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尾宿 六

唐 · 瞿昙悉达 · 第59巻 / 119

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

石氏曰:“尾九星,十八度。(古九度)距東第二星先至,去極百三十四度。(在黃道外十五度少)春夏為火,秋冬為水。(又曰水星)尾北十尺是中道。(燕之分野)尾一名后族;一名天廁;一名天狗;一名天司空;一名天雞。

石申がいう、尾宿は九颗の星から組成され十八度を横に跨る。原書小注:古度は九度を作る。東辺の第二颗の星を距星と為しそれが最も先に中天に到達し北天極を距ること百三十四度である。原書小注:黄道以南の十五度稍弱に位する。尾宿は春夏は火に配し秋冬は水に配す。原書小注がまたいう、水に属す。尾宿以北の十尺は日月・五星が運行する中道である。原書小注:尾の分野は燕国に在りすなわち今の河北の北部一帯である。尾宿は一名「后族」であり一名「天厠」であり一名「天狗」であり一名「天司空」であり一名「天鶏」である。

尾者,後宮之場也;妃后之府也;上第一星,後也;第三星旁一星,相去一寸,名神宮;解衣之內室,說虞之堂;一曰天矢,一曰天九江。尾者,邊臣也,又曰通溜宮,尾市也,天復船也。尾第一星,嫡妃也;第三星,夫人也;次五星,嬪妾星;欲均明,大小相承,則後宮有序,多子孫。”

尾宿は後宮の場所で妃嬪と皇后の府第である。最も上の第一颗の星は皇后を代表する。第三颗の星の傍に別に一颗の小星があり相距すること約一寸で名づけて「神宮」といいあれは衣を寛げ休憩する内室・娯楽・歓愉の殿堂である。尾宿はまた「天矢」と叫ばれまた「天九江」と叫ばれる。尾宿は辺地を戍守する臣子を象徴しまた「通溜宮」と叫ばれまた「尾市」と称しさらに天上の覆蓋の船に比す。尾宿の第一星は嫡妃で第三星は夫人でその余の五颗は嬪妾の星である。これらの星は亮度が均斉し大小が依次に相承えるを以て好しと為しこのようであればすなわち後宮の尊卑に序があり子孫が衆多である。

《二十八宿山經》曰:“尾山與箕山相連,在燕九都山西,尾箕星神,常居其上。尾主水,又主君臣,尾動者,君臣不和,心有事。尾,天子之九子也。騰躍坼絕,不居其所,天下大亂,君臣不和。

《二十八宿山経》にいう、尾宿が対応する尾山と箕宿が対応する箕山は彼此に相連なり燕国の九都山の以西にあり尾・箕の両宿の星神は常年に山上に駐在する。尾宿は水事を主りまた君臣の関係を主り尾星が一たび動けばすなわち君臣が不和で彼此に心に芥蒂を存する象である。尾宿の九星はまた天子の九人の儿子を象徴する。これらの星が若し跳躍して定まらず彼此に裂散・断絶し本位に安処せざれば天下の大乱と君臣の失和を主る。

尾星明大,皇后有喜;不明微細,皇后有憂,及疫;尾星疏遠,皇后失勢;尾星明,五穀大熟,則民不煩擾;其星不明,五穀大傷;尾星離徙而直,皇后失勢;其星就聚,有大水。君臣不和,則占於尾。”

尾星が明亮・碩大なれば皇后に喜慶の事がある。星光が昏暗・細弱なれば皇后に憂患がありまた疫病が流行する。尾宿の諸星が彼此に疏散・拉開すれば皇后が勢を失う。尾星が明亮なれば五穀が大熟し百姓が煩擾を受けない。星が若し明ならざれば五穀が大いに損傷を受ける。尾星が本位を脱離して移徙して直線に排成すれば皇后が勢を失う。諸星が内に向かって挤聚して一団を成せばまさに大水があらんとする。およそ君臣の不和の事に遇えばすなわち尾宿の上に到って推占する。

箕宿 七

石氏曰:“箕四星。十一度。(古十度又十一度四分之一)度距西北星先至,去極百一十八度。(在黃道外五度少)春夏為金,秋冬為土。(人曰:金星也。)箕北六尺,是中道也。(燕之分野)箕星一名風星;月宿之,必大風。(箕星為風,東北之星也。)

石申がいう、箕宿は四颗の星から組成され十一度を横に跨る。原書小注:古度は十度を作りまた十一・四分の一度を作る者もある。量度は西北の那颗の星を距星と為しそれが最も先に中天に到達し北天極を距ること百十八度である。原書小注:黄道以南の五度稍弱に位する。箕宿は春夏は金に配し秋冬は土に配す。原書小注:人にそれが金に属すといえる者がある。箕宿以北の六尺は日月・五星が運行する中道である。原書小注:箕の分野は燕国に在りすなわち今の河北の北部である。箕星はまた「風星」と名づき月亮が一旦箕に入宿すれば必定に大風を刮起する。原書小注:箕星は風を主り東北方位の星である。

一名天陣,一名狐星,主狐貉,一名風口;一名天后也。為天貉府廷,天雞也,主時,金星也。箕斗,天子之冠服也,並後宮別府也,二十七世婦,八十一御女妾;別宮四者,女相也;故尾、箕主百二十妃;尾者,蒼龍之末也,直寅,主八風之始。箕後星動,幾揚箕,王致客。箕庫也;一曰天司空,箕為寄客。”

箕宿はまた「天陣」と名づきまた「狐星」と名づき狐・貉の一類の走獣を主る。又名は「風口」であり又名は「天后」である。それは天上の貉族の府廷でまた天鶏と称し時令を主司し五行は金に属す。箕宿と南斗が合わせて天子の冠冕・衣服を象徴し同時にまた後宮の別院である。宮中に二十七位の世婦・八十一位の御女・姫妾があり別に四星が別宮と為り女官の長を象徴する。ゆえに尾・箕の両宿は合わせて百二十位の妃嬪を主る。尾宿は東方の蒼龍の末尾でその位は地支の寅に当たり八方の風の起始を主る。箕宿の後面の星が移動し形狀が簸箕を揚擧するが如きは君王が賓客を招徠することを主る。箕はまた府庫である。一説ではそれは「天司空」でまた寄居する客人を象徴する。

《爾雅》曰:“析木謂之津,箕、斗之間,漢津也;一曰天市,主八風。箕為風,又箕主蠻夷;箕動者,蠻夷有使來;箕舌一星,芒動則大風,不出三日。箕舌動,如致風揚沙。箕星居河邊,歲大惡;若中河而居,天下食人。”

《爾雅》にいう、十二次の中の「析木」はまた「津」と叫ばれ箕宿と南斗の間は正しく銀河の渡口である。一説では箕は「天市」で八方の風を主る。箕宿は風を主りまた四方の蛮夷を主る。箕星が移動すればすなわち蛮夷の使者が前来すること有る。箕宿の「箕舌」の一星は芒角が閃動すればまさに大風を刮き三日を出でず必ず応ずる。箕舌が動揺すれば沙を巻く狂風を招来する。箕星が若し銀河の辺に靠ればその年の年成が極めて壊れる。若し正しく銀河の当中に処れば天下が人相食の地步に至るまで飢饉する。

《易緯是類謀》曰:“太山失金雞,西嶽亡玉羊,箕星明大,即國無讒賊;箕中少星,則糴貴。箕者,人之精也,故天下安樂即星眾。不安、即星少。箕星離徙,天下大不安,民移徙其處,星不明,天下五穀傷;其星明,谷大熟;其就聚細微,天下憂食,箕中欲其多星。”石氏曰:“尾箕主後宮妃后府,故置傅說,衍子孫。”

《易緯是類謀》にいう、東岳の泰山が金鶏を失い西岳の華山が玉羊を亡くするはみな災異の兆である。箕星が明亮・碩大なれば国中に讒を進め構陷する徒がない。箕宿の中に小星が稀少なれば糧価は便ち上漲せんとする。箕宿は人間の民庶の精気の凝聚であるゆえに天下が安楽の時は星はすなわち繁多で天下が不安の時は星はすなわち稀少である。箕星が本位を脱離して移徙すれば天下が大いに安寧せず百姓もまた井を背き郷に遷徙する。星が若し明ならざれば天下の五穀が損を受ける。星が若し明亮なれば穀物が大熟する。諸星が内に向かって挤聚してしかも細弱なれば天下が糧食を憂える——總じて箕宿の中は星が多きを以て好しと為す。石申がいう、尾・箕の両宿は後宮の妃后の府第を主るゆえに傍らに「傅説」の一星を設けて子孫の繁衍を主る。

開元占経 巻六十一・北方七宿占二

南斗占 一

石氏曰:“南斗六星、二十六度四分度之一,(甘氏同。《洪範傳》古二十二度。《淮南子》無四分之一。)度距魁第四星先至,去北極百一十六度。(在黃道外十二度半,舊曆有四分度之一,在斗度中,後推校知度少為多,今曆不三百四分度之一七五在營室一度之末。)春夏為水,秋冬為金。(《巫咸釋五星入宿言凶占》曰:諸斗,木星也。)日月五星常貫之為中道。”(吳之分野)

石申がいう、南斗は六颗の星から組成され二十六・四分の一度を横に跨る。原書小注:甘徳の記す所は相同じく《洪範伝》は古度二十二度を作り《淮南子》の記す所にその四分の一度ない。量度は斗魁の第四星を距星と為しそれが最も先に中天に到達し北天極を距ること百十六度である。原書小注:黄道以南の十二度半に在り旧暦は四分の一度を多出し斗宿の度数の内に算入し後來推算・校験して乃ち知る原來は少きを算して多きと為した——この下の小注の文字に訛脱があり大意は今暦の余分が不足して営室の一度の末尾に落つ。南斗は春夏は水に配し秋冬は金に配す。原書小注が《巫咸釈五星入宿言凶占》を引いていう、およそ斗宿は木に属す。日月・五星は常に南斗の中間から貫穿して過ぐるこれはすなわち中道である。原書小注:南斗の分野は呉国に在りすなわち今の江蘇の南部一帯である。

《黃帝占》曰:“南斗;一名鈇鉞。”《春秋佐助期》曰:“南斗主爵祿,神名帙瞻,姓拒終。”石氏曰:“南斗魁第一星、主吳;第二星、主會稽;第三星,主丹陽;第四星、主豫章;第五星、主廬江;第六星、主九江。”郗萌曰:“南斗六星,一名天庫;知之使人不妄。”

《黄帝占》にいう、南斗はまた「鈇鉞」と名づきすなわち腰斬に用いる刑具でそれが刑殺を主る義を取る。《春秋佐助期》にいう、南斗は爵位・俸禄を掌管し星神の名を帙瞻と叫び姓を拒終とする。石申がいう、南斗の斗魁の第一星は呉の地を主り第二星は会稽を主り第三星は丹陽を主り第四星は豫章を主り第五星は廬江を主り第六星は九江を主る——これは一宿の内の各星をさらに細分して具体の郡国に至る分野の法である。郗萌がいう、南斗の六星はまた「天庫」と名づきその道理を懂得すれば人の行事を狂妄・錯乱に至らしめざるを得る。

《北官候》曰:“南斗;一名天府、天關;一名天機;一名天同;天子旗也。斗北二星,天府廷,中央二星,相也。南二星,天庫樓也,天梁也。斗西大星,天關也,天子正旗也,士官也;六星欲均明,天下安寧。”韓揚曰:“南斗第一星,上將;第二星,相;第三星,妃;第四星,太子;第五星,第六星,天子。”

《北官候》にいう、南斗はまた「天府」「天関」と名づきまた「天機」「天同」と名づきまた天子の旌旗でもある。斗宿の北辺の両星は天府の廷で中間の両星は丞相を象徴し南辺の両星は天庫楼でまた天梁と叫ばれる。斗宿の西辺の大星は天関で天子の正旗と為りまた士人の官を主る。六星は亮度が均斉なるを以て好しと為し均明なれば天下が安寧する。韓揚がいう、南斗の第一星は上将を象徴し第二星は丞相を象徴し第三星は妃嬪を象徴し第四星は太子を象徴し第五星と第六星は天子を象徴する。

《荊州占》曰:“南斗,太宰位也。”《聖洽符》曰:“南斗者,天子之廟,主紀天子壽命之期。”甘氏曰:“南斗,天子壽命之期也;故曰:將有天下之事,占於南斗也。”《二十八宿山經》曰:“斗山在吳陽羨山南,斗星之神,常居其上。”

《荊州占》にいう、南斗は太宰の位次である。《聖洽符》にいう、南斗は天子の宗廟で天子の寿命の期限を掌記する。甘徳がいう、南斗は天子の寿命の長短に関わるゆえにいう、およそまさに天下の大局に関係する事あらんとすればみな南斗の上に到って推占する。《二十八宿山経》にいう、南斗が対応する斗山は呉国の陽羨山の以南にあり斗宿の星神は常年にこの山上に駐在する。

甘氏曰:“南斗主兵,斗動者,兵起。南斗星明大,爵祿行,天下安寧,將相同心,其星不明,大小失次,芒角動搖,則王者失政,天下多憂。”郗萌曰:“南斗星明,五穀大熟,其臣得勢而親近,治道和平,風雨順時;斗星不明,五穀不收,移徙位直其臣逐,風雨不節天下病。”《石氏贊》曰:“斗主爵祿,褒賢達士,故曰直;建星以成輔,又曰斗;主爵祿功德祥歲,周受分,和陰陽。”

甘徳がいう、南斗は兵事を主り斗星が一たび動けばまさに兵を起こさんとする。南斗の諸星が明亮・碩大なれば爵禄が頒行を得て天下が安寧し将帥と宰相が同心する。星が若し明ならず大小が錯乱して次第を失しまた芒角を生出して揺動・不定なればすなわち君王の政令が失当で天下に憂患が多い。郗萌がいう、南斗星が明亮なれば五穀が大熟し臣子が勢を得て親近を受け治道が平和し風雨が時に応ずる。斗星が明ならざれば五穀が歉収し星位が移徙して直線に排成すればその位の臣子はまさに放逐されんとし風雨が節を失し天下が病困する。《石氏賛》にいう、南斗は爵位・俸禄を主り賢者を褒揚し士人を薦達するゆえにそれを称して「直」と為す。傍らに建星が事を成すを輔助しまた斗の系統に帰入する。南斗は爵禄・功徳と年成の豊歉を主り周遍に名分を授予し陰陽を調和する。

牽牛占 二

石氏曰:“牽牛六星,八度。(古九度)度距中央大星光至,去極百一十度。(在黃道內四度)春夏為木,秋冬為火。(巫咸曰:木星也。)日月五星常貫牽牛中道也。(吳之分野)《佐助期》曰:“牽牛主關梁,神名略緒熾,姓蠲除。”《北官候》曰:“牽牛一名天鼓;一名天關;牛第一兩星如連李,名即路,一名聚火。”

石申がいう、牽牛は六颗の星から組成され八度を横に跨る。原書小注:古度は九度を作る。量度は中央の那颗の大星を距星と為しそれが最も先に中天に到達し北天極を距ること百十度である。原書小注:黄道以北の四度に位する。牽牛は春夏は木に配し秋冬は火に配す。原書小注が巫咸を引いていう、それは木に属す。日月・五星は常に牽牛の中間から貫穿して過ぐるあれはすなわち中道である。原書小注:牽牛の分野は呉国に在る。《佐助期》にいう、牽牛は関隘・橋梁を掌管し星神の名を略緒熾と叫び姓を蠲除とする。《北官候》にいう、牽牛は一名「天鼓」であり一名「天関」である。牛宿の最も前の两颗の星は連綴して両枚の李子の如く名づけて「即路」といいまた「聚火」と名づく。

石氏曰:“牽牛六星,天府也;日月七政所王者,即察政;視牛星明大,次第相承,王道大昌,天下安寧。牛星不明其常色,其歲五穀不成,牛多災凶。”甘氏曰:“牽牛上二星,主道路,次南星,主關梁;次南三星,主南越;故動搖變色,從而占之。”

石申がいう、牽牛の六星は天上の府庫である。日・月と五星は合わせて「七政」と称し君王がこれに據って政事を省察する。牛宿の諸星が明亮・碩大で依次に相承えるを看るは便ち王道が大昌し天下が安寧する象である。牛星が若し本有の常色を失して昏暗なればその年に五穀が熟さず牛もまた災病が多い。甘徳がいう、牽牛の上面の両星は道路を主りその次の南に偏する一星は関隘・橋梁を主りさらに南に往く三星は南越の地を主る。ゆえにこれらの星に一たび揺動あるいは変色あればすなわちそれらが各自の主る所の事に依って推占する。

郗萌曰:“天鼓星怒者,馬貴。”《天官書》曰:“牽牛為犧牲。”宋均曰:“牽牛為牛角。”《月食占》曰:“牽牛為冬獄。”《二十八宿山經》曰:“牛山與女山相連,各法其星形;牽牛須女星神,常居其上。”

郗萌がいう、天鼓の星光の色が暴張して怒るが如くなれば馬価はまさに騰貴せんとする。《史記・天官書》にいう、牽牛は祭祀に用いる犠牲を象徴する。宋均がいう、牽牛は牛角を象徴する。《月食占》にいう、牽牛は冬季の刑獄である。《二十八宿山経》にいう、牛宿が対応する牛山と須女宿が対応する女山は彼此に相連なり両山の形勢は各々本宿の星形を仿照し牽牛と須女の星神は常年に山上に駐在する。

《黃帝占》曰:“牽牛大星亡,大牛死;小星亡,小牛死疫;中央大星不明而黃者;天下芻大貴十倍;牽牛星直,糴平;曲,糴貴,牛中央大星左右出,不明,大將心不正,牛大貴;後星前近中央大星者,牛貴,遠牛賤;前星左右者,前將心不正;後星左右出者,後將心不正。所謂前者,星南星也;後者,星北星也。牽牛不與織女星直者,天下陰陽不和。”

《黄帝占》にいう、牽牛の大星が隠没して見えざれば大牛はまさに死せんとする。小星が隠没して見えざれば小牛はまさに疫病に死せんとする。中央の那颗の大星が昏暗にして黄を泛ばせば天下の草料の価銭はまさに十倍貴しとならんとする。牽牛の諸星が直線に排成すれば糧価が平穏である。曲折の形に排成すれば糧価が上漲する。牛宿の中央の大星が左右に偏出して明亮ならざれば大将の心術が不正で牛価が大いに漲ることを主る。後面の星が前に向かって中央の大星に靠近すれば牛価が貴く離るること遠ければ牛価が賤い。前面の星が左右に偏出すれば前軍の将の心術が不正である。後面の星が左右に偏出すれば後軍の将の心術が不正である。ここに謂う所の「前」は南に偏する星を指し「後」は北に偏する星を指す。牽牛が若し織女星と相対して一直線を成さざれば天下の陰陽が和を失う。

《黃帝》曰:“牽牛遠漢者,天下牛大貴;其入漢中者,天下牛多死。”甘氏曰:“牽牛動,牛災,四方皆然。”郗萌曰:“牽牛明大,關梁通利。牽牛主大豆,始出色黃,豆賤也;赤,豆蟲也;色青,豆貴。”

《黄帝占》にいう、牽牛が銀河に遠離すれば天下の牛価が大いに漲る。牽牛が銀河の中に入れば天下の牛に病死が多い。甘徳がいう、牽牛が移動して安からざればすなわち牛の災疫があり四方はみなこのようである。郗萌がいう、牽牛が明亮・碩大なれば関隘・橋梁が暢通して阻無き。牽牛はまた大豆の収成を主る。星が初出の時に色が黄なれば豆価が便宜で色が赤なれば豆子が虫を生じ色が青なれば豆価が上漲する。

《荊州占》曰:“牽牛後星前近中央星者,諸侯以四足為弊。色青;道病;色黑;死不至。牽牛星明,牛貴;細微不明,牛賤。”石氏曰:“牽牛生於列澤之邑,以主越國,為府廷。”《百二十占》曰:“將有犧牲之事,占於牽牛。”《石氏贊》曰:“牽牛主關梁、七政;故置九坎,通水道;又曰牽牛險陰,主關梁;中星高,下牛多殃。”

《荊州占》にいう、牽牛の後面の星が前に向かって中央の大星に靠近すれば諸侯はまさに牛馬のこの類の四足の牲畜によって困を受けんとする。星色が青を発すれば牲畜が途中に病を生ずる。星色が黒を発すれば死亡の事はしかもまだ発生に至らない。牽牛星が明亮なれば牛価が貴く細弱・昏暗なれば牛価が賤い。石申がいう、牽牛の気は列沢の邑に生じ因而に越国を主り越の地の府廷である。《百二十占》にいう、およそまさに祭祀に牲を献ずる事あらんとすればすなわち牽牛の上に到って推占する。《石氏賛》にいう、牽牛は関隘・橋梁と七政を主るゆえに傍らに「九坎」の諸星を設けてもって水道を疏通する。またいう、牽牛は地勢が険要にして陰に属し関梁を主る。中間の星の位置が偏高なれば下方の牛に災殃が多い。

須女占 三

石氏曰:“須女四星,十二度。(古十度)距西度距西南第一星先至,去極百六度。(在黃道內八度)春夏為水,秋冬為火。(《巫咸占》曰:須女,水星也。)須女南九尺,是中道。”(越之分野)《佐助期》曰:“須女星布帛,名色舒,姓終梨時。”《北官候》曰:“須女,一名天少府;一名天女;一名務女;一名臨官女。”

石申がいう、須女は四颗の星から組成され十二度を横に跨る。原書小注:古度は十度を作る。量度は西南の第一星を距星と為しそれが最も先に中天に到達し(「距西度」の三字は伝抄に衍出した重文と為す)この星は北天極を距ること百六度である。原書小注:黄道以北の八度に位する。須女は春夏は水に配し秋冬は火に配す。原書小注が《巫咸占》を引いていう、須女は水に属す。須女以南の九尺は日月・五星が運行する中道である。原書小注:須女の分野は越国に在りすなわち今の浙江一帯である。《佐助期》にいう、須女の星は布帛を主り星神の名を色舒と叫び姓を終梨時とする。《北官候》にいう、須女は一名「天少府」であり一名「天女」であり一名「務女」であり一名「臨官女」である。

《聖洽符》曰:“須女者,主娶婦嫁女也。”巫咸曰:“須女,天女也;天府天市斗也。”郗萌曰:“須女、主麻;其色白者,麻為色;黃,不為色;青,麻蟲。”《黃帝》曰:“須女星欲明,明則士女有緒,國富民殷。”郗萌曰:“須女星明大,則女工昌;不明,則法令易,詩書滅絕。”

《聖洽符》にいう、須女は妻を娶り女を嫁がせる事を掌管する。巫咸がいう、須女はすなわち天上の女子で兼ねて天府・天市と斗の性質を有す。郗萌がいう、須女は麻の収成を主る。星色が白を発すれば麻は色を上る能し色が黄なれば麻は色を上らざる色が青なれば麻はまさに虫を生ぜんとする。《黄帝占》にいう、須女の星は明亮を以て好しと為し明亮なればすなわち男女の婚配が各々頭緒を有し国家が富足し百姓が殷実する。郗萌がいう、須女星が明亮・碩大なれば紡織・女紅が興盛する。星が若し明ならざれば法令が屡屡更改し詩書・文教が断絶する。

《玄冥》曰:“須女星明,天下大豐,女工有儲,國充富;星不明,天下虛,藏不足。”甘氏曰:“須女動,則嫁娶;將有嫁娶,占於須女。”《石氏贊》曰:“須女主布帛,裁置之;故置雜珠為藏府。又曰:須女,珍物寶所藏,故主布帛,奉給主。”

《玄冥占》にいう、須女星が明亮なれば天下が大豊収し織作に余存があり国庫が充実・富足する。星が若し明ならざれば天下が空虚で府庫の積蔵が足らない。甘徳がいう、須女星が一たび動けばすなわち嫁娶の事がある。およそまさに嫁娶を行わんとすれば便ち須女の上に到って推占する。《石氏賛》にいう、須女は布帛を主り裁剪・安置の事を掌るゆえに傍らに「雑珠」の諸星を設けて收蔵の府と為す。またいう、須女は珍宝・財物が貯蔵する所在であり因而に布帛を主り供奉して君主を給養する。

虚宿占 四

石氏曰:“虛二星,十度,(古十四度)度距南星先至,去極一百四度。(在黃道內八度)春夏為水,秋冬為金。(巫咸曰:虛,金星也。)虛南九尺,是中道。”(齊之分野)《佐助期》曰:“虛危為禮堂,虛神名開陽。”《聖洽符》曰:“虛、危,天益也。”《孝經內記》曰:“虛,府廷也。”

石申がいう、虚宿は两颗の星から組成され十度を横に跨る。原書小注:古度は十四度を作る。量度は南に偏する那颗の星を距星と為しそれが最も先に中天に到達し北天極を距ること百四度である。原書小注:黄道以北の八度に位する。虚宿は春夏は水に配し秋冬は金に配す。原書小注が巫咸を引いていう、虚は金に属す。虚宿以南の九尺は日月・五星が運行する中道である。原書小注:虚の分野は斉国に在りすなわち今の山東一帯である。《佐助期》にいう、虚・危の両宿は天上の礼堂で虚宿の星神の名を開陽と叫ぶ。《聖洽符》にいう、虚・危の二宿は天道を增益する義を有す。《孝経内記》にいう、虚は天上の府廷である。

《北官候》曰:“虛主哭泣諒喑之事,一名天軍市;一名臨宮;一名天府;一名鄉中,黃鐘宮也:一名兌宮;一名申宮。”郗萌曰:“虛者生於牛山之中,以為齊國府廷。”《爾雅》曰:“北陸,虛也。(注曰:北陸,虛星名也。)一名天府,主邑居;主廟堂;主祭祀;主祀禱之事。”

《北官候》にいう、虚宿は哭泣および「諒喑」——君主が居喪の期間に静默して政事を言わない——のこの一類の事を主り一名「天軍市」であり一名「臨宮」であり一名「天府」であり一名「郷中」であり十二律の黄鐘の宮に配しまた「兌宮」と叫ばれまた「申宮」と叫ばれる。郗萌がいう、虚宿の気は牛山の中に生じ因而に斉国の府廷と為る。《爾雅》にいう、「北陸」はすなわち虚宿である。原書小注:北陸は虚星の名号である。虚はまた「天府」と名づき城邑の居処を主り廟堂を主り祭祀を主り祈祷の事を主る。

《黃帝》曰:“虛二星,主墳墓冢宰之官。十一月,萬物盡,於虛星主之,故虛星死喪。”甘氏曰:“虛主喪事,動則有喪。”郗萌曰:“虛危併為一體,主觴客之事;中有六星不欲明見也,明見,則神龜用事。將有哭泣之事,則占於虛。”

《黄帝占》にいう、虚宿の両星は墳墓を主りまた冢宰のこの一官職を主る。十一月に万物が凋尽しこの一節令は虚星が主管するゆえに虚星は死喪の事を主る。甘徳がいう、虚宿は喪事を主り星が一たび移動すればすなわち喪がある。郗萌がいう、虚・危の両宿は合わせて一体と為り宴飲・待客の事を主る。宿の中に六颗の小星がありそれらが顕現・明亮するを希望しない一旦明亮・可見なればすなわち神亀が事に当たり卜筮が頻興の象である。およそまさに哭泣の事あらんとすればすなわち虚宿の上に到って推占する。

《二十八宿山經》曰:“虛山、危山相連,在齊臣首山中坐,虛危星神,常居其上。”郗萌曰:“虛星動搖,有井田之法;虛星不明,天下大旱。”《荊州占》曰:“虛危中,有六星不欲明見,明見則有大喪;近期一年,中期二年,遠期三年。”

《二十八宿山経》にいう、虚宿が対応する虚山と危宿が対応する危山は彼此に相連なり斉国の臣首山の中に坐落し虚・危の両宿の星神は常年に山上に駐在する。郗萌がいう、虚星が揺動して定まらざればまさに井田の類の地を画し田を分ける法令を推行せんとする。虚星が明ならざれば天下が大旱する。《荊州占》にいう、虚・危の中のあの六颗の小星は顕現・明亮するに宜しからず一旦明亮・可見なればすなわち大喪がある。近ければ一年に応じ中は二年に応じ遠ければ三年に応ずる。

危宿占 五

石氏曰:“危三星,墳墓四星,十七度。(古九度)度距西南星先至,去極九十九度。(在黃道內九度太)春夏為水,秋冬為火。(巫咸曰:危,土星也。)危南九尺,是中道。(齊之分野)《佐助期》曰:“虛、危,為禮堂,神名推長,姓呂賈王。”《北官候》曰:“危,一名天府;一名天市。”巫咸曰:“危為百姓市,又為架構。”

石申がいう、危宿の三星は別に墳墓の四星を附し本宿は十七度を横に跨る。原書小注:古度は九度を作る。量度は西南の那颗の星を距星と為しそれが最も先に中天に到達し北天極を距ること九十九度である。原書小注:黄道以北の九度余に位する。危宿は春夏は水に配し秋冬は火に配す。原書小注が巫咸を引いていう、危は土に属す。危宿以南の九尺は日月・五星が運行する中道である。原書小注:危の分野は斉国に在る。《佐助期》にいう、虚・危の両宿は礼堂で危宿の星神の名を推長と叫び姓を呂賈王とする。《北官候》にいう、危は一名「天府」であり一名「天市」である。巫咸がいう、危は百姓が交易する市集でまた房屋の架構を主る。

《黃帝占》曰:“危主廟堂;上視危星,以主室。危星主柱,主蓋屋,以成帝宮,以教天下;其星明,則天下安寧。”甘氏曰:“危主架屋,星動,則有架屋之事。”郗萌曰:“危星動搖,移徙天下,謀作不解;其星不明,客有誅者。”《玄冥占》曰:“危動搖不明,天子作宮殿,民有土功事。”

《黄帝占》にいう、危宿は廟堂を主る。頭を擡げて危星を観看すればこれに據って宮室の事を推断できる。危星は屋柱を主り屋頂を覆蓋することを主りもって帝王の宮室を建成し併せてこれをもって天下に垂範する。この星が明亮なれば天下はすなわち安寧する。甘徳がいう、危宿は屋宇を架設することを主り星が一たび移動すればすなわち房屋を营造する事がある。郗萌がいう、危星が揺動して定まらざれば天下の人が遷徙・流移し営作の謀劃が糾纏して決せられない。星が若し明ならざれば客居・外来の人の中に誅殺される者があらん。《玄冥占》にいう、危星が揺動にして昏暗なれば天子はまさに宮殿を营造し百姓はまさに土木の役に服せんとする。

石氏曰:“虛危主廟堂,祀考妣,故置墳墓,識先祖塋域。虛、危五星,為祠堂;墳墓四星,祠祀享。”郗萌曰:“危為發屋之事,為蓋屋;將有蓋屋之事,則占於危。”《石氏贊》曰:“墳墓四星,主悲涼也。”

石申がいう、虚・危の両宿は廟堂を主り已故の父親と母親を祭祀するゆえに傍らに「墳墓」の諸星を設けてもって先祖の墓域を標識する。虚・危は合わせて五颗の星で天上の祠堂である。墳墓の四星はすなわち祭祀・享献を主る。郗萌がいう、危宿は屋頂を掀き去ることと屋頂を覆蓋する事に関わる。およそまさに屋を蓋う挙あらんとすればすなわち危宿の上に到って推占する。《石氏賛》にいう、墳墓の四星は悲涼・哀戚の情を主る。

営室占 六

石氏曰:“營室二星,離宮六星,十六度。(古二十度)度距南星先至,去極八十五度。(在黃道內十八度半)春夏為水,秋冬為土。(巫咸曰:營室,木星也。)室南九尺,是中道。(衛之分野)《佐助期》曰:“營室主軍市之糧,神名玄耀登,姓婁方。”皇甫謐《年曆》:“營室;一名休官。”《地軸占》曰:“營室;一名鮧[魚俞]。”《北官候》曰:“營室:一名玄冥;一名天官;大人之宮。”

石申がいう、営室の両星は別に離宮の六星を附し本宿は十六度を横に跨る。原書小注:古度は二十度を作る。量度は南に偏する那颗の星を距星と為しそれが最も先に中天に到達し北天極を距ること八十五度である。原書小注:黄道以北の十八度半に位する。営室は春夏は水に配し秋冬は土に配す。原書小注が巫咸を引いていう、営室は木に属す。室宿以南の九尺は日月・五星が運行する中道である。原書小注:営室の分野は衛国に在りすなわち今の河南の北部一帯である。《佐助期》にいう、営室は軍中が市易する糧儲を主り星神の名を玄耀登と叫び姓を婁方とする。皇甫謐《年暦》にいう、営室は一名「休官」である。《地軸占》にいう、営室は一名「鮧」——この字は底本に魚旁に俞を加える方式で標出する。《北官候》にいう、営室は一名「玄冥」であり一名「天官」で尊貴の人の宮室である。

郗萌曰:“營室,西壁也。”《爾雅》曰:“營室,謂之定。”(郭璞曰:定,正也。)巫咸曰:“營室,為天庫。”宋均曰:“營室,為舌俞角。”《天官書》曰:“營室,為清廟。”《廣雅》曰:“營室,曰豕。”《聖洽符》曰:“營室二星,天子廟;又曰攝提宮;府廷也。”《二十八宿山經》曰:“營室山在城山東南,與東壁山相連,室壁星神,常居其上。”

郗萌がいう、営室は西辺の壁宿に連ねていうのである。《爾雅》にいう、営室は「定」と叫ぶ。原書小注が郭璞を引いていう、定はすなわち端正である——古人が定星が昏れて正中する季節に動工して宮室を营造した因而に名を得た。巫咸がいう、営室は天上の府庫である。宋均がいう、営室は舌俞角である。《史記・天官書》にいう、営室は清静の宗廟である。《広雅》にいう、営室は「豕」と称す。《聖洽符》にいう、営室の両星は天子の宗廟でまた摂提宮と叫ばれまた府廷である。《二十八宿山経》にいう、営室が対応する営室山は城山の東南にあり東壁山と相連なり室・壁の両宿の星神は常年に山上に駐在する。

《黃帝》曰:“營室二星,主軍糧;離宮六星,主隱藏;營室,三軍所立,外有羽林以衛帝;其星欲明,明則國昌,動搖則兵出。”甘氏曰:“營室動,有土功事。”郗萌曰:“離宮一星不具,憂子。”郗萌曰:“營室,一星小不明,禱祀不實,鬼神不享;一曰國家多疫。”

《黄帝占》にいう、営室の両星は軍糧を主り離宮の六星は隠蔽・藏匿を主る。営室は三軍が営を札り寨を立てる地で外に羽林の諸星があって帝座を護衛する。これらの星は明亮を以て好しと為し明亮なれば国運が昌盛し揺動して定まらざればすなわち兵を出さんとする。甘徳がいう、営室星が一たび動けばすなわち土木・工程がある。郗萌がいう、離宮の六星に若し一颗が残欠・不全なれば子嗣を憂愁することを主る。郗萌がまたいう、営室の中に一星が細小・昏暗あれば祈祷・祭祀が誠実ならざるを説明し鬼神が来て歆享しない。別の一説では国中に疫病が多いことを主る。

郗萌曰:“將有土功之事,則占於營室。營室二星亡,則輔臣病死。營室東壁四星,四輔也。欲其正,中有二星,二舍也;欲其實正猶方,實其旁多小星也。”又《荊州占》曰:“四輔不正,則輔臣不忠,越職賣權;二舍不實,則宮女淫,出入不常,適螣相踰,君不悉御,後宮女怨曠去心。”《荊州占》曰:“離宮者,天子之別宮也;主隱藏止息之所也。”《石氏贊》曰:“營室主軍糧,以廩士;故置羽林省道理,又曰營室二星,主軍糧。”

郗萌がいう、およそまさに土木の事あらんとすればすなわち営室の上に到って推占する。営室の両星が隠没して見えざれば輔政の大臣がまさに病死せんとする。営室と東壁が合わせて四星と成り天子の「四輔」を象徴し位置が端正なるを以て好しと為す。当中に別に両星があり両処の館舎を象徴しそれらが充実・端正にして方整なるを希望しいわゆる充実とはすなわち傍らに小星の拱聚が多きである。《荊州占》にまたいう、四輔が端正ならざれば輔臣はすなわち不忠で権を越え勢を攬り職権を出売する。両舎が充実ならざれば宮中の女子はすなわち淫乱で出入が無常で正妻と妾媵が彼此に僭越し君主が一々に臨御する能わず後宮の女子は便ち怨曠・離心を生ずる。《荊州占》にいう、離宮は天子の別宮で隠蔽して休息する処所を主る。《石氏賛》にいう、営室は軍糧を主りもって士卒を給養するゆえに傍らに羽林の諸星を設けて道路の事理を省察する。またいう、営室の両星は軍糧を主る。

東壁占 七

石氏曰:“東壁二星,九度。(古十五度)度距南星先至,去極八十六度。(在黃道內十二度半)春夏為金,秋冬為水。(巫咸曰:東壁,土星也。)東壁南九尺,為中道。(衛之分野)《佐助期》曰:“東壁主文章,神名瞻工,姓刑孫王。”《北官候》曰:“東壁,一名天池;一名天術。”巫咸曰:“東壁為天梁。”

石申がいう、東壁は两颗の星から組成され九度を横に跨る。原書小注:古度は十五度を作る。量度は南に偏する那颗の星を距星と為しそれが最も先に中天に到達し北天極を距ること八十六度である。原書小注:黄道以北の十二度半に位する。東壁は春夏は金に配し秋冬は水に配す。原書小注が巫咸を引いていう、東壁は土に属す。東壁以南の九尺は日月・五星が運行する中道である。原書小注:東壁の分野は衛国に在る。《佐助期》にいう、東壁は文章の著述を主り星神の名を瞻工と叫び姓を刑孫王とする。《北官候》にいう、東壁は一名「天池」であり一名「天術」である。巫咸がいう、東壁は天梁である。

《孝經章句》曰:“東壁,市也;又曰天市。”《聖洽符》曰:“東壁,主土功之事。”《黃帝占》曰:“東壁失色,大小不同,則王者好武,經士不用,圖書隱藏,天下咸愚。”《甘氏占》曰:“東壁主土;星動,則土功事興。東壁星明大,王者明道,術學大興,國有君子。”

《孝経章句》にいう、東壁は市集でまた天市と叫ばれる。《聖洽符》にいう、東壁は土木・工程の事を主る。《黄帝占》にいう、東壁が本有の顔色を失し両星が大小が一ならざれば君王が兵を用いるを偏好し経に通ずる士人が任用を獲ず図籍・典册が藏匿されて彰されず天下の人がみな愚昧に陥ることを説明する。《甘氏占》にいう、東壁は土を主り星が一たび動けば土木・工程はまさに興起せんとする。東壁星が明亮・碩大なれば君王が治道を申明し学術が大いに興盛し国中に君子が出る。

郗萌曰:“東壁,離徙作治田就聚,以田宅為憂;一曰將有土功之事,占於東壁。”石氏曰:“東壁主文章圖書府,故置壘壁,以衛後。”《石氏贊》曰:“東壁,主文章萬物,犯壁,本鄉。”《洪範傳》曰:“北方七宿,九十九度;今九十八度四分度之一。”

郗萌がいう、東壁の諸星が本位を脱離して移徙するのは、人々が田畝を興修し聚居して邑を成し併せて田宅の事によって憂慮することを主る。別の一説ではおよそまさに土木の事あらんとすればすなわち東壁の上に到って推占する。石申がいう、東壁は文章・図籍の府庫を主るゆえに傍らに「塁壁」の諸星を設けてもって後宮を護衛する。《石氏賛》にいう、東壁は文章と万物を主る。行星が東壁を「犯」すればすなわち七寸以内に逼近して相侵し応験は本宿が主る所の地域に在る。《洪範伝》にいう、北方の七宿は合わせて九十九度で今測れば九十八・四分の一度である。

開元占経 巻六十二・西方七宿占三

奎宿 一

石氏曰:“奎十六星,十六度,(古十二度)度距西南大星先至,去極七十度,(在黃道內十四度少)春夏為金,秋冬為水。”(巫咸曰:奎,金星也。)奎南九尺,是中道。”(魯之分野)《佐助期》曰:“奎主武庫兵,神名列常,姓均劉方。”《西官候》曰:“奎,一名天庫;一名天邊偏將軍;武庫,軍庫也。奎者,天之玄冥也,溝瀆陂池,江河漢也,其木榆也,其物牛筋革,奎金星也。”

石申がいう、奎宿は十六颗の星から組成され十六度を横に跨る。原書小注:古度は十二度を作る。量度は西南の那颗の大星を距星と為しそれが最も先に中天に到達し北天極を距ること七十度である。原書小注:黄道以北の十四度稍弱に位する。奎宿は春夏は金に配し秋冬は水に配す。原書小注が巫咸を引いていう、奎は金に属す。奎宿以南の九尺は日月・五星が運行する中道である。原書小注:奎の分野は魯国に在りすなわち今の山東の南部である。《佐助期》にいう、奎は武庫の中の兵器を主り星神の名を列常と叫び姓を均劉方とする。《西官候》にいう、奎は一名「天庫」であり一名「天辺偏将軍」である。いわゆる武庫はすなわち軍中の府庫である。奎は天上の玄冥の水神で溝渠・陂塘・江河と銀漢を主る。配属する樹木は楡で配属する物産は牛筋・皮革で奎の五行は金に属す。

《矢官書》曰:“奎曰封豕,一名天豕。”《詩緯》曰:“奎為女令。”《聖洽符》曰:“奎者,溝瀆也。”《孝經章句》曰:“奎,府廷也。”巫咸曰:“奎為天庫;又曰奎婁,春獄。”郗萌曰:“將有溝瀆之事,則占於奎;其西南大星,所謂天豕目者也;亦曰大將,故欲其明也。”

《天官書》にいう、奎は「封豕」と叫ぶすなわち大猪で一名「天豕」——底本ここに「天官書」を訛じて「矢官書」と作る。《詩緯》にいう、奎は女子の政令を主る。《聖洽符》にいう、奎はすなわち溝渠である。《孝経章句》にいう、奎は府廷である。巫咸がいう、奎は天庫である。またいう、奎・婁の両宿は春季の刑獄である。郗萌がいう、およそまさに溝渠を開鑿する事あらんとすればすなわち奎宿の上に到って推占する。その西南の方の那颗の大星はすなわちいわゆる「天豕之目」でまた大将と称しゆえにそれが明亮なるを希望する。

《玄冥占》曰:“奎大星,大將軍;其欲明,而行列兩頭免近河,以候水兵。芒角動搖進退,國必用兵;或曰有赦令。”《二十八宿山經》曰:“奎山、婁山相連,奎婁星神,常居其上。”《黃帝》曰:“奎星芒角動搖,國必有兵,不出年中。”《河圖》曰:“帝淫溢,政不平,則奎有兵。”

《玄冥占》にいう、奎宿の大星は大将軍を象徴しそれが明亮なるを希望し而も全宿の排列の両端は銀河に靠近するを避くべきでこれに據って水患と兵事を候察できる。この星が芒角を生出し揺動・不定にして進退が常なきは国家は必定に兵を動かす。または人に赦令を発布することを主るともいう。《二十八宿山経》にいう、奎山と婁山は彼此に相連なり奎・婁の両宿の星神は常年に山上に駐在する。《黄帝占》にいう、奎星の芒角が揺動すれば国中に必ず兵事がありその年を出でずまさに応験せんとする。《河図》にいう、帝王が荒淫・放縦で政事が公ならざれば奎宿はすなわち兵象を顕出する。

《文曜鉤》曰:“奎星直朝九年,主弒,天下無文法,兵官營壘不寧。”甘氏曰:“奎星動,有溝瀆之事。””郗萌曰:“奎頭大星,色黃,忽然不明者,將軍叛王也,非其舊,故黃也。”《荊州占》曰:“奎中星明者,水大出。”《石氏贊》曰:“奎主軍;兵禁不明,故置軍以領之;又曰:奎主庫兵,秉統制政功以成。”

《文曜鈎》にいう、奎星が直線に連なり朝廷を正対して長きこと九年なれば弑逆の禍があり天下に成文の法度なく武官と営塁がみな安寧を得ないことを主る。甘徳がいう、奎星が移動すればすなわち溝渠を開鑿する事がある。郗萌がいう、奎宿の前端の大星が色を黄に転じ忽然として昏暗と変ずれば将軍が君王を背叛することを説明する。黄色はそれの本有の色にあらず反常して黄を発して乃ちこれを占と為す。《荊州占》にいう、奎宿の中間の星が明亮なれば大水が暴発することを主る。《石氏賛》にいう、奎は軍旅を主る。兵禁が明ならざるゆえに別に軍星を設けてそれを統領する。またいう、奎は府庫の兵器を主り執掌・統摂し制度と政事がこれにより成就する。

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