に記す、晋の穆帝・升平二年五月丁亥、彗星が天船に現れ、位置は胃宿の中に在り。升平四年五月、天下は普く大水を発した。)

彗孛が五車を犯す 其の三十六

石氏曰:“彗孛干犯五車,兵滿野,天下半傾,百姓徙居,去其土,期三年。“黃帝曰:”彗星出五車,兵大起,車騎行,有攻戰,糴大貴,人民飢。彗若守之,先起兵者昌,後起兵者亡,期三年。“《春秋緯》曰:”彗星出五車,谷霜,兵起,主賣位,天下賢名起。“

石氏に曰く:彗孛が「五車」を冲犯するは、兵馬は原野に満ち、天下は半分が傾覆し、百姓は遷徙・流離し、自分の郷土を離れ、三年の内に応験する。五車の五星は畢宿の東北にあり、天子の五種の兵車と倉廩の象である。黄帝に曰く:彗星が五車に現れるは、大規模の戦事が興起し、車騎は出動し、攻伐・戦闘が発生し、粮価は暴騰し、百姓は飢餓する。彗星がもし停留して去らなければ、すなわち先に兵を動かす方が昌盛し、後に兵を動かす方が敗亡し、三年の内に応験する。《春秋緯》に曰く:彗星が五車に現れるは、穀物は霜害に遭い、戦事が興起し、君主は官を売り爵を鬻ぎ、ここに天下の賢者の名声はかえって興起する。

彗孛が巻舌を犯す 其の三十七

《帝覽嬉》曰:“彗孛出捲舌,人主用讒言,誅忠臣,貴人有戮死者;一曰:民多言訟,不出年。”《春秋緯》曰:“彗星出捲舌,主以聽讒之,主遇殺,大臣反。”(按《宋書天文志》曰:宋文帝元嘉二十八年五月,彗星見捲舌,入太微,過帝座,犯上相,拂屏,出端門,滅翼軫。三十年,天子巫蠱咒咀事覺,遂以殺逆害朝臣。孝建元年,荊江二州反,皆夷滅。捲舌咒咀之象,彗之所起,是其應也。)

《帝覧嬉》に曰く:彗孛が「巻舌」に現れるは、君主は讒言を採信し、忠臣を誅殺し、顕貴の人の中に殺戮せられて死する者あり。別の一説に、民間に口舌・争訟の事多く、一年を出ずに応験する。巻舌の六星は昴宿の北にあり、口舌・讒譖と巫祝・詛呪を主る。《春秋緯》に曰く:彗星が巻舌に現れるは、君主は讒を聴信するによって殺害に遇い、大臣は起って反逆する。(以下は原書の小注:《宋書・天文志》に記す、宋の文帝・元嘉二十八年五月、彗星が巻舌に現れ、太微垣に入り、帝座を越え、上相星を冲犯し、屏星を払い、端門から穿出し、最終に翼宿・軫宿の間で消失した。元嘉三十年、天子が巫蠱・詛呪を行った事情は敗露し、ここに弑逆し朝臣を殺害する禍乱を醸した。孝建元年、荊州・江州の両地は反逆し、皆剿滅せられた。巻舌はもともと詛呪の象で、彗星がここから端を発するは、まさにそれの応験である。)

彗孛が天関を犯す 其の三十八

石氏曰:“彗星出天關,兵大起,道路不通,民多盜賊,必有關塞之事,人主有憂。”《玄冥占》曰:“彗星出天關而守之,天下道絕,國多盜賊,關梁不通,人主有憂,期一年,遠二年。”

石氏に曰く:彗星が「天関」に現れるは、大規模の戦事が興起し、道路は阻断して通ぜず、民間の盗賊は众多で、必ず関隘の閉塞の事があり、君主に憂患がある。天関の一星は五車の南・畢宿と觜宿の間にあり、日月・五星の出入・往来する門戸である。《玄冥占》に曰く:彗星が天関に現れかつ停留して去らなければ、天下の道路は断絶し、国中の盗賊は众多で、関卡・橋梁は通ぜず、君主に憂患があり、近いは一年に応験し、遠いは二年に応験する。

彗孛が南北河戍を犯す 其の三十九

《海中占》曰:“彗星出南河,蠻越兵起,邊域有憂,若關吏有罪者。”郗萌曰:“彗星出天高,廟臣反,名侯王起。”《海中占》曰:“彗星守南河,為大旱;出北河,夷為亂,來侵中國,若守,胡軍敗。又曰:守北河,為大水,期不出三年。”石氏曰:“朝鮮之伐,星拂河戍。”(按班固《天文志》曰:漢武帝元封中,星孛干河戍,其後漢兵擊拔朝鮮北,為樂浪、玄菟郡。“石氏曰:”彗孛干兩戍間,天子出走,大臣親盛亡王者以赦咎。”

《海中占》に曰く:彗星が「南河」に現れるは、南方の蛮越の地に兵事が興起し、辺境の地区に憂患があり、あるいは関を守る官吏の中に罪を獲るがある。南河の三星と北河の三星は東井の南北の両側に挟まり、天上の両処の関戍である。郗萌に曰く:彗星が天高に現れるは、宗廟の臣は反逆し、著名の侯王は兵を起こす。《海中占》に曰く:彗星が南河に停留するは、大旱を主る。北河に現れるは、夷狄は乱を作し、来たりて中原を侵犯する。もしその上に停留すれば、すなわち胡人の軍隊は敗亡する。又曰く:北河に停留するは、大水を主り、三年を出ずに応験する。石氏に曰く:朝鮮を討伐したあの役は、まさに星光に河戍を払わるるあり。(以下は原書の小注:班固《漢書・天文志》に記す、漢の武帝・元封の年間、孛星が河戍を冲犯し、その後漢兵は朝鮮の北部を攻取し、楽浪郡と玄菟郡と為した。)石氏に曰く:彗孛が南河・北河の両戍の間を冲犯するは、天子は出奔・逃亡し、大臣の親党の勢力は強盛で、王者は赦令を頒行してもって災咎を消解すべきである。

彗孛が五諸侯を犯す 其の四十

石氏曰:“彗孛干犯五諸侯,王室大亂,兵起,天子宮廟不祀。”《春秋緯》曰:“彗星出五諸侯,州牧反,九州合謀。”《玉曆》曰:“彗星出五諸侯,執政臣有謀,若有被戮者,貴人當之,人主有憂,期一年,遠二年。”(司馬彪《天文志》曰:孝獻建安十七年十二月,有星孛於五諸侯,時周群以為西方專據土地者皆將失亡,是時益州劉璋據益州,漢中太守張魯別據漢中,韓遂據涼州,宋建別據抱罕。明年冬,曹公之偏將擊涼州,十九年獲宋建,韓遂逃於羌中,病死,其年秋璋失益州,二十年秋,公攻漢中,魯降也。)

石氏に曰く:彗孛が「五諸侯」を冲犯するは、王室は大いに乱れ、戦事が興起し、天子の宮室・宗廟は祭祀を断つ。五諸侯の五星は東井の北にあり、外に分封せらる諸侯を象徴する。《春秋緯》に曰く:彗星が五諸侯に現れるは、州牧は反逆し、九州の長官は合謀して乱を作す。《玉暦》に曰く:彗星が五諸侯に現れるは、執政の大臣は心に図みを懐き、あるいは誅戮せらる人があり、顕貴の人に応じ、君主に憂患があり、近いは一年に応験し、遠いは二年に応験する。(以下は原書の小注:司馬彪《続漢書・天文志》に記す、漢の献帝・建安十七年十二月、孛星が五諸侯に現れた。この時周群は西方のあの各々土地を割拠する人は皆まさに敗亡せんと認めた。あの時劉璋は益州を占拠し、漢中太守・張魯は別に漢中を拠り、韓遂は涼州を占拠し、宋建は別に枹罕を拠った。第二年冬、曹公の偏将は涼州を進攻した。建安十九年宋建を擒獲し、韓遂は羌人の地に逃げ入り、病死した。同年秋劉璋は益州を失った。二十年秋、曹公は漢中を進攻し、張魯は降伏した。)

彗孛が積水を犯す 其の四十一

石氏曰:“彗星干犯積水,兵起宮門,宗廟毀絕,大臣有憂。”

石氏に曰く:彗星が「積水」を冲犯するは、兵禍は宮門の内から発起し、宗廟は毀され祭祀は断絶し、大臣に憂患がある。積水の一星は北河の西北にあり、もともと酒を醸しと祭祀に用うる水を主るので、彗星がそれを犯せば、応験は宗廟の祭享の事の上に落ちる。

彗孛が積薪を犯す 其の四十二

石氏曰:“彗孛干犯積薪,有亂臣在宗廟。”

石氏に曰く:彗孛が「積薪」を冲犯するは、乱を作す臣子が宗廟の中に混迹す。積薪の一星は積水の東にあり、炊爨と祭祀に用うる柴薪を供給することを主り、積水と同じく宗廟の事に応ずる。

彗孛が水位を犯す 其の四十三

石氏曰:“彗孛干犯水位,水道不通,伏兵在水中,以水為害。”甘氏曰:“彗孛出水位,天下以水為憂,有兵起,五穀不成,人民飢。”

石氏に曰く:彗孛が「水位」を冲犯するは、水路は通ぜず、伏兵が水中に蔵れ、水に藉って禍害を製造する。水位の四星は東井の東にあり、水事を主る。甘氏に曰く:彗孛が水位に現れるは、天下は水患のために憂愁し、また戦事が興起し、五穀は成熟すること能わず、百姓は飢餓する。

彗孛が軒轅を犯す 其の四十四

石氏曰:“彗孛干犯軒轅,近臣誅,滅宗族,王者以赦除咎。”黃帝曰:“彗孛出軒轅,皇后有憂,若失勢,宮人不安,人主有憂。”《春秋緯》曰:“彗星入軒轅,后族亂。”《運斗樞》曰:“彗孛出軒轅,女妃為寇。”石氏曰:“彗星犯軒轅,天下大亂,易王,以五色占期。”《黃帝占》曰:“彗星入軒轅,若守之,天下大亂,易王,宮門當閉,若女主死,期三年,遠五年。”

石氏に曰く:彗孛が「軒轅」を冲犯するは、君主の近臣は誅殺され、宗族は誅滅を遭い、王者は赦令を頒行してもって災咎を消除すべきである。軒轅の十七星は七星の北にあり、形状は黄龍の体のごとく、后妃と后族の事を主る。黄帝に曰く:彗孛が軒轅に現れるは、皇后に憂患があり、あるいは権勢を失い、宮中の人心は安んぜず、君主にもまた憂患がある。《春秋緯》に曰く:彗星が軒轅に入るは、后族は乱を作す。《運斗枢》に曰く:彗孛が軒轅に現れるは、妃嬪の為害は寇仇のごとし。石氏に曰く:彗星が軒轅を侵犯するは、天下は大いに乱れ、君王を改換し、彗星の青赤黄白黒の五種の顔色に依って応期を推定しうる。《黄帝占》に曰く:彗星が軒轅に入り、あるいはその上に停留するは、天下は大いに乱れ、君王を改換し、宮門は閉すべく、あるいは女主は死去し、三年の内に応験し、遠いは五年に応験する。

彗孛が少微を犯す 其の四十五

石氏曰:“彗孛干犯少微,白衣聚者凶,術士不顯,智者逃亡,期三年。”巫咸曰:“彗星出少微,多能臣有死者,若上臣有罪;一曰:法令臣有誅者。”石氏曰:“彗星出少微,士夫起。”《宋書天文志》曰:“魏黃初六年十月乙未,有星孛於少微,歷軒轅。占曰:孛彗為喪,除舊佈新之象,是時帝軍廣陵,辛壬,親御甲冑,跨馬觀兵,明年五月,文帝崩。”

石氏に曰く:彗孛が「少微」を冲犯するは、まだ仕えぬ平民が聚まり起つは凶を主り、方術の士は顕達を得ず、智謀ある人は外に逃亡し、三年の内に応験する。少微の四星は太微垣の西南にあり、処士と士大夫の象である。巫咸に曰く:彗星が少微に現れるは、多才幹の臣子の中に死去するがあり、あるいは上層の大臣が罪を獲る。別の一説に、法令を掌る臣子に誅殺せらるがある。石氏に曰く:彗星が少微に現れるは、士人は起って政に参ずる。《宋書・天文志》に曰く:魏の文帝・黄初六年十月乙未、孛星が少微に現れ、軒轅を経過した。占辞に曰く:孛星と彗星は喪事を主り、除旧・布新の象である。この時魏の文帝は広陵に軍を駐え、辛日・壬日に自ら甲冑を披掛し、馬に跨りて軍隊を検閲した。第二年五月、文帝はすなわち晏駕した。

彗孛が太微を犯す 其の四十六

《春秋緯》曰:“彗星茀干太微,天子亂。”陳卓曰:“彗孛干入太微,帝宗后族為亂,亡社稷;一曰:所犯者亡。”《聖洽符》曰:“彗星入太微庭中,臣謀主,有兵起,王者災社稷,其國憂,期百八十日,遠一年。” 郗萌曰:“赤黃星,狀如帚,入太微,婦女喜心;出太微,天於賜諸侯美女。”《春秋緯》曰:“彗若出犯執法,御史反。”《運斗樞》曰:“彗孛出若干太微,法式滅,帝死於野。”《春秋緯》曰:“彗星出而茀太微,天下亂,不過三五,必易政,以色占期。”

《春秋緯》に曰く:彗星が孛気をもって「太微」を払掃・冲犯するは、天子は政を失いて乱を生ず。太微垣は天子の南宮の朝廷で、五帝の座と三公・九卿の位次は皆その中に列す。陳卓に曰く:彗孛が太微を冲犯し入るは、帝室の宗親と后族は乱を作し、社稷は傾覆す。別の一説に、冲犯せらるあの星の主る人は敗亡する。《聖洽符》に曰く:彗星が太微の庭院の中に入るは、臣下は君主を図み、戦事の興起するがあり、王者は社稷を災せしめ、あの国は憂患に陥り、百八十日の内に応験し、遠いは一年に応験する。郗萌に曰く:赤黄色の星、形状は帚に似て、太微に入れば、婦女は心に歓喜す。太微から出れば、天子はまさに諸侯に美女を賞賜せんとす。《春秋緯》に曰く:彗星がもし現れて執法星を冲犯すれば、御史は反逆する。《運斗枢》に曰く:彗孛が現れあるいは太微を干犯するは、法度・典章は毀滅し、皇帝は郊野に死す。《春秋緯》に曰く:彗星が現れて太微を払掃するは、天下は大いに乱れ、三年五年を過ぎずして、必ず政権を改換し、彗星の顔色に依って応期を推定しうる。

(按司馬彪《天文志》曰:孝靈光和五年七月,彗星出下臺,東南行入太微,至太子、倖臣,二十餘日而消。彗入太微,天下易主。至中平六年,宮車晏駕。孝獻建安二十三年三月,彗孛晨見東方,二十餘日,夕出西方,犯歷五車、東井、五諸侯、文昌、軒轅、后妃、太微,鋒炎指帝座。二十五年正月,魏文帝受禪。)《玉曆》曰:“彗星出太微,帝宗后族為亂,大臣弒主,謀在親戚御臣,王者有憂,期三年。”石氏曰:“彗星出太微中,宮火大起,殺人。”甘氏曰:“彗星出太微天庭中,有立王,若徙王。”《孝經雌雄圖》曰:“彗在太微,君害臣。”《玉曆》曰:“彗星犯太微,天子妃后去,宮人不安,女主有憂。”

(以下は原書の小注:司馬彪《続漢書・天文志》に記す、漢の霊帝・光和五年七月、彗星が下台星に現れ、東南に行きて太微垣に入り、太子星と幸臣星に至り、二十余日後に消失した。彗星が太微に入るは、天下が君主を改換するを主る。中平六年に至り、霊帝は晏駕した。漢の献帝・建安二十三年三月、彗孛が清晨に東方に現れ、二十余日後にまた傍晚に西方に現れ、順に五車・東井・五諸侯・文昌・軒轅・后妃・太微を冲犯し経過し、鋒芒は直ちに帝座を指した。建安二十五年正月、魏の文帝は禅譲を受けた。)《玉暦》に曰く:彗星が太微に現れるは、帝室の宗親と后族は乱を作し、大臣は君主を弑殺し、陰謀は皇親と近侍の臣から出で、王者に憂患があり、三年の内に応験する。石氏に曰く:彗星が太微の中に現れるは、宮中は大いに火災を起こし、人を焼き殺す。甘氏に曰く:彗星が太微の天庭の中に現れるは、まさに新王が擁立せらるか、あるいは君王が遷徙せらる。《孝経雌雄図》に曰く:彗星が太微に在るは、君主は臣下を加害する。《玉暦》に曰く:彗星が太微を侵犯するは、天子の妃后は去り、宮人は安んぜず、女主に憂患がある。小注の中の「宮車晏駕」は天子の去世の諱称で、「受禅」はすなわち前朝の君主が位を譲り新朝の天子が即位するを指す。

彗孛が黄帝座を犯す 其の四十七

石氏曰:“彗孛如粉絮,入太微,犯守帝座,國有崩喪,大臣立主。(石氏曰:王者以赦除咎。)天下大亂,兵起;若犯守四帝,輔臣有誅,執政者亡,期三年。”石氏曰:“彗星如粉絮,犯座星,兵喪並起。”又:“大彗茀干犯座星,王者亡,子孫不昌,王者循孝於天,奉宗廟郊祠,則災除。”《洛書說徵示》曰:“彗指帝座四旁,中大亂。”《荊州占》曰:“星銳如劍,正赤,直抵座星,天子驚兵;一曰:驚火。”又云:“星如苴帚,抵座星旁,左右諸臣兵起,內亂。”陳卓曰:“星狀如帚,正赤,抵聖座星,婦女兵。”

石氏に曰く:彗孛の形状は散乱の棉絮に似て、太微に入り、帝座を冲犯して停留するは、国家に崩駕の大喪があり、大臣によって新君を擁立せねばならない。(原書の小注:石氏に曰く、王者は赦令をもって災咎を消除しうる。)天下は大いに乱れ、戦事が興起する。もし四帝の座を冲犯して停留すれば、輔政の大臣は誅され、執政する人は敗亡し、三年の内に応験する。石氏に曰く:彗星が形は棉絮のごとく、帝座星を冲犯するは、兵禍と喪事は一斉に発生する。又曰く:大彗星が孛気をもって帝座星を払掃・冲犯するは、王者は死亡し、子孫は昌盛すること能わず。王者がもし天に循って孝を行い、宗廟と郊祀を恭奉すれば、災禍はすなわち消除しうる。《洛書説征示》に曰く:彗星が帝座の四周を指向するは、宮廷の中は大いに乱れる。《荊州占》に曰く:星芒は鋭くして剣のごとく、純たる赤色、直ちに帝座星に抵るは、天子はまさに兵禍の驚擾を有らんとす。別の一説に、火災に驚く。又曰く:星は一束の草に扎てる帚に似て、帝座星のそばに抵近するは、左右の近臣は兵を起こし、内乱を醸成する。陳卓に曰く:星の形状は帚に似て、純たる赤色、聖座星に抵近するは、まさに婦人によって起る兵禍を有らんとす。

彗孛が屏星を犯す 其の四十八

《玉曆》曰:“彗星出屏星,守衛臣有謀,若有罪,執法者當之。”

《玉暦》に曰く:彗星が「屏星」に現れるは、守衛を負責する臣子は心に図みを懐き、あるいは罪を獲る人があり、執法を掌る官員に応ずる。屏星の四星は太微垣の端門の内にあり、もともとは内外を遮蔽する屏障なので、それの応験は宿衛と執法の官の身上に落ちる。

彗孛が郎位を犯す 其の四十九

陳卓曰:“彗孛干犯郎位,臣失勢。”《運斗樞》曰:“彗出郎位,郎官謀反,天子因官郎位所主之官也。”《玉曆》曰:“彗星出郎位,左右守衛為亂,若有謀者,人主驚,備之。”

陳卓に曰く:彗孛が「郎位」を冲犯するは、臣子は権勢を失う。郎位の十五星は太微垣の帝座の東北にあり、皇帝を宿衛する郎官を象徴する。《運斗枢》に曰く:彗星が郎位に現れるは、郎官は謀反する。天子はまさに郎位の主るこの批の官員に依って宿衛に充任するがゆえに。《玉暦》に曰く:彗星が郎位に現れるは、左右の守衛の臣は乱を作し、あるいは不軌を図る人があり、君主はこれがために震驚し、備えを加えるべきである。

彗孛が郎将を犯す 其の五十

《玉曆》曰:“彗星出郎將,大將有誅,若有罪;一曰:大臣為亂,有兵起。”

《玉暦》に曰く:彗星が「郎将」に現れるは、大将は誅殺せられ、あるいは罪を獲る。別の一説に、大臣は乱を作し、戦事の興起するがある。郎将の一星は郎位の北にあり、郎官を統領し宿衛を掌る将領である。

彗孛が常陳を犯す 其の五十一

甘氏曰:“彗星出常陳,若守之,王者出,誅左右守衛之臣;一曰:若防守者有死,期三年。”

甘氏に曰く:彗星が「常陳」に現れ、あるいはその上に停留するは、王者は自ら出面し、左右の守衛の臣を誅殺する。別の一説に、防守を担任する人の中に死去するがあり、三年の内に応験する。常陳の七星は帝座の北面にあり、形状は天子の護衛・儀仗のごときなので、応験は皆宿衛の臣の身上に落ちる。

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