填星が三台を犯す 五十一
《玉曆》曰:“填星入犯上臺,司命近臣有罪,若有誅;一曰近臣有逃走者。以五色:黃、白,無咎;青、黑,憂、死喪,期一年。”巫咸曰:“填星犯守下臺,司祿近臣有罪,若出走;色黑者死。”
《玉暦》にいう、土星が入って三台の中の「上台」を犯すのは、司命の職の近臣が罪を得て、さらには誅される兆しである。もう一つの説には、近臣の中に逃亡する者がある。土星の五色によって分かち辨えるべきである。黄色・白色を呈するのは、災禍がない。青色・黒色を呈するのは、憂患と死喪を主り、応期は一年である。巫咸はいう、土星が「下台」を犯しその上に留まるのは、司禄の職の近臣が罪を得るか、あるいは外に出逃する兆しである。土星の色が黒く発するのは、その人が死ぬ。
填星が相星を犯す 五十二
石氏曰:“填星犯相星,輔臣凶。”
石氏はいう、土星が「相星」を犯すのは、輔政の大臣に凶険がある兆しである。相星はただ一つで、北斗の南に位し、もっぱら宰輔の位を主る。土星がこの星に逼り犯すので、凶咎はそのまま当朝の宰相の身に落ちる。
填星が太陽守を犯す 五十三
甘氏曰:“填星守犯太陽守,大臣戮死;若有誅,期不出年。”
甘徳はいう、土星が「太陽守」星に留まりかつ犯すのは、大臣が処刑されるか、あるいは誅戮に遭う兆しで、応期はその年を出ない。太陽守は北斗魁の傍にあり、大臣と将軍の守御の職を主る。この星が土星に据えられるので、重臣の生死に応じるのである。
填星が天牢を犯す 五十四
《海中占》曰:“填星犯天牢,王者以獄為弊;貴人多有擊者。”
《海中占》にいう、土星が「天牢」星を犯すのは、君王が刑獄の事に困らされて弊政を生じる兆しである。貴人の中には拘捕され拷掠される者が多い。天牢の六星は北斗魁の下にあり、貴人を収繫する牢獄を主るので、それが犯を受ければもっぱら囚禁の事に応じる。
填星が文昌を犯す 五十五
石氏曰:“填星入文昌,天下兵起,其臣不安,若有走主。”《荊州占》曰:“填星入文昌,國安。”
石氏はいう、土星が「文昌」六星に入るのは、天下に兵が興り、臣子が安寧を得られず、あるいは君主を背き捨てて出逃する者がある兆しである。《荊州占》にいう、土星が文昌に入るのは、国家が安定する兆しである。文昌は文治と六府の職を主る。二家の占辞は吉凶が相反するので、まさに星色の明晦と行度の遅速を参看して定奪すべきである。
填星が北斗を犯す 五十六
郗萌曰:“填星入守北斗中,貴人擊。”
郗萌はいう、土星が「北斗」魁の中に入り留まるのは、貴人が拘捕・撃辱を受ける兆しである。北斗は天帝の車駕で、中央に運して四方を臨制し、号令の出づる所である。土星が久しくその中を占めるので、顕貴の人が真っ先にその冲に当たるのである。
填星が紫宮を犯す 五十七
巫咸曰:“填星守紫宮,民莫處其室宅,流移亡其鄉。”又占曰:“填星入紫宮,王者益地,一天下有喜;一曰主敬妃后。”又占曰:“填星入紫宮中,若守之,女主用事,誅大臣;期六十日,有赦。”
巫咸はいう、土星が「紫宮」の内に留まるのは、百姓が自分の屋舎に安居することができず、流離・迁徙して故郷を失う兆しである。別の占辞にいう、土星が紫宮に入るのは、君王が疆土を増広し、天下がともに喜びを得る兆しである。もう一説には君主が妃后を格別に敬重する。さらに別の占辞にいう、土星が紫宮の中に入るか、あるいはその間に留まるのは、女主が権を当て事を用い、大臣を誅殺する兆しで、応期は六十日、期が至れば赦令がある。紫宮は天帝の居処なので、一つの星がその中に入れば、吉凶はいずれも至尊に関わるのである。
填星が北極を犯す 五十八
《甄曜度》:“填星乘守中犯北極主星,有大喪;若犯妃后星,女主有殃;一曰大人當之。”《黃帝占》曰:“填星犯守鉤陳,後宮亂,兵起宮中,倖臣王者憂。”
《甄曜度》にいう、土星が凌圧・停留し正面から「北極」の主星を冲犯するのは、大喪を主る。もし犯したのがその中の妃后星ならば、女主が殃に遭う兆しである。もう一つの説には、災いは君主本人が当たる。《黄帝占》にいう、土星が「鉤陳」を犯しその上に留まるのは、後宮が淫乱し、兵変が宮禁の中から起こり、寵幸の臣がその中から事を生じ、君王がこれに憂える兆しである。
填星が天一を犯す 五十九
石氏曰:“填星犯天一,倖臣有謀;有兵起,人主憂。”
石氏はいう、土星が「天一」星を犯すのは、寵幸を受ける近臣が暗に図謀する兆しである。兵事が興起し、君主がこれに憂える。天一星は紫宮門の外にあり、天帝の神主で、戦闘を主り、人の吉凶を知ることができる。この星が犯されるので、近幸の変と干戈の驟起に応じるのである。
填星が太一を犯す 六十
石氏曰:“填星守太一,倖臣有謀;兵起,人主憂。”
石氏はいう、土星が「太一」星に留まるのは、寵幸を受ける近臣が別に図謀を持つ兆しである。兵事が興起し、君主がこれに憂心する。太一は天一と並んで紫宮門の外に列なり、天帝の別名の神で、十六神を役使し風雨・水旱を知ることができることを主る。土星が久しくその上に踞れば、君側の患と兵革の憂いがあわせて現れるのである。
開元占経 巻四十四
填星占 七
填星が石氏外官を犯す 一
填星が庫楼を犯す 一
郗萌曰:“填星入庫樓,兵出。”又占曰:“填星入天庫,以舉兵,大吉。”
郗萌はいう、土星が「庫楼」諸星に入るのは、軍隊が出動する兆しである。別の占辞にいう、土星が「天庫」に入り、この時に兵を興すのは大いに吉利である。庫楼の十星は角宿の南にあり、兵車と武庫の象である。土星がその中に入って吉を占めるのは、まさに土星が徳を主り、厚重を主る本性に合い、出兵に備えあれば師出に功があるのである。
填星が南門を犯す 二
石氏曰:“填星犯守南門,邊兵起;若道路不通。”
石氏はいう、土星が「南門」二星を犯しその上に留まるのは、辺境に兵が興るか、あるいは道路が阻塞して通じない兆しである。南門は庫楼の南にあり、天上の外門で、辺を守る関口の象である。この門が犯されるので、辺警と道路の断絶に応じる。
填星が平星を犯す 三
石氏曰:“填星犯平星,凶。”甘氏曰:“填星犯平星,執政臣憂;若有罪,誅者期一年。”
石氏はいう、土星が「平星」を犯すのは、凶を主る。甘徳はいう、土星が平星を犯すのは、朝政を執掌する大臣に憂患があるか、あるいは罪を得て、誅殺される応期は一年である。平星の二星は庫楼の北にあり、刑法の平允を司る官を主る。この星が犯を受けるので、災いの応は権を当て法を持つ人の身に帰する。
填星が騎官を犯す 四
甘氏曰:“填星犯守騎官,有兵起,馬多發;若多死。”
甘徳はいう、土星が「騎官」諸星を犯しその上に留まるのは、兵事が興起し、馬匹を大々的に徴発するか、あるいは馬匹が大量に死亡する兆しである。騎官の二十七星は氐宿の南に列なり、天子の騎兵禁衛の象なので、この象の応じる所はすべて戎馬の事に尽きる。
積卒を犯す 五
石氏曰:“填星入積卒,若守之,兵大起,士卒大行;若多死,期二年。”
石氏はいう、土星が「積卒」星区に入るか、あるいはその上に留まるのは、兵禍が大いに起こり、士卒が大挙して出発するか、あるいは死者が多数となる兆しで、応期は二年である。積卒の十二星は房宿の南にあり、兵卒を屯聚する象である。土星がこれに臨めば、征役と死傷が相次いで来る。
填星が亀星を犯す 六
《海中占》曰:“填星犯守龜星,天下有水旱之災;守陽,則旱;守陰,則水。”
《海中占》にいう、土星が「亀星」を犯しその上に留まるのは、天下に水旱の災がある兆しである。亀星の南側の陽位に留まれば旱魃を主り、北側の陰位に留まれば水を主る。亀はもともと卜筮で神に通ずる物であり、その星は尾宿の南にあるので、この星の占う所はまさに天時の水旱の両端に落ちる。
填星が傅説を犯す 七
石氏曰:“填星犯守傅說,王者宗廟廢五祀,後宮凶;一曰有絕嗣君,期不出二年。”
石氏はいう、土星が「傅説」星を犯しその上に留まるのは、君王の宗廟が荒廃し五祀が修められず、後宮に凶事がある兆しである。もう一つの説には、子嗣を絶つ君主が現れ、応期は二年を出ない。傅説はもともと殷の高宗武丁が得た賢相で、伝える所では死後に身を星に託して尾宿に附したという。この星は後嗣と祭祀を主るので、その変異は宗廟と継嗣に応じるのである。
填星が魚星を犯す 八
石氏曰:“填星犯守魚星,凶。”甘氏曰:“填星守魚星之陽,為人旱,魚行人道;守陰,為大水,魚鹽貴。”
石氏はいう、土星が「魚星」を犯しその上に留まるのは、凶を主る。甘徳はいう、土星が魚星の南側の陽位に留まるのは、人間に大旱魃があり、水が涸れて魚が人の行く道路にまで泳ぎ上がるほどになる兆しである。北側の陰位に留まるのは、大水が発し、魚と塩の値が騰貴する兆しである。魚星は尾宿の後ろ、天河の中にあり、水族の象なので、もっぱら水旱を主る。
填星が杵星を犯す 九
《荊州占》曰:“填星入杵星,若守之,天下有急發米之事,不出其年。”
《荊州占》にいう、土星が「杵星」に入るか、あるいはその上に留まるのは、天下に米糧を緊急に調達・割り振る事があり、応験はその年を出ない。杵は臼と対になり、糧を舂く器具の象である。この星に変があれば、倉儲の食糧の急調に応じるのである。
填星が鼈星を犯す 十
《黃帝占》曰:“填星守鱉星,為有白衣之會。”巫咸曰:“填星守鱉星,國有水旱之災;守陽,則旱;守陰,則水。”
《黄帝占》にいう、土星が「鼈星」に留まるのは、「白衣の会」がある、すなわち丧事を執り行う兆しである。巫咸はいう、土星が鼈星に留まるのは、国の中に水旱の災がある。南側の陽位に留まれば旱魃を主り、北側の陰位に留まれば水を主る。鼈星は南斗の南にあり、亀星と同じく介甲の水族に属するので、その占辞もまた水・旱の二途に分かれる。
填星が九坎を犯す 十一
石氏曰:“填星守九坎,天下旱,河水不流,五穀不登,人民大飢;一曰之陽大旱,之陰有水。”
石氏はいう、土星が「九坎」諸星に留まるのは、天下に大旱魃があり、河水が断流し、五穀が歉収し、百姓が大いに飢える兆しである。もう一つの説には、土星が九坎の陽位に行けば大旱魃を主り、陰位に行けば水災を主る。九坎は牛宿の南にあり、溝渠に水を蓄える象で、坎は八卦の中でまさに水である。この星が土星に守られるのは、ちょうど水土が相制し旱澇が調を失する徴兆である。
填星が敗臼を犯す 十二
郗萌曰:“填星守敗臼,民不安其室,憂失其釜甑;若流移去其鄉。”
郗萌はいう、土星が「敗臼」星に留まるのは、百姓が自分の屋室に安居できず、鍋・釜・甑・甗といった炊具を失うことを愁え、さらには流離・迁徙して故郷を離れる兆しである。臼は米を舂く器具で、臼がすでに破敗すれば炊爨の事は論ずるところがない。ゆえにこの象はまっすぐ民生の飢困と流亡を指すのである。
填星が羽林を犯す 十三
郗萌曰:“填星入羽林,為叛臣中兵也。”《海中占》曰:“填星入守羽林,有兵起;若逆行變色,成勾巳,天下大兵,關梁不通,不出其年。”石氏曰:“填星人天軍,以喪兵起。”郗萌曰:“填星犯守天軍,為兵起,有破軍死將。”
郗萌はいう、土星が「羽林」諸星に入るのは、叛臣が禁軍の中で乱を作す兆しである。《海中占》にいう、土星が羽林に入り留まるのは、兵事が興起する兆しである。もしそれが逆行ししかも色を変え、行跡が屈曲して盤繞して「勾巳」の形を成すならば、天下に大いに干戈が動き、関隘・橋梁が阻まれて通じず、応験はその年を出ない。石氏はいう、土星が「天軍」に入るのは、丧事によって兵が起こる兆しである。郗萌はいう、土星が天軍を犯しその上に留まるのは、兵禍が興起し、軍隊の潰敗・将領の戦死がある兆しである。羽林の四十五星は営室の南にあり、天子の禁衛たる羽林軍の象なので、その変異は必ず兵事に応じる。
填星が北落師門を犯す 十四
石氏曰:“填星守北落師門,為兵起。”又占曰:“填星與北落師門相貫牴觸,光芒相及,有兵大戰,破軍殺將,伏尸流血,不可當也;期百八十日,若一年。”
石氏はいう、土星が「北落師門」に留まるのは、兵事が興起する兆しである。別の占辞にいう、土星と北落師門が互いに貫き抵触し、光芒が交じり触れ合うのは、大戦があり、軍隊が潰敗し将領が殺され、あたり一面に横死体が遍らず血流が河を成し、来勢は鋭く当たるべからずを主る。応期は百八十日、あるいは一年である。北落師門は天軍の営塁の大門で、この門が犯されれば、兵象もまた最も凶烈となる。
填星が土司空を犯す 十五
《海中占》曰:“填星守土司空,其國以土起兵;若有土功之事,天下旱。”
《海中占》にいう、土星が「土司空」星に留まるのは、その分野の国が土地を争って兵を起こすか、あるいは土木の工役を興し、天下がこれに伴って乾旱する兆しである。土司空は邦土と営造を掌り、土星自体もまた土功を主る。二者は同気相求なので、築作と旱情に応じるのである。
填星が天倉を犯す 十六
《黃帝占》:“填星入天倉戶中,主財寶出;君憂臣在內;天下有兵,而倉庫之戶俱開;主人勝,客事不成;期二十日中而發。”《荊州占》曰:“填星守天倉,天下飢粟出。”
《黄帝占》にいう、土星が「天倉」の倉門の中に入るのは、財貨・宝物が外流する兆しである。君主が憂え、臣下が内で権を当てる。天下に兵事があり、倉と庫の門戸がいっしょに開く。主方が勝ちを取り、客方は事を謀って成らず、応期は二十日以内に発動する。《荊州占》にいう、土星が天倉に留まるのは、天下に飢饉が起こり、倉を開いて糧を放つほかない兆しである。天倉の六星は婁宿の南にあり、穀を貯える所である。土星がこれに臨むので、倉廪の盈虚・出納に応じるのである。
填星が天囷を犯す 十七
石氏曰:“填星入天囷,天下兵起,囷倉儲積之物皆發用;一曰御物多有出者,庫倉空;期二年。”
石氏はいう、土星が「天囷」に入るのは、天下に兵が興り、囷倉に貯え蓄積した物資がすべて調発され使用される兆しである。もう一つの説には、御用に供する物品に流出が多く、府庫・倉廪がこれによって一空となる。応期は二年である。天囷の十三星は胃宿の南にあり、円形の穀倉の象で、天倉と同類で分かち主るので、この象もまた貯積の耗散に応じる。
填星が天廩を犯す 十八
石氏曰:“填星守天廩,天下大亂。”又占曰:“填星入守天廩,天下有兵,歲大飢,倉粟散;不出其年。”又占曰:“填星犯守天廩,天下亂,粟散,不出年。”
石氏はいう、土星が「天廩」に留まるのは、天下が大いに乱れる兆しである。別の占辞にいう、土星が天廩に入り留まるのは、天下に兵があり、年成が大飢饉で、倉中の粟米が散発されて一空となる兆しである。応験はその年を出ない。さらに別の占辞にいう、土星が天廩を犯し留まるのは、天下が大いに乱れ、粟米が散じ尽くし、その年を出ずして分かる。天廩の四星は昴宿の南にあり、御糧を蓄積することを主る。ひとたび土星に久しく踞られれば、貯糧は留まっていられないのである。
填星が天苑を犯す 十九
石氏曰:“填星入守天苑,牛羊禽獸多疾疫;若守之二十日,天下兵起,馬多死,其國憂。”
石氏はいう、土星が「天苑」に入り留まるのは、牛羊と禽獣に疫病が多く染まる兆しである。もし留まること満二十日ならば、天下に兵が興り、馬匹が大量に死亡し、その分野の国に憂患がある。天苑の十六星は昴宿・畢宿の南にあり、犠牲と馬牛を畜養する苑囿の象なので、それが犯を受ければもっぱら六畜の疾疫・死傷に応じる。
填星が参旗を犯す 二十
《海中占》曰:“填星守參旗,兵大起,弓弩用,士將出行;一曰弓矢貴。”
《海中占》にいう、土星が「参旗」諸星に留まるのは、兵禍が大いに起こり、弓弩が用に上がり、士卒と将領が外に出征する兆しである。もう一つの説には、弓と箭の値が騰貴する。参旗の九星は参宿の西にあり、またの名を天旗・天弓といい、弓弩の用を主るので、その変異はすべて軍械と征伐に応じる。
填星が玉井を犯す 二十一
《黃帝占》曰:“填星入玉井,強國失地,其出之,強國得地。”巫咸曰:“填星入玉井,國有水憂;若以水為敗,水物不成,期不出年。”
《黄帝占》にいう、土星が「玉井」に入るのは、強国が土地を失う兆しである。土星が玉井から出るのは、強国が土地を得る兆しである。巫咸はいう、土星が玉井に入るのは、国の中に水患の憂いがあるか、あるいは水によって敗亡に至り、水中に産する物が成熟せず、応期はその年を出ない。玉井の四星は参宿の左足の下にあり、水を取る井の象徴なので、この象は兼ねて疆土の得失と水事の成敗を主る。
填星が屏星を犯す 二十二
甘氏曰:“填星入屏,諸侯有謀,若大臣有戰死者;一為疫。”
甘徳はいう、土星が「屏星」に入るのは、諸侯が図謀を抱くか、あるいは大臣に戦場で戦死する人がある兆しである。もう一つの説には瘟疫が発生する。ここの屏星は玉井の南にあり、太微垣の中の屏星と同名で位置を異にし、遮蔽・掩蔵の象を取る。土星がその中に入るので、陰謀が隠れて彰らず、疫気が暗に流行する応があるのである。
填星が厠星を犯す 二十三
《黃帝占》曰:“填星守天廁,為大臣有戮。”
《黄帝占》にいう、土星が「天厠」星に留まるのは、大臣が誅戮を受ける兆しである。天厠の四星は屏星の東にあり、もともと穢悪の所である。尊貴の官と汚下の星が相值するのは、まさに大臣が羞を蒙り戮を受ける徴象である。
填星が軍市を犯す 二十四
石氏曰:“填星入守軍市,兵大起,將軍出;若以飢兵起。”
石氏はいう、土星が「軍市」に入り留まるのは、兵禍が大いに起こり、将軍が出征するか、あるいは飢饉によって兵乱を激起する兆しである。軍市の十三星は参宿の東南にあり、軍中で互市・貿易する所である。この星に変があれば、軍需と糧秣がこれに伴って動揺する。
填星が野鶏を犯す 二十五
甘氏曰:“填星入軍市,犯守野雞,其國凶;必有死將,軍營敗,兵士散走。”
甘徳はいう、土星が軍市に入り、またその中の「野鶏」星を犯して留まるのは、その分野の国に凶事がある兆しである。必ず将領の戦死があり、軍営が潰敗し、士兵が四散して奔逃する。野鶏の一星は軍市の中に居り、軍中に畜われる禽で、もともと変怪を主るので、それが犯を受ける応験は格別に惨烈である。
填星が狼星を犯す 二十六
石氏曰:“填星守狼星,野獸死。”《荊州占》曰:“填星守犯狼星,大將出行,其國有兵;一曰有死將。”
石氏はいう、土星が「狼星」に留まるのは、野獣に死亡が多い兆しである。《荊州占》にいう、土星が狼星に留まりかつ犯すのは、大将が出征し、その分野の国に兵事がある兆しである。もう一つの説には将領の戦死がある。狼星の一つは東井の東南にあり、色は白く芒角があり、侵掠を主る将星なので、この象は兼ねて田猟と征戦に応じる。
填星が甘氏中官を犯す 二
填星が四輔を犯す 一
《荊州占》曰:“填星犯乘守四輔星;君臣失禮,輔臣有誅者。”
《荊州占》にいう、土星が「四輔」星を侵犯・凌圧しその上に留まるのは、君臣の間で礼数を失い、輔政の臣に誅される人がある兆しである。四輔の四星は北極を挟み輔け、股肱の大臣が至尊を拱衛する象を成す。この星が犯されれば、君臣の間の分際もまたこれに伴って敗壊する。
填星が酒旗を犯す 二
《荊州占》曰:“填星守酒族,天下大酺,有酒肉財物賜若爵宗室。”
《荊州占》にいう、土星が「酒旗」星(原文は「酒族」と作る)に留まるのは、天下に大いに酺宴を開き聚飲し、朝廷が酒肉・財物を賞賜するか、あるいは宗室に爵位を加封する兆しである。酒旗の三星は軒轅右角の南にあり、宴饗・酒食の礼を主る。土星が久しくその上に踞るので、普天の歓宴・宗親への賞賚の応があるのである。
填星が天高を犯す 三
《荊州占》曰:“填星守天高,有大赦。”
《荊州占》にいう、土星が「天高」星に留まるのは、朝廷が大赦を頒行する兆しである。天高の四星は畢宿の北にあり、台観・楼榭の象で、君王が登臨して遠望する所である。土星がここに停駐するのは、まさに寛厚の徳が下に万民に及ぶので、赦宥を主るのである。
填星が天潢を犯す 四
《黃帝占》曰:“填星入天潢,兵起;運道不能。”《黃帝占》曰:“填星入天潢,為天下大亂;一曰貴人死。”巫咸曰:“填星出入天潢中,大亂、大旱,民死不葬,改世易主;以所入占四方中央。”郗萌曰:“填星失度,留潢中,為人主以水為害,若以井為害,以入日占其國。”《黃帝占》曰:“填星中犯乘守天潢,期二十日,兵起。”
《黄帝占》にいう、土星が「天潢」に入るのは、兵事が興起する兆しである。漕運の水路は通行できない。《黄帝占》はまたいう、土星が天潢に入るのは、天下が大いに乱れる兆しである。もう一説には貴人が死亡する。巫咸はいう、土星が天潢の中を出入り往来するのは、大乱・大旱を主り、百姓が死して葬り収める者なく、改朝・换代して君主が姓を易える。どこに応じるかは、それが入った方位に按じて東西南北と中央を分けて占う。郗萌はいう、土星の運行が常度を失い、天潢の中に滞留するのは、君主が水によって害を受けるか、あるいは井によって害を受ける兆しで、それが入った日に按じてどの国かを推占する。《黄帝占》にいう、土星が正面から冲犯・凌圧して天潢に留まるのは、応期は二十日で、期が至れば兵が起こる。天潢の五星は五車の中にあり、渡口・舟梁の象なので、この星の変は兼ねて水事と漕運を主る。
