歳月日時刑
子刑卯,卯為刑下,子為刑上;丑刑戌,戌為刑下,未為刑上;寅刑巳,巳為刑下,申為刑上;卯刑子,子為刑下,卯為刑上;辰刑辰,巳刑申,申為刑下,寅為刑上;午刑午,未刑壬,壬為刑下,戌為刑上;申刑寅,寅為刑下,巳為刑上;酉刑酉,戌刑未,未為刑下,丑為刑上;亥刑亥。凡刑下來者,禍淺;刑上來者,災深;自刑者,兼刑上刑下,其災尤深。謂之三刑者,刑上、刑下、自刑也。
地支の相刑する配列は、子は卯を刑し、卯は「刑下」と為し、子は「刑上」と為す。丑は戌を刑し、戌は刑下と為し、未は刑上と為す。寅は巳を刑し、巳は刑下と為し、申は刑上と為す。卯は子を刑し、子は刑下と為し、卯は刑上と為す。辰は辰を自刑す。巳は申を刑し、申は刑下と為し、寅は刑上と為す。午は午を自刑す。未は丑を刑し、丑は刑下と為し、戌は刑上と為す。申は寅を刑し、寅は刑下と為し、巳は刑上と為す。酉は酉を自刑す。戌は未を刑し、未は刑下と為し、丑は刑上と為す。亥は亥を自刑す。およそ風が刑下の方位から吹き来るは、禍患は較べて浅い。刑上の方位から吹き来るは、災殃は深重である。自刑に属するは、刑上と刑下の両重を兼ね、災禍はことに深重である。いわゆる「三刑」は、すなわち刑上・刑下・自刑のこの三種である。底本の「未刑壬、壬は刑下と為す」の「壬」は「丑」と作るべし。
五墓
亥卯未,木墓在未;寅午戌,火墓在戌;申子辰,水墓在亥;巳酉丑,金墓在丑;土墓在辰。
亥・卯・未は三合して木局と成り、木の墓は未に在る。寅・午・戌は三合して火局と成り、火の墓は戌に在る。申・子・辰は三合して水局と成り、水の墓は亥に在る。巳・酉・丑は三合して金局と成り、金の墓は丑に在る。土の墓は辰に在る。この五処は合して「五墓」と称し、風が墓位から吹き来るは、気数が衰敗し事情が成り難きを主る。按ずるに通行の三合の法は、水局の墓はまさに辰に在るべく、底本は「亥」と作り、いま依然として原文に照らす。
干刑
甲刑戊,乙刑己,丙刑庚,丁刑辛,戊刑壬,己刑癸,庚刑甲,辛刑乙,壬刑丙,癸刑丁。
天干の相刑する配列は、甲は戊を刑し、乙は己を刑し、丙は庚を刑し、丁は辛を刑し、戊は壬を刑し、己は癸を刑し、庚は甲を刑し、辛は乙を刑し、壬は丙を刑し、癸は丁を刑す。皆四位を相隔てて両々として相刑し、陽干は陽干を刑し陰干は陰干を刑す。風を占う時にそれをもって日干と風来の方の相犯するや否やを判断する。
衝破
十二支沖:子沖午,午沖子,丑沖未,未沖丑,寅沖申,申沖寅,卯沖酉,酉沖卯,辰沖戌,戌沖辰,巳沖亥,亥沖巳。
十二地支の相衝は、子は午に衝き午は子に衝き、丑は未に衝き未は丑に衝き、寅は申に衝き申は寅に衝き、卯は酉に衝き酉は卯に衝き、辰は戌に衝き戌は辰に衝き、巳は亥に衝き亥は巳に衝く。相衝する両支は十二辰盤の上にまさに互いに相対し、前文の謂う「風が衝より来る」は、すなわち風が日辰と相対するあの方位から吹き来るを指す。
五音六属法
五音:一言宮,三言徵,五言羽,七言商,九言角。六屬:庚屬震,辛屬巽,戊屬坎,己屬離,丙屬艮,丁屬兌。子午屬庚,壬未屬辛,寅申屬戊,卯酉屬己,辰戌屬丙,巳亥屬丁。
五音と数目との相配は、数が一に至るは宮と為し、数が三に至るは徴と為し、数が五に至るは羽と為し、数が七に至るは商と為し、数が九に至るは角と為す。六属は天干と卦位の配合で、庚は震卦に属し、辛は巽卦に属し、戊は坎卦に属し、己は離卦に属し、丙は艮卦に属し、丁は兌卦に属す。地支はさらにこの六干に分属す。子と午は庚に属し、丑と未は辛に属し、寅と申は戊に属し、卯と酉は己に属し、辰と戌は丙に属し、巳と亥は丁に属す。これは納音の数を起こす根柢である。底本の「壬未は辛に属す」の「壬」は「丑」と作るべし。
乾主甲子、壬午。甲為陽日之始,壬為陽日之終,子為陽辰之始,午為陽辰之終。乾初在子,則四在午。乾主陽,內子外午,內為始,外為終也。坤主乙未、癸壬。乙為陰日之始,癸為陰日之終,壬為陰辰之始,未為陰辰之終。坤為初在未,四在丑。坤主陰,故內主未,外主壬。震主庚子、庚午。震為長男,乾初九主甲,對於庚,故震主庚,以父授子,故主子午,與父同也。巽主辛丑、辛未。箕為長女,坤初主乙,乙與辛對,故巽主辛,以母授女,故主壬未,與母同也。
乾卦は甲子・壬午を主る。甲は陽日の開端で、壬は陽日の終末である。子は陽辰の開端で、午は陽辰の終末である。乾卦の初爻は子に在れば、すなわち第四爻はすなわち午に在る。乾卦は陽を主り、内卦は子を納れ外卦は午を納れ、内は始と為し外は終と為す。坤卦は乙未・癸丑を主る。乙は陰日の開端で、癸は陰日の終末である。丑は陰辰の開端で、未は陰辰の終末である。坤卦の初爻は未に在り、第四爻は丑に在る。坤卦は陰を主り、ゆえに内卦は未を主り外卦は丑を主る。震卦は庚子・庚午を主る。震は長男と為り、乾卦の初九は甲を納れ、甲と庚とは相対し、ゆえに震は庚を納る。父より子に伝うるにより、ゆえに同じく子・午の両辰を主り、父卦と相同じ。巽卦は辛丑・辛未を主る。巽は長女と為り、坤卦の初爻は乙を納れ、乙と辛とは相対し、ゆえに巽は辛を納る。母より女に伝うるにより、ゆえに同じく丑・未の両辰を主り、母卦と相同じ。底本の「癸壬」「外主壬」「箕為長女」「主壬未」の諸処は、分別して「癸丑」「外主丑」「巽為長女」「主丑未」と作るべし。
坎主戊寅、戊甲。坎主中男。故主中干、中辰。離主巳卯、巳酉。離為中女,亦主中干、中辰。艮主丙辰、丙戊。艮為少男,乾上主壬,對丙,故主丙辰、丙戌,是第五配兌主丁巳、丁亥。兌為少女,坤上主癸,對丁,故主丁巳、丁亥,是第六配。以地十二辰合十干,以十干所屬者命之,以其言數納其音,以主一日,日辰相配,共得一音,此納音之法也。
坎卦は戊寅・戊申を主る。坎は中男と為り、ゆえに中に居る天干と中に居る地支を納る。離卦は己卯・己酉を主る。離は中女と為り、同じく中に居る天干と地支を納る。艮卦は丙辰・丙戌を主る。艮は少男と為り、乾卦の上爻は壬を納れ、壬と丙とは相対し、ゆえに丙辰・丙戌を納る。これは第五組の配合である。兌卦は丁巳・丁亥を主る。兌は少女と為り、坤卦の上爻は癸を納れ、癸と丁とは相対し、ゆえに丁巳・丁亥を納る。これは第六組の配合である。総じて言えば、地上の十二辰を取って天上の十干に配り、十干の各々の所属する卦に按って命定し、さらに配する所の数に依ってそれの音を納出し、もってこの一日を主管せしめ、日と辰は互いに相配して共に一個の音を得る。これを納音の法と謂う。底本の「戊甲」「巳卯・巳酉」「丙戊」は、「戊申」「己卯・己酉」「丙戌」と作るべし。
納音
甲子、壬申、甲午、庚辰、壬寅、庚戌為陽商。乙壬、癸酉、辛亥、乙未、辛巳、癸卯為陰商。丙寅、戊子、甲辰、甲戌、丙申、戊午為陽徵。丁卯、己丑、乙巳、乙亥、丁酉、己未為陰徵。戊辰、庚寅、壬午、壬子、戊戌、庚辰為陽角。己巳、辛卯、癸未、癸丑、己亥、辛酉為陰角。庚午、丙戌、戊申、戊寅、庚子、丙辰為陽宮。辛未、丁亥、己酉、己卯、辛丑、丁巳為陰宮。甲申、壬辰、丙午、甲寅、丙子、壬戌為陽羽。乙酉、癸巳、丁未、丁丑、乙卯、癸亥為陰羽。凡言宮、商、角、徵、羽日,皆依此。
甲子・壬申・甲午・庚辰・壬寅・庚戌のこの六個の日辰は陽商に属す。乙丑・癸酉・辛亥・乙未・辛巳・癸卯は陰商に属す。丙寅・戊子・甲辰・甲戌・丙申・戊午は陽徴に属す。丁卯・己丑・乙巳・乙亥・丁酉・己未は陰徴に属す。戊辰・庚寅・壬午・壬子・戊戌・庚辰は陽角に属す。己巳・辛卯・癸未・癸丑・己亥・辛酉は陰角に属す。庚午・丙戌・戊申・戊寅・庚子・丙辰は陽宮に属す。辛未・丁亥・己酉・己卯・辛丑・丁巳は陰宮に属す。甲申・壬辰・丙午・甲寅・丙子・壬戌は陽羽に属す。乙酉・癸巳・丁未・丁丑・乙卯・癸亥は陰羽に属す。およそ下文に宮日・商日・角日・徴日・羽日と説くは、皆この表に依照して推定する。この表は六十甲子を五音に按って陰陽の十組に分かち、毎組は六個の日辰である。風を占う時にまず当日の日辰が何れの音に属するを査し、さらに風が何れの音の方位から吹き来るを見て、両者相配合してやっと「宮動徴」「羽動角」の類の占例を定出しうる。底本の「乙壬」はまさに「乙丑」の訛りと為すべし。
地十二辰五音法
子主陽宮土,主帝王;丑為陽徵火,主旱、主火災、主宮寺、主口舌;寅為陽徵火,主旱、主火、主烽燧;卯為陽羽水,主雨霖、主水、主霧;辰為陽商金,主大將軍、主吏士;巳為陽角木,主疾病、主憂患;午為陽宮土,主后妃;未為陰徵火,主庶人、主土功、主蜚蟲、主詔誥、主書檄、主旱;申為陰徵火,主郵驛、尉侯、主旱、火;酉為陰羽水,主霜雪、主雷電、主沉陰、主雹;戌為陰商金,主小將、主兵刃;亥為陰角木,主死喪、哭泣。李先生曰:“自午至巳,皆為陰律所生,故為陽;自午至亥,皆為陽律所生,故為陰。”
子は陽宮に属し五行は土、帝王を主る。丑は陽徴に属し火と為り、旱災を主り火災を主り宮室・寺観を主り口舌・是非を主る。寅は陽徴に属し火と為り、旱を主り火を主り辺境の烽燧を主る。卯は陽羽に属し水と為り、久雨を主り水患を主り霧を主る。辰は陽商に属し金と為り、大将軍を主り吏員・士卒を主る。巳は陽角に属し木と為り、疾病を主り憂患を主る。午は陽宮に属し土と為り、后妃を主る。未は陰徴に属し火と為り、平民・百姓を主り土木の工程を主り飛虫の害を主り詔書・誥命を主り文書・檄令を主り旱を主る。申は陰徴に属し火と為り、郵駅・伝逓を主り尉官・候吏を主り旱と火を主る。酉は陰羽に属し水と為り、霜雪を主り雷電を主り久陰を主り冰雹を主る。戌は陰商に属し金と為り、偏裨の小将を主り兵刃を主る。亥は陰角に属し木と為り、死喪と哭泣を主る。李先生に曰く:子から巳に至るは、皆陰律の生ずる所に由り、ゆえに陽と称す。午から亥に至るは、皆陽律の生ずる所に由り、ゆえに陰と称す。この表は十二地支を五音・五行に分派し、かつ各々主る所の人事・物象を系し、風がある一辰の方位から吹き来れば、すなわちあの一辰の主る事と当日の日辰の音を取って互いに参照し、これに拠って災祥が何人・何事の上に落ちるかを断定する。底本の前の「自午至巳」の「午」は「子」と作るべし。
五音相動風占
宮日,風從子午宮來,為宮動宮,主人君出行,急風暴起急出,有急令;慢風慢出,有喜令;以干占,知遠近。宮日,風從陽宮來,山陵崩壞,人君出行,地動、旱、有土功;風從陰宮來,地震裂,若后出行,又為旱。又曰:陽宮之日,風從子午宮來,君出行;陰宮之日,風從子午宮來,后出行。宮日,風從子午宮來,時加子午,為重宮,君欲行,大臣走,又為風雨不調。
宮日にあたり、風が子の位または午の位という二つの宮音の方角から吹いてくるのを「宮動宮」といい、君主の出行を主る。風が急に暴発すれば、急いで出かけ、緊急の政令がある。風が緩やかに吹けば、ゆったりと出かけ、喜びの詔令がある。さらに天干で占えば、道のりの遠近や速さが分かる。宮日に風が陽宮の方から吹けば、山陵が崩れ、君主が出行し、地動・旱魃・土木の工事がある。風が陰宮の方から吹けば、地が震え裂け、あるいは皇后が出行し、また旱魃を主る。別の説では、陽宮に属する日に風が子・午の宮位から吹けば君主の出行、陰宮に属する日に風が子・午の宮位から吹けば皇后の出行である。宮日に風が子・午の宮位から吹き、時刻がちょうど子・午に加臨するのを「重宮」といい、君主が行こうとすれば大臣が逃げ去り、また風雨が調わないことを主る。
宮日,風從丑、未寅申徵來,為宮動徵,有火燭,有土功,寶物出,有兵。時加徵,為重徵,有義兵行,有土功,有詔令,謂之義風。宮日,風從卯酉來,為宮動羽,且有大雨,不則大臣出走,若復為旱,宮君羽臣,君怒臣走,宮土羽水,土盛水衰,水衰則火起,故復為旱也。時加羽,為重羽,即有雨,五穀成。
宮日に、風が丑・未・寅・申という四つの徴音の方角から吹いてくるのを「宮動徴」といい、火烛の災いがあり、土木の工事があり、宝物が現れ、兵事もある。時刻がさらに徴位に加臨するのを「重徴」といい、義をたっとぶ軍隊が出動し、土木の工事があり、詔令が下され、この種の風を「義風」と呼ぶ。宮日に風が卯・酉の方から吹いてくるのを「宮動羽」といい、大雨がある。そうでなければ大臣が出走するか、かえって旱となる。宮音は君に属し、羽音は臣に属するゆえ、君主が怒れば臣下が逃げる。宮は土に属し、羽は水に属し、土が盛んになれば水が衰え、水が衰えれば火が起こるので、また旱に転じるのである。時刻が羽位に加臨するのを「重羽」といい、たちまち雨が降り、五穀が実る。
宮日,風從辰戌商來,為宮動商,有兵行,且有客兵來。時加辰戌,為重商,有兵殃。宮日,風從巳亥角來,為宮動角,有兵戰,人主憂,客兵傷,有喪。從陽商來,邊兵戰,有大喪。宮為土、為君,角為木,土動木,不勝,故君凶;木主哭泣,故主喪。時加巳亥,為重角,君不昌,有大喪。
宮日に、風が辰・戌という二つの商音の方角から吹いてくるのを「宮動商」といい、軍隊が出発し、しかも外来の客兵が来ることを主る。時刻がさらに辰・戌に加臨するのを「重商」といい、兵禍が災いをなす。宮日に風が巳・亥という二つの角音の方角から吹いてくるのを「宮動角」といい、兵戦があり、君主に憂いがあり、客兵が傷つき、喪事もある。もし陽商の方から吹けば、辺境に戦事があり、大きな喪がある。宮は土に属し君に属し、角は木に属する。土が動いて木を制しようとしても勝てないので君主に凶があり、木は哭泣を主るので喪を主る。時刻が巳・亥に加臨するのを「重角」といい、君主が栄えず、大きな喪がある。
宮日,大風從乾來,有暴雨、湧水,若風不揚塵,氣色和暢,日光明盛,不寒慘者,國有善令;艮來,山陵崩壞,人君出行,水湧地裂;巽來,蝗蟲生,害五穀;坤來,有土功,走獸為害。己上,時加宮則占。徵日,風從陽宮來,土功起,大旱,火災頓起宮寺;風從陰宮來,太子有疾。時加徵,為重徵,有土功,火災起。
宮日に、大風が乾の方から吹いてくれば、暴雨と洪水の氾濫を主る。もし風が塵を巻き上げず、気色が和らぎ、日光が明るく、吹きつけても寒く惨めでなければ、国家に善い政令がある。艮の方から吹けば、山陵が崩れ、君主が出行し、大水が湧き地が裂ける。巽の方から吹けば、蝗虫が発生して五穀を害する。坤の方から吹けば、土木の工事があり、走獣が災いをなす。以上はいずれも、時刻が宮位に加臨してはじめて占いが立つ。徴日にあたり、風が陽宮の方から吹けば、土木の工事が起こり、天下が大旱し、宮室や寺観に突然火事が起こる。風が陰宮の方から吹けば、太子に疾病がある。時刻が徴位に加臨するのを「重徴」といい、土木の工事があり、火災が起こることを主る。
徵日,風從壬寅陽徵來,有火災,君有恐,走獸為人害,宮寺多焚;從王相來,歲太旱,又多火災。風從未申陰徵來,人君憂,走獸為火災,一曰:六畜多死。時加丑寅未申,為重徵,國四門閉,為火事。徵日,風從陽商來,有急兵,人主出,以兵自守,期七日,若七十日;從陰商來,有急兵戰;一曰:風從陽商來,輔臣強,大臣死,民有殃,以日占國。
徴日に、風が丑・寅という二つの陽徴の方角から吹いてくれば、火災があり、君主が恐れ、走獣が人を害し、宮室寺観の多くが焼かれる。もし旺相の方から吹けば、その年は大旱で、火災も多い。風が未・申という二つの陰徴の方角から吹けば、君主に憂いがあり、走獣が火災を引き起こす。別の説では、六畜が多く死ぬ。時刻が丑・寅・未・申に加臨するのを「重徴」といい、国都の四門が閉じられるのは、まさに火事のためである。徴日に風が陽商の方から吹けば、緊急の兵事があり、君主が出て行き、兵力をもって自ら守り、七日あるいは七十日のうちに応ずる。陰商の方から吹けば、緊急の戦事がある。別の説では、風が陽商から吹けば、輔政の臣が強横になり、大臣が死に、民が災いを受ける。日辰で占ってどの国に応ずるかを知る。底本の「壬寅陽征」の「壬」は「丑」の誤りとすべきである。
徵日,風從陽羽來,四鄰有事,寶物出,陰盛於陽,且有雷電、霜雹,諸侯大臣多失,多火,四夷有兵;從陰羽來,寶物出,多震雷,四夷有事。徵日,風從陽角來,有兵,邊有急,金克木,木子火,反克金,故有兵,亦為有喪;從陰角來,邊有驚火,一曰:邊兵大起,春有喪。
徴日に、風が陽羽の方から吹いてくれば、四方の隣国に事があり、宝物が現れ、陰気が陽気を圧し、しかも雷電と霜雹を伴い、諸侯・大臣の多くが位を失い、火災が頻発し、四方の夷狄が兵を興す。陰羽の方から吹けば、宝物が現れ、雷震が頻繁で、四方の夷狄に事がある。徴日に風が陽角の方から吹けば、兵事があり、辺境に急がある。金は本来木を克するが、木の生む子は火で、火がかえって金を克するので兵があり、また喪をも主る。陰角の方から吹けば、辺境に火の警報がある。別の説では、辺境で大挙して兵が起こり、春に喪事がある。
羽日,風從陽宮來,人持財物聚,君有吏令,遠兵起,土功興,將受命,有集會,有寒雪雹;風從陰宮來,暴寒傷物,有水,有土功,兵集。羽日,風從陽宮來,國有兵,有急令,臣有憂,關梁塞,道路不通;從陰徵來,邊兵憂。
羽日に、風が陽宮の方から吹いてくれば、人々が財物を持って集まり、君主が官吏を差遣する命令を下し、遠方で兵事が起こり、土木の工事が始まり、将領が命を受けて出征し、会盟や集会の事があり、さらに寒い雪と雹がある。風が陰宮の方から吹けば、暴寒が万物を傷つけ、水患があり、土木の工事があり、兵馬が集まる。羽日に風が陽宮の方から吹けば(文脈からすると陽徴とすべきである)、国の中に兵事があり、緊急の政令があり、臣下に憂患があり、関隘や橋梁が塞がれて道路が通じない。陰徴の方から吹けば、辺境の駐軍に憂患がある。
羽日,風從羽來,有白衣聚,有大喪、大寒、雪雹,期五日,若五十日,且有大雨;雨從南方來,國有憂,人多病;雨從北方來,賊聚水中,且有雪雹,陽羽,日應;陰羽,夜應。羽日,風從商來,有兵圍城不戰,邊有急,關梁不通,大雨,客兵不利。金水,子母和,故不戰;羽為角,除害,象臣為君討賊,故動必大雨,不出戰故也。
羽日に、風が羽音の方から吹いてくれば、素服の群衆が集まり、大喪・大寒と雪雹があり、五日あるいは五十日以内に応じ、しかも大雨がある。雨が南方から来れば国家に憂患があり、人々に病気が多い。雨が北方から来れば、賊寇が水中に集まり、また雪雹がある。陽羽に属すれば昼に応じ、陰羽に属すれば夜に応ずる。羽日に風が商音の方から吹けば、軍隊が城を囲んで戦わず、辺境に急があり、関隘・橋梁が通じず、天に大雨が降り、客兵に不利である。金と水は母と子の関係で互いに和するので戦わない。羽水はまた角木を生み養い、角木のために害を除く。これは臣子が君主に代わって賊を討つ象に似るので、この風が動けば必ず大雨があり、出て戦わないのもそのためである。
羽日,風從角來,邊有兵,圍城,城破。一曰:兵不解。時加己亥,為重角,有圍城,有大喪。商日,風從陽宮來,戒太子忌怒人臣,有急兵。宮土,商金,母憂其子,故為太子,亦為人主有疾。從陰宮來,庶子有憂,有急變,兵起北方。
羽日に、風が角音の方から吹いてくれば、辺境に兵事があり、敵軍が城を囲み、城が破られる。別の説では、城を囲む兵が解散しない。時刻が巳・亥に加臨するのを「重角」といい、城を囲む事があり、大喪がある。商日に、風が陽宮の方から吹いてくれば、太子に戒めて臣下を激怒させないようにせよ、緊急の兵事がある。宮は土に属し、商は金に属し、土は金の母で、母が子のために憂えるので太子に応じ、また君主に疾病があることも主る。陰宮の方から吹けば、庶出の子に憂患があり、緊急の変故が起こり、兵事は北方に起こる。
商日,風從徵來,國邑受令,兵行,將在外,兵還,不戰,臣受兵令而行。徵為號令,商為兵,商受徵克,故兵退;一曰:小旱。時加徵,為重徵,有火,有大旱。商日,風從羽來,大雨水,歲大荒,國憂亂,有兵起東方。羽水從金生,故有大兵、大水之事。
商日に、風が徴音の方から吹いてくれば、国都や城邑が政令を受け、軍隊が出発し、将領が外にあって、やがて軍を率いて帰り戦わない。臣下が出兵の命令を奉じてはじめて動く。徴は号令を主り、商は兵を主る。商は徴に克たれるので兵は退く。別の説では、小さな旱がある。時刻が徴位に加臨するのを「重徴」といい、火災があり、大旱がある。商日に風が羽音の方から吹けば、大雨が水害となり、その年は大いに荒れ、国家は憂い乱れ、兵事は東方に起こる。羽は水に属し、金から生まれるので、大兵と大水の事がある。
商日,風從陽商來,有白衣聚眾,且有大水,關梁不通,大將出,忌外兵,邑有小寇,人主憂,國門四閉,兵在西方;從陰商來,國有大殃,粟貴,國有兵,風怒,期七日,七十日,有急令,兵大起。商為金,二金並行,故有大喪;一曰:商日,風從商來,大臣死。
商日に、風が陽商の方から吹いてくれば、素服の群衆が集まり、しかも大水があり、関隘・橋梁が通じず、大将が出征する。外来の兵を警戒せよ。城邑の中に小規模な寇盗があり、君主に憂いがあり、国都の四門が閉じられ、兵事は西方にある。陰商の方から吹けば、国家に大きな災殃があり、穀物の値が上がり、国の中に兵事があり、風の勢いが狂い荒れ、七日あるいは七十日以内に応じ、緊急の政令があり、大規模な戦事が起こる。商は金に属し、二重の金気が並行するので大喪がある。別の説では、商日に風が商音の方から吹けば、大臣が死ぬことを主る。
商日,風從陽角上來,有猝兵,有急令;從陰角上來,有喪,土功作。角日,風從陽宮上來,兵從中起,君憂,國門四閉;從陰宮來,有大喪,貴人多疾病,有土功。宮為君,角主喪無,故有大喪。
商日に、風が陽角の方から吹いてくれば、突発の兵事があり、緊急の政令がある。陰角の方から吹けば、喪事があり、土木の工事が興る。角日に、風が陽宮の方から吹いてくれば、兵変が内部から起こり、君主に憂いがあり、国都の四門が閉じられる。陰宮の方から吹けば、大喪があり、貴人に疾病が多く、土木の工事がある。宮音は君を主り、角音は喪亡を主るので、大喪がある。
角日,風從徵上來,大臣災,亦防火,蟲生,粟貴;一曰:吏拾人財,有兵,倉粟、寶物出。角日,風從羽上來,有大雨,土功興,邊有兵,卿大夫多口舌疾病,亦為夷人相爭。
角日に、風が徴音の方から吹いてくれば、大臣が災いに遭い、また火災を防ぐべきで、虫の害が発生し、穀物の値が上がる。別の説では、官吏が民の財をかき集め、兵事があり、倉の粟米と庫の宝物が流出する。角日に風が羽音の方から吹けば、大雨があり、土木の工事が起こり、辺境に兵事があり、卿大夫に口舌の是非と疾病が多く、また夷人どうしが互いに争うことをも主る。
角日,風從商來,有急兵;一曰:臣不忠。角日,風從陽角來,邊兵起,人主憂,有賊至,戰不勝,多死;從陰角來,有兵,有大喪;一曰:遠喪至。時加角,有喪,有邊兵戰,盜賊起,粟貴,民飢,野多死人。角主死喪,重角尤甚也。
角日に、風が商音の方から吹いてくれば、緊急の兵事がある。別の説では、臣下が忠でない。角日に風が陽角の方から吹けば、辺境で兵が起こり、君主に憂いがあり、賊寇が来犯し、交戦しても勝てず、死傷が多い。陰角の方から吹けば、兵事があり、大喪がある。別の説では、遠方の喪の知らせが届く。時刻がさらに角位に加臨すれば、喪事があり、辺境に戦事があり、盗賊が四方に起こり、穀物の値が上がり、民が飢え、野に死人が多い。角音はもともと死喪を主り、「重角」に逢えばなおさら酷い。
開元占経巻九十二
雨占
雨者,陰陽和而天地氣交之所為也。太清之世,十日一雨,雨不破塊。京房曰:“太平之時,一歲三十六雨,是為休徵,時若之應,凡雨三日以上,為霖,久雨謂霪。”
雨とは、陰陽が調和し、天地の二気が交感して生じるものである。太平清明の世では、十日ごとに一度雨が降り、その雨の勢いは土の塊をも打ち砕かないほど柔らかい。京房はいう。「天下太平のとき、一年に三十六回雨が降る。これがすぐれた瑞兆であり、四時の風雨が時令に順う応えである。凡そ三日以上降り続く雨を「霖」といい、久しく止まない雨を「霪」という。」
雑占
天無雲而雨,謂之天泣,其占為國易政,若出軍逢之,其軍必不還。《河圖》曰:“主急恚怒,則無雲而雨。”《抱朴子》曰:“無雲而雨,是謂雨血,將軍當揚兵、講武,以應之。雨大,軍中尤甚者,將軍敗死。”京房曰:“人君進無德樹為功,則無雲而雨。”
天に雲がないのに雨が降るのを「天泣」といい、その占いは国家が政権を改めることを示す。もし軍を出してこれに遭えば、その軍は必ず帰ってこない。《河図》にいう。「君主が性急で怒りっぽければ、雲がないのに雨が降る。」《抱朴子》にいう。「雲なく雨が降るのを「雨血」といい、将軍は軍容を整え武事を講じてこれに応ずべきである。雨が大きく、軍営の中でとりわけ酷ければ、将軍は敗れて死ぬ。」京房はいう。「人君が徳のない者を登用し、それを功業とすれば、雲がないのに雨が降る。」
正月
一日有風雨,三月穀貴;一曰:正月一日風雨,其年大惡;微風小雨,年小惡;風悲鳴,疾作災起;又曰:正月一日風雨,米貴,蠶傷;風雨從四方來,兵起;正月一日無風而雨,歲中,下田麥成,禾黍小貴;正月上旬雨卯,穀貴一倍;中旬雨卯,穀貴十倍;正月晦日雨風兼至,糴貴禾惡。
正月朔日に風と雨があれば、三月に穀物の値が上がる。別の説では、正月朔日に風雨が交われば、その年の作柄はきわめて悪い。微風と小雨だけなら年成はやや悪い。風が凄まじく悲鳴するようであれば、疾病が発し災いが起こる。またいう。正月朔日に風が吹き雨が降れば、米の値が上がり、蚕事が損なわれる。風雨が四方八方から押し寄せれば、兵事が起こる。正月朔日に風がなく雨だけ降れば、その年のうちに低田の麦は実り、禾黍の値はやや高い。正月上旬に卯日に雨が降れば、穀物の値は一倍上がる。中旬に卯日に雨が降れば、穀物の値は十倍上がる。正月の晦日に風と雨がいっしょに来れば、糴穀は高く禾稼は悪い。
二月
一日風雨,穀貴禾惡;二日、七日、八日、九日,當雨不雨,道中有餓死人;九日至十五日,當雨不雨,兵起;十七、十八日,當雨不雨,蟲冬不蟄;十九、二十日,當雨不雨,三月大旱;二十六日至二十八日,當雨不雨,有逆風從東來,損物。二月晦日風雨,多疾病、死亡。
二月朔日に風が吹き雨が降れば、穀物の値が上がり禾稼が悪い。初二・初七・初八・初九に降るべき雨が降らなければ、道中に飢え死にする人が出る。初九から十五まで降るべき雨が降らなければ、兵事が起こる。十七・十八に降るべき雨が降らなければ、虫が冬になっても蟄伏しない。十九・二十に降るべき雨が降らなければ、三月に大旱がある。二十六から二十八まで降るべき雨が降らなければ、逆風が東から吹き、作物万物を損なう。二月の晦日に風雨があれば、疾病と死亡が多い。
三月
一日雨,井泉空;二日雨,澤無餘;三日雨,水旱不時;四日雨,變易治;五日雨,溝瀆滂;六日雨,壞垣牆;七日雨,決堤防;八日雨,乘船行;九日雨,難可期。三月一日風雨,民疾病,百蟲生,其日雷雨,有旱。三月一日至三日,當雨不雨,秋多大霧,道有餓死人;七日,當雨不雨,穀貴;九日至十五日,不雨,兵在外者罷;十八日至二十日,當雨不雨,角蟲死,天下民有恐;二十三日至二十七日,當雨不雨,冬蟲不蟄,民病。三月辰日雨,百蟲生;未日雨,百蟲死;三月三日小雨,蠶善,大雨,蠶惡;三月十六日雨,桑柘賤。
三月朔日に雨が降れば、井泉が涸れる。初二に雨が降れば、池沢にも余水がない。初三に雨が降れば、水旱が時を失する。初四に雨が降れば、政治が変わる。初五に雨が降れば、溝渠が溢れる。初六に雨が降れば、垣牆が壊れる。初七に雨が降れば、堤防が決壊する。初八に雨が降れば、船に乗って行かねばならない。初九に雨が降れば、災情は期し難い。三月朔日に風雨があれば、民は病み、あらゆる虫が発生する。その日に雷と雨があれば、さらに旱がある。三月朔日から三日まで降るべき雨が降らなければ、秋に大霧が多く、道に飢え死にする人が出る。七日に降るべき雨が降らなければ、穀物の値が上がる。九日から十五まで雨が降らなければ、外で兵を用いている部隊は引き揚げる。十八から二十まで降るべき雨が降らなければ、角のある虫獣が死に、天下の民に恐れがある。二十三から二十七まで降るべき雨が降らなければ、冬虫が蟄伏せず、民は病む。三月に辰日に雨が降れば、百虫が発生し、未日に雨が降れば、百虫が死ぬ。三月三日に小雨が降れば蚕はよく、大雨なら蚕は悪い。三月十六日に雨が降れば、桑・柘の値が安くなる。
春甲寅乙卯日,雨入地五寸,谷小貴,若不貴,至夏大貴;春甲申至己壬日雨,庚寅至癸巳日雨,皆為谷大貴;春甲申雨,其年五穀熟;春甲乙日俱不雨,民不耕。
春に甲寅・乙卯の日に雨が降れば、雨は地に五寸滲み込み、穀物の値はやや上がる。もしその時上がらなければ、夏に必ず大きく上がる。春に甲申から己丑までの日に雨が降るか、庚寅から癸巳までの日に雨が降れば、いずれも穀物の値が大きく上がる。春に甲申の日に雨が降れば、その年は五穀が熟する。春に甲日・乙日ともに雨が降らなければ、民は耕作できない。底本の「己壬」は「己丑」の誤りとすべきである。
四月
一日風雨,米貴,麥惡,赤地千里;四月二日、三日有雨,其年五穀熟;四月四日至七日,當雨不雨,蟄蟲冬出,民自恣,不安其處;十一日至十四日,當雨不雨,歲惡;十八日,當雨不雨,大旱,冬溫;二十一日,當雨不雨,兵起東北千里;三十日,當雨不雨,有大風傷屋。四月四日雨,五穀貴;五日六日雨,宜旱麥;四日至七日風,大豆熟。四月晦日雨,至五月朔大飢,其年大水,麥惡,蝗生。
四月朔日に風が吹き雨が降れば、米の値が上がり、麦が悪く、赤地千里となる。四月初二・初三に雨があれば、その年は五穀が熟する。四月初四から初七まで降るべき雨が降らなければ、蟄伏する虫が冬にかえって這い出し、民は放恣でその処に安んじない。十一から十四まで降るべき雨が降らなければ、年成がとても悪い。十八に降るべき雨が降らなければ、大旱で冬がかえって温かい。二十一に降るべき雨が降らなければ、東北の千里の外で兵事が起こる。三十に降るべき雨が降らなければ、大風が家屋を損なう。四月初四に雨が降れば五穀が高く、初五・初六に雨が降れば旱地の麦によい。初四から初七まで風が吹けば大豆が熟する。四月の晦日に雨が降れば、五月朔には大きな飢饉となり、その年は大水があり、麦が悪く、蝗虫が発生する。
五月
一日風雨,米大貴,人食草木;一曰牛貴。五月四日至七日。當雨不雨。大旱,蟲生;十一日至十七日,當雨不雨,西方千里外,人疫病;二十日,當雨不雨,草木枯死;二十三日,當雨不雨,乳母多病;二十六日,當雨不雨,大旱,風,至秋九月多雨;二十九日三十日,當雨不雨,大暑熱。五月上辰日有雨,蝗蟲發;一曰:蟲隨雨下,食禾;巳日雨,同。五月晦日風雨,米貴,不則在其沖。
五月朔日に風が吹き雨が降れば、米の値が暴騰し、人々は草木で飢えをしのぐ。別の説では、牛の値が上がる。五月初四から初七まで降るべき雨が降らなければ、大旱で虫害が発生する。十一から十七まで降るべき雨が降らなければ、西方の千里の外で疫病が起こる。二十に降るべき雨が降らなければ、草木が枯死する。二十三に降るべき雨が降らなければ、乳母に病が多い。二十六に降るべき雨が降らなければ、大旱で風も吹き、秋の九月に雨が多くなる。二十九・三十に降るべき雨が降らなければ、酷い暑さとなる。五月上旬に辰日に雨があれば蝗虫が発生する。別の説では、虫が雨とともに降って禾苗を食う。巳日に雨が降れば、状況は同じである。五月の晦日に風雨があれば米の値が上がる。その月に応じなければ、それと相沖する月に応ずる。
六月
一日有風雨,米貴;六月三日、四日、六日,當雨不雨,角蟲多死;四日至二十日,當雨不雨,牛貴;二十日至二十二日,當雨不雨,下田水,人少食;二十三日至二十四日,當雨不雨,合凍;二十七日,當雨不雨,下田水,人飢。六月晦日風雨,來年春,穀貴。
六月朔日に風と雨があれば、米の値が上がる。六月初三・初四・初六に降るべき雨が降らなければ、角のある虫獣が多く死ぬ。初四から二十まで降るべき雨が降らなければ、牛の値が上がる。二十から二十二まで降るべき雨が降らなければ、低い田が水に浸かり、人々の食が少なくなる。二十三から二十四まで降るべき雨が降らなければ、気候が反常して凍結する。二十七に降るべき雨が降らなければ、低い田が水に浸かり、民が飢える。六月の晦日に風雨があれば、来年の春に穀物の値が上がる。
夏甲乙丙丁日俱無雨,人不耕;甲申至己壬日雨,麥貴;夏甲申日雨,米大貴;夏丙寅、丁卯日雨,秋穀貴一倍;夏三月內辰日雨,百蟲生;未日雨,蟲死;夏甲子、庚辰、辛巳日雨,蟲死,有雷亦然。
夏に甲・乙・丙・丁の諸日とも雨が降らなければ、人は耕作できない。甲申から己丑までの日に雨が降れば、麦の値が上がる。夏に甲申の日に雨が降れば、米の値が暴騰する。夏に丙寅・丁卯の日に雨が降れば、秋に穀物の値が一倍上がる。夏の三か月のうちに辰日に雨が降れば百虫が発生し、未日に雨が降れば虫が死ぬ。夏に甲子・庚辰・辛巳の日に雨が降れば虫が死ぬ。これらの日に雷が鳴っても効験は同じである。底本の「己壬」は「己丑」の誤りとすべきである。
七月
一日大風雨,米貴,人多疾疽者;一曰:來春穀貴;七月七日大雨,糴倍貴,小雨,糴大賤;七月二十二日,當雨不雨,有大水;二十三日、二十四日,當雨不雨,大風害物;二十五日,當雨不雨,兵起外國。七月晦日風雨,穀貴。
七月朔日に大風が吹き大雨が降れば、米の値が上がり、瘡疽の病を患う人が多い。別の説では、来春に穀物の値が上がる。七月初七に大雨が降れば、糴穀の値は倍に上がる。小雨だけなら糴穀は大いに安くなる。七月二十二に降るべき雨が降らなければ、大水がある。二十三・二十四に降るべき雨が降らなければ、大風が作物万物を害する。二十五に降るべき雨が降らなければ、外国で兵事が起こる。七月の晦日に風雨があれば、穀物の値が上がる。
八月
一日風雨,穀貴;其日陰雨,宜麥,布貴,麻子大貴,占至三日而止;其日睛無雲,麥不實。八月一日,當雨不雨,有大雷風;二日至五日,當雨不雨,秋大霜,民病;八日至十五日,當雨不雨,多大寒;十九日,當雨不雨,民多妖言;二十一日,當雨不雨,牛貴二倍;二十六日,當雨不雨,冬多大雷;八月九日,有雨,牛貴一倍。
八月朔日に風が吹き雨が降れば、穀物の値が上がる。その日が陰雨なら麦に適し、布の値が上がり、麻の実の値が暴騰する。この占いは初三までを推し量る。その日が晴れて雲がなければ、麦は実りが充実しない。八月朔日に降るべき雨が降らなければ、大きな雷と風がある。初二から初五まで降るべき雨が降らなければ、秋に大きな霜が降り、民は病む。初八から十五まで降るべき雨が降らなければ、厳寒が多い。十九に降るべき雨が降らなければ、民間に妖しい流言が多い。二十一に降るべき雨が降らなければ、牛の値が二倍上がる。二十六に降るべき雨が降らなければ、冬に大きな雷が多い。八月初九に雨があれば、牛の値が一倍上がる。
八月晦日風雨,來年有水、有旱。京房曰:“八月晦日昏而雨,繒帛貴;人定時雨,貴人賤,賤人貴;夜半雨,米貴,嬰兒多損;雞鳴雨,兵起;一曰:夜半雨,雨所建,寇賊起;雞鳴雨,兵事急,民徙其鄉。”
八月の晦日に風雨があれば、来年は水患もあれば旱もある。前漢の占候家・京房はいう。八月晦日の黄昏どきに雨が降れば、絹織物の「繒帛」の値が上がる。「人定」(夜九時から十一時ごろ、人々が休む時刻)に雨が降れば、貴い人が賤しくなり、賤しい人が貴くなる。「夜半」(夜十一時から翌午前一時ごろ)に雨が降れば、米の値が上がり、嬰児の夭亡が多い。「鶏鳴」(午前一時から三時ごろ)に雨が降れば、戦事が起こる。別の説では、夜半に雨が降り、雨がその月の斗柄の指す方に建てば、その方に寇賊が起こる。鶏鳴に雨が降れば、兵事が急を告げ、民は郷里を移って避難する。
九月
一日雨,麻子貴十倍;二日雨,貴五倍;一曰:九月一日風雨,來年春旱、夏水。九月一日,當雨不雨,霜早降,殺物,人棄妻子;十二日,當雨不雨,民多死;二十日,當雨不雨,天下有恐。九月晦日有風雨,有水,歲惡。
九月朔日に雨が降れば、麻の実の値は平時の十倍に上がる。初二に雨が降れば五倍に上がる。別の説では、九月朔日に風雨があれば、来年の春は旱し、夏は水が多い。九月朔日に降るべき雨が降らなければ、霜が早く降りて作物草木を凍死させ、民は妻子を捨てるほど困窮する。十二に降るべき雨が降らなければ、民に死が多い。二十に降るべき雨が降らなければ、天下に恐るべき事がある。九月の晦日に風雨があれば、その年に水患があり、年成が悪い。
十月
一日有風雨,年內旱,來年夏多水,麻子貴;一曰:其歲惡;一曰:十月一日大雨,米大貴,小雨,小貴;十月二日雨,麻子貴五倍;十月三日,當雨不雨,兵起西北方;七日至十日,當雨不雨,江河決,水逆流;十三日至十五日,當雨不雨,多大風,寒;十九日,當雨不雨,小兒病;二十五日,當雨不雨,冬溫無水,連年疾病。十月晦日風雨,穀貴五倍,人多死。
十月朔日に風雨があれば、その年のうちに旱があり、来年の夏に水が多く、麻の実の値が上がる。別の説では、その年の年成が悪い。また別の説では、十月朔日に大雨が降れば米の値が大きく上がり、小雨なら小さく上がる。十月初二に雨が降れば、麻の実の値は五倍に上がる。十月初三に降るべき雨が降らなければ、西北の方に兵事が起こる。初七から初十まで降るべき雨が降らなければ、江河が決壊し、水が逆流する。十三から十五まで降るべき雨が降らなければ、大風が多く起こり、気候は厳寒となる。十九に降るべき雨が降らなければ、小児に病が多い。二十五に降るべき雨が降らなければ、その冬は温かく水が少なく、連年疫病がある。十月の晦日に風雨があれば、穀物の値は五倍に上がり、民の死が多い。
十一月
一日風雨,人多死;十一月四日,當雨不雨,大旱;八日至十一日,當雨不雨,乳母多死;十六日,當雨不雨,民多死亡,貧者富,富者貧。十一月晦日風雨,春旱,穀貴五倍。京房曰:“十一月雨,水橫流,天下飢。”又曰:”冬大雨水,君死國亡。”
十一月朔日に風雨があれば、民の死が多い。十一月初四に降るべき雨が降らなければ、大旱がある。初八から十一まで降るべき雨が降らなければ、乳を与える婦人の死が多い。十六に降るべき雨が降らなければ、民の死亡が多く、貧者は富み、富者は貧しくなって貧富が入れ替わる。十一月の晦日に風雨があれば、来春は旱し、穀物の値は五倍に上がる。京房はいう。「十一月に雨が降れば、大水が横流し、天下に飢饉が起こる。」またいう。「冬に大雨が降って水害となれば、国君が死に社稷が亡びる兆しである。」
十二月
一日風雨,來年春旱,夏多雨,穀貴;二日、四日至六日,當雨不雨,大旱;九日至十三日,當雨不雨,多大霧;二十日,當雨不雨,有角蟲為賊;二十七日,當雨不雨,有大風雷。十二月晦日風雨,春旱。
十二月朔日に風雨があれば、来年の春は旱し、夏に雨が多く、穀物の値が上がる。初二および初四から初六まで降るべき雨が降らなければ、大旱がある。初九から十三まで降るべき雨が降らなければ、大霧が多い。二十に降るべき雨が降らなければ、角のある虫豸が災いをなして稼を害する。二十七に降るべき雨が降らなければ、大風と雷がある。十二月の晦日に風雨があれば、来春は旱する。
冬壬寅、癸卯日雨,春谷大貴;甲申至己丑日雨,米大貴;庚寅至癸巳日風雨,米賤,收穀者折閱。
冬に壬寅・癸卯の両日に雨が降れば、来春に穀物の値が大きく上がる。甲申から己丑までの日に雨が降れば、米の値が大きく上がる。庚寅から癸巳までの日に風雨があれば、米の値は安くなり、穀物を買い溜めする者は損をする(「折閲」は値を下げて元本を欠く意)。
